午後一時三十分
「ゆゆこ様、私の為に死んでください――」
そう言って妖夢は自らが主、西行寺幽々子に切りかかった。
午前十時
今日もゆゆこはいつも通り菓子を食べながら縁側で日向ぼっこをしていた。
「ゆゆこ様ー、そんなに食べるとまたすぐ無くなっちゃいますよー?」
台所から聞こえる声の持ち主の名は魂魄妖夢、西行寺家に使える庭師の少女である。
彼女は普段から大人しげで品行方正、その上剣の達人であり文句なしの秀才だ。
その言葉に庭の縁側から帰ってくる言葉がある。
「何よー、育ち盛りなんだからいっぱい食べたって文句はないでしょー?あ、妖夢おかわりー」
はいはい、といいながら少女、妖夢は棚から菓子を取ろうとし――「あ、ゆゆこ様。菓子の予備が無くなったので人里に買いに行ってきます」
と、ため息をつきながら玄関へ向かった。
「えー!?それじゃあ帰ってくるまで私は何を食べていればいいのよー!!」
声が広い館に響き渡る。
「我慢して下さい。あ、戸棚に鮎の干物が置いてありますよ。では私はちょっと買い物に行ってきます」
そういうと少女は靴を履き替えて館を出て行った。
「もう、妖夢ったら最近ますます厳しくなっちゃって……ますます妖忌に似てきたわね」
そう呟くとゆゆこは縁側に横たわり寝息を立てた。
午前十一時
「すみませーん、いつもの下さーい」
人里の菓子売りの前で白髪で剣を二本携えたひと際浮き立つ少女、魂魄妖夢が誰もいない菓子屋の奥に向かって呼びかけていた。
すると店の中から大柄な男が一人出てきて少女の顔を見ると笑顔でこう言った。
「おう、いつもの嬢ちゃんか!久しぶりだなおい!今日も丹精込めて作った茶菓子だぜ?沢山食って沢山太れ!」
ゴツイ顔に無精髭を生やした熊のような顔をした男は笑いながら太い腕で菓子を箱に詰めていく。
この店主、どうみても菓子職人というよりは山賊のが似合いそうだなぁ、まあ嫌いじゃないんだけど。そう思いながら少女は言葉を口にする。
「いや、いつも言ってますが食べるのは私じゃなくて……」
苦笑いする少女に男は笑いながら菓子が入ったともう一つ箱を手渡し
「遠慮するな、ほら御得様の嬢ちゃんにはサービスだ!」
そういうと男は笑いながら店の奥へと戻って行った。
「あ、ありがとうございます!――お礼、聞こえたかな……」
少女は男が見えなくなると妖夢は来た道を帰りながら「久しぶりだし妖怪の山の神社に参拝しにいってみようかな」と呟いた。
すると向こうから歩いてくる人物がいる。妖夢のよく知る人物だ、その紅白のシルエットの持ち主――
「あ、霊夢さんこんにちは」
霊夢と呼ばれた少女、博麗霊夢は妖夢の挨拶に対しぶっきらぼうな態度で答える。
「あら妖夢じゃない、お使い?」
「はい、ゆゆこ様の……その…」
霊夢は目の前の躊躇っている少女を見て呆れながらフォローした。
「ああ、言わなくてもいいわよ大体解るから。それよりあんたこれから用事ある?」
「いえ、最近久しぶりにここまで来たので山の神社にでも参拝に行こうかと」
そういうと霊夢は一瞬表情を崩した後また笑顔に戻り
「ウチの神社じゃなくて山の神社ねぇ?」――と呟く。
「えっいやそういうわけでなく!?いや、その」
「冗談よ、私も山に用事があってね。一緒にいかないかしら?」
この時妖夢は何か悪寒にも似た違和感を感じていた。しかし違和感の正体が掴めないままに
「ええ、いいですよ一緒に行きましょう」
この言葉を聞き霊夢はさっきより笑みを強くし手を差し伸べた。
「あんたと二人で行動するのは始めてね、よろしく」
妖夢はその差しのべられた手を握り返しながら会釈する
「いえこちらこそ」
そして二人は山へと足を運んで行った。この時妖夢は気づくべきだったのだ、違和感の正体と霊夢の挙動不審に。しかし妖夢は違和感より悪寒が勝り、
結果強いものと一緒のほうが安全と考え「霊夢」と共に行動をしてしまったのだ。そう、もうこの時すでに妖夢の命は手遅れとなっていたのだ。
転載でもパクリでもないれっきとしたオリジナルだがさっきからお前なんなん?ソースもって出直してきな
>>4
荒らしが湧いたのであげ直しました。スンマセンorz……
荒らしだと思っても黙っていればいいのにw
「創想話が初出の作品である事」
ってところですね。初出の定義によっては規約違反と言えないこともないのかなぁ……
けど、それを判断するのは管理人さんですから。作者様も読者も無駄な喧嘩はしなくていいと思いますよ。
後やっぱりあげなおしは余り好かれないということも覚えておいた方がいいですよ。前にコメントをしてくれた人がコメントが消えてしまっていい気分にならないから。