※ギャグも百合っぽいのも無いです。民話的な感じでゆっくり見ていって下さい。
山麓を少女が足早に進んでいる。
白い遍路服に身を包み、杖を付き何やら呟きながら山道をただひたすらに歩いていた。
山裾に延々と伸びる細い参道を、少女は一人慣れない足取りで進む。
早朝に里を出発してから、早くも何時間かが過ぎている。暗くなる前に山の神社にたどり着けるかどうかは、なんとも微妙なところだった。
「ぎゃ~て~ぎゃ~て~は~ら~ぎゃ~て~……」
深い笠から覗く少女の口元から、まじないの歌がとぎれることなく紡がれていく。
(ここは、やっぱり巫女様にお願ぇして、なんとかいい案を頂くしかねぇんでねが?)
(桜子のおとんの具合が良ぐなるまで、何とか待っていだだけねぇだろうかの?)
ひたすら歩き続ける少女の脳裏に、里での話し合いの声がこだましていた。座の仲間達の間で、飽くことなく続けられた談合の声だった。
人里にある、実家の花屋から少し離れた場所に、近所の数件の「座」で管理する小さな祠がある。
その祠に祭る山の神社の御札を、一年に一度交換しなければならない決まり事があるのだが、それには誰か代表の者が直接山の神社まで参拝し、古い札と取り替えてこなければならなかった。
祠の御札の交換は、毎年神社で占ってもらった順番で均等に回ってくるのだが、それが今年は花屋の番なのだ。
「いんや、お参拝の順番は絶対だ。覆す事はでぎね」
「しかしよ、桜子はまだ11歳の子供でねぇか。大人ならいざ知らず、子供に守矢様の神社までの道はとぉても無理だべや」
「先生よぉ。何かいい考えはねえもんかね?」
六畳ほどの小さな集会所に集まった面々が、上座の女性に縋るような視線を送る。
「ふぅぅむ」
里を守護する半獣の女性が、重苦しいため息を付いた。
彼女は体に芯が通ったような、美しい正座の姿勢を崩さないが、腕を組んだその口元は歪んでいる。
「参拝の手順を覆す事はできない。これは絶対だ」
「…………」
「また、順番の回ってきた家の者以外の参拝は認められていない。これも『掟』だ」
「んでもよぅ……」
少女の叔父に当たる木こりの男が身を乗り出す。
「んむ……困ったな」
守護者は顔見知りの守矢の一柱の頑固な表情を思い浮かべた。大きいほうでは無い。小さいほうだ。
普段はあどけないが、こういう決まり事に関しては、ことさら頑固で厳しい事を彼女は知っている。
恐らく相談しても取り合ってはもらえないだろう。
「お、オレが変わりに行くことはできねぇだろうかの?」
桜子の叔父が何度目かの同じ提案を繰返す。
駄目と分かっていても、他にコレと言った手段は無かった。桜子の父親は流行り病に臥せっているのだ。
「花屋は……行けないか?」
「無理だぁ」
筆屋のオヤジが渋い表情で手を振る。
「あんの調子だば、命に別状はねぇども、とても歩ける状態じゃねぇ」
「ウイルス性だったな……」
「へえ、人に伝染る類のもんだで、いま永琳先生さのお屋敷から出るわけにはとてもいがね……」
花屋の隣に住む男が、守護者の湯のみの周りを飛ぶハエを追い払う。
ハエはひとしきり周りを飛んだ後、諦めたように部屋の隅の畳のササクレに停まった。
「お札の期限まで、せめて体が間に合えばよがったども……」
「こればかりはな、仕方が無い、か」
そうは言っても何ともタイミングの悪い事ではあった。
花屋の母親は随分前に病でこの世を去っている。残されたのは11歳になる花屋の一人娘の桜子だけだった。
「ふぅ……」
桜子は山道の行く手に、小さな石祠を認めた。5町石だ。
守矢神社が、参拝客の為に里から5町(約545メートル)ごとに地蔵の様な簡単な石祠を設けている。コレが幻想郷の至る所から守矢神社に向かって伸びていた。
そして一定の間隔ごとに参拝者用の休憩のスペースがある。神社に参拝しやすくする為の工夫だそうだ。
『アタイさんじょう!』
『大妖精参上! 夜露死苦!』
マジックで落書きがされた石祠にロウソクを立て、火を灯す。
そして古い朽ちたロウソクをゴミ袋に入れ辺りを清める。コレが参拝者の義務であった。
このロウソクの火が帰りの夜道を照らしてくれる。またこの聖火は魔除けにもなった。
「ふぅ……」
桜子は額に浮かんだ汗を拭う。冬場は過ぎたとはいえ辺りはまだ若干肌寒いのだが、山道の険しさは11歳の桜子にも例外なく容赦ない。
背負ったリュックには残りのロウソクとお弁当と、その他のお供え物が入っている。コレが最初は案外大丈夫だと思っていたのだが、時間を追うごとに重荷に感じてゆくのだ。
「ぎゃ~て~ぎゃ~て~……は~ら~ぎゃ~て~……」
桜子はまじないの歌を口ずさみながら再び山道を歩き始める。
教師や座の仲間達に教わった歩き方で、山の土を一歩一歩踏みしめながら。
「お参拝の方法を教えようかいの」
桜子は座の知り合いのおじいさんのしわがれた笑顔を思い浮かべた。
おじいさんの家はお茶屋を営んでいるが、生業の傍ら、陰陽師の資格を持っている。こう言う家が、人里には他にも結構あった。
皆からは「じじ様」と呼ばれている、里の古老の一人である。
その日は、じじ様と一緒に、彼女の友人の稗田阿求も家を訪ねてくれていた。桜子に助言をする為だ。
「これが桜子の、お参拝用の遍路服じゃ。ちぃと大きいが、まあ歩きにくぅほどでは無いべな」
里から妖怪の山にある守矢の神社まで参拝するには様々な危険がある。
一番注意しなければいけないのが妖怪だ。それも言葉も通じないような低級の妖怪が、非力な人間にとっては一番の脅威だ。
「桜子ちゃんのお店に来る妖怪はみんなスゴイ妖怪達ばっかりだから。いい妖怪って言うのはむしろ一握りなんだからね」
「お、脅かさないでよ……阿求ちゃん……」
一般に、妖怪の賢者によって定められた掟で、妖怪は人間を襲ってはならないとされているのだが、それは人里を一歩離れればあやしいものだった。
ただ、遍路服を着た巡礼者に対しては、その掟が特に重視されているのは確かだ。
「これを着ていれば、普通の通行者にくらべて随分安全だから」
「へえ、そうなんだぁ……」
「なんでも山に神社が出来て以来、そこの神様が『参拝者を襲う妖怪はマジぶっ殺すからね』て言い回ってるらしいの」
「へ、へぇー……」
阿求がはじめて袖を通す遍路服の着方を手伝ってくれる。
真っ白い絹で出来た綺麗な服だ。座で毎年着まわしていると言うのに、とても清潔に保たれている。
「せば、先んずは『忌紋歩き』の練習だべや」
キモン歩き、イモン歩き、地方によって呼び方や読みが異なるのだが、これは俗に妖怪や悪霊が寄り付かないとされる歩き方だ。
博麗の巫女や守矢の風祝、里の陰陽師などの行う忌紋歩きは非常に複雑なのだか、一般の人でも簡単にできる略式の歩き方が、ここ幻想郷では古くから考え出されている。妖怪と供に生きる人々の知恵だ。
「この遍路服に付いでる杖さ使って行なう」
桜子はちょっとずしりと重い杖を手に取る。遍路服と違ってこちらの方はとても古く見える。
所々に御札がべたべた貼ってあって、頭の部分には色んなストラップが付いていた。
「ご神木から削り出したもんじゃで、これさ持つだげでも随分違うもんだべ」
「へえ……これはめずらしい……」
阿求は本来の書き手としての興味が顔を出しているのか、桜子をそっちのけで杖をしげしげと見つめている。
「忌紋歩き言うども、何ぁに簡単じゃ。何ん~にも難しぃごとはね。踏み出す全ての足さ左足がら行なう。これだけじゃ」
「え? それだけなんですか?」
「んだ。右足は常に後がら付いでいぐ様さする。ただ、この杖さ右足の代わりどして踏み出さねばならね」
じじ様はそう言ってこつこつとその場を歩いてみせる。
桜子も試しに杖をもらって歩いてみた。阿求も珍しそうにその真似をしている。
「こ、こんな感じかな……?」
「……ふむ……実に不思議な歩行ですね。いったい誰が考え出した物なのでしょう?」
「随分昔に、里のモンが天狗様さ教わった歩き方だ言う話も聞くがの。詳しくはわからね」
歩行は思ったよりも簡単な為、暫く練習すれば直ぐにこの歩き方に慣れることが出来た。
じじ様はしわがれた顔をいっそう崩して、孫を見るような目で笑う。
「せば、明後日の出発まで、今日からずうっとこの歩き方で膝さ慣らしておぐとええ」
忌紋歩きを難なく習得した桜子は、次の日にお店に来た風見幽香にさっそくこの歩き方を披露してみた。
幽香は普段はにこにこしていて、優しいお姉さんといった感じなのだが、力の強い妖怪だと聞いていたので何か参考になるかもしれないと思ったのだ。
「どうですか? 何か感じますか?」
桜子は得意そうにお店の前を杖を使って歩いてみせるが、幽香の反応はそっけないものだった。
「その歩き方がどうかしたのかしら?」
「何か感じませんか?」
「…………別に」
疑問に思って、その日の夜に阿求の家を訪ねてその事を相談したのだが
「見せる相手が悪すぎだよ!」
阿求はお茶を噴き出しながら桜子の不満を一掃してしまった。
「ぎゃ~て~ぎゃ~て~はらぎゃ~て……」
桜子は阿求に教えてもらった、おまじない歌を口ずさみながら山道を進む。
「これはね、妖怪ではなく人間に対する予防策です」
山賊や追いはぎといった夜盗の類の人間達が、山や森に潜んでしばしば通行人を襲うのだ。
「お寺が出来てから、最近妖怪達の間でお経が流行っています。彼らはお経を覚えきれないので、それをアレンジして歌の様な読経を口ずさんでいる。それを絶えず口ずさんでいれば、悪い人たちは手を出すのをためらうのです」
これは、誰もいない筈の山から読経が聞こえてくるという、妖怪のうわさを逆手にとったアイデアである。
悪い人は何処にでもいるというのは、何時の世も何処の世界でも共通のことである。正直桜子にとっては、妖怪よりもこちらの方がより恐ろしい。
「参拝の日は、私が知り合いの山の妖怪達に事前に掛け合っておこう。守矢の神社にもそう言っておく。だからもし何かあれば、思いっきり大声を出すといい。そうすれば、山の妖怪が助けてくれる事もあるからな」
だから、そう言う寺子屋の先生の言葉は何よりも実践的なのだ。
「何かあれば大声を出す」これはもう基本中の基本だといえる。
声を出して助けを求めれば、きっと大丈夫。桜子の中には何故かそう言う確信があった。
出発前友達が言っていた言葉が、さらに桜子を納得させ勇気付けてくれていた。
「何かあっても天狗様や河童様や山の神様がきっと助けてくれるよ。私のお父さんもそう言ってた」
視線の先に道が開けている部分が見えた。休憩所だ。
道の横の雑木林を切り開いて、ちょっとしたスペースが出来ている。神社の立て札と地蔵があり、丸太を切った様な簡単なイスもある。
「ふーー」
ざりざりと土をならして、桜子はその休憩所にたどりついた。
ちょうど太陽は真上に来ている。ここでお昼ごはんにしようと、桜子はリュックを下ろし汗を拭いた。
ふと見るとイスとイスの間に、樽に水が湛えて設置されてあった。竹管から湧き水の様な綺麗な水が、絶え間なく流れ落ちている。
「わあ……野菜だぁ」
その中には、何と鮮やかな色のきゅうりやトマトの野菜がぷかぷか浮かんでいた。まるでついさっき、誰かが置いていってくれた様に。
『 おいしい野菜とキレイなお水です。ご自由にどうぞ 』
樽から木の札が垂れ下がって、溢れる水に揺られている。
桜子はオアシスにたどり着いたような安らぎを感じながら、表情を緩めた。
「おぉいしそ~ぅ」
袖をまくって樽からきゅうりを救い上げる。冷たい水が手に素晴らしい清涼感を伝えてくれる。生き返るよう、とはまさにこの事。
鮮やかな緑の色合い。本当についさっきとってきたかのような新鮮さだ。
リュックからお昼の握り飯を取り出し、きゅうりと一緒に夢中で頬張る。
「ん~~!」
驚きで思わず声が出る。
なんて美味しいんだろう。疲れた体にまるで自然の力が染み込んで行くような感じがする。
こんな美味しいきゅうりは食べた事がなかった。
トマトも真っ赤でとてもみずみずしい。
桜子は早朝から今まで慣れない山登りをしたせいで、お腹がぺこぺこだったのだ。
「でも……誰がいったい……」
お弁当を夢中で食べ終え、冷たい水で顔を洗っていた際にふとそんな疑問が脳裏をよぎる。
神社の人だろうか? 神社の風祝の東風谷早苗の事は桜子も良く知っているが、こんなサービスがあるなんて聞いた事がない。
「おや?」
手ぬぐいで顔を洗っていた際、足元の木箱が目に付いた。
見ると、木箱の中には新しい草鞋が何足か無造作に突っ込んである。
『 替えのわらじです。ご自由にお使いください 』
草鞋の間にマジックで書いたダンボールの札が突っ込んであった。
なんとまあ用意のいいことだろう。
そういえば、慣れない忌紋歩きを繰返したせいで、草鞋がずれてきていたのだ。桜子は嬉々としてその草鞋を手に取った。
「すごい、こんな草鞋見たことない」
何で出来ているのか、その草鞋はすっぽりと足首を覆うように出来ていて、まるで靴の様な造りをしている。
山登りには草鞋の方がいいと聞いたので、草鞋を履いてきたのだが、草鞋は直ぐにつぶれて歩きにくくなってしまう。でもこの草鞋はエアクッションが効いていて、まるで足が宙に浮いているように軽い。いったい誰がつくったのだろう?
桜子は狐につままれたような不思議な気持ちを抱きながら、再び出発の仕度を整えた。
そして荷物の中から、お供え用の「わらび餅」を取り出して、傍らの地蔵に供える。
(山さ入ったら、休憩所にこのわらび餅さ供えるがええ。山の天狗様や河童様のお供えだべ)
いつの頃からか、里の人間達は山に対して信仰に近い畏敬の念を抱くようになっていた。
山に住む天狗が気候天測を操り、河童が河川の氾濫を鎮めてくれると信じたのだ。
山に出来た新しい神社に、危険を顧みず人々が参拝に訪れるのは、こうした古くからの山に対する信仰が背景にあった。
「天狗様、河童様、それから山の神様。どうか旅の無事をお守りください」
お供えを終え、桜子が再び歩き出そうとした時、
コツン
後ろで不意に妙な音がした。誰かが石を投げた様な音だ。
振り返ってみるが、特に誰がいるでもなく変わった様子は無い。変だなと思って何気なく休憩所の方を見ると、さっき座っていた木のイスの上に、ポーチが忘れてあるのが目に付いた。
「わあ! い、いけない……!!」
桜子は慌ててイスまで駆け寄る。一番大事な御札を入れているポーチを忘れてしまうとは。
自分のおっちょこちょいな性格に冷や汗が出た。
「はー! 危ない所だったぁ……。こればっかりはシャレにならないよ」
ポーチを首から下げ、他に忘れ物が無いか辺りをキョロキョロ見て回る。
どうやら今度こそ大丈夫そうだと安堵した時、はじめて先程の音の事が気にかかった。
周りの雑木林を見渡してみる。
今にも妖怪が出てきそうな、鬱蒼とした雑木林が続いているが、小動物の影一つ無い。
空には山より高いはるか上に、青い空が延々と続いているだけだ。
サァァァァ……
風が木々の葉を揺らし、頭上に覆いかかる大木の枝が静かに揺らいでいる。
「天狗…………様…………?」
桜子はぼんやりと山の空を見上げながら、思わずそう呟いていた。
(山の危険に関して注意することがもう一つあります)
阿求と叔父の心配そうな顔が脳裏に浮かぶ。
「ぜ~む……っと、と~ど……しゅ~……」
桜子は息を荒げながら、杖を土に突き刺すように進む。そろそろ日が傾きかけ、あたりは薄暗くなっていた。
随分山の上までやってきたが、桜子の体力はもう限界に近い。
山頂には霧の様なもやが掛かっていて、あとどれだけ行けば神社なのか見当も付かない。急がなければ夜が来てしまう。
それに先程から、山の空気に不穏なものを感じる。
ポツッと冷たいものがまた頬に当たった。
どうやら、不安は的中しそうな予感だった。
(山の天候はばかにでぎね。さっきまでカラッと晴れでたと思ったら急に大雨さ降る。コレばっかりはどうしようもねえ。予防もまじない歌も通じねえだからなあ。山の神様さお願ぇするしかねぇ)
山登りに慣れた叔父がそう言ったように、神社の参拝者の最後の危険が天候の急激な変化だ。
山に慣れた人物なら、ある程度空を見ることで天候が分かるし、事前に心構えと予防が出来るのだが、そんな器用なこと桜子に出来るわけがない。
サアアァァァァァ……!!
そうこうしているうちに、恐れていた雨が木々の葉をたたき始める。
森に寄って歩いていた桜子の元にも、直ぐに雨が滴ってきた。
(はぁぁ……まいったなあ……)
雨はたちまち笠の淵から流れるほどの勢いで降り始める。山道を水が流れ始めたと思ったら、それは直ぐに川の様な勢いに変わった。
桜子は忌紋歩きをするのも忘れ、足に流れる雨を蹴るように進んだ。辺りは雲に覆われ、すっかり薄暗くなっている。
「はあ、はあ……」
雨が降り始めてから雨合羽を羽織ってみたが、焼け石に水だ。服や荷物が水を吸ってどんどん重たくなってくる。
その水が体の体温を奪い。寒さが芯から伝わり始めた。
「ふぅぅぅ……」
この季節の山の雨は冷たかった。周りの気温も一気に下がってくる。
無理もない事だ。里から見える山の雪がなくなってから、まだどれだけも経っていないのだから。
桜子は胸のポーチを懐にしまい、抱えるようにして歩き続ける。たとえ身が濡れても、御札だけは濡らしてはならないと思ったからだ。
(私……死んじゃうのかな……)
寒さと孤独と心細さで、桜子は震えながらぼんやりとそんな事を考えた。
「ん?」
ふと行く先を見上げると、山道の上に建物の様なものが見えた。
どうやら屋根付きの休憩所らしい。そこから僅かだが、明りが漏れているのが見えたのだ。
(助かった!)
氷が溶けていくように、さっきまでの心細い気持ちが和らいでいく。
桜子はばしゃばしゃと水を跳ね上げながらその休憩所まで走った。明りが見えたので、ひょっとしたら誰か人がいるのかもしれない。
期待に胸を弾ませながら、飛び込むようにその屋根の下に入る。
「はぁ、はぁ! ……助かったぁ」
それは彼女の思ったとおり休憩所のようだった。しかもかなり新しい休憩所の様で、屋根の木材が真新しい。
空間を屋根と簡単な板で囲ってあるだけの簡素なものだったが、中は結構奥行きがあり雨は届かない。まさに地獄に仏といった感じだ。
その上、休憩所の中央にめずらしいものがあった。ストーブだ。
「わあ……ストーブだ」
桜子は体の雨の雫を払いながら、ストーブに近寄る。
黒い薪のストーブの中に、ほんのりと火が燃えている。さっき外から見えたのはこの明りだったらしい。
外は夜の様に暗くなっていたが、そのストーブのおかげで中はほんのり明るく、しかも暖かかった。
「参拝の人かい?」
「ひっ!?」
突然した声に桜子は顔を上げた。
休憩所の奥の、イスの上に女の子がしゃがんでいた。
「…………っっ」
桜子はどきどきと高鳴る胸を押さえながら、その少女に見入った。知らないうちに、足が後ろに一歩二歩と下がる。
ザアアアアァァァァァ…………
外の雨が、休憩所の屋根を激しく叩いて、その音が小屋の中にこだましていた。
薄暗い小屋の中で、女の子はイスに座るのではなく、その上にちょこんと乗ってしゃがんでいる。後ろの壁に、女の子の特徴的な帽子の影がゆらゆらと映りこんでいた。
さっきこの休憩所に飛び込んだときは気づかなかった。人がいるかもしれないと思って入ってきたのに、目に付かなかったのだ。
妖怪に違いない。桜子は喉をごくりとならした。
「こ……こんにちわ……」
桜子は後づさりしながら、声を絞り出す。
女の子はそれには答えず、にこにこした表情で、外の雨を見つめている。年の頃は桜子とおんなじか、やや年下の様にも見えた。
おかしな帽子を被っていて、そこからのぞく髪が金色に輝いている。
「ようやく降ってくれたねえ……これで草木も花を咲かせられるよ……。 春を迎えられる」
女の子は独り言のようにそう呟く。
桜子には、それがまるで雨そのものに向かって語りかけている様に見えた。
桜子はふとその女の子が、妖怪とは異なる雰囲気を持っていることに気がついた。
(なんだろう……妖、精…………?)
妖怪には独特の雰囲気がある。
里にいる妖怪も、店に来る妖怪も姿形は人間と同じだが、雰囲気で直ぐにそれと分かる。
もっともそう感じるのは個人差があるらしく、まったく区別がつかないという人もいる。
ただ、桜子には妖怪と妖精と人間とでは、それぞれ持っている雰囲気が違うのが分かるのだ。神職や陰陽師達に同じ意見を言う人が多くいた。
「さ、桜子です……里の……花屋の……」
桜子はそう言って膝をちょいと曲げた。
女の子はにこっとするだけで、またしてもそれには答えない。
これは感覚的なものだったが、明らかに妖怪といった雰囲気とは違う様な気がする。今までに感じた事のない、何か温かな空気を纏っているような、不思議な感じがした。
いったい何者なんだろう。桜子は緊張したままその女の子の姿を凝視し続ける。
ザアアアアァァァァァ…………
沈黙の中、雨の音だけが小屋の中に響いている。
唐突にピョンと女の子の足元から何かが跳ねた。
(カエルだ……)
一匹のカエルが、小屋の中の土の上に降りている。
カエルはげこげこと鳴いて、ぴんぴんと出口に向かって飛び跳ねていく。
「あ……っ」
その後ろに、いつの間にかさっきの女の子が続いていた。そして音も立てずにカエルの後を付いていく。
女の子はカエルを追って、小屋の出口の近くまで付いていった。
外は暗く、まだ雨が激しく降り続いている。
「あ……ど、こに……?」
「谷の様子を見てくるのさ」
女の子ははじめて桜子にそう答えると、ザザ降りの雨の中にぴょんと飛び出した。
「守矢神社はもうすぐだよ」
「え?」
女の子は雨に濡れた顔でにこっと笑ったかと思うと、暗い山道の中をタタタと駆けていってしまった。
桜子は一瞬あっけにとられてその様子を見送るが、直ぐに女の子の後を追おうと休憩所の入り口から顔を出す。
女の子の姿はもう何処にも見当たらなかった。
ザアアアアァァァァァ…………
雨音が休憩所の屋根を叩く。
その中で、桜子は不思議な雰囲気に包まれたまま、呆然と立ち尽くしていた。
どれくらい時間が過ぎたのか、気がつけば外の雨は止んでいた。
外は薄暗いが、先程までの闇夜の様な雰囲気は無くなっている。
(服が、乾いてる……?)
さっき散々雨に打たれて、全身ずぶ濡れだった遍路服や体がすっかり乾いていた。
いつの間にかストーブの火も消えてしまっている。
桜子は半分夢の中にいる様な不思議な気分で、とにかくストーブの灰に砂を掛け、地蔵にお供えをして小屋を出た。
山を見上げると、直ぐそこの山頂に沢山の火が灯されているのが見えた。
「ああ……! 神社だ!」
桜子はその場で思わず声を上げる。
参道の階段と思しきところから一直線に明りが伸びている。その上にどっしりとそびえる大きな赤い鳥居。
薄暗い中に、鳥居の赤い力強いシルエットが浮かぶ様は、桜子にはまるで奇跡のように見えた。
その日は、神社の東風谷早苗の勧めで、結局一晩泊めてもらう事になり、桜子が里に戻ったのは翌日の事だった。
翌日早苗は桜子と連れ立って山を降りてくれる。帰りの途中、桜子は早苗に訪ねた。
(ねえ、早苗さんはあんな山奥でいつも一人で住んでて、その……寂しくないのですか?)
昨日は早苗と二人で楽しい一夜を明かすことが出来たが、他に同居人は見当たらなかった。いつもなら早苗は一人の筈なのだ。さみしくないのだろうかと思ったのである。
桜子の質問に早苗は首を振って笑って答えた。
(神様と一緒だから全然寂しくないですよ)
持ち帰った御札は無事に祠に祭られ、桜子は座の役目を果たす事ができて皆に随分褒められた。
それから数日で病に倒れていた父親も元気になり、それはそれでよかったのだが、彼はふがいないヤツと皆にさんざん叩かれている。ちょっとかわいそうな気がした。
「そう。偉いわね」
店にやってきた風見幽香にその事を話すと、彼女はにっこりと笑って桜子を褒めてくれた。妖怪にそういわれると正直に嬉しい。
そういえばと桜子は、雨の中で出合った不思議な女の子の話を幽香にしてみる。幽香なら何か心当たりがあるかもしれないと思ったからだ。
「そうねぇ」
「やっぱり妖怪だったんでしょうか?」
幽香は遠くを見るような目で、まるで向日葵の葉の様な美しい緑の髪をかきあげて言った。
「それはひょっとしたら、神様だったのかもしれないわね」
「神様……?」
目をぱちぱちと瞬かせて、桜子は幽香を見上げる。
「あなたや里の人間が、山を大事にしているのを、神様が見に来てくれたのかもしれないわ」
幽香はそう言うとチラリと切れ長の目を空に泳がせた。はるか遠くの空気に霞んで、妖怪の山々の峰が里を見下ろしている。
「神様や私達妖怪はいつもあなた達の事を見ているのよ」
「いつも……私達の事を?」
「そう、いつもよ」
桜子の視界をいきなり黄色いものが覆った。少しの後、それが幽香の傘であると分かる。
幽香は妖しい笑顔でうふうふ笑うと、くるくると音もなく傘を回しながら通りに消えていった。
一人取り残された桜子は、暫く呆然とその後ろ姿を見送った。
「おーい桜子。この花さ祠の神様に備えてきてくれーぃ」
店の中から父親の声が聞こえる。
桜子は大きく返事をして店の中に踵を返した。
彼女の腰で早苗にもらったカエルのストラップが、チリリンと音をたてている。
(了)
近すぎず遠すぎずの感覚。
たそがれ清兵衛ってもう9年前の映画なんだね、俺も年喰ったな~w
個人的には最後の決闘前のやりとりが気に入っていて印象に残ってます。
旅行気分で楽しめました。全体の雰囲気が良さげ。
昔の日本もこんな感じだったのかな~
神様にとっての信仰、妖怪にとっての畏怖は大事なものですからねぇ。
人間が信仰や畏怖を納め、見返りとして安全や恵みをいただく。
紫の守りたかった古き良き過日の形、そして守りたい幻想郷の形ではないかと思います。
あと、さりげなく神霊廟ネタがあったのにもニヤリとさせられました。
ともあれ、笑いやグルメ無くとも十分にお嬢様らしい暖かい話でした。
この作品を拝読して思い出したのが、ウチの近くにあるとても古い神社のことです。
誰も居ない、半ば祭具入れと化した小さな神社ですが、先の地震で石段がガタガタになってしまいました。
しかし、すぐ別の仮登道ができて、今は普通に参拝できる様になっています。
今年の秋も変わらず、天狗様が家々を回り祈願するささやかなお祭りが執り行われるのでしょう。
その風景を間近に感じて、現代の信仰心も捨てたモンじゃないなぁ、と思ったのです。
そんな日本の厳かで身近な文化を再確認できた良作だったと感じました。
お嬢様のいつもと違う面が光ってました
妖怪たちは姿を見せずに手助けや警告を与え、
神様は超何気なく、それと悟らせずに人の身を案じてくれる
人間から見たらこのくらい不可思議なのが普通なのかもしれない
昔の日本の民間信仰ってこんな感じだったんだろうか、と思ったり
全体的にただようやさしい空気が作品にマッチしてて素晴らしかったです
隠し剣鬼の爪と武士の一分なら大体憶えてるんですけど。
いつものハイテンションじゃなかったからちょっと新鮮。
「山の山麓」は意味が重複してますよ。「山の麓」でいいと思います。
近場の神社に近く参ってきます。
それと、一つ蛇足かもしれませんが、
エアクッション・ダンボール・ストラップ…
個人的に幻想郷の文化レベルは数百年昔の日本だと思っているので、
こういった表現に疑問を持つ人も居ると思います。
例え常識に囚われない人が持ってきたとしても、視点は違うので。
主人公の女の子も脇を固める幻想郷の人妖もすごくいい味出していたけど、
このお話の肝は里から神社まで札をおさめ、新しい札と交換するその工程の描写そのものですね。
ただ、「変な帽子」「金髪」「春」「妖精」あたりのワードから諏訪子をリリーと勘違い!
諏訪子のシーンはトトロの登場部分を連想した。
このGWは何処か行かなかったの?いそがしいのかな。私はお蝶と門さんとで取材旅行してきた
からまた新作でだすよ~!このお話は私の単独モノだからコメントは私だけで。 お嬢様
でも一言ありがとうをお伝えします 冥途蝶
奇声さん仕様です。 超門番
3番様 ちょっと不安だったけど思い切って出してみてよかった~。色々図書館で調べたり人に聞いたり
してこういう事始めると勉強になるよね。モチロン本業もばっちり出来てないといけないんだけ
どね!大丈夫か私!? お嬢様
9番様 風見幽香さんはいつかネタにしたい人なんだよね。でもなかなか・・
へえー、あの映画知ってるんだね。私的にはあれはストーリーはありきたりだけど、演出がイイ
と思うんだ。私が好きなのは一番最初の葬儀のシーンで、列の人の白いハカマに泥が付いてたと
ころ。 お嬢様
10番様 ありがとー。GWは何処か行った?
作風意外かもしれないけど、これが本来私の作風だと思うw 一人で全部書いたからね。
三人でわいわいやってるとどうしてもテンション高くなるからねww お嬢様
12番様 笑いはないよ!!ww 今回はね。
幻想郷に行った気分になってくれたら大成功!て言うかGWは何処も行かなかったの? お嬢様
13番様 なんか雰囲気味わってくれたかな??これけっっこう色々取材してるんだよ?実は。リアルな幻
想郷を書きたかったから、あんまりウケないかな~と思ってたけど、結構ビックリww お嬢様
お腹空き様 お腹さんも過保護だとおもうけど・ww これ私が一人で書いたから作風全然違ったんだよ。皆で
やるとどうしてもテンション高くなるからね。て言うかグルメ無いよね?お腹空かないの??ww
GWはお蝶と門さんと京都行ったからそれネタにしてまたやるからね!親切なコメントありがとう!
お嬢様
がま様 がまさんこんにちわ。&ごきげんよ。 GWはどこか行ったりした??
これけっこう色々調べて書いたんだよ。図書館行ったりして。民俗学の本とか読んでて「あ、私す
ごい頭よさそうにみえるかも?」て思いながら読んでたww 近所の神社のお話、とってもいいね。
何か元ネタになるんじゃないの?天狗の山なら何か出来そうだね。 お嬢様
18番様 読んでくれてありがとう!
幻想郷をリアルに描く!ていうのが一応の目標。。あんまウケないかな~とか思ってたけど、よかっ
た!!今後もちょくちょくやりたいからどうかまた見てね。 お嬢様
20番様 あー常連さんかな?ありがとう。ウケないかな?とか思ってたんだけどね。うれしい。
実を言うといつものはお蝶と門さんの合作だから、コレがホントの私の作風だったりするんだ・・w
単独作品は今後もちょくちょくやりたいかも。 お嬢様
21番様 丁寧に読んでくれてありがとう。出てくるのが架空のキャラばっかだからあんまりウケないだろうな~
て思ってたんだけど、ちょっとびっくり。現実と空想の間を狙っていろいろ調べながらやったんだよね。
気に入ってもらえて何より。どうもありがとうね! お嬢様
お蝶と門さん待たしちゃうから続きはまた明日。 返事もうちょっと待ってね
優しい神様や妖怪はいつも人間のことを見守っているのかも知れません。
途中の野菜や草鞋は河童、忘れ物を知らせたのは天狗かな?
にとりや文がいたと考えるとにんまりしてしまいますねw
最初は「代理はダメなのか…諏訪子厳しいな」と思っていましたが、
ちゃんと見守ってくれていたのですね。
ほのぼのとした良いお話、ご馳走様でした。
ホントはキャラ一切出さないつもりだったんだけど、そんな勇気はなかったのぜ! お嬢様
25番様 やさしい空気、あるかのな~?自分では良くわかんない。でも独自の雰囲気を纏って
るって言うのは何にしろ大事だよね。でもそれは丁寧に読んでくれた証拠だと思う。
ありがとう! お嬢様
27番様 かなりどうしようか迷ったけど、出してよかった。ほっとしてるw いつもはこんな
雰囲気じゃないんだけどね・・ お嬢様
桜田ぴよこ様 ぴよさんこんにちわ~!GWは何してたの~?
新境地ていうのはまた大げさじゃない?? でも読んでる人は当然分からないだろうけど
これは完全単独作品だから、スカイハイとかもそうだけど、ある意味別人のお話なんだよ
ねww 気に入ってくれて感謝! お嬢様
愚迂多良童子様 アレって「トワイライトサムライ」ていうの??かっこよすぎじゃん!!ww
「隠し剣・」は私の大好きな長瀬さんが出てるからいつか見たいんだ~。「武士一」
はキムタクがキライだから見てないww ぐ~たらさんて結構映画通だね。
「山の山麓」は笑ったww 「確かに!!」て感じで・・すぐ直しま~す・・。 お嬢様
ACfaにハマる程度の能力様
読んでくれてどうもありがとう! ヨコモジの表現はやっぱ違和感ある人いるよね~w
私はある程度狙って端たんだけど、沢山の人向けではなかったかも。
お話の雰囲気は味わってくれたみたいで感謝!いつもはホントはこんなお話じゃ無いん
だけど・それは・・ お嬢様
33番様 お!い~いところ見てくれてる~! これはね~、ウチの世界史教師が授業中に言ってた
ネタなんだよ!いまでも古い地方はそんなことしてる所があるんだって。お話の軸に気づい
てくれるなんてね!「あ、この人スゴイな~」て思わず口に出たよ。グラッツェ! お嬢様
36番様 リリーて!! これはひとえに表現力不足だあ~。技術不足はなんとも難い部分だなあ~w
でもこういう意見は大事!ちゃんと栄養にするからね。ありがとう! お嬢様
ごはん様 「ごはん」ww 名前がツボだったりしたww
トトロはもちろん名作だよね。語らせると止まらないから言わないけどw でも確かに似て
るかもね~。気づかなかったけど。 お嬢様
Admiral様 丁寧なコメントどうもありがとう! こういうコメントは思わず読んじゃうよね~。食い入る
様に。妖怪の登場は極力抑えるつもりで書いてて、ホントは一切出さないつもりだったんだけ
ど、そんな勇気は無かったんだぜw「にとりや文がいるんだ」って思ってくれるのが最高。そ
ういう読み方してもらいたかったわけw 諏訪子はこだわりの強いキャラっていうのは前回の
スカイハイをちょっと引きずったもの。神奈子が出てない理由は知らない! お嬢様
以前の早苗とにとりのお話もそうでしたが、お嬢様の真骨頂は雰囲気と言うか、
芳香の巧みさですね。
「お札を納めに」は先に言っておられる方がおいでですね。
ハエが畳に……はまさに映画的な間の取りかたですね。
地の文で使う横文字はアリでしょう。
だからこそ「ウイルス性だったな……」が勿体ないように思います。
せっかく方言をお使いなのですから、地の文に埋めてしまったほうがよろしかったのでは?
いつも暖かいコメントをいただいているのに仇で返すようでごめんなさい。
でも、いつも流れるような文章を拝見させていただいているのでここだけひっかかっちゃいました。
参道の風景や、山小屋の様子が目に浮かぶようです。
頑なさと優しさを併せ持った諏訪子が私の日本の神様のイメージにマッチングしました。
ヨコモジは色々意見もらって参考になった。やっぱデスクだからこういう意見もいっぱい欲し
いんだよね。もっとやんわ~り(ここ大事)色んな意見をくれるとありがたいかも。でもやっ
ぱり褒めてもらうのが一番良っくて、やっぱり褒めて育てる?て言うか、なんていうか、そう
言う風にやってもらって私達も色々と勉強になってなんたらかんたら・・ お嬢様
46番様 おそくなったけど、お返しするね。 もう読まないかもしんないけど・ww。
おお、。心が洗われる様な感想ありがとう。結構勉強して書いたのね。始めて真面目に書いた
お話かもしんないww 普段はもっとはっちゃけてるけどどうか見捨てないでっ! お嬢様
勢いだけってのも悪くないけど、私はこういうのも好きですね。
喩えるなら、勢いだけのときは霜降りのステーキ! もぉ、ガッツリとジューシーな油たっぷりのご馳走!
だけど、こういうのは和風の煮物のような、優しい沁みるような感じですね。
しかし、妖怪や神様の雰囲気が、すごく上手く出せてますね~
前のにとりの時といい…
色々言っちゃってますが、評価は点数のとおりです!w
ふんふん。こういうオトナシ系が好きなんだね~。これは2つともほぼ私一人が
考えた物語で。お蝶の霊体験や図書館の本を参考にして作ったもの。やってると
なんか本当に小説家になったみたいでいい気分なのよね~!ww
スカイの続編はなかなかすすんでない・・。もうじきテストだから夏休み入った
らやろうかな~?みんなで「河童探しに行こう」ていってるからそれ元にしても
いいかも。楽しみにしてて! お嬢様
途中の休憩のところで光学迷彩スーツを着たにとりが野菜を用意したり小石で忘れ物を気づかせてる様子を想像すると思わず頬が緩みますね。
桜子ちゃんがなんだか可愛いので今回だけじゃなくて幽香りんとの話をまたいつか見たいです。
ちょっと勿体無かったのが、いい世界観の中で突然マジックとかダンボールとかポーチとか現代語が出てきてしまったこと。外から流れてきて人里にはあるのかもしれませんが雰囲気を統一するのなら具体名を出さず、ただ「落書き」「札」「物入れ」とかの表記でよかったのではないかと思います。
せっかくこの世界に引き込まれていった気持ちがそのたびに急に現実に引き戻されてしまったような気がしてちょっと残念でした。
ヒトすぎだよ・・
この横文字表記はちょっと問題になったんだ。。 他のコメントでも言ってくれてるヒト
いるんだよね~。。でも問題点も言ってくれた方がやっぱお勉強になるからね。コメント
から誠意が溢れて溶け出して放射能漏れしてた。がんばる!
夏休みはいそがしいけど、2つは投稿したい!がんばる! お嬢様
けど、その反面結構好きだったりするw バタバタ系がつづくとこういうのもやりたくなるよね。 お嬢様
そして、この子の周りでハラハラしながら見守っている妖怪やら神やらを想像すると、萌えますw
幽香がやさしいのも、なんだかいいですね。
雰囲気、お話、キャラどれもが素晴らしい