―警告―
この物語の半分は作者の独断と偏見とまやかしとその他もろもろで構成されています。
そしてうp主の文章能力は壊滅的で何を言ってるのかわからないことになる可能性があります。
ですがご安心を、うp主自身もわかりません。
―注意―
・オリキャラの幻想入りが嫌い
・厨二設定が嫌い
・原作のイメージを大事にしている
・いずれ世界征服を企もうとしている
・東方キャラはみんな俺の嫁と思っている
・東方詳しくないやつが書いたものなんて読めるか
以上の方々は激しい頭痛、吐き気、めまい、極度の苛立ちに襲われる可能性があります。
これはうp主の呪いではなく貴方の精神面の問題の可能性があります。ブラウザの戻るボタンを押し記憶の彼方へと飛ばし忘れる、又は医師に適切な薬を処方してもらい読むことをお勧めします。
でもそこまでして読む価値はありませんので素直に戻りましょう。
ではかってに始めさせていただきます。
≪キャッチセールスにはご注意を≫
人間一人には限界がある。それはどうしようもないほど残酷で、そしてどうしようもないほど鮮明に。
一人の人間を救おうとするのに一人の人間の力では足りない。それは力としてみても、それを強さとしてみても。
つまるところ、それが人間なのだろう。どうしようもなく弱く、よわく、儚く、はかない。
だからこそ『組織』という力を使う。一人ではできないことを『組織』を介せば可能になる。
『組織』に組入り自らも『組織』の一部になり助け、助け、助け、一人では助けられなかった人を助ける。
だがそれでも助けられない人もいる。
助けたかった人は一人だったのに気がついたら助けるべき人はずっと沢山いて、そして『組織』の力でもずっと足らなかった。
『組織』も万能ではない、『組織』を構成するのもまた人間なのだから。
などとくだらない考察をしていると気がついたら待ち合わせ時間の20分前だった。
時刻は13時、お昼時だ。踏切に望遠鏡を担いで行くにはあと12時間以上あるがそんなのは知らない。
買い物せずただ立ち読みをしているだけの迷惑な客(といっても本を開いてみているだけで読んですらいないのから迷惑この上ない客)はとっとと出て行った方がいいだろうと本を元の位置に戻し出入り口へと歩き始める。
今日の予定を思い出す。確か馬鹿な友人とカスな友人の二人と飯食べてからなんだかうだうだするはずだ。食事の後は予定というかもはや未定の領域だが。
この二人とは同じ『組織』に入り始めてあってからいろいろと縁ができ、俺が『組織』を辞めた後でもこうして遊ぶ仲である。
出会いどうのこうのという回想は今必要がないのでとっとと待ち合わせの場所へと向かうことにした
今日もいつも通り過ぎるのだろう。目的らしい目的もなく、目標らしい目標もなく。ただいつも通り平和で変化のないそんな生活が続く。
「なんて、思ってでもいるの?」
ふいに声が聞こえた。俺の思考に反応するように発せられた声に身体が反応しそうになるのを抑えゆっくりと声のする方を見る。
一人の女性が立っていた。日傘をさし不敵にこちらに微笑みかけている。
その笑みに少し苛立ちを感じたが余計なことにかかわらず、自分のもつ力の半分以下で物事に取り組むのをモットーにしているのでこの手の変人の相手はしない。
俺は何も見ていないし聞いていない、よしこれでいい。
自分に言い聞かせ何事もなかったかの様に歩き出す。
「あらあらつれないわねぇ、せっかく声をかけてあげているのに無視するなんて。」
後ろから付いてきやがったこの女。しかも平然と声かけてきているし。
無視すれば諦めてどっか行くだろ、反応したら何を買わせられるかわからないからなこの手の連中は。違うカモを早く見つけてどこかへ行ってくださいマジで。
だが残念なことにこの女はずっと俺の後をついてくる、キャッチセールスに追い回されるなんてあの二人に知られたらネタにされるので待ち合わせ 場所に行く前にこいつをどうにかしないといけないわけだが…。
「よし、そうしよう。」
「ん、なに?」
The・ダッシュ。つまり走って引き離すことにした。相手は運動しにくそうな服装だったしこっちは体力に自信がある。とりあえず目的地から離れすぎずうまく迂回しつつ引き離してそのまま待ち合わせ場所に行くことにしよう。
4つ目の角を曲がった辺りで後ろを振り返る。姿は見えない、まぁ居たら怖いから居なくてよかった。
すぐ近くの角を曲がり歩きに戻す。まぁもう追ってこないだろうさすがに、そこまで頑張ったら逆に話くらい聞いてあげてもいいと思う。
「まぁ食事前の軽い運動だと思えばいいか。とりあえず一安心だな。」
などとある種のフラグセリフを呟いた。いやまぁさすがに来ないだろ、ここできたらフラグって実在するんだなって思うよ。
「いい汗をかいておいしいものを食べる。人間ってやっぱりそうじゃないとねぇ。」
どこからか女性の声が響く。フラグは存在したと思った、いやむしろパターン入った。
「きっとこの後あんたは息切れ一つせず何事もなかったかのように俺の前に現れるんだな。」
「あら、あなた予言者か何かかしら?そんな風には見えないけど。」
本当にその通りになりやがった。目の前に先ほどと変わらない、乱れた様子一つなく俺の前に現れた。
ああ、これは今日の昼飯は遅くなるかもしれないな、などと全く関係ないことを考えている俺がいた。
「それで、次はかくれんぼでもするのかしら?」
何が面白いのかこの女性は俺をみては笑みを浮かべている。間違いなく馬鹿にしているのだろう。
「俺はかくれんぼより缶蹴りの方が好きだな。」
「あらそう?缶蹴りも面白いわよね、そうだわ今度はみんなを誘って缶蹴りをしましょう。きっと面白いことになるに違いないわ。」
どうせろくでもないことを考えているのだろう、こういうタイプの人間はあまり関わるのは得策じゃない。とっとと逃げるに限る。
「缶蹴り大会頑張ってくれ、俺は用事があるので失礼するよ。じゃあな。」
無理矢理話をぶった切り何事もなかったかのように歩きその場から逃げる、正直逃げられる気はしなかったわけだが…
「まだお話の途中よ?人の話は最後まで聞けって教わらなかったのかしら?」
「!?」
人を止める方法について考えてみた。間接的な方法は声をかける、直接的な方法は身体を掴む、それで人は少しくらい止まるだろう。
だが今俺の身に起きたことはそのどちらでもなかった、気がついたら俺がこの女性の前にいたのだ。
勘違いしないでほしいのは女性が俺の前に立ちはだかったわけではない、いやこのほうがずっとわかりやすくシンプルなのだが問題は女性がここに来た場所から動いていないということだ。
つまり俺が女性の前に来たことになる。だが俺はついさっき逃げるように歩いていた、というか逃げていた。
それなのに俺がこの場所に居るというのか、いや居るわけがない。
「まるで狐につままれたような顔してるわよあなた、とっても可愛いわ。」
ここで俺は初めて、その女性を認識した。自分の人間関係を構成するのに無関係な『他人』という枠から外れた。
「そんなに見つめられると緊張しちゃうわよ、私。」
「よく舌が回るんだな。」
「あら、あなたが人のことを言えるのかしら?」
「俺は口に出さないからいいんだよ。」
「ならあなたは頭が回ってるのかしら?」
「頭が回る、じゃなく回ってると言うあたりあんたのすごさがわかるよ。」
「そう、ほめられるのは嫌いじゃないわよ。」
要領のない会話、会話にすらなっていない会話。探り合っているわけでなく、ただただ言葉を繋ぎ合せているそんな会話。
「さて、ではちょっといいかしら?」
「断りたいが、この状況じゃ断っても意味はないんだろうな。」
「回ってる頭は伊達じゃないわね、話が早くて助かるわ。」
まだ言うかこの女…。
「あなたは…」
空気が重くなる。女性の口調は何も変わっていない、変わっていないのに威圧され体が強張るのを感じだ。
この手の耐性はある程度付いているつもりだったが、久しく忘れていたせいかあるいは俺の知っているそれ以上だったのかわからないが呑まれてしまった。
「あなたは生きていても死んでいても構わない人間かしら?」
とびっきりの笑みを浮かべ女は問いかけてきた。にこやかな笑みだったら笑い返せただろうが真逆の笑みを浮かべて…。
とりあえず落ち着こう、冷静さを失えば道を踏み外すのは嫌というほど経験済みだ。別に首筋に危ない金属を押しつけられたり鉛玉が飛び出すとびっきりのびっくり箱を向けられてるわけではない。
そうこれは会話なのだ、ただの会話だ。
「…逆に聞きたいが生きていなくちゃいけなくて死んではいけない人間なんているのか?」
「居るわよ。」
即答された。
「へえ、居るんだ。でもそいつはあんたにとって生きていてほしいだけの人じゃないのか?別にそいつが居ないと世界が滅ぶとかそんなものじゃないだろ?」
「彼女が居ないとその世界は滅ぶわよ。」
あー、うん。なんとゆうかそこまではっきり言われると逆にすがすがしい。この女性がいう『世界』とは自分とその彼女が形成した『世界』なのだろうか。彼女、ってことは女性でこいつはつまりユr
まて、今はそんなことを考えている場合じゃないな。
いつも否定側から入る俺だけど今回は正論でいくしかなさそうだ。いつもの逆の発想をすればいいのか、慣れないな…。
「そうだな、俺は生きていたほうがいい人間だろう。」
「あらそう?全くそう見えないけど?」
「失礼極まりないことを…俺のどこがそう見える?」
「目的、目標を持たないところ、つまり強い意志を持たないところね。」
すっげえやりずらい。手の内を全てみられてばば抜きしてるみたいだ。しかもばばを持ってるのは俺だった、これはきつい。
「現代の若者はそんな連中の集まりでね。」
「そんな言葉で納得するとでも思ってるのかしら?」
容赦なく一蹴された。逆の立場なら俺もそうするわけだが。
「・・・」
あー、自分自身に負けてる気がする。最大の強敵とは自分自身とか何とか言ってた誰かが居たな。
「それで、あなたは生きていても死んでいても構わない人間かしら?」
再び問われた。つまり決断しろと言いたいのだろうか。
―何を?
―決まっている
―どうして?
―さぁ、俺も知りたい
―なんで
―それも知りたい
―つまり
―疑問が残るうちは
「俺は生きていた方がいい人間だ。」
女性の顔から失望の色が窺える。明らかに機嫌が悪い、顔にそう書いてあると言っても過言ではない。
それでも俺は…
「お前の言ってることは正しい、だけど一つだけ違うところがある。」
「…何かしら?」
「俺は目的も目標も見失っているが意思まで失った覚えはない。俺は死にたくない、生きたい。これだけで十分強い意志だ。」
自分でいっておいてあれだがすっごく恥ずかしい。もう成人した人間が言うセリフじゃねえよ、まじで。
「俺は何十、いや何百という死をみてきた。自分を犠牲に他人を助けて死んだ人、他人を犠牲にして生き残ろうとし結局死んでしまった人、自ら死を受け入れた人、周りを憎みながら嫌々死を受け入れた人、そして助けようとして助けられずに死んだ人…悪いけど、俺の生への執着心はすごいぞ?最悪他人を殺してでも自分が生き残ればいいと思ってる。」
少しホント、まぁ拡張表現は仕方ない。
「それがあなたの答えかしら?」
「まぁ『今の俺』の答えだな。」
「あら予防線でも張ってるのかしら?」
こいつと話しをしていると見透かされているような気がして嫌になる。実際見透かされているのだろうな、俺もまだまだ子供なわけで…。
「できるだけ嘘は付きたくないからな、でも答えとしては十分だろ?納得してくれるとありがたい。」
「ええ、十分ね。納得してあげるわ。」
どうやら満足したようだ、なんだかよくわからない後味の悪いような曖昧な状況だ。有意義、とは言わないが悪い時間じゃなかったのかもしれない。
まぁ疑問がないと言えば嘘になる、さっきおれに何が起きたかとか…。とりあえずこれで飯にありつけるだろう。
「それじゃ、俺は用事があるから失礼するよ。」
時計をみる。13時20分、遅刻である。いい言い訳を考えようと一歩足を進めたその時
ズズズズッ
何かにめり込む感触、泥沼に足を突っ込んだ時の感覚に似ている。もしくは肥し。
「な…。」
得体のしれない模様が真下に広がっていた。裂け目の中に無数の目がありそれらすべてがこちらをみているような、気味が悪い。
「ああ、お話は終わったけど『帰す』なんて一言も言ってないわよ?」
「ってめえ!なんだこれ!」
もう既に下半身まで埋まっている。掴むものもなにもなくただひたすらもがくだけ。
冷静になれだって?アホぬかせ、この状況で冷静になれるやつがいるならそいつはきっとこんな状況にまず巻き込まれねえよ。
「質問に答えてくれたお礼にあなたをステキなところへ連れてってあげるわ。感謝しなさい。」
最後の最後にとびっきりの営業スマイルをもらった、とんでもないキャッチセールスに引っ掛かったのだと気がついた時にはもう遅かった。
「面白い子ね、あなたは幻想郷にどんな風を吹かしてくれるのかしら。」
何もない地面を眺めて女性、八雲紫は小さく微笑んだ。
この物語の半分は作者の独断と偏見とまやかしとその他もろもろで構成されています。
そしてうp主の文章能力は壊滅的で何を言ってるのかわからないことになる可能性があります。
ですがご安心を、うp主自身もわかりません。
―注意―
・オリキャラの幻想入りが嫌い
・厨二設定が嫌い
・原作のイメージを大事にしている
・いずれ世界征服を企もうとしている
・東方キャラはみんな俺の嫁と思っている
・東方詳しくないやつが書いたものなんて読めるか
以上の方々は激しい頭痛、吐き気、めまい、極度の苛立ちに襲われる可能性があります。
これはうp主の呪いではなく貴方の精神面の問題の可能性があります。ブラウザの戻るボタンを押し記憶の彼方へと飛ばし忘れる、又は医師に適切な薬を処方してもらい読むことをお勧めします。
でもそこまでして読む価値はありませんので素直に戻りましょう。
ではかってに始めさせていただきます。
≪キャッチセールスにはご注意を≫
人間一人には限界がある。それはどうしようもないほど残酷で、そしてどうしようもないほど鮮明に。
一人の人間を救おうとするのに一人の人間の力では足りない。それは力としてみても、それを強さとしてみても。
つまるところ、それが人間なのだろう。どうしようもなく弱く、よわく、儚く、はかない。
だからこそ『組織』という力を使う。一人ではできないことを『組織』を介せば可能になる。
『組織』に組入り自らも『組織』の一部になり助け、助け、助け、一人では助けられなかった人を助ける。
だがそれでも助けられない人もいる。
助けたかった人は一人だったのに気がついたら助けるべき人はずっと沢山いて、そして『組織』の力でもずっと足らなかった。
『組織』も万能ではない、『組織』を構成するのもまた人間なのだから。
などとくだらない考察をしていると気がついたら待ち合わせ時間の20分前だった。
時刻は13時、お昼時だ。踏切に望遠鏡を担いで行くにはあと12時間以上あるがそんなのは知らない。
買い物せずただ立ち読みをしているだけの迷惑な客(といっても本を開いてみているだけで読んですらいないのから迷惑この上ない客)はとっとと出て行った方がいいだろうと本を元の位置に戻し出入り口へと歩き始める。
今日の予定を思い出す。確か馬鹿な友人とカスな友人の二人と飯食べてからなんだかうだうだするはずだ。食事の後は予定というかもはや未定の領域だが。
この二人とは同じ『組織』に入り始めてあってからいろいろと縁ができ、俺が『組織』を辞めた後でもこうして遊ぶ仲である。
出会いどうのこうのという回想は今必要がないのでとっとと待ち合わせの場所へと向かうことにした
今日もいつも通り過ぎるのだろう。目的らしい目的もなく、目標らしい目標もなく。ただいつも通り平和で変化のないそんな生活が続く。
「なんて、思ってでもいるの?」
ふいに声が聞こえた。俺の思考に反応するように発せられた声に身体が反応しそうになるのを抑えゆっくりと声のする方を見る。
一人の女性が立っていた。日傘をさし不敵にこちらに微笑みかけている。
その笑みに少し苛立ちを感じたが余計なことにかかわらず、自分のもつ力の半分以下で物事に取り組むのをモットーにしているのでこの手の変人の相手はしない。
俺は何も見ていないし聞いていない、よしこれでいい。
自分に言い聞かせ何事もなかったかの様に歩き出す。
「あらあらつれないわねぇ、せっかく声をかけてあげているのに無視するなんて。」
後ろから付いてきやがったこの女。しかも平然と声かけてきているし。
無視すれば諦めてどっか行くだろ、反応したら何を買わせられるかわからないからなこの手の連中は。違うカモを早く見つけてどこかへ行ってくださいマジで。
だが残念なことにこの女はずっと俺の後をついてくる、キャッチセールスに追い回されるなんてあの二人に知られたらネタにされるので待ち合わせ 場所に行く前にこいつをどうにかしないといけないわけだが…。
「よし、そうしよう。」
「ん、なに?」
The・ダッシュ。つまり走って引き離すことにした。相手は運動しにくそうな服装だったしこっちは体力に自信がある。とりあえず目的地から離れすぎずうまく迂回しつつ引き離してそのまま待ち合わせ場所に行くことにしよう。
4つ目の角を曲がった辺りで後ろを振り返る。姿は見えない、まぁ居たら怖いから居なくてよかった。
すぐ近くの角を曲がり歩きに戻す。まぁもう追ってこないだろうさすがに、そこまで頑張ったら逆に話くらい聞いてあげてもいいと思う。
「まぁ食事前の軽い運動だと思えばいいか。とりあえず一安心だな。」
などとある種のフラグセリフを呟いた。いやまぁさすがに来ないだろ、ここできたらフラグって実在するんだなって思うよ。
「いい汗をかいておいしいものを食べる。人間ってやっぱりそうじゃないとねぇ。」
どこからか女性の声が響く。フラグは存在したと思った、いやむしろパターン入った。
「きっとこの後あんたは息切れ一つせず何事もなかったかのように俺の前に現れるんだな。」
「あら、あなた予言者か何かかしら?そんな風には見えないけど。」
本当にその通りになりやがった。目の前に先ほどと変わらない、乱れた様子一つなく俺の前に現れた。
ああ、これは今日の昼飯は遅くなるかもしれないな、などと全く関係ないことを考えている俺がいた。
「それで、次はかくれんぼでもするのかしら?」
何が面白いのかこの女性は俺をみては笑みを浮かべている。間違いなく馬鹿にしているのだろう。
「俺はかくれんぼより缶蹴りの方が好きだな。」
「あらそう?缶蹴りも面白いわよね、そうだわ今度はみんなを誘って缶蹴りをしましょう。きっと面白いことになるに違いないわ。」
どうせろくでもないことを考えているのだろう、こういうタイプの人間はあまり関わるのは得策じゃない。とっとと逃げるに限る。
「缶蹴り大会頑張ってくれ、俺は用事があるので失礼するよ。じゃあな。」
無理矢理話をぶった切り何事もなかったかのように歩きその場から逃げる、正直逃げられる気はしなかったわけだが…
「まだお話の途中よ?人の話は最後まで聞けって教わらなかったのかしら?」
「!?」
人を止める方法について考えてみた。間接的な方法は声をかける、直接的な方法は身体を掴む、それで人は少しくらい止まるだろう。
だが今俺の身に起きたことはそのどちらでもなかった、気がついたら俺がこの女性の前にいたのだ。
勘違いしないでほしいのは女性が俺の前に立ちはだかったわけではない、いやこのほうがずっとわかりやすくシンプルなのだが問題は女性がここに来た場所から動いていないということだ。
つまり俺が女性の前に来たことになる。だが俺はついさっき逃げるように歩いていた、というか逃げていた。
それなのに俺がこの場所に居るというのか、いや居るわけがない。
「まるで狐につままれたような顔してるわよあなた、とっても可愛いわ。」
ここで俺は初めて、その女性を認識した。自分の人間関係を構成するのに無関係な『他人』という枠から外れた。
「そんなに見つめられると緊張しちゃうわよ、私。」
「よく舌が回るんだな。」
「あら、あなたが人のことを言えるのかしら?」
「俺は口に出さないからいいんだよ。」
「ならあなたは頭が回ってるのかしら?」
「頭が回る、じゃなく回ってると言うあたりあんたのすごさがわかるよ。」
「そう、ほめられるのは嫌いじゃないわよ。」
要領のない会話、会話にすらなっていない会話。探り合っているわけでなく、ただただ言葉を繋ぎ合せているそんな会話。
「さて、ではちょっといいかしら?」
「断りたいが、この状況じゃ断っても意味はないんだろうな。」
「回ってる頭は伊達じゃないわね、話が早くて助かるわ。」
まだ言うかこの女…。
「あなたは…」
空気が重くなる。女性の口調は何も変わっていない、変わっていないのに威圧され体が強張るのを感じだ。
この手の耐性はある程度付いているつもりだったが、久しく忘れていたせいかあるいは俺の知っているそれ以上だったのかわからないが呑まれてしまった。
「あなたは生きていても死んでいても構わない人間かしら?」
とびっきりの笑みを浮かべ女は問いかけてきた。にこやかな笑みだったら笑い返せただろうが真逆の笑みを浮かべて…。
とりあえず落ち着こう、冷静さを失えば道を踏み外すのは嫌というほど経験済みだ。別に首筋に危ない金属を押しつけられたり鉛玉が飛び出すとびっきりのびっくり箱を向けられてるわけではない。
そうこれは会話なのだ、ただの会話だ。
「…逆に聞きたいが生きていなくちゃいけなくて死んではいけない人間なんているのか?」
「居るわよ。」
即答された。
「へえ、居るんだ。でもそいつはあんたにとって生きていてほしいだけの人じゃないのか?別にそいつが居ないと世界が滅ぶとかそんなものじゃないだろ?」
「彼女が居ないとその世界は滅ぶわよ。」
あー、うん。なんとゆうかそこまではっきり言われると逆にすがすがしい。この女性がいう『世界』とは自分とその彼女が形成した『世界』なのだろうか。彼女、ってことは女性でこいつはつまりユr
まて、今はそんなことを考えている場合じゃないな。
いつも否定側から入る俺だけど今回は正論でいくしかなさそうだ。いつもの逆の発想をすればいいのか、慣れないな…。
「そうだな、俺は生きていたほうがいい人間だろう。」
「あらそう?全くそう見えないけど?」
「失礼極まりないことを…俺のどこがそう見える?」
「目的、目標を持たないところ、つまり強い意志を持たないところね。」
すっげえやりずらい。手の内を全てみられてばば抜きしてるみたいだ。しかもばばを持ってるのは俺だった、これはきつい。
「現代の若者はそんな連中の集まりでね。」
「そんな言葉で納得するとでも思ってるのかしら?」
容赦なく一蹴された。逆の立場なら俺もそうするわけだが。
「・・・」
あー、自分自身に負けてる気がする。最大の強敵とは自分自身とか何とか言ってた誰かが居たな。
「それで、あなたは生きていても死んでいても構わない人間かしら?」
再び問われた。つまり決断しろと言いたいのだろうか。
―何を?
―決まっている
―どうして?
―さぁ、俺も知りたい
―なんで
―それも知りたい
―つまり
―疑問が残るうちは
「俺は生きていた方がいい人間だ。」
女性の顔から失望の色が窺える。明らかに機嫌が悪い、顔にそう書いてあると言っても過言ではない。
それでも俺は…
「お前の言ってることは正しい、だけど一つだけ違うところがある。」
「…何かしら?」
「俺は目的も目標も見失っているが意思まで失った覚えはない。俺は死にたくない、生きたい。これだけで十分強い意志だ。」
自分でいっておいてあれだがすっごく恥ずかしい。もう成人した人間が言うセリフじゃねえよ、まじで。
「俺は何十、いや何百という死をみてきた。自分を犠牲に他人を助けて死んだ人、他人を犠牲にして生き残ろうとし結局死んでしまった人、自ら死を受け入れた人、周りを憎みながら嫌々死を受け入れた人、そして助けようとして助けられずに死んだ人…悪いけど、俺の生への執着心はすごいぞ?最悪他人を殺してでも自分が生き残ればいいと思ってる。」
少しホント、まぁ拡張表現は仕方ない。
「それがあなたの答えかしら?」
「まぁ『今の俺』の答えだな。」
「あら予防線でも張ってるのかしら?」
こいつと話しをしていると見透かされているような気がして嫌になる。実際見透かされているのだろうな、俺もまだまだ子供なわけで…。
「できるだけ嘘は付きたくないからな、でも答えとしては十分だろ?納得してくれるとありがたい。」
「ええ、十分ね。納得してあげるわ。」
どうやら満足したようだ、なんだかよくわからない後味の悪いような曖昧な状況だ。有意義、とは言わないが悪い時間じゃなかったのかもしれない。
まぁ疑問がないと言えば嘘になる、さっきおれに何が起きたかとか…。とりあえずこれで飯にありつけるだろう。
「それじゃ、俺は用事があるから失礼するよ。」
時計をみる。13時20分、遅刻である。いい言い訳を考えようと一歩足を進めたその時
ズズズズッ
何かにめり込む感触、泥沼に足を突っ込んだ時の感覚に似ている。もしくは肥し。
「な…。」
得体のしれない模様が真下に広がっていた。裂け目の中に無数の目がありそれらすべてがこちらをみているような、気味が悪い。
「ああ、お話は終わったけど『帰す』なんて一言も言ってないわよ?」
「ってめえ!なんだこれ!」
もう既に下半身まで埋まっている。掴むものもなにもなくただひたすらもがくだけ。
冷静になれだって?アホぬかせ、この状況で冷静になれるやつがいるならそいつはきっとこんな状況にまず巻き込まれねえよ。
「質問に答えてくれたお礼にあなたをステキなところへ連れてってあげるわ。感謝しなさい。」
最後の最後にとびっきりの営業スマイルをもらった、とんでもないキャッチセールスに引っ掛かったのだと気がついた時にはもう遅かった。
「面白い子ね、あなたは幻想郷にどんな風を吹かしてくれるのかしら。」
何もない地面を眺めて女性、八雲紫は小さく微笑んだ。
括弧の始めは字下げをしない。
括弧の最後に句点は付けない。
感嘆符、疑問符の後はスペースを開ける。
設定は別に嫌いじゃないけど、何をしたいのかその必然性が見えません。
ある意味親切だからまあいいんだけど
あと、後書きでそんなに自分を卑下するな。諦めたらそこで試合終了だぞ!
ただ、前書き後書きが少し気持ち悪いかな。
個人のサイトにはよくあるノリだけど、この創想話ではあまり見ない
「面白いと思ってるの?」 「続いてくださいって言葉が欲しいの?」 って言いたくなる
ついでに誤字脱字報告
といっても本を開いてみているだけで読んですらいないの(だ)から
やりず(づ)らい
いかんせん設定が好きじゃないから続きは読まないけど、まあ頑張って下さい
投稿日を考えれば、あるいはネタなのかしらん。
真性かまってっちゃんですかと思われても仕方ないような後書きと相まって、読者を寄せ付けない側面があると思います。
でも別にそれが悪いとは思いませんし、読み手と書き手の波長が合えばかなりハマるんじゃないでしょうか。
これはこれで、そういう分類と考えれば面白いと思うのは私だけでしょうか?
今度は、小説の作法や読み手に分かりやすくするなどをもう少し気をつけてみて下さい。
応援しています、頑張ってください。。