桜が舞う。
桜が散る。
はらはらと儚げに風に吹かれるそれらが美しく。
残酷な程美しく。
桜も、貴方も、好きで好きでたまらないから。
私は思わず手に持った簪を、愛しい貴方の胸元に深々と突き立て。
目を覚ますと、木目が目に入った。
「……嫌な夢だったわね」
つい、うたた寝をしてしまったようだった。
地底の気温は高い。マグマから発せられた熱がそこかしこで噴出されるからだ。
とてもではないが、脆弱な人間には耐えられぬ熱量であろうと思う。妖怪にとってはまあ、暖かいといった程度のものだが。それに眠気を誘われた。暦の上ではもう春だ。この地底では四季など何の意味も持たないが。
表の世界で忘れられ、この幻想郷でも嫌われた者達が集まり寄り添う場所。
それがこの地底という場所。
嘗ては己も脆弱な人間だったそうだ。
その頃の記憶は既に無い、人であったらしいと言うのは橋姫という己の由来を調べたが故で。
先ほどの夢は自分が人間だった時の記憶の残滓だろうか。嫌な、夢だった。
嫉妬の妖怪橋姫。それが私だ。
他人を妬み、妬み、妬んだ果てに妖怪へと堕ちた存在。
嫌われ者が集まる、言わば何かが欠けてしまっている者達の集う場所ですら私の心は妬むのを止めない。
人間の醜い心が形を為したもの、それこそが私だ。
地底の中央には地霊殿が聳え立っている。
鬼は別として、地底の妖怪達はほぼその周囲に住んでいる。自分はその街の中にもいられなかった。この地底にまで堕ちて臑に傷を持つ者達の中にいても自分は一人でいる。
例え地獄の底に落とされても、まだ寄り添える者達が妬ましい。
一人で良い。
一人が良い。
そうすればもう誰にも好かれず嫌われもしない。
好きな人たちに自分の醜い様を見せる事もない。
しかし物好きもいるもので、こんな私の所にちょくちょく顔を出す輩達もいる。
「おーい、パルスィー」
ニコニコと笑いながら大きく手を振って娘が駆けてくる。否、正確に言えば娘に見える蜘蛛なのだけれど。
「や、ご無沙汰だね」
「ご無沙汰って、先週も来たじゃないの、用事もないのによくもまあこんなとこまで来るもんだわ」
「えー、酷い言い方するねえ、せっかく友達が来てやってるって言うのにさあ」
「友達……ね」
「なぁにさ、違うっての?」
「さあ?」
この娘は黒谷ヤマメ、土蜘蛛と呼ばれる妖怪だ。病を操る程度の能力を持っている。蜘蛛が長い長い時を経て変化した妖怪。この娘が地底にいるのはやはりその能力故だろうか。
「ひっどいね、そんなんだから友達あたししかいないんだよ?」
こいつも表では嫌われていたらしいが、この地底では人気者だ。その明るい性格の為だろうか、そう思えばヤマメの事も妬ましくつい冷たい台詞で返してしまう。
「いいのよ、別に友達なんかいなくて」
「意地っ張りめ」
言いながら、私の言葉を気にした風でもない。いつもそんな調子だ。
そして私は後悔する。
「うるさいわよ、で、今日は何の用?」
「おー、そうそう、ちょっとさこれから付いてきて欲しい所あるんだ」
「ハァ?何しにどこに行くってのよ」
「それを言っちゃー面白くないのよん、いーじゃないさ、どうせ暇なんでしょ?」
正直誘われて嬉しくない事はないのだ。元が人であるからか、それとも感情を操る妖怪だからだろうか、自分はわりと心が動きやすいと思う時がある。孤独にならなくてはいけないと思いつつも、他人と寄り添う誘惑は私にとって甘すぎて、でも、恐ろしくて。
「仕方ないわね」
「おーし、それじゃしゅっぱーつ」
地底は岩が多くて歩きづらい。整備されている道など殆ど無いのだ。綺麗な道があるのはそれこそ地霊殿の周囲くらいか。
歩いていく方向はどうやら自分があまり通らない道のようだ、しかし何処か見覚えがある。
「ねえ、ヤマメ」
「なにー?」
「この道ってさ、どこに続くの?」
「だからそれを言っちゃあ面白くないんだって」
「自分だけはわかっている……妬ましい」
「あはは、相変わらずだなあ」
ニコニコと笑いながらヤマメが歩いてゆく。こいつは自分の嫉妬をどうしてこうも軽く受け流せるのだろう。
なんだかなあと、私はため息を吐いて後に続いた。
歩きながら、ヤマメが口を開く。
「あの……さ、パルスィってさ、人間だった時の事って覚えてないんだよねえ」
「ええ、覚えてないわ、まあどうも自分の由来調べたら、覚えてない方が良さそうだわ」
「……そっか……ねえ、今度さ、パルスィの家の害虫駆除したげるよ!」
「何よ、急に」
「蜘蛛ってさ、益虫なんだよ、家にいる害虫を駆除してくれるのさ、あたしにも出来るんだよ」
「知ってるわよ、なんかの病気置いてったりしないならやってもらうわ」
「うん」
確か、昔蜘蛛を助けてやった事があったような気がする。朝に見る蜘蛛は助けると良い事があるという迷信を信じて。
初めて会った時から、この娘に妙に懐かれた。
私が地上を去り、この地底にやってきた時にその入口で彼女と出会った。
「あれ?この辺りってひょっとして……」
「あ、やっと気づいた?地底の出入り口だよ」
「どうりで……見覚えあるはずだわ、ここであんたに襲われかけたのよね、妬ましい」
「なはは、その事は言いっこなしだよ、久しぶりの人間かと思ったんだ、それに結局は襲ったりしなかったよ?」
最初は私を人間だと思い背後から襲おうとしたらしい。
私とてこれでもそこそこの力はある妖怪だ。岩陰から放たれた殺気を感じ取って振り向くと、そこに彼女がいた。
「まあね、やり合ったとしても負けないけどね」
あの頃の自分は今より荒んでいた。妬ましいと思う気持ちを、どうにも抑えきれなかったのだ。地上で幾多の妖怪を妬み、それが体の中で荒れ狂っていた。己の感情に追われ追われて辿り着いたのがこの地底だった。
だからヤマメに会った時も妬む、理由はなかったが襲ってくるならやってやろうと思っていた。
だけれど、その時ヤマメが「綺麗だねえ」と言ったのだ。それで、毒気を抜かれた。
以来何故かこいつにはさほど嫉妬心が沸かない。他の者と比べてと言う所だが。
「パルスィとやりあったりなんかしないよ」
珍しく、静かな口調でそう言うヤマメが少し寂しそうに見えた。
「ヤマメ……?」
「あ!そろそろ見えてきたよ!」
言われて前を向くと巨大な岩壁にぽっかりと空いた穴があった。地上との出入り口だ。
その前に、一人大柄な人影。
「あれ……勇儀?」
「おーい、勇儀さーん」
ヤマメが元気よく手を振る、その様も又妬ましかったりするが、今は何故この出入り口に勇儀がいるのか、と言う事の方が気になった。
「やーやー、遅かったじゃないかお二人さん、こっちは終わってるよ」
「そんなことないよ、これでも割かし急いできたさね、パルスィの家が遠いのが悪い」
「そうか、じゃ、明日にでも引っ越しさせようそうしよう」
「終わってる……?ちょっと、二人とも何言ってんのよ」
半ば呆れながら言った。
この星熊勇儀というのは、鬼の四天王と呼ばれる幻想郷でもトップクラスの妖怪だ。こと単純な力に於いては頂点と言っていいかも知れない。鬼という種そのものが桁が外れているのだ。
本来ならばこんな接し方をして良い相手ではないのだろうが、それでも周りから堅苦しくされるのは嫌だそうで向こうから話しかけてくる事も多い。
ヤマメと並んで私を嫌わない変人だ。
「で、こんな所に二人して呼び出して、一体何するのよ」
「はは、ヤマメと二人で話してさ、外に行こうって話になったんだよ」
「はあ?」
素っ頓狂な声を出してしまった。勇儀を見ると笑っているだけだし、ヤマメは何故か、どうだという風に胸を張っている。
外に出るための通路には結界が張ってあり、通れないはずだ。
「なに馬鹿言ってんのよ、出来るわけ無いじゃない」
洞穴の中を覗く、暗い闇が続いているだけだ。
この奥に、目には見えない結界が張ってある。進んでも進んでも、出口には辿り着かないのだ。
「それがねえ」
「やっちまったんだなあ」
二人がにーっと笑う。
「まあまあこっちおいでな」
勇儀が洞窟の中に入り、入口近くの大きな岩の前に立つ。己より巨大であろうその岩を軽々と持ち上げると、そこには人一人が入れる程の穴が空いていた。
「なに?この穴」
「ここを通れば出口に辿り着くのさ」
「嘘……そんな話いままで誰も……」
「そりゃそうさ、今できたばっかりだもん」
「今?」
訳がわからない、私が首をかしげるとヤマメが言う。
「勇儀さんが掘ってくれたんだよー」
「掘ったぁ!?」
「そうさ、何か綺麗なもん見ながら酒が飲めるってヤマメがいうもんだからね」
驚く私を尻目に、二人は楽しそうに笑っている。
「でも、こんなコトしたら……」
「だーいじょぶだいじょぶ、帰ってきたら塞げば良いんだから」
「そうそう、それにあのスキマだって年がら年中仕事してるわけでもないだろうさ」
そうは言うが、八雲紫を敵に回す程の事だろうと思う。
地底の妖怪と、地上の妖怪には相互不可侵の協約がある。故の結界だ。
自他共に認める幻想郷の管理者である彼女を敵に回してまでしたい事と言うのは何なのか。
「ほんじゃ、レッツゴー」
「おー!」
「はぁ……」
ここまで来ておいて、自分だけ帰るわけにも行かない。肩を落として私は二人についていった。
「なあ、まだなのかい?ヤマメ」
「確かねえこっちの方だったと……ごめんごめん、あたしも久しぶりだからさあ、えーと、地底に行く前には確かにあったんだから……」
「何があるってのよ、まったく」
「まあまあ、そう焦ったからって良い事ある訳じゃないさね、あーそれにしても空気がうまい、外で飲む酒の味をしっかり思い出さなきゃねえ」
勇儀はいつも酒、酒、酒だ。
悩みなんて全くないんじゃあないかと思う。まあ、だから私のような女と付き合えるのかも知れないけれど。
森の中を歩いていく。外に出ると夜だった。
久しぶりに見る月が、自分の目には禍々しく映ったのは何故だろう。
あの時もこんな月が出ていた気がする。
「あのとき……?」
自分で考えた事に疑問が沸く。
いま考えていたのはいつの時の事だ。わからない、思い出せない。
「あった!」
ヤマメが叫んで駆けていく。
勇儀も一緒に、釣られて私も走り出す。
木々が左右から背後へと流れていく。月明かりと満天の星空のなか仄見える緑が急になくなり、そこにあったのは。
「よかった~まだあったよ」
大きな大きな桜の木、開けた山の中の草原に一本だけ、それでも雄々しく咲き誇る染井吉野。
桜が舞う。
桜が散る。
はらはらと儚げに風に吹かれるそれらが美しく。
残酷な程美しく。
私の記憶を呼び覚ます。
目に入った桜が、月明かりの下咲き誇る桜が、私の体を呪縛する。
あの日の朝(いつ?)家を掃除していて(どこ?)桜の木の下にあった水場でもがいていた一匹の蜘蛛を助けた(なんのこと?)瑞兆だと、何か今日良い事があるかもしれないと蜘蛛を桜の上に載せそう思った(そんな事はなかった)そして、私はあの晩、(いつのこと?)その桜の下で(どこで?)あの人の不貞を(誰?)この目で見てしまった(何を見た?)相手と別れた貴方を(やめて)私は問い詰め(やめて)そして(やめて)愛していたから(やめて)心の底から愛していたから(やめて)もう誰にも奪られないよう(やめて!!)
大好きな貴方を
大好きな桜の下で
殺して埋めた。
「うあああああああああああああああああああああああああああ!!!」
「パルスィ!?」
「どうした!!!」
思いだしてしまった。駄目だ、立っている事すらままならない。
これは、私の記憶だ、他の誰の物でもない、私の記憶だ。
私がまだ人であった頃の、そして、橋姫になった時の記憶だ。
愛していた男を殺した。愛していたからこそ殺した。殺さなければ私が死んでいた。でも、殺したくて殺したんじゃない、そうしなければ私が生きていられなかったから、だから、だから。どうして私だけがこんな目に遭わなければならないの?どうして私だけが愛する人を手に掛けなくてはならなかったの?どうしてあの女といる時貴方はあんな楽しそうな顔をしていたの?
「妬ましい……妬ましい……」
思わず口から漏れる呪詛の言葉。真っ赤になった記憶が私の心を引き裂いてゆく。
「パルスィ!パルスィ!!」
ヤマメが駆けてくる、泣きそうな顔をして。
勇儀もそれに続いて。
怖い。
怖い。
この二人を妬んでしまうのが。
「やめて、こっちに来ないで、私、もう、嫌われたくない、好きになった人を、失いたくない、殺したくなんて無かった、ずっと一緒にいたかった、それなのに、それなのに、こんな姿の、こんな醜い、私を」
本音が漏れる、それは誰にも今まで言えなかった、寂しがりの私。
妬まないよう、他人を避けた。嫌われたくなかったから、他人を避けた。
「見ないで」
二人から、顔を背けた。二人の顔が見られなかった。
「貴方たちを妬みたくない、貴方たちに嫉妬したくない。嫌われ者で、すね者の私に、唯一接してくれる貴方たちを無くしたくない。けれど、心が止められないの、どうしても止められないの!」
「馬鹿!」
立っていられずしゃがみ込んだ私の肩に手がかかった。
顔を上げると勇儀が私の両肩を掴んでいた。
私は、何も言えずただただ首を振る。
「いいかい、わたしゃアンタの昔なんて知らないよ」
普段は酔っぱらっているばかりなのに、口を開いた勇儀の顔は、真剣その物だった。
少し、肩が痛くて。
「だけどあたし等を舐めるんじゃあないよ」
どういう事だかわからない。
「地底の奴らは、みんなどっかが壊れちまったやつばかりさ、表で弾かれちまった妖怪だらけのこの世界で、その中にもいられなかった奴らがあたし達さ、アンタも、あたしも、ヤマメも」
腰の辺りが妙に暖かい、ボンヤリと目をやるとヤマメが腰にしがみついていた。
「自分だけが特別だなんて思うな、自分だけが苦労してるなんて思うな、自分だけが嫌われてるなんて思うんじゃあない」
「勇儀……」
「こんな事になっちまったけど、今日はアンタのために表に出てきたんだよ」
「わたし……の……?」
「ヤマメ」
勇儀に呼ばれ、腰にしがみついていたヤマメが顔を上げる。涙と鼻水でぐしょぐしょだった。
「ごめんねえパルスィ、あたしさあ、パルスィが桜好きだと思ったからさあ」
好きだった、とても綺麗なこの花が。見るだけで幸せな気持ちになれていた。
「なんで……そうおもったの?」
誰にも言った事はない、何故、ヤマメが知っていたのだろう。
「あたしさあ……ずっとずっと言ってなかったんだけどさあ、表でさあ、まだただの蜘蛛だった頃さあ、アンタに助けて貰ったんだよねえ」
あの日、私の助けた蜘蛛、やってこなかった瑞兆。
「その時にさあ、アンタが桜をさあ、嬉しそうに眺めてたからさあ……」
その後、私はその桜の下であの人を殺した。
「その後さあ、アンタの家の害虫食べてたんだ、虫が出なくなったら喜ぶかと思って、でも、アンタがあの家に帰ってこなくてさあ……」
私は橋姫になり、二度とあの家には戻らなかった。
「地底でさあアンタの顔見た時にさあ、髪も目の色も変わってたけど、あたしにはすぐ分かったんだよ、命の恩人だったんだから」
私はあの日一つの命を救い、一つの命を奪った。だから、この娘に出会えた。
「ごめんねえ、パルスィ、ごめんねえ……」
謝り続けるヤマメの背中に、いつの間にか私は手を回していた。
勇儀が立ち上がり、どこからか瓢箪と杯を取り出す。
そして、私たちに手渡した。
「飲もう、な、パルスィ、ヤマメ」
桜の木の下で並んで座った。
ヤマメはまだべそをかいている。
勇儀は、彼女らしからぬちびちびとした飲み方で酒を飲んでいる。
「私……さ……」
口を開くと、ヤマメの顔が此方に向いた。勇儀は頭上から舞う花びらを見つめ続けている。
「昔、本当に昔、好きな人がいてさ……」
杯から酒を舐める様にして飲む。
「世界で一番好きだったんだけど、でもその人は私が一番じゃなくてさ……」
忘れてしまいたかった。
忘れたくて、忘れたくて、本当に忘れてしまった。
忘れないと生きてこられなかった。
「それが、辛くて、辛くて、その人を……その人をね……」
ヤマメが俯き、勇儀が一気に酒を煽った。
「殺しちゃった……」
二人とも、何も言わなかった。
けれど、この二人にだけは言わなければいけないと思った。
誰からも見捨てられた私を、決して見捨てなかったこの二人には。
「なんか、二人には言わなきゃって思ったんだ……」
また、ヤマメが鼻を啜り始めた。
地底に堕ちるような妖怪なのに、他人のために涙を流すこいつは、優しい娘だ。
「辛いね」
勇儀が此方を見ずに言った。
不器用な慰めの言葉だと思った。
その分、心に響いた。
「うん……」
涙が零れた。杯の中に映る自分の顔が、水滴で歪んだ。
「だから、もう、人を好きになるのは……」
そこまで言った時、ヤマメに抱きつかれた。
まるで、子どもがいやいやをするように首を振りながら。その先を言ってはいけないという様に。
その頭に手を乗せた。
「ヤマメはさ、アンタのために古明地のとこに行って掛け合ったんだよ、一日で良いから、外に出してくれってさ、あの隙間妖怪を呼び出して貰って、アンタに、桜を見せたいって言ってさ」
あの八雲紫と一対一での会見など、彼女には恐怖でしかなかっただろう。
自分のために、それをしてくれた。
「その程度にゃ、アンタは好かれてる」
私にしがみついたヤマメの手がぎゅっと握られた。
「妬ましいわね……」
二人の優しさが、二人の心の温かさが。
「本当に、妬ましい……」
きっと私はもう、一人では耐えられない。
寄り添う事を思いだしてしまったから。
ふと、ヤマメを見ると寝息を立てている。
泣き疲れて眠ってしまったのだろう。酒も入っていた。
桜が舞う。
桜の思い出が増えてゆく。
これからでも幸せになれるだろうか。
そして、この二人のようになれるだろうか。
「妬ましいわ……」
月光の中散る花びら、杯の中に落ち、儚く揺れている。
まるで、私の未来のように。
まるで、私の心のように。
でも今は、膝の上で子どものように眠る土蜘蛛と、隣に座る不器用な鬼が、心の底から愛おしい。
例え許されぬ罪を背負っていても。
了
殺気?
綺麗の一言に尽きます…素晴らしいなぁ
ヤマメは嘘を吐かなかった。確かに綺麗なもんが見られた。
捏造、ですか。確かにそうかもしれませんね。
でも個人的にはこうも思う。それは肉付けであり補足であると。
ありがとう、良い妄想でしたよ。
二次創作ssなんだから。
とっても、いい設定でしたよ。
楽しませてもらいました。
良いお話でした
綺麗な文章と併せて素敵な雰囲気、堪能させていただきました。
いい作品をありがとう
蜘蛛って小さいやつだとアメンボみたく水上歩行できるんですよね。昔どこかに出かけたときに見た。
捏造云々は、創作は自由でこそと思うので、良識の範疇で伸び伸びとするのが吉だと思います。これからも自由に作品を投稿してください、そしたら名前読みしちゃいますよw。
悲しむことが出来るのは優しさがあったから。
三人とも いいひと です。