あ、霊夢さんこんにちは、今日はどうなさったんですか?
何で昨日守矢神社で花火を上げてたかって?確かに、こんな寒いのに花火ってのも変ですけど、まあ綺麗だったでしょ?
……ですよね、確かに皆喜んでたみたいです。
え?皆を喜ばせるのが目的でやったのかって? いや、まあそれが色々と複雑な事情があったんですよ。
とりあえず上がってください。お茶が沸くまでその話をしましょうか。
◆
「あー、守矢の巫女さんだ!」
私がいつも通り布教に人里に下りてくると、子供達の明るい声が、私を出迎えた。
その声は、子供らしい元気さに溢れていたが、心なしかいつもより浮ついているように感じられた。
「こんにちは、今日も良い天気ですね」
「ねーねー巫女さん。昨日僕凄いもの見たんだよ!」
子供達の中の、ガキ大将といえる少年が私の挨拶を完全に無視して、話し出した。
「昨日さ、僕見ちゃったんだよ。妖怪が一杯集まって、花火をしてたんだよ」
「へ……花火?」
花火といえば、外の世界では夏の風物詩となっていた行事だ。
この少し春めいてきたぐらいの気温では、全く場違いだといわざるを得ない。
適当に相槌を打ったり、他に目撃したという3人の子供の話を総合してみたところ、
とりあえず、地底の妖怪と思われる一軍の妖怪が、空に向かって花火を上げていたらしい。
「なんで、見に行こうと思ったの? おかしいと思わなかった?」
「んー、確かに変だとは思ったけど。やっぱり、綺麗だったしさー」
「すごいキラキラしてたから、もしかしたら何か面白い事でも起きてるかなーって」
少し言い訳がましく語るガキ大将の話を、隣のひょろっとした男の子が引き継いだ。
確かに、好奇心旺盛な子供の事だ。見に行きたくなる気持ちもわからないではない。
「ねー、巫女さん。やっぱりあれは『異変』なのかなー!」
一番背の低い子供が、胸の高鳴りを押さえ切れないといった感じで割り込む。
明らかに、その目の奥の光は「異変だったら良いなー」という好奇心に彩られていた。
「え、それは違うんじゃないかな? だって、みんな凄く楽しそうだったしー」
「でもー、妖怪の遊びが人間に迷惑をかける事だってあるとおもいまーす」
「花火は綺麗だから異変には入らないでしょー。色んな妖怪さんがわーわー言って楽しんでたし!」
「真ん中のピンク色の髪のお姉さんだって、のんびりと耳を澄ましてたしー」
「はいはいはい、そこでおしまい! あとは、私がちゃんと調べてくるからねっ!」
子供特有の、中身のない論争が始まりだしたので、私はそれを治めた。
子供達は一斉に、わーっという喜びの声をあげ、期待の眼差しとともに私を見つめてきた。
……正直、そんな綺麗な目で見られても少しだけ困る、けれども。
私も、その花火の正体、というか動機が気になってきていたのだ。
最近は、大した異変と言う異変も起きなくて少しだけ退屈していた時だったし。
「じゃあ巫女さん。僕と指きりね! ちゃんと解決してよ!」
ガキ大将の子が、私に「指きりげんまん」を要求してきたのを皮切りに、周りの子供が一斉に私に指切りを迫ってきた。
嬉しいやら恥ずかしいやらで、一人ひとりとちゃんと指切りをしていると、一人の女性が駆け寄ってきた。
確か、この人はガキ大将の子の母親だったような。
「すいませんすいません、この子が変な事を言って。私もちゃんと厳しく叱ったんですけど」
ぺこぺこと頭を下げながら謝罪の言葉を述べる母親に、ガキ大将が思い切り抗議の声を上げた。
「違うよかーちゃん。本当に僕見たんだって!」
「だから言ってるでしょ! 嘘ついて大人を困らせるのは止めなさいって」
「本当だってば!」
「だって、私は全然気付かなかったのよ!?」
二人の、ある種微笑ましいと言えるやり取りを見ていると、どこか懐かしい、
私が外の世界に置いてきてしまった、くすぐったい感覚で私の心が一杯になってきた。
母親が、息子の頭を押してぺこぺこと下げさせ始めたので、私は口を開いた。
「心配しないでくださいお母さん、一応一人の人間として彼の意見も参考にします。ちゃんと、他にも見てきたという子も居ますしね。
あと、今のところ私の仕事は特にないので、時間は余ってるのでお気遣いなく」
「ええ、まあそう言ってくれるのはありがたいですけど……」
不満な様子を見せる母親を横目に、私はガキ大将ともう一度指切りをした。
「約束した、もんね?」
彼は、とても嬉しそうに頷いた。
◆
外の世界の刑事ドラマなら、まずは関係者への聞き込みを……とする所なのだろう。
しかし、この幻想郷にはそのような犯罪を統括する組織はないので、私は直接地霊殿に向かう事にした。
子供の一人が「ピンク色の髪をしたお姉さん」と称していた妖怪は、紛れもなく地霊殿の主である古明地さとりであろう。
地底に下りて飛ぶ事20分弱、地霊殿の扉へとたどり着いた。
「おじゃましまーす」
誰に言うでもないが、とりあえず礼儀として挨拶をして中へと入る。
中に入った瞬間、ひゅうっとした風が吹き抜けた。かと思うと、私の前に一匹の黒猫が現れた。
瞬きをする間に、黒猫は一人の妖怪少女としての姿を見せていた。
「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃーん。お姉さん、今日は地霊殿に何の用事?」
「ええ、貴方がたが昨日花火をしてたと聴きまして」
「ふうん、確かに花火はしてたけど」
燐は、何てことないよ、と言わんばかりの口調で続ける。
「だから何さ? たまには花火をしたくなるときだってあるさね」
「まあ、そりゃそうかもしれませんけど」
「それに、花火で被害を受けたって人は居ないんでしょう?」
「話を聞く限り居ませんね」
「じゃあ、別にあたい達が花火をしてようと問題はないんでしょ?」
彼女の態度には「さっさと帰れ」と言わんばかりの明確な拒絶が現れていた。
ここまで冷たい態度を取られるなら帰ってしまおうか……と思ったが、「指切り」をしてしまった以上、
彼との約束を反古にするわけにはいかない、と思いなおして、きっと目の前の妖怪を睨み返した。
「しかしですね、現に花火を打ち上げた事は確かでしょう? それならばやはり事実関係を確認しておきたいのですよ」
「ふうーん」
そう言って、燐は私の表情から何かを読み取ろうとしているように目線を動かした。
一通り値踏みを済ませるとはぁ、と溜息を付いて、地霊殿の廊下を歩き出した。
「勝手についてくれば、あたいはさとり様のとこに戻るから」
遠まわしに案内してくれるのだろう、と解釈し、私は燐の後に続いた。
程なくして、一際大きな扉が目に入った。燐はその扉を開いて中に入ったので、私もそれに倣った。
中は、所謂リビングと言った感じの部屋で、私にとってはどこか見覚えのある感じであった。
燐は黒猫の姿を取って主の元に駆け寄ると、膝の上で丸くなった。さとりは、愛おしそうにその背中を撫で、そして私の方を向いた。
「『何故冬に花火をしたのか』ですか。まあ、別に大した理由はないのですよ」
「あっ……」
「『そういえば、この人は心が読めるのか』。はい、だから貴方がここへ来た理由は既に判ってます。
私も地霊殿の主ですから、ちゃんと説明させていただきます」
さとりは、燐を地面へと話すと、姿勢を正して私のほうに向き直った。
「貴方は、外の世界の『精霊流し』という風習を知っていますか」
「え? はい、知ってますけど」
精霊流し、確か九州で行われるお盆のイベントだったはず。
「その通りです。この風習は、その名の通りこの風習は、亡くなってしまった者の魂を送るために有ります。
最近、地底では少し良くない霊が増えてきていたので、何か良い手段は無いかと思ったところ、こいしが提案してくれました。
こいし曰く、花火を一杯打ち上げて、良くない物を払う風習と効きましたので、それならそこまで大きな準備も要らないからと早速実行する事にしました。
勇儀の知り合いである鬼と、空が交互に花火を打ち上げて、それはもう良い眺めでしたよ」
その一部始終は、確かにに私が知識として知ってるそれと一致する。
花火の件は確かにそれでちゃんと説明がつく。しかし、しかしだ。
私の直感が告げているのだ。何か、何処かが足りないと。しかし、その違和感が何かはわからなかった。
さとりは、私のその思いをしっかりと把握しているのだろう、困ったような顔をしてこちらを見ていた。
「そう思われましてもね、これが事実という奴ですよ」
そして、少しだけふっと溜息を付いて続けた。
「現実なんて、案外判ってしまえばつまらないものですね」
何故か、私の耳にはその言葉がとても現実味を帯びて響いた。
◆
私は、わだかまりを心の中に残したまま地霊殿を去った。
少なくともさとりの説明に不備はないので、これ以上引き下がる事はできなかったからだ。
納得はいかないが、真実を追い求める事が私の仕事ではない。
あくまで、これが解決すべき異変かどうか。そして、異変ならば解決する。それが私の使命だ。
だから、これで人里の人々にはちゃんと納得してもらおう。そう決意して、地霊殿の外へと踏み出した。
その瞬間、見慣れた顔に遭遇した。霧雨魔理沙だ。彼女は、慌てた様子ながらも、笑顔で言った。
「おお、早苗! 村の子供達が、お前が地底に異変解決に行ったと言ってたから助太刀に来たぜ!」
私は、二人で地上へと戻る道すがら、魔理沙に事情を説明した
彼女は、黙って私の話を最後まで聞き、つまらなそうに溜息を吐いた。
「なーんだ、てっきり私はまた地底の連中が何かやらかそうとしてるのかと」
「ええ、まあ私もそう思って動いたのですけどね……」
「全く残念だ」
「その通りですよ。何か面白い事があるかと……」
「いやそうじゃなくてさ」
魔理沙は、真顔で首を振った。
「花火って言うからには私を呼んでほしかったなあ、と」
「そっちですか……」
「いやほらさあ、音と光でばーっと世界をにぎわす魔法使いだから私」
「なんとなく合ってるような、合ってないような」
ん、何かが今私の心の中で引っかかった。
なんだろう? 何かが今繋がりそう。
「ん、どうしたんだよ早苗。餌入れに餌が入ってない猫みたいな顔してるぜ」
「え、いやなんでもないです」
「ふーん、まあいいや。今度、早苗も一緒に花火しようぜ。村の人が全員飛び起きてくるぐらいのでっかいのを上げようぜ」
ん、んんんんん。
私の中に、今日一日の色んな人の発言がフラッシュバックしてくる。
そう、確か最初は子供達に話を聞いて。そして、お母さんがやってきて。火焔猫の話を聞いて、そして、さとり妖怪。
思い返してみれば、何だか良くわからない違和感は、最初からあったのだ。
冬の花火。それを見に行った子供。そこでの光景。そして、それを謝罪させるお母さん。
花火の事を肯定する、火焔猫。そして、それを精霊流しだと主張する、さとり妖怪。
最後に、何かを私に気付かせてくれた、魔理沙の言葉。
どこだ、私の違和感の正体と、それを打ち砕くための鍵は。
「早苗……やっぱり、調子が悪いのか?」
魔理沙の言葉を無視して、考え続ける。
こういうときは起きた出来事を逆順に考え直せ、とおばあちゃんが言っていた。
そうすれば、事実だけではわからない人の感情が浮き彫りになってくる、とも。
思い出せ、思い出すんだ私。
さとりの弁解。
燐の言葉。
子供達の目撃。
「あ、わかった!!」
「ひゃっ!!」
突然大声を上げた私に、魔理沙が驚いて飛びのいた。
私は、動転状態の魔理沙に「ちょっと忘れ物したから!」と伝え、急いで地霊殿への道を再び飛び始めた。
◆
「また、貴方? 一体、そんなドタバタしてどうしたのよお姉さん。何か忘れ物でも?」
慌てて地霊殿の中へと駆け込む私の姿を見て、燐が呆れたような声を漏らした。
「ええ、忘れ物があるんですよ。とても大事な忘れ物が」
「ふうん、じゃあさっさと取りにいったら?」
「あ、そうだ。燐さん、一つ質問しても良いですか?」
「うん? 別に構わないけど、一体何さ?」
「燐さんは、昨日初めて花火を見たんでしょ?」
「そりゃ、その通りだけど。それがどうしたの?」
不思議そうな顔で返事を返す燐。そのきょとんした様子には、何かを隠している様子は無かった。
なるほど、これで大体話は見えてきた。
「ううん、なんでもないんですよ。それじゃ、お邪魔します!」
私は、リビングへの廊下を急いで駆けていった。
扉を開けると、さっきと同じ姿勢でさとりは座っていた。
「ふう、全く騒がしいですね。一体どうしたんですか、守矢の巫女さん」
「聞きたいことが、会って来たんですよ」
「ふむ、『あなたがやったことは……』」
「おっと、わざわざ口に出してもらわなくても結構ですよ。私がちゃんと説明します」
私は、乱れた呼吸を整え、仁王立ちの姿勢になった。
「古明地さとりさん、どうやら私の推理によるとですね、あなた方のやったことは『精霊流し』から……
いや、『花火』からは全く程遠いものじゃないんですか?」
「いちいち私に確認を取らなくて結構、続けてください」
「それではお言葉に甘えて。そもそも、もっと早く気付くべきだったんですよ。
あなた方のやった花火に――いや、あなた方の花火を見聞した人が誰も『音』に言及しない事に」
私がそう言うと、さとりは嬉しそうに、それでいて少し照れ恥ずかしそうに笑った。
「だって、良く考えたら色々おかしいじゃないですか。花火って物凄く大きな音がするんですよ。
それだったら、里の子供のお母さんだって、いや、もっと言えば私だって気付いていたはずなんですよ。
それなのに、みんな花火が『綺麗だった』としか言わないで『うるさかった』や『音が響いた』とは誰も言わない。
だから、おかしいんですよ」
そう、それに気付かせてくれたのは紛れも無く霧雨魔理沙の発言だ。
彼女は、どこかで見て花火がどういう物か知っていたのだろう。だから、花火には「光」と「音」があるのを知っていた。
私にも、その知識があったせいで、事実として何が起きていたかをちゃんと判断できなかった。
私の追及に、さとりは笑みを浮かべたままで反論した。
「ええ、確かに私の花火に音はありませんでしたよ。だからと言って、それがどうしたんですか?」
彼女は、私の心が読めているから、私がどう反論するかは知ってるに違いないのだ。
しかし、ここでそう返してくるという事は、多分私とのこの三文芝居を楽しんでいるのだ。
「ええ、別に花火に音が無くても問題ありませんよ。そこはどうでもいい」
私は、昔テレビで見た探偵の真似をして、指を真っ直ぐさとりに突きつけた。
「子供の一人がね、こう言っていたんですよ。『ピンク色の髪の妖怪が耳を澄ましていた』ってね。
さとりさん、貴方は一体何に耳を澄ましていたんですか?」
さとりは、笑いながらため息を吐いた。
「地上と交流を持つようになって、色んな人に本を貸してもらって読むようにしたんですよ。
一回、やってみたかったんですよね。こういう探偵物のラストシーン。
こういう時は何て言うんですっけ? 『本当は殺すつもりはなかったんだ』かしら?」
「別に誰も死んでませんよ!」
さとりは、さっきまでのつれない態度とは打って変わって優しい微笑を浮かべていた。
「ねえ、早苗さん。貴方は宇宙人の存在を信じるかしら?」
「何ですかいきなり……まあ、もしかしたら居るんじゃないでしょうか。幻想郷にもUFOが出るぐらいですし」
「外の世界の本を読んでて、宇宙人の出る話にたまたま出会ったのよ。
それを読んでるとね、『宇宙人はテレパシー』を使えるって話があってね」
「まあ確かに、小説の中の宇宙人さんはよく念力で話しかけてきますね」
「だから、宇宙人なら。私の気持ちがわかってくれるかな、ってさ、思ったんです」
そう言って、さとりは寂しそうに笑った。
私には、その寂しさがわからなかった。いや、判ると言ってしまっては、この孤独なさとり妖怪に失礼な気がした。
「だから、花火を上げたんですか?」
「そう、綺麗な光を高く高く上げれば、空に有る星のどれかにいる誰かが反応してくれるかな、ってね」
「なるほど……」
まるで、そう、子供みたいな話だった。寂しいから、誰かに気づいてもらいたかった。
私はここに居ます、って誰かに気付いてもらい買ったから、目立つためにやった。
私よりずっとずっと年上な妖怪を、そんな子供っぽい行動に至らせたその「寂しさ」が、どことなく怖くなった。
「本当に大変だったんですよ、みんなに精霊流しってイベントがあるんですよーって嘘ついて。
そして、必死に耳を凝らしたけど何の声も聞こえなくて。本当に現実って残酷ですよね。
私の心の中を知ってくれる人なんて、やっぱり誰も居ないんですよ」
「それは、違いますね」
私は、負けないぐらいの笑顔でさとりの目をじっと見つめた。
「結局貴方は、私を騙しきることができなかったじゃないですか。だから、貴方の心だって簡単に伝わるんですよ。
ちゃんと、貴方の周りのペット達にもね」
さとりは、心の底から嬉しそうに笑い声を上げた。私にも、彼女の喜びがちゃんと伝わった。
◆
その日の夜、私が今日一日の出来事を噛み締めながら寝床に就こうとすると、
外から子供達がわいわい騒いでいる声が聞こえてきた。
一体何が起こってるんだろう?と外に出てみると、朝にあった子供達が輪になって集まっていた。
その中心で音頭を取っているのは、霧雨魔理沙だった。
「魔理沙さん、こんなところで何してるんです?」
「ん、だからちゃんと言っただろう? 花火をやろうってな」
「だからって今日やらなくても」
「善は急げ、って奴だよ」
魔理沙が誇らしげに胸を張った。子供達の一人が、私に気付いて声を掛けてきた。
「あ、巫女さん。地底の妖怪はやっつけたの?」
「え?あ、うん。ちゃんとやっつけたから異変は起きないよ」
私がそう言うと、子供達は一斉に歓喜の声を上げた。
子供達が今度は握手を迫ってきたので、一人ひとりの手を握っていると、魔理沙が声を張り上げた。
子供達の手から、喜びや嬉しさがひしひしと伝わってくる。
「そんな奴の相手してる場合じゃないぜー。さあ、今から花火を打ち上げるぞー!」
魔理沙の合図に合わせて、子供達が掛け声をかける。
「さーん、にー、いーち!!」
ぜろ、の声と同時に、色とりどりの明るい光が守矢神社を、いや幻想郷中を照らし出した。
次の瞬間、視界全てを揺らすような爆音が響いた。
「うわー!!うるせえええ!!!!」
キンキンする耳に、魔理沙の愉快さの篭った笑い声が響く。
子供達も、とにかく皆笑っていた。
「さとりさん、確かに花火じゃ宇宙人の気持ちは見れなかったかもしれないけれど」
私は、笑い声に紛れてしまうように呟いた。
「ここにいるみんながこうやって笑ってくれるんですよ。ねえ、伝わってますか?」
その瞬間、ふと何処からかあのさとり妖怪の、シニカルな笑い声が響いたような気がした。
そして、その刹那の笑みは私の耳に響く花火の音の中に沈んでいった。
耳が痛くなるな
4?
お墓で花火…それはともかく面白かったです
だけど、ちょっと展開が速かったような…?まあ、これは私個人の感覚なんですけどね。
あと一つ。霊夢への語りから過去の回想へ入って、そして現在に戻らなかったところが気になりました。なので、この点数で。
音の出ない花火…どうやって上げたんでしょ?
面白かったです!