強くあれ。
強くあれ。
もっともっと、強くあれ。
キリキリ・・・・・
重くあれ。
思くあれ。
もっともっと、想くあれ。
キリキリキリキリ・・・・・
硬くあれ。
堅くあれ。
もっともっと、難くあれ。
キリキリキリキリキリキリキリキリキリ・・・・・
鋭くあれ。
鈍くあれ。
もっともっと、痛くあれ。
キリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリ・・・・!!!
時を重ねて強くなれ。
時を紡いで強くなれ。
キリキリキリキリ、聞こえるでしょう?
時を刻めルナ・ダイアル。
傷を刻めジャック・ザ・リッパー。
敵を刻め殺人ドール。
そして、もっと強くなれ、十六夜咲夜
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私はお嬢様が好きだ。
お嬢様の為であるならばなんだってしよう。
勿論、死ぬ事だって厭わない。
でも、お嬢様が、死ぬ事を許してくれない事は重々にして承知している。
だから。
それ故に。
もっともっと、お嬢様を好きになる。
強く強く、限り無く強い少女。
レミリア・スカーレット。
絶大なる支配者であり、絶対なる略奪者。
故に、彼女に敵は多い。
しかし、それを蹴散らす力を私はもっている。
『時間を操る程度の能力』
これはまさに私の為にあり、お嬢様の為にあるチカラ。
恐らく、最強にして最凶のチカラ。
このチカラで、私は守る。
このチカラで、私は救う。
愛しき姫君を。
寂しき姫君を。
か弱きお嬢様。
でも、最強のお嬢様。
それでも、か弱きお嬢様。
貴方の障害は何ですか?
照りつける日の光?
ならばこの手で日傘をお持ちしましょう。
目の前の敵?
ならばこの手でソレを葬り去りましょう。
忌々しき雨?
ならばこの手で空をも切り裂きましょう。
耐え難き孤独?
ならばこの手で貴方を抱きしめましょう。
私には何でも出来る。
不可能なんて何一つ無い。
それが私、十六夜咲夜。
完全で瀟洒な従者、十六夜咲夜。
ほら、お嬢様、おやつの時間ですよ。
『さぁ、刻め。 ルナ・ダイアル。』
竹の花は希少品。
ふふふ・・・お嬢様は我侭ですね。
でも。
そんな我侭なお嬢様が好き。
一人ぼっちのお嬢様。
大丈夫、貴方の傍にはいつも咲夜がおりますよ。
お嬢様はか弱い。
最強であるが故に、バランスを取らざるを得ないからだ。
運命を司る彼女といえど、ソレにだけはあながえない。
銀、流水、日光・・・お嬢様には弱点が多い。
故に。
略奪者であり、狩る者の最たる者のお嬢様は、その実、とても狩られ易い。
弾幕ごっこにおいて、彼女は最強。
しかし。
殺し合いにおいて、彼女は最弱。
準備さえあれば、いとも容易く殺害する事が可能。
だから。
私が居る。
『さぁ、刻め。 ジャック・ザ・リッパー』
ほら、大丈夫ですかお嬢様?
ご安心下さい。 終わりましたよ。
また、そのような事は仰らないで下さいませ。
お嬢様に万一の事があったら、この咲夜、生きてはいけませんわ。
今、「十六夜咲夜と言う名の殺人鬼」と「レミリア=スカーレットと言う名の吸血鬼」が殺し合いをしたならば。
殺人鬼に負ける道理は無い。
殺人鬼は、吸血鬼を狩る為の「銀のナイフ」を持っている。
時を止める事が出来る。
故に、負ける道理は無い。
今、「十六夜咲夜」と「レミリア=スカーレット」が殺し合いをしたならば。
十六夜咲夜が負けぬ道理は無い。
十六夜咲夜は、レミリア=スカーレットを愛している。
彼女の為に存在している。
故に、勝てる道理は無い。
だから十六夜咲夜は殺人鬼をも殺す。
跡形もなく、カケラも残さず切り刻む。
お嬢様を脅かし、私を脅かす者は何人たりとも生かしてはおけぬ。
『さぁ、刻め。 殺人ドール。』
そして、私は望む。
私は力が欲しい。
更なるチカラが欲しい。
そう、博麗霊夢さえをも殺せるチカラが欲しい。
私には何でも出来る。
不可能なんて何一つ無い。
それが私、十六夜咲夜。
完全で瀟洒な従者、十六夜咲夜。
キリキリ・・・・・
略奪を侵すモノ、吸血鬼。
求むるは、モノ、ヒト、イノチ・・・。
いずれ、彼女には裁きが下される。
それは避けようも無い事だろう。
キリキリキリキリ・・・・・
だからもっとチカラが欲しい。
ごっこなんて、どうでもいい。
私はただ、殺すチカラが欲しい。
キリキリキリキリキリキリキリキリキリ・・・・・
お嬢様を守る為だったらなんだってしよう。
私に無限のチカラを。
私に無限のチカラを。
私は無限に強くならなくてはならない。
キリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリキリ・・・・!!!
時を重ねて強くなれ。
時を紡いで強くなれ。
キリキリキリキリ、聞こえるでしょう?
時を刻めルナ・ダイアル。
傷を刻めジャック・ザ・リッパー。
敵を刻め殺人ドール。
そして、もっともっと強くなれ。
その果てに・・・・愛を刻め十六夜 咲夜。