Coolier - 新生・東方創想話

博麗神社に舞い込む騒動

2005/05/07 06:56:06
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「また遊びに来たわよ」
「またきたのぉ~?ここは一応神社なんだからね」
「神社では別に問題ないわよ」
「まあ、いいけどね」
「とりあえず縁側に座ってて、お茶持ってくるから。咲夜とフランもゆっくりしてていいわよ」
「わかったわ。咲夜、フラン行きましょ」
「わかりました」
「はーい」
三人は縁側へと歩き始めた。


「なんか来る度にお茶出すのも癪にこないわね…あっ、そうだ」
霊夢は何かを思いついたようにお茶の準備をささっと進めて縁側に向かった。


「はい、お茶。煎れ方は覚えたわよね?」
「まあ、少しは」
「ちょっとやってみて」
「わかったわ」

レミリアはぎこちない手捌きでお茶を点てていった。

「出来た!」
「どれ…」

コクッコクッ…

「いい出来ね…私はちょうどいいわ。レミリア、貴女も飲んでみる?」
霊夢はレミリアにそのままお茶を渡した。

「い、いいの!?」
レミリアはいいのかという表情で聞いてくる。

「も、もちろんよ…それはレミリアがたてたお茶だし…」

「じゃあ…」
レミリアが湯のみを口元に持っていく。

(ああ、お嬢様が霊夢の間接キッスを…しかし私が口出ししてはいけない…
 私はお嬢様の従者ですから…正直くやしいですけど…)

コクッコクッ

「うえぇ…にがーい…」

レミリアは渋そうな表情をしている。

「あら、レミリアにはまだ苦かったかしら」

「苦いよ…霊夢はこれをいつも飲んでいるの?」

「もうちょっと渋いのをね」

「よく飲めるわね…」

レミリアは関心したような表情だ。

「咲夜も飲む?」

「いいのですか!?」

ほとんどレミリアと同じ反応。

「いいわよ、貴女の主が点てたお茶よ」

(お嬢様と間接キッスできるとは…霊夢、後で御礼はするわ)

コクッコクッ

「あら…おいしいですわ」

「無理してない?」

霊夢が聞く。

「大丈夫よ。私もこれくらいがちょうどいいみたいです」

「よかった…咲夜に苦いっていわれたらどうしようかと思ったわ…」

「ははは…妹様も飲みます?お嬢様が点てたお茶?」

「飲む飲むー」

咲夜はフランにお茶を渡した。

コクッコクッ

「……確かに苦いよー、これー」

フランとレミリアはほぼ同じ反応だ。

「さて…皆飲み終わった事だし…」

霊夢が口を出そうとした時…

「おーい」

空に一つの黒い影。

「よぅ」

右手をシュタッっと挙げて挨拶。

「あんたも来たの?最近毎日くるわね」

「家にいても実験の道具がないからな、神社の周りの霊力を集めに来ているようなものだ」

「まあ、いいけどね。悪い事してそうな感じじゃないし…
 考え方変えると…私の敷地内の物を勝手に持っていってるのよね…」

霊夢はじーっと魔理沙を見る。

「まあ、いいじゃないか。よぅ、久々だな紅魔館の面々」

「最近毎日来てるの…うらやましいなぁ」

「お久しぶり」

「まりさーっ」

だきっ

フランは魔理沙に抱きついた。

「うわっ」

どさっ

魔理沙はフランの勢いに押されて倒れてしまった。

「まりさーっ、あそぼーっ」

「いてて…いつも遊んでやってるだろ」

「平和ねぇ」

「そうですねぇ」

もはや皆和みモードだ。

「ねぇ」

霊夢が話を切り出した。

「いつも来てるんだからたまには境内の掃除でもしてってよ」

「そうねぇ…霊夢には迷惑かけてばかりだし…やるわ」

「お嬢様…ここは私が…」

「咲夜に任せると時間止めて一瞬で終わらすから駄目…境内の掃除はゆっくりやるものよ」

「はい…申し訳ありません」

「それは…私もか?」

魔理沙は自分を指して言う。

「もちろん」

霊夢は魔理沙にウインクしながら言う。

霊夢は皆を神社の部屋に案内する。

「それじゃあ、着替えて着替えて」


    少女着替中…


「はい、それじゃあ渡した服に着替えて」

「これ、今着てる服は?」

レミリアが聞く。

「そこの籠に入れといて」

「さすがに恥ずかしいぜ…人前で着替えるのは…」

魔理沙は恥ずかしそうに言う。

「れいむー、これどうやってつけるの?」

フランは既に着替え始めていて、サラシをどうつけるか迷っていた。

「これはね…ちょっと手を挙げて…」

「はーい」

「こうまわして…よっと」

ギュッ

「あんっ」

「こんなにきつく締めるの?」

「ちゃんと締めないと後で大変なのよ」

「そうなの?」

「そうよ、特に咲夜はね」

「大丈夫よ。私はちゃんと締められるから」

「レミリアは私が着せてあげるわ」

「え、私も出来るよ着替えくらい」

「じゃあ、この私が着てる服どう着るかわかる?」

「え?わからないけど…」

「レミリアに貸してる服は私と同じタイプなのよ。
 だから私にまかせて」

「それじゃあ、お願いします」

レミリアの服を脱がしていく霊夢。

それを見ている、他三名。

レミリアにてきぱきを着せ付けていく霊夢。

サラシもきちっと締めている。

「はい、完成!」


    少女着替終…


「それじゃあ、境内の掃除しましょうか?」

「わかったわ」

「えーと…レミリアには私が教えるわ。
 フランには魔理沙お願いね」

「なんで私が?」

「いつも私の掃除見てるでしょ」

「はいはい」

「わーい、まりさといっしょー」

「咲夜は大丈夫よね」

「どこでも大丈夫よ」

「じゃあねえ、神社の蔵を掃除してくれる?」

「いいわよ」

「はい、それじゃあ、はじめ!」

それぞれの場所につき掃除をし始めた。


「霊夢、竹箒で掃除するのよね」

「そうよ」

レミリアは掃除を始めている。

「レミリア、まだまだね。手のスナップが悪いわ」

「え、そう?」

「レミリアが今している掃除の仕方は右左共に同じ強さなの。
 それだと、左右に落ち葉が散っちゃうからどちらか片方に力を軽く込めるの。
 こういう風にね」

ザッ…ザッ…ザッ…

「ね?こうすれば片方にたまるってわけ」

「なるほど…」

「じゃあ、やってみて」

「わかったわ…片方に力を軽く込めて…」

ザッ…ザッ…ザッ…

「上手上手」

「本当?」

「本当よ、これからは手伝ってくれるなら止まりにきてもいいわよ」

「頑張るわ」

霊夢とレミリアは仲良く掃除をしていた。




「まりさー、これどうやってつかうの?」

こっちも竹箒の使い方で苦戦していた。

「これはな…といっても私も霊夢のを見ているだけだしな…うまくわからないんだな、これが」

「まりさもわからないんだ」

「これだけはわかる!股に挟んで飛ぶ!」

「私もやるー」

フワッ

「うかんだうかんだーっ!」

「あんまり浮かぶと霊夢に打ち落とされるからやめといたほうがいいな」

「はーい」

「実際は簡単な掃除の仕方があるんだ。全部終わったら教えてやるよ」

「うん」

こっちは掃除どころか遊んでいた。




「さて、私は黙々と掃除しましょうか」

ガタガタガタ

「それにしても博麗神社に蔵なんてあったのねぇ」

咲夜は蔵の中を漁っている。

「あ、これは…ティーカップ…掃除の代わりに貰っておきましょう」

「これは…ジャックナイフ…まさかこんな所にあるとはね、
 有名な切り裂きジャックの持ち物…貰っておきましょう」

「あ…針の無い懐中時計…なんでだろう、懐かしい感じがする…
 これは、私の物だわ。なぜかそう感じる…」

咲夜はレアな物を見つけては貰い、懐かしい物が出るたびに涙しながら、掃除をした。




     時は夕刻…



「お疲れ様、料理が出来てるから食べてって」

「ふうぅ~、霊夢って毎日こんな大変な事してるのね」

「おもしろかったー」

「色々ありましたし…ね」

「じゃあ、ここで一つ、レミリア、フラン、咲夜そこに並んで立ってくれ」

「何するの?」

霊夢が聞く。

「じゃん!カメラー」

「…」

「…」

「…」

「カメラ…ね」

「説明しよう!これは現在の時を止めて絵に出来る優れものだ」

「入手方法は?」

「そりゃあもちろんこんな変な物を扱っているといえば…」

「香霖堂ね」

「それじゃあ、それぞれポーズ決めて…」

「じゃあ、私はいつものポーズを」

「私は、ちょっとかっこつけて…」

「私は普通でいいわね」

「じゃあ、撮るぜ。ハイ、ポーズ!」

カシャ



その後は霊夢の手作り料理を皆で食べ、談話した。

「レミリア、ちょっとフラン借りてくぜ」

「いいけど、どこに?」

「ちょっと、外にな、行くぜフラン」

「はーい」






「と、いう事で昼間の約束だ」

「掃除の仕方ね」

「私の場合…マスタースパークを発動する。
 フランは…レーヴァテインでいいだろ」

「わかった」

「行くぜ!フラン!魔力を込めろ!」

「はあああぁぁぁぁあぁ!」

「ああああぁぁぁぁぁあぁぁあぁ!」

二人に膨大な魔力が生まれる!




ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…





「何!この揺れは!」

「外ね!」

「膨大な魔力の胎動が動いてる」






「これを一つにするんだ!フラン」

「分かったよ!魔理沙!」



「二人とも!やめ…」


魔理沙のマスタースパークとレーヴァテインが一つになる。
それは全てを無に返す重力砲が生まれた。

「「霧散『アルティメットグラビティ!』」」

二人は神社の境内目掛けて発射した。



「ああああ…私の境内が…」

霊夢はその場に座り込んでしまった。

「これが一番簡単な掃除の仕方だぜ」

「楽しいね~」


「楽しくなーいっ!どうしてくれんのよ!私の神社にさっきのが影響して半壊してるじゃないの!」

「逃げろっ!フラン」

「わかった!魔理沙」

「こらー、戻ってきなさーいっ!」


その場に逃げる魔理沙から落ちる一枚の写真…
そこには三人の笑顔があった。



いつもの風景、いつもの情景。
それは輪廻が変わろうと幻想郷には無意味な物。
幻想郷には独自の時間が流れている。
それが周りの空間を拒絶しているとも気付かずに…。
しかし、それだからこそ今の幻想郷になったのだ。
それもまた一つの運命…。
これから先の選択肢は?
1、博麗神社を立て直す。
2、魔理沙の家に居候する。
3、紅魔館に居候する。



お久しぶりの投稿になりました。
この話は、とあるサイトのリクエストした絵をもとに書いた物です。

『続きを書け!』と言われていたのですが、書いていますので気長にお待ち下さい。
これからも、精進し続けます。
カシス
[email protected]
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コメント



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8.70シゲル削除
僕は3番で。。(笑
何かほんわかしてて良いですね♪・こうゆうの好きです。
これからも頑張ってください♪
9.90空欄削除
総てを無に返還する(シミュレーションマニアならマップ兵器と言う)
モノを境内に打ち込んでそれでも半壊で済んでいる社って……
ある意味博麗神社とか大結界とか霊夢とかマンセー

2で魔理沙の家のオーパーツが発動するに1毛玉
11.40Hodumi削除
建て直しましょうよぶっ壊れたんだから。
という発想になってしまう私は平凡思考。
つまり私は1を選びます。

欲をかけばもう少し台詞の文が欲しい所ですが、楽しめました。頑張ってください。
19.60悽ン削除
咲夜さんの妄想が最高です。
選択肢ですが、あえて4番で寝て起きたら直っているに一票です。w(スマソ)
何が起こるかわからない幻想郷。きっとZな神様がなんとかしてくれますよw
そうでもないと、この世界毎日が大変なことになりそうですよね。
次作を気長に待たせていただきますので、がんばってください。
27.70沙門削除
 私は三番を選択します。「あー、あれも、これも、それも、みんなうちの蔵にあった物じゃない。ついでに、この高そうな装飾品も持って帰ろう」てな感じで風呂敷包みを抱えて走り去る霊夢とか見てみたいです。