Coolier - 新生・東方創想話

アリスのお茶会

2005/04/29 06:08:55
最終更新
サイズ
7.82KB
ページ数
1
閲覧数
957
評価数
4/52
POINT
2130
Rate
8.13

「霊夢紅茶のお代わりはいかかが?」

その声と同時に私は目を覚ました。
目がぼやけてる。周りがよく見えないのでゴシゴシと目をこすっってみた。うん、よく見える。
どうやら眠っていたらしい。頭がボーっとして少しばかり重たい感じがする。それと、
気のせいだろうか?
妙な胸焼けと吐き気がした。多分、目を覚ましたばかりだからなのだろう。

気にするほどじゃない・・・

目の前には空になったティーカップ(やけに小奇麗だ。お客用なのだろう)と
見た目がかわいらしいし色とりどりのクッキー
そして、ティーポットを持ったアリスがいた。ニコニコしてしる。

・・・・まだ、頭がはっきりしない。

「やだ、寝ちゃってたの?」
「・・・・・・・・えっええ?」

ひどく間の抜けた返事をしてしまったような気がした。
いや、現にしてしまった。その証拠にアリスが笑ったような気がした。
この寝ぼけている頭がひどく憎たらしい。

クスリ、とアリスは笑った。

「ごめんなさい、そんなに席をはずしたつもりはなかったんだけどね。
 結構待たせちゃったみたいねぇ。どれくらい待った?私、ちょっと時間に疎いところがあるのよ。
 あぁ、寝ちゃうほどだから相当な時間だったかしら?嫌だなぁ。
 本当にごめんなさい。私、ちょっとワクワクしちゃうともうダメなのよ。
 周りが見えなくなっちゃうの。そう、それでこそせっかく来てくれたお客様が寝ちゃうぐらい。
 昔からそうなのよ。なにか、一つのことに集中するとね・・・あっ紅茶のお代わりどうぞ。」

紅い紅い紅茶がティーポットから目の前のカップに注がれていく。
淹れられた紅茶からはほこほこと湯気が立っている。
ちょど飲み頃のようだ。
せっかく淹れてもらったので一口飲む
ひどく甘い
なんというか、口の中からでへばりまとわりつくような。
ちょっとばかりビックリした。
もしかしたらこの妙な胸焼けと吐き気はこの紅茶のせいだったのかもしれない。
そういえば・・・

「そうなのよね~。やっぱり。お友達がお客様として自分の家に来るっていうのはすごくうれしいわ。
 だって私今まで、いつも一人ぼっちだったから。こういうのにすごく憧れてたのよ。
 でね、私の淹れた紅茶と手作りのクッキーでもてなしてお話をする。すごく楽しいわ。
 でね、今日は霊夢のほかに魔理沙も呼んだのよ。お茶会やりませんかってね。
 だから魔理沙をビックリさせる為に、私のコレクションを整理してたのよ。ほら、魔理沙って蒐集家じゃない。
 私とはちょっと違うけど。でも、同じ収集家であることには変わりは無いわ。私だって伊達に長年生きてない。
 ところで、魔理沙にどうゆうの見せたらビックリするんだろう?
 なんだろうなぁ。うん、そう考えただけでワクワクしちゃうわ。」

そこで、とぎれアリスは紅茶を飲んだ。
「でね、私があれこれ考えている時にあなたが来たのよ。
 その時もすごく夢中だったの。
 色々と考えて、色々試して。うんすごく楽しかったわ。
 それで初めは気付かなかったのよ。でもねぇすごく大きな音がしてそれで
 気が付いたのよ。ああ、霊夢が来たんだってね。で、そのときすごくいいところだったの。
 だから少しばかりうっとう・・・・あっごめんなさい。ちょっとばかしムっとしちゃった。
 本当、すごく楽しんでたの。
 けど、せっかく来てくれたんだし。そもそも私が呼んだんだし、ね。」

よく喋る。そう思った。

本当に良く喋る。

アリスってここまでよく喋っただろうか?

少なからず私の記憶にはない。

私が客人として来てるから少しばかり舞い上がっていてるかしらん?

と、いうかアリスの話を聞いているとなんだか釈然としない。

さっきから魔理沙に自分の蒐集品を見せるんだと、話しているだけだ。

もしかして、私は「ついで」として呼ばれたのだろうか?

そうだとしたらかなり迷惑な話だ。

この後、魔理沙が来たら二人は二人の世界を作って話しこんでしまうだろう。
私は別に物に執着しないし、物を集めることもしない。物は必要最小限あればいい。
そういう考えだ。だからきっと二人の話には入れないだろう。
少しばかりつまらないような気もする。
だったら今から帰って、神社の掃除でもして、お茶でも飲もうかしら?
でも、それは呼んでくれたアリスに悪いような気がする。
あれこれ思考をしつつテーブルの中央に置かれた苦クッキーを一つ口の中に放り込んだ。
変わった味がした。
なんというか、よく分からない。
けど、おいしい。
こっちの甘い紅茶を飲むぐらいだったら、このクッキーを食べてるほうがいいかもしれない。
アリスがまたニコーっとしている。
「どう、そのクッキー?私の手作りなの。あ、さっきも言ったけ?どう?おいしい?
多分おいしいと思うわ。私が食べておいしいとおもったんだもの。
そもそもお客様用に作った特別なクッキーなの。いつもはクッキーにあんなに時間は注がないんだけど、
これは別。相当頑張ったのよ。大変だったんだから。あ、でも、霊夢は和菓子の方がいいのかな?
けど、私クッキーとかケーキとかしか作れないのごめんなさいね。」
別になんだっていいんだけど。
そう思った。
思っただけだが。
「あっそうだ!まだ準備が終わってない。いけない、いけない。
ごめんなさい、またちょっとばかし席をはずすわ。本当にごめんなさい。
それまでの間、紅茶でも飲んでて待ってて。すぐに終わらして戻ってくるから!」

一通り喋ってからアリスはすたこらと部屋を出て行ってしまった。
シン・・・・・
急に部屋が静かになった。
さっきまでの騒がしさとはうって変わって耳が痛くなるぐらい静かだ。
周りを見た。
部屋には無数の人形がいる。
座っているもの、立っているもの、踊っている(ポーズ)物、喜んでいる(ポーズ)物。
笑っている、鳴いている、悲しんでいる、喜んでいる、
でも全てが無表情のように見えた。
いや、全てが無表情なのだ。
たとえ様々な表情をしたところで様々な方法をとったとしても変わるようなことはない。

・・・・・・無数の人形全てが私を見ているような気がする。
きっと気のせいだろう。
これらの人形にはまだアリスの意思は通っていない。


ある疑問を思い出した。

なぜ、私はアリスの家にいるのだろうか?

そうだ!なんで私はここにいるのだろう!?
クッキーを食べながら、紅茶を飲みながら、アリスの話を聞きながら
ずっと何かおかしいと思った。
ふに落ちないことがあった。
それは私がさっきまで眠っていて起きたばかりだから頭がちゃんと働いていないからだと思っていた。
現に今も頭が重く、少しばかり思考をするのが辛い。
だから、この違和感もこれが原因、そう思っていた。

でも違う

記憶がない。

私がなぜ、ここにいて、

さっきアリスに起こされて、

あの、甘い紅茶を勧められて。

高揚しているアリスの話を聞た。

なぜ?
アリスは私と魔理沙を自分の家に招待をしたという。
でも、私はよく考えてみると招待をされた覚えはない。
そしてアリスの家にいつ来たのかという記憶もなかった。

だが今、現に私はアリスの家にいて、
クッション付きの椅子にすわり、
目の前にある紅茶とクッキーをいただいている。
どういうことだろうか?

ピチョン ピチョン ピチャ ピチャ

水が滴る音?よく分からないけどそんな音のような気がした。
雨は降っていない。

周りを見る。
相変わらず人形達は微動だにしない。
紅茶をまた一口飲む。
甘い
クッキーをほうばる。
おいしい。
よく分からないけど。この二つの組み合わせはいい。
ところでアリスはいつ戻ってくるのだろうか?
随分と時間がたったような気がする。
また、紅茶を一口すする。
私のティーカップに紅茶はなかった。
ポットにもない。
アリスのカップを見る。
並々とはいないが残っていた。
それを手にとり、一口、また一口飲む。
そしてクッキーをほうばる。やはりおいしい。初めは変わったような味だったが食べ続けると癖になるようなきがする。
そしてなによりこの紅茶。すごく甘ったるくてとてもじゃないけど、飲めるような気がしなかった。
でも、クッキーとあわせると違う。全く違う。

おいしい

すごくおいしい。
一口、
一口、
一口、
一口、
一口。
そしてカップは空になった。

うん、すごくおいしい。お代わりがほしい。けどない。残念。
私とアリスのカップ以外にもう一つあった。
きっと魔理沙のために用意されたものだろう。
よく見てみると、私のカップよりさらに高級感がある。どういうことだ?
考えてもしょうがないか。
クッキーを一つとりほうばる。やはり不思議な味がした。今までこんな味は食べたことが無い。
一息つき、ボケーとしつつ周りをみる。
やはり、アリスが戻ってくる気配はない。いったい何をしているのだろうか?
ここまでになるほど夢中になっているか?

それよりも
なんだか頭がさっきよりもボーっとしてきた。

・・・・待ちづかれたのだろうか?

考えるのがすごく疲れる・・・
なんだか眠くなってきてしまった。
これで眠ったらアリスが戻ってきたときまた笑われてしまうかもしれない。
首がコックリ、コックリ上下する。
瞼がじょじょに重たくなってきた。

・・・・・・・

あぁ私は今から眠るのだ。
閉じかけた目が人形を捉えた・・・・

クスリ

人形が笑ったような気がした。
でも人形は動かない。

それだけだ・・・・・

ピチョン ピチョン ピチャ ピチャ
あの、水のような音が最後に聞こえた・・・





・・・・・・続くのか?
大丈夫かなぁ・・・俺・・・
銀行のカードをひん曲げ、通帳を洗濯機に放り込み使い物にならなくしてしまいました。
正直な話ピンチです

こんにちはお初にお目にかかります。
玉屋というものです。
前々からこの創想話でROMっており、いつか自分もSSを投稿したいと思っていました。
そして今回その願いがかなえられました。
でも無茶苦茶な内容になってるかもしれません。どうだったでしょうか?
そもそも続くのかどうか不明です・・・

新参者で、なおかつへたれ文字書きですが、どうか生暖かい目で見てやってください。
時と場合には石を投げつけても構いません。むしろ嬉しいです
ではでは
玉屋
簡易評価

点数のボタンをクリックしコメントなしで評価します。

コメント



0.1910簡易評価
6.60雪羅奈界削除
なんだか凄い不思議感漂う作品です。
アリスさんは何か仕出かしたのか?というか仕組んだのか?
続きが楽しみです。ていうか続いてください。
9.60izu削除
不思議な、ちょっとミステリちっく。
続き気になります。とても。
13.50シゲル削除
謎解き?ぽっくて好きですね。
僕も続きが気になります。
25.50っぉ削除
とりあえずこの点数は投資ということで