Coolier - 新生・東方創想話

紅魔館のお雛様とお内裏様

2011/02/15 16:05:58
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2月の半ば過ぎ。
紅魔館のバルコニーには館の主がテーブルにつきながら湖を眺めていた。

咲夜「お待たせしました。」
レミリア「ありがとう」

館のメイドの長が紅茶とその共を乗せた盆を音を立てずテーブルに置いた。
紅茶を口に含みつつお供に出てきたチョコを見てレミリアは口を開く。

レ「そういえば咲夜。」
さ「はい。」
レ「この前のバレンタインはありがとう。おいしかったわ。」
さ「いえいえ。お嬢様にチョコをお送りできて光栄です。」
レ「そう・・・。そう言われるとうれしいわね。」
また一口紅茶を含む
レ「今度は館のみんなで楽しめるものがいいわね。」
さ「でしたら3月のはじめのひな祭りなんていかがでしょう。」
レ「ひな祭り?厄神を祭る日かしら。」
さ「いえ。ひな祭りとはこの国の古より伝わる女子のためのお祭りですよ。
  雛人形という簡単に言ってしまえば貴族の姫と君主、臣下を模した人形をきらびやかに飾るのです。
  金平糖というおかしを食べたりもするんですよ。」
レ「へぇ この国にはそんなお祭りがあるのね。おもしろそうだわ。
  なら咲夜、早速そのひな祭りの手配をお願い。」
さ「かしこまりました。」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


咲夜は空となったカップや皿をのせた盆を片手に部屋を出る。
そして普段の家事と変わりなく、廊下を歩きながら頭の中で三月始めの行事に向け段取りを整えていく。

さ(雛人形の用意は人形遣いに任せるとして・・・
  問題は館までの運搬と飾りつけね。
  何しろ取り扱いが難しいから妖精メイドには任せられないし。  
  でも数が多いのよね。)

思考しながらも自らの本業をおろそかにすることなくこなし、足を館の外へと向け玄関門を抜ける。

さ(ま、並べ方は最悪パチュリー様に聞けばいいか・・・)
美鈴「おや。咲夜さんお出かけですか?」
さ「ええ。人形遣いのところへちょっとね。」
め「ああひな祭りが近いんでしたねぇ。」
さ「あらあなたひな祭り知ってたの? 意外ね。」
め「ええ知ってますよ。昔ちょっと勉強しましたから。
  まあ結局金平糖の作り方くらいしか役に立ちませんでしたけどね。」
さ「人形の並べ方なんかも知ってるの?」
め「ええわかりますよ。並べ方から55体全部の名前までね。」
さ「なら館まで運ぶのと飾りつけ手伝ってもらおうかしら。いい?」
め「わかりました。・・・いやーまさか無駄かと思ってた知識が役に立つとは。」
さ「期待してるわよ。 じゃあいってくる。」
め「はーい。気をつけてー。」

咲夜が館の外へと歩いていく。相変わらず早い歩みだと思いながら美鈴は手を振った。
姿が見えなくなったところでふと思う。

め(いやぁむかし咲夜さんのために勉強したんですけどねぇ。
  雛人形は邪魔になるから大々的には飾れませんでしたが・・・)

背にした美鈴を気にすることなく人形遣いの住まいへと咲夜は向かう。

・・・・・・

さ「じゃあ頼んだわね。」
アリス「頼まれたわ。 一週間後にまた来てちょうだい。」

部屋を出て行こうとする咲夜にそういえば、とアリスが引き止める。

ア「そういえば大丈夫なの?一人で運べる数じゃないわよ。妖精メイドじゃ壊すだろうし。」
さ「あああそれなら美鈴が手伝ってくれるわ。あの子ひな祭りのこと知ってておどろいたわ。」
ア「へぇ~。あの門番がねぇ。」
ア(二人でひな祭りの準備か。おっとこれはこのメイドにとっても門番にとってもいい機会ねぇ~)
さ「あなたこそ一週間で大丈夫なの?」
ア「伊達に人形遣いやってないわ。雛人形のことだって完璧よ。あなたたちにピッタリなものを用意して見せるわ。」
さ「ならかまわないけども・・」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


一週間が過ぎ咲夜は再びアりス宅へと出向いていた。
ただし美鈴も連れている。

ア「はい。総勢15体と小道具、確認してね。
  一応梱包はしておいたから。」
め「うわぁいっぱいありますねぇ。」
さ「いっぱいあるからさっさと運ぶわよ。
  主役なんだから早く準備しないと。」

咲夜が人形の入った箱をを両手に部屋を出て行く。

ア「あ、そうそう。」
め「はい?」
ア「お内裏様とお雛様はちゃんと近くにおいてあげるのよ。」
め「? わかりました。」

二人は往復を繰りかえしながら館へ人形たちを運び、数時間後には紅魔館のロビーには箱がつみあがっていた。

め「さてはじめましょうか。」
さ「じゃあ私は雛段用意してくるから包み全部あけておいてね。」
め「わかりました~」

・・・・・・

さ「あのバカ・・・」
め「あいやー・・・見れば見るほどそっくりですねぇ・・。」

二人の前にはお雛様とお内裏様。
よく見ると雛は咲夜に、内裏は美鈴に瓜二つである。
咲夜は少し機嫌を損ねたような表情で少し離しぎみに二体の人形を段の上に置く。

め「だめですよ咲夜さん。しっかり近づけないと。」
さ「別にこれでいいじゃない。」
め「お内裏様もお雛様もお互いのことが好きなんですからもっと近づけないと。
  それともお雛様はお内裏様がお嫌いなんですか?」
さ「う・・・」
め「じゃあもっと近づけちゃいましょう!」
さ「く・・・」
め「ね?こっちのがいいでしょう?」
さ「・・・わかったわ。じゃあ人形の飾りつけはあなたに任せるわ。
  私は金平糖作ってくるから残りお願いね。」
め「へ?あの・・・あと50以上あって小道具とかもあるんですが・・・。」
さ「文句言わないでちょうだい。あと任せたから。」
 
咲夜は一度も美鈴の顔を見ないまま歩いていく。

さ「近づけるだけじゃなくていっそくっつければいいのだけれどね・・・。」

取り残された美鈴は咲夜の愚痴とも言える呟きなど知らず、溜め息をつきながらも仕方なく作業を続ける。

め「ちょっと調子乗りすぎちゃいましたかね。
  ああでも私もあそこでもっと押せるようになったらいいのにな・・・。
  しかしアリスさんもすごいですね。本当にそっくりだ・・・。」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


3月3日。
紅魔館は幻想郷初の大規模なひな祭りを開催していた。
豪勢な雛人形を見るべく人・妖怪問わずつめかけ紅魔館玄関ホールは日常ではありえない活気を見せている。
その最も奥に配置されまた最も注目を集めてい55体の主役たちを前にアリスは咲夜と話していた。

ア「うん。われながらいい出来だわ。この国の人形でも完璧ね。」
さ「確かにすばらしい人形だわ。おかげでこんなに人が来ているし。
  感謝するわ。」
ア「ありがとう。まあおかげで来年はうちにも、って人がたくさんいて来年は忙しくなりそうだけどね。
  さすがに55体お願いなんて人はなかなかいないけれども。」
さ「あらいいじゃない。小遣い稼ぎだと思えば。」
ア「まあね。人形を作るのは嫌いじゃないし構わないわ。
  そういえば・・・。」

アリスはもう一度雛壇の最上段をみて続ける。

ア「お雛様とお内裏様は特に自信作なのよね。」
さ「ええそうね・・・。いい出来だわ。」
ア「美鈴に近づけろ、と入ったけど本当に随分近くにおいたのね。
  雛段の大きさにあってないぐらい近いわ。」
さ「だって二人は相思相愛なのだから仕方がないでしょう。」
ア「ふーん・・・。
  あら。ねえ厄神の周りのテーブルが倒れてるわよ。」
さ「あら?厄はお嬢様が止めてるはずなのだけれど・・・。」
ア「くるくる回ってたみたいよ。」
さ「ゲストに呼んではみたけど・・・。回らずにはいられないのかしら・・・。」
ア「・・・・。」
さ「・・・。」
ア「……。」

・・・・・


雛壇の最上段には雛とお内裏が並んでいる。
一般的には少し近すぎるくらいに、しかも準備のときよりさらに近づいている。
しかしそれでも構わないというように二つの人形は微笑を浮かべたまま互いが触れ合うような距離で堂々と並んでいた。
こんにちは始めまして。
岡崎と申します。
以前は友人のブログにSSをおくってのっけてもらったりしてたのですが、生活が忙しかったり友人のブログがなくなったりですっかりSSを書く機会がなくなってしまっていました。
が、ちょっと気が向いたので久しぶりに書いてみました。
初投稿こんなのでいいのか・・・。
ご意見お待ちしています。
岡崎 
http://
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コメント



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10.30名前が無い程度の能力削除
どんな話を描きたいのか意図は見えてくるものの地文・台詞共に拙く、白々しく見える。
台詞の「」の前にキャラの名前を入れるのも此処では好まれないので、台詞の内容や前後の地文から誰の発言か判る様にした方が良いかと。
厳しい意見かもしれないけど、まずはRateが10以上ある他の作者さんの作品を読んでから自分の作品と見比べてみる事をお勧めする。
13.40名前が無い程度の能力削除
オカザキーィッ!!