妖怪の山の中腹に、その大杉は立っていた。高さにして十五間程度、辺りでは一番の高さ。
私が鴉天狗として物心ついた頃には既に今と同じような姿だったから、少なくとも齢千を越えるご長寿ということになる。密かになにか宿っているのではないかと思っているのだが、今のところそういうモノが現れる兆しは一切無い。出てきてくれればいの一番に取材してやるのに。このところ取材がうまく行っていないから、尚更。
「まだまだ寒いですねえ」
中空に浮いたまま、大杉の中ほど、一番枝ぶりのいい場所を選んで雪を払った。胡座をかいて、冷えた両手に息を吐きかけた。人の暦で立春を過ぎたとは言え、幻想郷は未だ雪に包まれたまま。あとひと月近くは春告精の姿を拝むことも、マフラーから解放されることも叶うまい。ましてや今は夕刻。昼間少しは暖かかった日差しも、もうすぐ沈んでしまう。黄昏時ともなればまだ、天狗の身をしても刺すように寒いのだ。
――まあ、これくらいの時間が一番見つかりにくいんですけど。
腰の文花帖を外し、後ろからページを捲る。数枚を通り越して、白紙に行き当たった。鉛筆を顔の前に立て、遥か下に望む幻想郷を見渡す。うむ、今日も今日とて平和そのもの、世は全てこともなし。平和すぎるのも記者としてはいただけないけれど。上手くいかないときくらい、私にだってたそがれる権利はあるはずだ。
ここから見下ろす景色は、幻想郷の中でも十の指に入ると思っている。鴉天狗は目がいいから、白狼天狗のように千里眼に頼らずとも遠くの風景を観察できる。カラスと付きながら夜目もきく。眺めて記憶にとどめるには、うってつけの種族特性。その私が言うのだから間違いない。
煮炊きする白い煙が幾本も立ち上る人間の里。夜霧に煙る霧の湖は、あたかも一つの生き物のよう。傍に建つ紅魔館から漏れているのは魔女の作る照明光だろう。夜行性の主を害さない、陽の成分を抜いた陰の光よと彼女は語っていた。順繰りに郷を眺め、逆光の方角で私は目を止めた。
――今日はあれにしますかね。
モデルを定めて鉛筆を走らせる。夕日を照り返す魔法の森。雪化粧が赤く映え、燃えているようにも見える。この季節にしか見られない幻想的な風景。捲ったページの幾らかに、何度か収めてきた光景だ。
絵を描くこと。手遊びのような、私の趣味だった。
新聞が新聞と呼ばれる前、未だ瓦版と呼ばれていた頃の話だ。百と数十年前になるだろうか。
幻想入りしたそれにまず食いついたのは、私たち鴉天狗の上司――成り上がりの大天狗だった。鴉天狗は情報を操るのが得意だから、その手段になると踏んだのだろう。
結果的にその読みは当たり、情報を流すことは格段に楽になった。書き散らして、妖怪同士の争いに利用した。
折りしも博麗大結界により、幻想郷が外の世界と隔離された頃だった。天魔様の意向により、私たち天狗は八雲側に着いて結界の有用性を説く側に回った。絵図と文字を印刷したものを配りあるいた。
人間の文字を読める妖怪は存外に多い。何十何百年と生きていれば暇に飽いて知識を求めるから。組織力に任せた情報戦と武力による鎮圧の結果、数年で争いは収まった。
情報戦の武器、正確を期すために八雲の眼を通した記事。流言飛語の類を何よりも好む鴉天狗には、それが苦痛でたまらなかった。騒乱の終結後、反動から瓦版の制作が大いに流行した。あることないこと、書ける限りのことを書いた。
私はそれに参加しなかった、数少ない鴉天狗だった。いや、参加はしていたのか。表に出なかっただけで。
最初に瓦版を作った大天狗は、運の悪いことに私の直属の上司だった。私はその下で挿絵を描いていた。鞍馬諧報、今も一番発行部数の多い新聞だ。何十年か、こき使われて。カメラを幻想郷で見るようになって、ようやく解放された。もう絵を書くのはこりごりだった。
顔見知りの河童に頼み込んでカメラを一台譲り受け、私はいつの間にか名の変わっていた新聞を書き始めた。
天狗の間で年に一度行われる、新聞大会。発行部数で勝敗が競われる。しかし昨年度の優勝者は山伏天狗への印刷依頼を優先的に受けてもらえるから、順位が入れ替わることは滅多にない。
出だしから遅れた私がそのハンデを覆すことなど、できるはずもなかった。基本的に内向きに閉じた大会だから、私の新聞が彼らに受けないという理由もあるのだけれど。
あの上司にしてこの部下あり。私の振る舞いを指してそう言う天狗もいた。はた迷惑この上ないが。齢五百を超えた頃からずっと部下だったから、傍若無人な性格が影響を受けた自覚はあった。こき使われただけ盗みとった新聞製作技術も、似通うところはあったのだろう。
ただ、やり方が肌に合わなかった。大天狗、という立場を利用しているような気がしていた。天狗としては当然なのだが、そのやり方を新聞大会にまで持ち込まないで欲しかった。
私にとって一番の幸いだったのは、上司が枯れていたことだったのかも知れない。命令を受ける以外の部分で、大抵山の外を飛び回っていられたから。
――いっそ、転属願いでも出してみようか。
そう思ったことも、ある。妖怪の山、という組織全体にはもちろん愛着を抱いている。上司が合わないだけ。それだけの理由では、鼻高天狗の審査を通ることは難しいだろうと思ってやめた。倒して下克上してしまおうか。考えて、否定した。できないとは思わないが、後々困ったことになる。他人の上に立つような性分でもない。
煮詰まって、どうしようもなく考え込んでしまっていたときに、
――あ。
私は、何十年かぶりに大杉と再会した。彼なのか、彼女なのかは知らない。以前と変わらないまま、ただそこに立っていた。無性に懐かしくなって。私は文花帖の最後のページに、その姿を描いた。
仕事は、趣味になった。
大杉は私が悪戦苦闘している間も変わらず立ち続けていたのだった。山はそもそも、人里に比べて変化が遅い。妖怪の時間に合わせて変化しているからなのだろう。時々登っては、幻想郷を見渡した。空から見る景色とは、また違った風情があった。
数年前、妖怪の山に神社が現れた。八坂様と洩矢様。二柱と、現人神にして風祝が一人。天魔様と話をつけ、ここで暮らすことになった。守矢神社の鳥居の脇。丁度良い場所にあったこの杉に、八坂様を象徴する注連縄が巻かれた。大杉は神木となった。そんなことにはお構いなしで、私は座っていたのだけれど。
誤算は一つ。風祝の方だった。八坂様ご自身は気にも止めていない(と思う)のに、彼女は何度言って聞かせても、何度撃ち落としても、しつこく私を降ろそうとする。
「文さーん、聞いてますかー?」
「あやや、いつの間にいたんです?」
顔を上げた私に、さっきですよう、と早苗さんは頬を膨らませた。この人が、守矢神社の風祝。元外の世界の人間で、人のくせに信仰をあつめる現人神。この場所で私が見つかりたくない人妖のナンバーワン。いつもの巫女装束に幻想郷ではあまり見ない感じの上着を羽織り、私の前に浮かんでいた。
彼女は眉間にしわを寄せながら白い息を吐いて、
「何度も言うようですけど、ご神木に腰掛けるのはやめてもらえませんか。神奈子様の頭に座っているようなものなんですよ?」
私は大げさに肩を竦める。鉛筆を走らせる手は止めなかった。
「何度も言うようですが、八坂様がそれほど狭量であるとは思えませんねえ。ご本人に話したことはありませんが、まあこの程度は構わない度量の持ち主でしょう、あの方は」
「……た、確かにそうかもしれませんが」
私がヤなんです! と早苗さんは吠えた。相変わらず勝手ですねと首を振って、私は文花帖に目を戻した。風を操って音が耳に入らないようにする。これがなかなか相手にばれないように行うのは難しいのだが、無視を決め込むには最良の手段だった。早々に諦めてくれと思う。
視界のど真ん中で暴れる早苗さんを放っておいて、とりあえず簡単に影をつけた。他所に視線は向けながら、魔法の森を横目で確認しいしい割と適当に。寝かせて使った分だけ、鉛筆の芯は歪な形に禿びていた。
――あや? 困りましたねえ。
腰袋を探って気がついた。芯を尖らせるための小刀を忘れていた。そう言えば、昨晩使って出しっぱなしにした記憶がおぼろげにあった。そうこうしているうちに、西の稜線に夕日は半ばまで沈んでいた。仕方がない、今日はこれまでにしよう。
ため息を吐きながら文花帖を閉じて腰袋に収め、立ち上がろうとしたところで、
どかっ。
肩に衝撃が乗っかった。操っていた風が霧散した。危うく崩しそうになったバランスを取り戻し、頭を巡らせ――ようとして、止められる。目の端に、青い袴。視線を下げている間に、早苗さんが私の首に跨っていた。
肩車。
言葉を思いついて、そうされる理由を自覚した。
「……早苗さん?」
「実力行使です。文さん、風使ってたでしょう」
――やっぱり。
「ばれてましたか」
「風祝ですから。て言うか、前も同じことやったじゃないですか」
見えなくても得意げに胸を張った早苗さんが目に浮かび、はあ、なんて返事だかなんだか分からないものが口からこぼれた。上をとったことで機嫌は直ったのか。それとも諫言は諦めたのだろうか。後者だと嬉しいのだけれど。
彼女の機嫌は山の天気のように変わりやすい。ある程度騒げば落ち着くから、しばらくやりたいようにやらせておくのが一番。
――帽子は引っ張らないでほしいですけど。
腿の下をくぐった手で、彼女の手をやんわり押しとどめた。さっと引いた手で、次は髪を弄られる。これくらいならいいかと妥協して、
「これは、ご神木に座っていることにはならないんですか?」
「私が座ってるのは文さんですもん。問題ないです」
「里の人たちは夕餉の支度をしているようですが」
「今日のご飯担当は神奈子様なので大丈夫です」
食べていきます? 聞かれて丁重に辞退した。悪い神様たちではないのだが、彼女たちも大概に酒飲みだ。あいにくと今日はそういう気分ではなかった。と言うより、
「食事の用意は貴方がしているものとばかり思っていました」
「交代制です。私はまだレパートリーが少ないので」
学んではいるのですがこれがなかなか、と早苗さんは苦笑した。ここへ来るまでは料理をしたことがなかったらしい。私の髪を手櫛でゆっくりと梳きながら教えてくれた。宴会の準備をする妖夢さんや咲夜さんの手伝いをする傍らで、少しづつなのだとか。たしかにその二人なら、ものを教えることが壊滅的に下手な人ばかりの幻想郷では比較的まともな成果が狙えるかも知れない。
それよりもですね、と不意に肩の上で身動ぎされ、私は再度バランスを崩しかけた。上体がぐらりと傾ぎ、早苗さんは私の額にしがみついた。結構、痛い。何とかおさまって、二人して安堵の息を吐いた。
「……そろそろ降りません?」
「ヤです。そんなことより、私は文さんが絵を描いてることの方が不思議だと思うんですけど」
「そうですか? まあ普段は写真ばっかりですしねえ」
息抜きですよ息抜き。笑ってごまかした。最近取材が上手くいっていないから手遊びに、なんて、格好悪くて話したくない。
いつもならひと月に五度くらい刊行する文々。新聞は、前回刊行から十日あまり。もともと不定期刊行の上に、哀しいかな購読している読者も少ない弱小新聞で、来なくて案じてくれる奇特な輩はそういないのだけれど。
でもこれ以上は私が息苦しくなるし、そろそろストックしてあるネタを適当に並べて刊行しようかな。繋ぎになるような写真、あったっけ。写真さえあれば、記事なんて適当にでっち上げて済ますのに。
「あーやーさーん?」
「あやややや!? 髪引っ張らないでくださいよ!」
黙った時間は一分もなかったのに。妖怪だって人の形をしている以上、似たような部分は痛みを感じやすい。関節とか、眼球とか。毛髪もその一つ。
「無視しないでくださいよー」
「してませんってば。ちょっと考えごとしてただけじゃないですか」
「それが無視してるって言うんです! お詫びにさっき描いてた絵を見せてください!」
「どうしてそうなるんですか……」
いいじゃないですか減るものじゃないのに、と早苗さんは不満そうに言った。
「減らせそうですねえ、早苗さんなら。妖力スポイラー、って」
「そんなわけないでしょう」
「いえいえ、この鉛筆は妖力を筆跡にしているんですよ?」
「ホントですか!?」
「嘘です」
「……」
「髪はやめてくださいねー」
釘を刺すと、呆れたようにため息を吐かれた。守矢の風祝に二度同じ手は通用しないと言ったはずです、だそうだ。やる側だろうに、貴方は。見る限りでは御幣を持っていないようだったけれど、どこかから取り出されては敵わない。降参を示すために両手を挙げようとして、
「わひゃっ!?」
三たび、揺れた。二度あることは三度ある。いい加減自分が不安定な場所にいることを自覚してあまり動かないでもらいたい。今のは無理な体勢をとっている所為で捲れ上がった巫女装束の、裾から覗くふくらはぎに私の手が当たったらしい。……私のせい? 早苗さんはぺしぺしと軽く私の頭を叩きながら、
「文さん、手ー冷たいですー」
「さっきは言わなかったじゃないですか」
「あれは手と手でしたから。今のはいきなりでしたし」
「以前から、集中すると指先が冷えるのです。申し訳ありません」
ひらひらと手を振りながら謝った。まあいいです、と尊大なお返事。温めてあげましょうか。言われて、丁重にお断りした。指が冷えるのはあまり気にならなかった。首周りにある彼女の暖かさで、身体は十分に温もっていた。これ以上、体温を借りるのは忍びない。
今日の早苗さんの興味はあくまでも、私の絵にあるようだった。何度かねだられて。もう暗くて見えないでしょう。私の言葉に、彼女は喉の奥で唸るような声を出した。猫のように。次会った時、覚えていたら見せてあげます。言うと、ようやく溜飲を下げてくれたらしい。
中身から離れれば、もう一度理由が気になったようで、
「で、どうして写真じゃないんです? 風景画なんて面倒なだけですよね」
「あー……癖のようなものです。写真、新聞記事というものは私の主観が入るでしょう? 写真はカメラが1クッション置いてくれる分だけそれが和らぎますが、記事はそうもいかないわけでして。ですからまあ、記事を書く前の構想を練る段階とでもいいますか」
「……分かったような、分からないような」
然もありなん。私にだって分からないことを適当に並べ立てただけなのだし。記事と絵を関連付けるのは流石に無理があるだろう。
今の私にとって絵画は、手遊び以上の意味を持たない。難しく考えて、黙ってくれればそれでいい。
――そろそろ引き取りに来てもらえませんかね、八坂様でも洩矢様でも。
心の中に呟いた。陽はとっぷりと暮れて、残光が雲を茜に染めるのみとなっていた。そろそろお暇したいなあ。用意するのも面倒だし、やっぱり夕飯、ご馳走になって行こうか。子守代として。思った矢先、
「文さん、似顔絵とかって描けます?」
出し抜けに早苗さんは言った。どこからどう繋がったのだろう。
「あいにくと人を描くのは苦手でして」
嘘ではなかった。大天狗の下を離れてから、描いていたのは風景ばかり。人は写真機にばかり収めてきた。等身大を、そのまま。絵だと手癖で誇張しそうになるから。
「何故そんなことを?」
「だって、記事の構想みたいなものなんでしょう? 描いてからのほうが取材しやすいのかなと思いまして。正式に取材されたことないじゃないですか、私。雑誌のモデルとか憧れだったんですよ。だからまあ、ぶっちゃけ絵よりも写真撮ってほしいんです」
えへへ、と笑いながら彼女は足を揺らせた。
雑誌というのが何かは分からなかったけれど、さっきの話を真に受けたのかとは思い至った。放言を覚えてはいなかった。曲がりなりにも取材したとき、と言えば以前特集した弾幕写真だろう。あの写真もまた、あてがわれた白黒印刷の壁に阻まれて結果を残せなかった。以来確かに記事にはしていない。しかし、
「守矢の方々を新聞に載せるのは、今は色々と問題がありまして」
「どうしてです?」
「深くは聞かないで下さい。山の事情です」
「はあ。まるで人間のようなことを言うんですね」
それも幻想郷じゃなくて外の世界の、と言われて苦笑した。外に住む人間はいつもこんなことを考えながら過ごしているのだろうか。疲れるだろうに。
漠然と、思って。
「残念ですねえ。文さんに撮ってもらいたかったのに」
聞こえた声に、耳を疑った。
「――何故、ですか」
「さっき文さん、写真や記事には主観が入るって言ったじゃないですか。天狗の皆さんの新聞はうちにもよく配達されますし、幾らかは読むんです。その中じゃ一番、文さんの写真が好きだと思ってるので」
主観って要するにその人のセンスってことですもんね。続けられた言葉は、殆ど頭に入っていなかった。迷惑がられることはあっても、褒められた経験は薄すぎてどう返せば良いのか思いつかなかった。あやややや。おたついていると、
「さなえー? 用意できたから呼んでこいって神奈子がー」
遥か下で洩矢様が呼ばう声がした。はあい、と返事をして、早苗さんはふわりと私の肩を離れた。どうしよう。礼を言うべきなのだろうか。
「それでは、失礼します」
思って止めた。言ったことの自覚なんてないのだろう。彼女は照れてはいなかった。私だけなんて。少し悔しかった。
「え、ええ。それでは」
ほんの数分顔を合わせなかっただけなのに、満面の笑みがずいぶん懐かしい気がした。こちらの表情がむこうに見えていなければいいのだけれど。人の目に黄昏を見通す力はないはず。心で願った。
二、三手を振って境内に向け高度を下げる、後ろ姿を見送って。一つ、息をはいた。
夕飯の誘いを受けなくてよかった。……この顔を見られたくはない。
褒められて、照れて。人間みたいだ。私らしくもない。
暗くなっていて、助かった。それでも。
――明日からまた、頑張ってみましょうか。
自然にそう思えた。今日ばかりは、見つかったことに感謝しよう。
火照った頬を隠すようにマフラーを引き上げ、私は暗闇に舞った。
誇張のない、闇を透かした等身大の笑顔が、私の心に写っていた。
僕も早苗さんに肩車したい。
早苗さんはいつの間にか肩に乗っていました。動かしやすい人ですね。
まだまだ情景を描く練習中ですが、雰囲気だけでも感じて頂ければ光栄です。
それでは、また。
何やら子供っぽい早苗さんとなにやらお姉さんっぽい文が仲の良い姉妹みたいで微笑ましい。
しかしキャラも良いけど、夕餉の支度の煙が立ち上る人里や、雪深い魔法の森など、幻想郷の風景を描写するのが
本当に上手い。
この話を読んでると、ゲームの画面でしか、書籍の挿絵でしか見たことがない幻想郷の地形を、
自分の足で霜を踏みながら歩いている気持ちになれます。
背景や内心の描写の丁寧さと相俟って思い浮かべやすく話を楽しめました
早苗さんを鬱陶しがってるわりに実はあやさななのかと勘繰った百合厨
書きたいんですよ。でも、書こうとするとそれは場面の一部分についてになってしまう。
違うんですよね、全体が良いんです、この作品は。
だから月並みですが、面白かったと一言で。良かったです。