Coolier - 新生・東方創想話

妹紅の教師生活<一日目>

2011/02/06 23:35:30
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妹紅の教師生活<一日目>




外は梅雨の時期を大々的に象徴するかのような大ぶりの雨で今日のお昼ごろから降っていた。
雨音しか聞こえない深夜に、私の家に近づいてくる足音が聞こえる。
(こんな時間に誰だ)
私は不審に思って布団からスッと抜け出し、今日の昼着ていた服のポケットから数枚のスペルカードを取り出した。
玄関の前まで行こうとした瞬間、
コンコン
とドアをノックする音が聞こえる。
ノックするということは、少なくとも私の知り合いということか。しかし、こんな時間に来るとは。しかもこんな大雨の日に。
一応の用心のためスペルカードを右手に構えながらドアに向かって話しかける。

「こんな時間に何の用だ、要件と名を名乗れ」

ドア越しに聞きなれた声が聞こえる。

「私だよ慧音、妹紅だよ。寒いから早く開けて欲しいんだけど」

そう震えた声で話しかけてくる。
急いでドアを開けた私の目の前に、いつもの綺麗な白髪を真っ黒に汚した妹紅が立っていた。妹紅のお気に入りの赤色のもんぺはところどころ破けていて、上にきているブラウスにいたっては妹紅の女性らしいふくよかな胸が大きく見えている。

「どうしたんだ、そんなにひどい恰好で。もしかしてどこかで妖怪に襲われたのか、そうなのか?ならば私が妹紅のの代わりの退治しなくては」

息巻いていた私の肩にゆっくりと妹紅は右手を置き、苦笑しながら

「違うって、いろいろ事情があるんだけど取り合えず今は・・・・・・寝させて」

そういって妹紅は私を押し倒して眠ってしまった。






見知らぬ天井だ・・・
ここはどこだろうか、なんだか頭が痛いしかも頭頂部が。記憶があいまいだ、確か昨日は夜中に雨漏りをしててそれの対処をしていたら天井が崩れていたのまでは確かに覚えている。そして、雨の中の宿は流石にまずいと思って慧音のうちにきて泊めてもらったのまでは覚えている。
そしていま私は布団の中にいる。ということはここは慧音の家にに違いない。
外を眺めると夕暮れ時なんのか、あたり一面うす暗く山際に沈んでゆく太陽が赤く輝いている。山の稜線がはっきりとその輪郭を現し、雲がたなびく姿は夏の幻想郷の夕暮れ時にふさわしい姿を見せている。
さて、慧音はどこにいるのだろうかと私は布団を抜け出して部屋を出ようとした。ふと、服を見るといつも来ているもんぺとブラウスではなくピンクのロングスカートに茶色のちゃんちゃんこをきている。慧音ってこんなピンクのスカート持ってるんだ初めて見た、こんな可愛いの持っているんだったら普段から着ればいいのに。と思いながら茶の間へのふすまをそっと開ける。
炬燵に本棚しかない質素な部屋その真ん中に正座をしながら本を読む慧音の姿があった。

「家の中でも正座して本を読むなんて相変わらずまじめだね、慧音」

慧音の正面まで移動しゆっくりと置いてある座布団の上にこ仕掛ける。うん、いい座り心地だ。

「おはよう妹紅、と言いたいところだが残念ながらもう夕飯時だ。ずいぶん眠っていたよ、可愛い寝顔でな」
「それはどうも、それより昨日は突然押し掛けてしまって悪かったね。私のきていた服ってどうした」
「それなら、洗ってそこにおいてあるよ。破けていた部分はできる限り縫っておいたがよかったか?」

そういって慧音は部屋の片隅に置いてある私の服を指差す。

「流石慧音、いいお嫁さんのなれるよ、ありがとう」

さっそく着替えて炬燵に潜り込む、あー温かい。

「ところで妹紅、今から夕食にするんだが一緒に食べるか」
「本当に、いやー何から何まで申し訳ない」
「いやいや、ひとりで食べるよりも二人で食べる方がおいしいからな。ちょっとまっててくれ」

そういって慧音は台所に行って料理を始める。
やることがなくなったので、もうひと眠りしようかと考えていると

「さあ出来たぞ、食べよう」

と慧音が帰ってきた。
はやっ、まだ5分も経ってないぞ。と思ったら鍋か、そりゃ早いわけだ。鍋の中には白菜や長ネギ、舞茸、肉団子、花弁の形をしたニンジンが所狭しと入れられている。ふたを開けた瞬間からいいにおいが部屋を満たし、私の食欲がピークに達した。

「実はいつも妹紅が起きてもすぐ夕飯が食べれるように、ほとんど準備はしていたんだよ。驚いたか」
「もう今日は驚きすぎて死にそうだよ、もう結婚しようよ慧音」

言った瞬間、慧音の顔が赤くなる。なにこれ超可愛いんだけど。この顔見るだけでおなかいっぱいになっちゃうよ。

「ば、馬鹿を言うな妹紅。わ、わ、私にそういう趣味はない!」
「そういわないでよ、今は鍋より慧音が食べたいかも」

甘い声をだしながら炬燵を抜け出し慧音に近づいていく。口を半開きにした慧音が小動物の様な眼でこちらを見つめてくる。どれくらいの時間見つめあっていただろうか、ふいに私はわらいだしてしまった。

「あはははははは、慧音そんな顔しないでよ。冗談だってば」

からかわれていたことがわかったのか慧音はあきれたような顔をして

「ほら、早く食べないと冷めてしまうぞ」

といって鍋をつつき始めた。

「ずるよよ、慧音私も食べる」

急いで箸を握りなおし急いで白菜を取って食べた、うんおいしい。



あまりのおいしさにしばらく無言で鍋を食べているとふいに慧音が言葉を発した。

「それで、どうして昨日はあんな時間にあんな恰好で家に来たんだ?」

グフッ
あまりに唐突に話しかけられたんで驚いた私は食べていたものを若干喉に詰まらせてしまった。
スッと慧音が水を渡してくれる。それを一気に飲み干してふうーと息を吐く。コップと箸をおいて私は姿勢をただし慧音に向き合った。また、慧音も雰囲気が変わったことを察したのか、食べるのをやめた。

「実は・・・・・・」
「実はなんだ?」
「昨日の大雨で家が倒壊したんだよ、あはははは」

私の乾いた笑い声が部屋に響き渡わたる。

「家って、あのあばら家か。今までいつか壊れるいつか壊れるって言われながらなんだかんだで壊れなかったあれがか」
「そうなんだよ、なんだかんだでこわれなかったからいままで何もしなかったのだけどね。ついに昨日壊れちゃったんだよ。今まで長い間生きてきたけど、流石の私も突然天井が落ちてきたときは何もできなかったよ。ホント頭が真っ白になるとはあの事を言うんだね」
「それで家に来たと。それでこれからどうするのだ」
「いくら不老不死だからって流石の私も野宿なんてしたくはないからね。とりあえず家を建て直そうと思うんだけど」
「金がないんだな」

あきれたような表情で慧音はいう。

「それで慧音にお願いなんだけど」
「金なら貸さんぞ」
「いやいや、流石の私もそこまでずうずうしくはないよ」
「ではどうしろと」
「仕事を紹介してくれない、できれば短期間でもうかる仕事。種類は問わないから」
「そんなもの都合よくあるわけ・・・・・・ある」
「ホント!何々どんな仕事」

あまりの嬉しさに思わず慧音に顔を近づけてしまう。
しかし、私の表情とは違い慧音の表情はすぐれない。

「あんまりおすすめできない仕事だぞ、金は入るだろうが危険が伴う」
「危険って私なら大丈夫よ。どんな内容の仕事なの、教えてよ」
「家庭教師の仕事だ、少々子供の体的に外出するのが難しいらしくてな。私は寺子屋があるので週に1回しか行けないのだが、本当は毎日来てほしいらしい」
「なるほどね、毎日いける私ならできる仕事じゃないか。危険が伴うって慧音も大げさだよ、子供にたたかれたりするくらいじゃ全然危険じゃないって」
「いや、そういう意味ではないのだが。まあいい、直接話した方がいいかもしれない。丁度今から行くのだが一緒に来るか」
「え、今から。もう結構遅いけど」

今のはもう完全に日は落ちて、月が夜空に浮かんでいる。こんな時間から家庭教師なんてなかなか勉強好きな子供なのだろうか。

「もしかして、その子ってすごい頭のいい子? 私に家庭教師つとまるの?」
「それは大丈夫だ、残念ながらそこまで頭のいい子ではない。妹紅でも十分勤まる」
「じゃあ、行こう」
「それじゃあ鍋を食べたらいこう、いい時間だ」

そういって私たちは再び鍋を食べ始めた。






「やっぱやめる、帰るわ」
「なぜ」

なぜ、なぜだと。慧音は不思議そうな顔をしながら聞いてきた。

「嫌な予感しかしない」
「なんでだ」

なんでだって、そりゃ目の前のセンスが有り余って一回転した建物が見えれば誰だって嫌な予感がするよ。
血を塗りたくったかのような不気味な紅、月光に照らされて映し出される紅は余計に不気味に見えてる。私たちは幻想郷でも有名な悪魔の姉妹が支配する危険度最高級の紅魔館の前に立っていた。
私は面倒事に巻き込まれる前に帰ろうと後ろを振り向いた瞬間、

「こんばんわー、いつも妹様の勉強を見てもらってありがとうございます」

同じ紅にもかかわらず、館の数倍美しい色の髪をした門番が話しかけてきた。

「お疲れ、美鈴。今日も元気そうで何より。最近真理沙とはどうだい」
「いやー、それが今日もお昼に来たんですけどあっさりやられてしまいましたよ。おかげでパチュリー様から文句を言われるし、咲夜さんには小言を言われるしでさんざんな一日でしたよ」

ため息をつきながら美鈴は両手をあげて、やってられませんと呟いた。

「そんなに気を落とすな、みんな本気で怒っているわけではないさ」
「それはわかってますけどね、こんなに簡単に門を突破されると門番としてのプライドがですね」

こりゃ、結構落ち込んでいるな。宴会でしか話したことがなかったが、普段は明るいであろう彼女がこんな苦労をしているなんて知らなかった。

「そら、そんなに落ち込むな。門番は館の顔なんだから笑顔でいたほうがいいぞ」

珍しく私が他人を励ましたのを見て慧音はもちろんだが、言った自分も驚いていた。

「ありがとうございます、ところで妹紅さんですよね。宴会以外で話すのは初めてですね、今日はどのようなご用件で」

立ち直ったのか、美鈴が私に話しかけてきた。

「いやぁ、慧音にバイトがあるって紹介されてここまで来たんだけど・・・・・・あんまりいい予感しないから帰るところなのよ。じゃあね」

そういって帰ろうとしたが、不意に手を掴まれた。

「ちょっと待て妹紅、話くらい聞いてから帰っても遅くはないんじゃないか」
「私の感が言ってる、早く帰れと」
「どこにだ」

たしかに・・・・・・今の私には帰る家がないんだった。

「私からもお願いします、話だけでもいいので聞いてってください」

美鈴が頭を下げながら頼んできた。

「仕方ないな、話だけだぞ」
「ありがとうございます、それではお二人をお通しします。ただいまお嬢様はテラスにいるはずなのでそちらへお願いします」

そういわれて、私たちは門をくくり館の中へはいって行った。
初めて紅魔館に入ったが、中も赤いんだな、真っ赤な壁に真っ赤な絨毯。赤じゃないのは飾ってある調度品とシャンデリアくらいなものだ。よくこれで目が痛くならないものだと感心していると

「いらっしゃいませ、慧音先生お待ちしておりました。妹様はまだ起きていると思いますので地下室の方へどうぞ」

そういって突然目の前に白いカチューシャにメイド服を着た十六夜咲夜が現れた。

「こんばんは咲夜、その件だが少しだけレミリアとちょっとだけ話したいのだがいいだろうか」
「お嬢様とですか」

怪訝そうな顔をしながら咲夜は聞いてきた。それから私の顔をじっと眺めて何か得心がいったのか

「了解しました、それではこちらへどうぞ」

と言って、すたすたと歩き始めてしまった。

「何をしている、行くぞ妹紅」
「わかってるわよ」

そういって私たちも咲夜の後について階段を上って行った。






テラスにつくと透き通るような蒼色の髪、体全体に対して背中から生えている不釣り合いな巨大な羽をもった、この紅魔館の主レミリアスカーレットが優雅に雲の間から見える月を眺めながら紅茶を飲んでいた。

「いらっしゃい慧音、それと何度か宴会であっているけどはじめましてでいいかしら、藤原妹紅」

そういってレミリアはティーカップをテーブルに置いてゆっくりとこちらに向かって歩いてきた。
今まで宴会でみたレミリアは外見道理の子供のようにふるまっていたのだが、月を背中にしてこちらを見つめる赤い瞳は・・・・・・なるほど。幻想郷の勢力の一角を担う紅魔館の主にふさわしい風貌なのかもしれない。

「こんばんわ、レミリア。今日は前々からお前が欲しがってたフランの家庭教師を紹介しに来たぞ」

慧音はこちらに目線を投げかけたあと再び話し始めた。

「どうだい、最高の人材だと思わないか。お前の倍以上は生きていて知識は豊富、料理、洗濯、掃除だってできるぞ。口が悪いのが玉にきずだが、何よりも・・・・・・死なないというのは大きいのではないかな」

慧音はにやけながらレミリアに話しかける。
慧音が黒い、黒過ぎる。
どんな宣伝文句だよ、それは。一番の売りが死なないことなんてまさに殺し文句じゃない。いや、まあ確かに私は死なないけど。
それにしたってその言い方はないだろ。

「そうね、妹紅がやってくれたら少なくとも死体の掃除をする手間は省けるわね」

まるで品定めをするかのようなめでレミリアが私を見る。
流石にこのままだと私の命が危ない気がしたので会話に参加しようとする。

「物騒な話をしてるな、なんの話だよ」

おもむろに私はレミリアに向かって言った。
レミリアは悪魔の様な笑顔をみせながら言う。

「いやいや、実はね家庭教師を雇いたかったのよ。知ってるかもしれないけど私には妹がいるのよ」

話に聞いたことがある、悪魔の妹。狂気に魅入られた吸血鬼でこの館に長年幽閉されているらしい。たしか名前は

「フランドールよ」

私の考えていることなどまるでお見通しだと言わんばかりに頬をあげてにやけながらレミリアが私に言い放った。

「そう、フランドールちゃんね。話だけは聞いたことがあるよ。なんでもお前に似て相当やんちゃらしいじゃないか」
「そこまで知っているのなら話は早いわ、どうかしら、妹の家庭教師をやってみない」
「いやだ」

私は即答した。
なんで私がそんな子供の家庭教師をしなければならないんだよ。
私だって仕事は選ぶわ。

「私は帰るは慧音、またいい仕事が見つかったら教えてくれ」

じゃあ。と言おうとした瞬間

「待て妹紅、せめて話は最後まで聞いていけ。それくらいしてもかまわんだろう」

足は空中に浮いていた私であったが、慧音の言うことにも一理あるなと思い飛ぶのをやめた

「そうだな、とりあえず仕事内容と報酬を教えてくれ」

レミリアは少し考えながら私に言い放つ。

「仕事の内容はフランの家庭教師よ、家庭教師といっても教えるのは難しい勉強ではなくて一般常識や簡単な勉強だけでいいわ。期間はあなたが死ぬまでと言いたいところだが取り合えず三か月でいかがかしら。その間の衣食住はこちらが負担するわ。報酬はあなたの仕事ぶりにもよるけど、そうね・・・・・・これくらいでいかが」

レミリアは指で給料を示した。
三か月でそんなにもらえるのか。流石にそれだけで家を建て替えるのは不可能だが頭金くらいにはなる、しかも衣食住付きとはなかなかいい仕事かもしれない。
少し悩んだ私だったが

「そんなにいい条件なら、受けないわけにはいかないな」
「そういってもらえると思ったわ、よろしくね妹紅」

そういって右手を出してきたレミリアと私は自然と握手をした。
それが、重要な事を意味するとも知らずに・・・・・・


地獄の底に続いているかのような真っ暗な階段。壁にはいくつかのランプが灯っているが足元がかすかに見えるくらいの明るさしかなく、実際は数十秒しかたっていないのにもう何時間も歩いたかのように錯覚させられる。
こんなところに噂の妹がいるのか、まったくもって信じれれない。

「レミリアはこんなところに妹の部屋をあてがうなんて、相当妹が嫌いなんだな」

そういうわけではありません、
と前を歩く咲夜が私の独り言を聞きとったのか振り向きもせずに話しかけてきた。

「妹様はご存じの通り、時折自分で自分の力が制御できなくなるのです。なのでこの地下のお部屋に入ってもらっているのです」
「別にそんなのあんたたちで抑えてあげればいいじゃないか」
「それはそうなのですが、妹様の持っている能力は少々特殊なのです」
「へえ、それは初めて聞くな、それってどんな能力なの」

私がそういった瞬間に咲夜の足が止まった。
目の前に重厚な鉄の扉が姿を現す。扉の真ん中には魔法陣の様なものがええががれており、まるでその妹が封印されているかのような印象を受ける。

「この先に妹様がおられますが、見てわかるようにこの扉にはパチュリー様の魔法が掛けられております」
「それでどうやって入れって言うんだよ」

安心してくださいと、仮面の様な笑顔で話をつずける。

「この扉は妖怪には開けることができません。しかし、人間だけは開けることができる魔法が掛けられていますので安心してください。」
「それは便利な事だ」

そういって咲夜の前に進み扉の柄に手をかけ開けようとする。

「少々お待ちください」

手を伸ばしていた私はいったん手を離し、咲夜の話に耳を傾ける。

「妹様に関して注意点が3つ程あります。」

そういって咲夜は指をぴんと一本伸ばした。

「ひとつ、妹様をこの扉の外に出さないこと。この理由は先ほど言ったとおりです」

今度は二本指を伸ばした
「ふたつ、この部屋の中で弾幕ごっこをしないこと、妹様は弾幕ごっこが大のお好きなのですが、それをこの部屋の中でされると流石に困ります」

最後と言わんばかりに三本目の指を伸ばした

「三つ、これが一番重要です、食べ物に関する話をしないこと。理由は述べませんが、約束してください」
「わかった」
「それと先ほどの妹様の能力に関する質問ですが、中に入ってのお楽しみということでお願いします」

そういって、エプロンドレスの端をつまんで優雅におじぎをしたと思うと咲夜は一瞬で目の前から消えてしまった。
これが噂の瞬間移動かと私は思わず感心してしまった。

「言いたいことだけ言って消えやがって、まあいいか。さてと噂の、それではフランドールちゃんとご対面と行きますか」

一人語を言った私は重厚な扉に手をかけ中に入って行った。





今日も何もない一日だった。
いつものように起きてはただパチュリーから借りた本をただ読みふけり、妖精メイドが運んできた食事を食べて寝るだけだと思っていた。
こんな日々がいつまで続くのだろうか・・・・・・
前に真理沙たちが来てからこんな生活も終わるのかもしれないと思ったけどやっぱりダメで、相変わらずお姉さまは私をここから出してはくれない。
そろそろ眠くなったし、やることもなくなったからベットに入ろうとした時だった、

(足音が聞こえる)

私はとっても耳がいいので階段を歩く音だけで誰が来るのかを当てることができるのだけど・・・・・・
一人は咲夜に間違いない、時々ご飯を運んできたり、私の退屈を紛らわそうと手品を見せにきてくれるのではっきりとわかる。
しかし、もう一人の足音が分からない、お姉さまの足音でもないし、パチュリーの足音でもない、もちろん美鈴や小悪魔でもない。妖精メイドかと思ったが、基本的に彼女たちは歩かないで飛んでくるので違う。

(もしかして、真理沙が来たのかも)

嬉しくなった私だったが、すぐに今の自分の恰好に気付いた。。
どうしよう、こんな恰好でいたら真理沙に嫌われちゃうかも
急いで私は、紫のフリルのついたネグリジェを脱いでいつもの赤と白の洋服に着替えた。
服だけじゃなくてぼさぼさの髪の毛もとかさないと。
いそいで、櫛を手に取り鏡を見ながら髪の毛をとかし始める、すると不意に足音がとまった、丁度この扉の目の前だ。
もうきたみたい、仕方ない
櫛をその辺に放り投げて私は扉の前に立ち、真理沙を出迎える準備をした。

(久しぶり私と遊びに来てくれたのかな、それとも私に私に何か用事なのかな)

七割の期待と三割の不安を抱えたまま私は扉の前に立ち続ける。
扉の外で話しこんでいるのかなかなか扉が開く様子はない。
じらされた私のテンションがどんどんあがって行くのがわかる、

(よし、扉があいたら真理沙に抱きついてやろっと)

足に力を込め前傾姿勢になり、その扉が開くのを今か今か待っている。






「真理沙---」
扉を開けた瞬間、何か叫ぶ黒い影が私の腹部に体当たりしてきた。
あまりに突然のことで、避けることもできず私はグフッという音を立てて冷たい床の上に転がってしまった。
いたたた
いったいなんだと仰向けになりながら腹部にくっついているモノに目線を移すと

「あれ・・・真理沙じゃない」

と不思議そうに首を横に傾けながらこちらを見ている子供が目に入る、ふわふわいした白い帽子に真っ赤な目立つワンピースをきている。しかし服より目立つのが背中から生えているきらびやかな羽であろう。体を中心に赤、橙、黄、緑、青、藍、紫と左右対称に虹の色をしたと宝石が七枚づつ羽から垂れている。

(この子が噂の妹フランドールか、レミリアと同様外見は幼い子供だな)

じっとフランドールを見ていると恥ずかしく思ったのか彼女は

「あの・・・・・・ごめんなさい」

と呟くと私の上から体を起こし、ゆっくりと立ち上がる。

「真理沙じゃなくて悪いねフランドールちゃん」
「いやそのごめんなさい」
「なんで謝るんだ」
「だって真理さと勘違いしちゃったし、それに体当たりもしちゃったし」

ふむ、噂と違って常識をわきまえてそうないい子じゃないか。

「はじめまして、フランドールちゃん。私の名前は藤原妹紅、今日から慧音の代わりに家庭教師をすることになったから」

よろしく、と私は彼女に向かった手を出した。

「慧音先生の代わり?慧音先生はどうしたの」
「慧音は週に1回しか来れないだろ、だから毎日来れる私をレミリアが雇ったのさ。慧音の方が良かった?」

少し困った笑顔で笑うとフランドールは、満面の笑顔で

「んーん、そんなことないよ、慧音先生も好きだったけども妹紅先生もいい人見たい。よろしくね」

彼女も手を伸ばしギュッと握手する。
彼女の小さく冷たい手を握りながら

「妹紅先生はちょっとくすぐったいからやめてくれ、普通に妹紅ってよんでくれ」
「わかった妹紅せんsじゃなくて妹紅、なら私のこともフランって呼んで」
「了解フラン、それじゃあこれからよろしくね」
「うん!」

これが私とフランの初めての出会いだった
はじめまして。トリクロロシランと言います。
初めて小説を投稿しました、拙い文章ではありますが読んでいただき、感想を頂ければ幸いです。
トリクロロシラン
http://
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コメント



0.860簡易評価
2.無評価名前が無い程度の能力削除
まだ全部読んでないがとりあえず
真理沙→魔理沙
3.50名前が無い程度の能力削除
2コメした人です。
キャラの名前を間違えるのを嫌う人は大勢いますのでご注意を。
個人的にはもうちょっと長めの文が欲しかったですね。
7.80名前が無い程度の能力削除
続きが気になるけど、まず沢山ある誤字をどうにかしましょうよ
8.50よみせん削除
妹紅のの代わりの退治→妹紅の代わりに退治
他にもいくつか誤字はありましたが、ここで言い募るのも野暮ですし
取り敢えず落ち着いて数度読み直しては如何でしょうか?
あと既出ですが、人名間違いは頂けませんね。
9.40名前が無い程度の能力削除
まあ、その…ガンバ!
10.80名前が無い程度の能力削除
野暮ですが、ずるよよ→ずるいよ
誤字が所々気になったけど、続きを期待してます。
13.80名前が無い程度の能力削除
誤字が多いのが気になりましたが楽しめました。
続きを期待します。
16.90昼風呂only削除
続きが楽しみですねー。

誤字を無くす為に、書いた文章を何度も読み返し、推敲しましょう。
17.90名前が無い程度の能力削除
せっかく面白くて続きが気になる話なのに、誤字が多すぎる。
何度か読み返してから投稿するといいですよ。
続きを楽しみにしています。
19.無評価名前が無い程度の能力削除
拙い文章だと自覚しているなら、もう少しやりようはあっただろうよ。読む価値があったとは思えない。時間返せ。というのが素直な気持ち。
20.50大上夕希削除
誤字がぁ………
でもお話しは面白かったです
今後に期待とゆう事で♪
21.60名前が無い程度の能力削除
続きは気になりますが
次回はしっかり読み返してできるだけ誤字の少ないようにお願いします。
24.90名前が無い程度の能力削除
話の内容が面白いからこそ誤字がもったいないですね…
続きにも期待してるので頑張ってください!
27.60名前が無い程度の能力削除
内容は好きです
だから頑張ってやってほしいです
…レミリアが妹紅を知らないってことは紅魔ペアが永夜EXやってない設定かな?
それとも読み不足かな…
28.無評価名前が無い程度の能力削除
本当に誤字が多い。あまりに多くて、わざとこういう文章にしているのかと疑うレベルです。
特にキャラ名間違いは致命的。作品の舞台の根幹にかかわる部分の精査を怠るのは投稿して人に読ませる以前の段階だと思います。
いくらでも改善できるところだと思うので頑張ってください。
34.70名前が無い程度の能力削除
内容は面白そうだが、誤字脱字にばかり目がいってしまった。
誤字脱字にご注意を
38.70名前が無い程度の能力削除
>「金なら貸さんぞ」

これだけでけーねのスタンスが大体わかったw
すげー面白そうだし続きは気になるし
でも誤字脱字がちょっと厳しいかな……それが無ければもっとすんなり物語に没入できるのに。そこだけ減点で。