Coolier - 新生・東方創想話

右手を銃に私は生きている

2011/02/04 08:08:10
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みょ~ん―――みょ~ん―――みょ~ん―――


――ここより二時の方角に敵三人、西の方に移動中。敵を抹殺しろ――

(三人? 少ないわね…斥候かしら)
うだる様な気持ちを抑えながら私は取りあえず命令どおりにそこへ向かうことにした。
私みたいな一般兵には反対意見は持つことは禁じられている。むしろ、考えてはいけないことになっている。

考えるよりもまず手をだせ!

どこぞの蛮勇が使いそうなフレーズを私の上司は好んで使う。お陰で犠牲が耐えない。
それが嫌で嫌で仕方なかった。
私は生きたい。その気持ちを今日も抱きながらひっそりと歩いていた。







右手を銃に私は生きている










人間たちがこの地にやってきてはや数年。
彼らは兵器を頼りにここを侵略するようになった。最初は私達に地の利があり、連戦連勝を飾ることができたが、最近は負け越し気味だ。
その原因は圧倒的な物量さ。本来攻める側は守る側に対して、人員、戦力、食料など全てにおいて三から四倍はないといけないといわれている。それ以下だと勝てない。しかし、奴らは何とそれを見事にクリアしているのだ。何度もここに侵攻し私達を疲弊させる。故に、私達は不味い状況にあった。


今、私がターゲットにしているのは三人のみ。けれど、侮ってはいけない。以前、人間三人に私達の一個中隊が壊滅させられたことがあるのだから。


今回はそれとは別の三人のようだ。遠くから双眼鏡で覗いたが顔が一致しない。
一度それをカバンにしまい、私は周りを見渡す。攻撃拠点になる場所を探すためだ。すると狙撃するのに格好の場所を発見した。
小高い丘では向こうからは見えにくい。そこに自分の場所を確保した。あとは向こうが通り過ぎるのを待つだけ。




応援は来ない。どうやら他はそれどころではないのだろう。……まあ、それも仕方ないか。
だって、私一人だけで行動しなければいけないほど追い詰められてるもんね。

そう、私達はもはやぼろ雑巾の状態だった。戦闘員はことごとくやられてしまい、白旗をあげる毎日。飛び交うニュースは暗いものばかりで聞くに堪えられない。
時々、受信拒否をしたい気持ちに駆られるがそれはできない。どんなにひどい情報が飛び込んできても拒否をすれば、人間たちの情報も聞けないからだ。
聞かないことでの命令違反による軍法会議が怖いわけではない。
ただ、生き残れる確率が減るのが怖いのだ!



目標補足。
配置してから三十分、やっと敵が現れた。向こうも警戒しながら行動している。
私は深呼吸をした。そして銃を構え、安全ロックを解除する。慣れた手順とは言え、本番はいつやってもなれない。同じことが繰り返されるわけではないからだ。だからこそ冷静にかつ迅速に行動しなければ。
スコープのガラスに自分の赤い目が写った。ああ、これからまたその色が飛び散るんだ……
どうしようもない気持ちを抱えながら私は親指で撃鉄を引き、そして人差し指でトリガーを引いた。



命中



一人の人間が倒れた。頭に命中したのだ、即死だろう。そんな感想をほんの少しだけ持ちながら続けざまに二人、三人目を撃ち抜いた。

「ああ、今回も生き残れた……」
月の表面が赤く濡れた。まるで私の目のようだった。













とりあえずは指示されたことは終わらせたので、報告を済ませた。その後、その場を後にした私は誰にも見つからないようにこっそりと移動していた。同じところにいては危険だからだ。
いつになったら終わるんだろうか。終わったとき私達は勝っているんだろうか。私は生きているんだろうか。
考え事をしながらもそれに対する答えは何も思い浮かばない。
ふと、右の方を見てみると見捨てられたかのような機械の塊のようなものがあった。

「丁度いい、ここで少し休憩しよう」
私はそれの窪みに腰掛けた。人一人分は入れそうなそれは少し窮屈だが、この際文句は言ってられない。


私達は人間と姿形は似ているようで異なっている。彼らに比べて、体が丈夫なのだ。これが一番の特徴だろう。なので特別、防具というものに関して開発をしてこなかった。それが今回の厄災を招いているのかもしれない。
まともな防具をつけずに飛び出した私達は最初こそは良かったのだが後々ひどい目に合うことのなった。まあ、結局のところはさっき考えた戦力の差ってとこになるんだろうけど。



気が滅入る。こういうとき、私は決まって服の中に手をやる。じゃらりという鎖音と共に取り出したのは銃弾型のロケット。中を開けると、四人の戦友と一緒に取った写真が一枚入っていた。
それをみると、つい顔がほころぶ。みんな私と同い年だった。一緒に訓練した時や、他愛もないお話から、恋愛話まで楽しかった日々が次々と蘇る。
あのころには戻れないことは分かっている。でも、見ずに入られなかった。だって、これがあるから生きようと思えるからだ。
今、写真に写っている戦友たちは一人もいない。皆、私を残してどっかに行っちゃった……だから、余計に生きなければって思う。

「眠い………」
気を張りすぎたせいか、眠気が襲ってくる。幸い、周りには誰もいないしここは見つかりにくいところでもある。
一応周囲に簡易的なトラップを仕掛けてから、私は仮眠を取ることにした。









―――ん―――~ん―――みょ~ん―――みょ~ん―――

夢と現実の狭間で聞きなれた間抜けな音が聞こえた。また、情報が入ってきたか。
そう思いながら、やるせない気持ちで目を覚ました。

――おい、聞こえているのか! そこから八時の方向に敵の一個中隊がベースナンバー164に向かっている。急ぎ応戦しろ、いいな――

「うるさいな~」
怒鳴らなくても聞こえている。それを上司は分かっていない、うんざりだ。
それに命令も無茶だ。向こうの一個中隊はこっちの比じゃないほど多い。それを一人で応援にいけとは…

「神風特攻は向こうの専売特許じゃなかったの」
それでも、命令に背くわけにはいかない。
私は軽く武器を点検した。

(今回も生き残れますように)
本当に居るかも分からない神様に祈りながらから行動に移した。













やっぱり神様っていないんじゃないかな。ほんの十分前に祈ったことが馬鹿らしく思えた。
だって、本当に神様がいるのならこんな光景なんてありえないんだから。

舞台は私達の前線基地である。
目の前にはおびただしいほどの死体の山ができていた。敵味方関係なく入り乱れた様はまさしく地獄絵図のようだった。
広がる血の池は黒く淀んでおり、辺りはむせ返るほどの匂いが充満している。
当分肉は食べれそうにない、そう思いながら私は隠れ場所を探す。

たん、たん、たん―――

断続的に響く銃撃音。どうやら、まだ味方が生き残っているようだ。私は彼らを救出すべく、その基地へ足を踏み入れた。
まずは殿にいる二人に照準。どうやら私が後ろから来ていることには気づいていないらしい。
卑怯かもしれないけど、私は銃を連射して彼らを討った。

銃撃音が聞こえないようにサイレンサーを装備してあるのでばれにくい。とはいえ、時間が経てば殺された二人がやってこないことに怪しむ奴らが出てくるだろう。
私は迅速に行動しなければいけなかった。




一人、二人、三人………十人……
撃っても撃ってもきりがない。彼らの数は本当に多い。
ため息を無理矢理飲み込みながらまた一人を討った。
残念なことにまだ生存している仲間とはであえていない。できれば早く会いたいものね。

「…っと」
廊下を曲がるところで危ない場面に出くわすところだった。
向こうがこっちに銃を構えていた。早くに反応できたから気づかれてはいないと思うが。
そう思いながら壁に背を向け、壁越しに目だけを向こうにいる敵の方に向けた。

「ばれてないみたいね。ただ銃を構えているだけか」
構えているのは五人。これは骨が折れそうだ。
そこで私は能力を使うことにした。それなら何とかなるような気がするが、危ない賭けであることは間違いない。
取りあえず仕掛けるために、私は素直に両手を挙げながら曲がり角から出た。

「!」
その行動に彼らは驚きながら銃を構える。

「降参。降参ですよ」
私は撃たれない様にそう言って降伏の意を表した。
けれど、彼らは銃をおろそうとしない。当然といえば当然だ。

「なら、こうすれば撃たないでくれますか?」
そういって右手に持っていた自分の銃を床に落とした。
どうやら私の行動に彼らの殺気も若干和らいだ。それだけでも十分だ。後はもっと近づいて欲しい。彼らの目と私の目の間にまだ距離があるからだ。

「―――、―――」
「―――、―――。―――!」
ぼそぼそと喋る彼らの手からはまだ銃が下ろされていない。
けれどなんとなく何を言っているのか分かった。私を殺すつもりだろう。長い耳をなめないでよね。
彼らは銃を蹴れといっている。そこでひとつ、嘘を言うことにした。

「足を怪我しているのでできません。よかったら取りに来てもらえませんか? その間、手はずっと上げてますんで……」
そう言うと、彼らは訝りながらも慎重にこちらに近づいてきた。

(二人だけか。まあ、大丈夫でしょう)
銃を構えながらなおも慎重にこちらに近づいてくる。ごめんね、どれだけ警戒しても無駄なのよ。
彼らが射程距離に入った!

能力発動

「―――!?」
二人の足が止まった。
しかしそれも一瞬のこと。お陰で、後ろに控える三人にはあまり怪しまれずにすんだ。

「あぁ、見て。私の目を見て。私の目だけを見て」
彼ら二人だけに聞こえるように喋る。別に言わなくても彼らが私の目を見ただけで術中にはまるのだが念には念をだ。逃れることが不可能な血溜まりの瞳。
狂わずにはいられないでしょう。



沈黙。彼らの様子は先ほどまでと変わらないのだが不気味に見えた。私がしたくせに何を言ってるのだか。
ともあれ、彼らは私の足元にある銃を拾うことなく180度逆に振り向いた。
その行動に後ろの三人はやっと怪しんだ。でも遅い。

バラララララララ

引き金を引いたマシンガンからは無機質な銃撃音が鳴り響く。その音と共に三人は凶弾で倒れた。
仲間だった二人に殺されて。

「ごめんなさいね」
そう言って私も足元に落ちている銃を拾い、彼らを撃った。
彼らの亡骸を跨ぎながら歩みを進めた。








基地内部の奥地。
結局ここまで生存者と誰一人も会わなかった。悲しいね……
こっそりとドアの隙間から覗くと四人の敵が慌しくうろついていた。しかも一人は帽子などの身なりが他とは違う。おそらく将校クラスなのだろう。
見たところ、やはり中には仲間はいないようだ。それはそれでよかったと思う。だってここがミッションの最後の戦場だからだ。もし仲間がいて私がドジ踏んだら、人質を取られて私は自分の行動に制限が掛けられるからだ。
それにしてもやっと、このミッションも終われそうだ。
油断しないように深呼吸をし、気持ちを引き締める。

(まずはいぶり出さないと)
流石に四人とそのままやりあってはこちらの分が悪い。少しでも数を減らさなければ。
そこで廊下におびき出すために私は覗いている扉を軽くノックした。

「?」
その音に反応した一人がこちらに近づいてきた。
私は姿を見られないように廊下に詰まれている積荷の物陰に隠れる。間髪おかずに一人が出てきた。
当たり前だが警戒している。一本道を彼はひっそりと歩いてきた。そして私が隠れているのも気づかずに通り過ぎた。チャンスだった。

私は冷静に敵を対処した。銃で撃ち抜くと、物言わなくなった彼をすぐに物陰に引き込む。見つかっては厄介だからだ。

残るは三人。
できれば一人ずつこっちに来て欲しいがそうはいかなかった。
戻ってこない一人を怪しんだ奴らが二人、部屋から出てきた。

(どうする……二人まとめては厄介だ)
私のワンアクション――撃鉄を引いて引き金を引く――は決して遅いほうではないが一人を始末している間にもう一人にやられてしまう。体が丈夫だとはいえ、急所を撃たれれば致命傷になりかねない。
ふと、私は物言わなくなった彼の所持品を漁った。すると面白いものが見つかった。

(これって確か反射板よね)
鏡に似た板が見つかった。これは対月の兎用の防具である。詳しい原理は分からないがこれを通して見ることで狂気に支配されないらしい。
これがあるお陰で私達の戦術は無意味に化し苦戦しているのだ。今度はこちらがこれを利用しよう。

私は鏡のようにきらめく表面を向かってくる二人に向ける。もちろんばれないように、物陰からだ。
私は反射板を見ている。すると向こうも気づいたのかその反射板に目を向けた。

(かかった!)
反射板越しに写った私の目を彼らは直視した。彼らが反射板を目に付けていなかったのが幸いであった。
彼らの体は一瞬びくりと震えすぐに硬直した。
動きが止まった彼らを私は躊躇することなく討った。





残るは中にいる一人だけである。しかし、時間がある程度経っているので彼は警戒しているであろう。
中をこっそり覗くと案の定であった。

(反射板をつけてるわね)
こうなってくると狂気の瞳も意味を成さない。
仕方ないので正攻法で攻めることにした。

「もう貴方は追い詰められています。潔く降参してください」
まずは降参の勧告だ。相手は将校、それなりに敬意を払うのは住んでいる場所が違っていても同じらしい。
それに無駄なことは避けたいからね。

(一分経過。反応なし)
見切りが早いかもしれないが向こうの応援が来たら不味いので早めに行動に移すことにした。
取りあえず向こうはやりあう気らしい。仕方なく私は銃を確認する。
弾は十分にあるがここは趣向を変えよう。

かちゃりと扉を開ける。中は管理室のようで様々な計器類が見える。
ぱっと見、どこにいるか分からない。が、これでも気配を読むことには長けている。長い間、戦場にいたことで身についた力だ。

(察するにあの装置の奥で出方を伺っているわね)
正面には灰色の装置があり、それは人間の大人が二人ほどすっぽり隠れることができる大きさである。そこから気配を感じる。
私は銃の弾を一度取り出し、趣向を凝らした弾を装てんする。

勧告は済ませた。後は知りませんからね。
そう思いながら私は銃をやや斜め方向、天井の方に向ける。
息を吸いとめてから慌てず撃鉄を引く。そして引き金に当てている人差し指を動かした。


パンと言う音はすぐにくぐもった音に変わった。敵に当たった証拠であった。
床に倒れるような音が聞こえてから私はやっと息を吐いた。敵の殲滅に成功しただろう。

私は確認のために装置の裏側に回った。私の天井からの兆弾が当たったのだ。やはり息絶えていた。じわじわと紅い水溜りが広がる。私の目を見ているようだ。これで狂ったらこっけいだろうね。

とにかく今回も生きることができた。ここにいた仲間たちはどうなったか分からないが、上には報告はしておこう。
そのとき妙な音が私の耳に入った。その音源に目を向ける。

「装置の作動? 一体何の?」
私は調べてみることにした。すると、どうやらここには兵器庫があるらしい。モニターに写る画面を見てああ、そうだったなぁと思い出した。ということはここの基地の掃除をするために動いているのだろう。敵に渡されないように文字通り綺麗さっぱり消すつもりか。

「誰もいないことを願うしかないわね」
生存者が基地内に隠れていないことを祈りながら私はここから出ることにした。








ズドンという爆発と地響き。
さっきまで私がいた場所が一瞬でなくなった。

「ああ、無情だな~」
言ってもどうにも変えられない今の状況。空しいと分かっていても言わずにはいられない。そんなときに相応しい言葉だと思う。
こんなことを繰り返していたらいつか自分も死んじゃうのかな。

私は首にかけてあるロケットの中を覗いた。
写真の私達はみんな笑っている。こんな未来を誰も予測していなかったからだ。一時の青春で終わらせるつもりではなかった。だから笑っていた。ずっと友達でいようって………

「笑えないよ……」
私の中で何かが変わり始めた。

















私は生きる。
どんなにみっともなくても、後ろ指を差されても生き抜いてみせる。
生に執着していた理由、それはみんなと笑っていたかったからだ。
その理由がなくなった。でも、死ぬのは嫌だ。単純に怖いからだ。
だから私は決行した。その決意が遠くに行った友達の裏切りに当たると知っていてもだ。



苦しくなった私達の状況は日に日に拙くなっていく。もはや、希望がなくなり始めたころだ。そんな、状況で私はここから脱走することにした。今なら、本部はパニック状況に陥っているだろうから監視の目をかいくぐりやすいと思ったからだ。
案の定、簡単にできた。目標は地球、私達の敵が住んでいる所だ。


















「ここは………?」
体が動かない。単純に疲弊しているからだ。
目を瞑り自分の体の状況をチェックする。……まずいかもしれない。
せっかく地球に来たというのにここまできて。

「これが逃げた罰なのかな」
そう思うと涙が流れる。
生きる理由がなくなり、かといって死ぬのも怖くて………あそこには友達が眠っていてでも生きるために月から離れたくて………
そんな複雑に絡み合った感情がとめどなく涙となって溢れてくる。声にもならない声をあげ、土や草を掴みながら無理矢理体を進ませた。
顔が汚れてもいい、服が裂けてもいい、とにかく生きたい! 生きたい、生きたい!

「生き………た……い…」
「あら、どこに行きたいのかしら?」
突然声が私の上から聞こえた。
這いつくばった姿のまま顔だけ起こしてみると茶色の靴と桃色の長いスカートが見える。
もちろん足もある。と言うことは、人間、女性か?

「あ…………ああ……………」
「へぇ~、変わった頭しているわね。うちに飼っているイナバみたい」
私はどうしたらいいのか分からなくなった。人間は基本的に敵である。故に助けを求めることはできない。けれど、今の状況では藁をもすがりたい気持ちである。
どうしたらよいのかわからない。そう悩んでいると、女性は180度方向を変え、もと来た道を戻ろうとしていた。

「偶に散歩が許されると決まってこういうのがあるのよね~……帰ろっと」
「ま、待って……」
ここで帰られたら本当に命が危ない。私は意を決し、残った気力で彼女の足に右手を伸ばした。
私の出した声は自分でもびっくりするほどしわがれていた。喉も渇いていたからだ。

「…………………」
女性の体が止まる。私は顔を上げる力も残っていないので彼女の顔は見えないが、じっと見られていると感じる。ひしひしと痛い視線を感じながらも、私は決して右手を離さなかった。

「…………安心しなさい。決して見捨てるつもりはないわ」
「………え?」
「私一人じゃ貴女を運べないの。だから私の家族を呼んできてあげる。貴方はそこでじっと待っていなさい」
「ほんと?」
「ええ」
私はそれを聞いて素直に手を離した。
短い会話の付き合い。切羽詰っている状況で、本当は疑った方がいいのかもしれないが、なぜかこの人の声を聞いていると信じられるような気がした。

「いい娘ね。私のペットとして飼ってあげる。頑張りなさいな」
その言葉を残して女性は私から離れていった。
胸が熱くなった。


私は生きている。今度はこの場所で生きていく。
そう思うと自然と笑うことができた。あのときのように……





鈴仙=優曇華院=イナバ
今日も私は姫と師匠の下で生きています。
どうも、モノクロッカスです。
恋愛ばっかり創ってたら無性にシリアスが創りたくなりました。それほどシリアスさはないですが。

うどんげの過去、愛くるしいあの顔にこんな暗いものがあったらという妄想を糧にできた作品です。楽しんでもらえたら幸いですよ、ホント。

ありがとうございました、感想お待ちしていますね。
モノクロッカス
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コメント



0.670簡易評価
8.40名前が無い程度の能力削除
うーむ……。嫌いじゃないんだけど、どうコメントしたものか。
とりあえず、雰囲気は楽しみました。
ちょっとCoDをやりたくなったです。

が、全体的に必要な描写が少なくて場面の想像が難しかったです。
敵の描写が無いので脳内でSEALSを当てていましたが、にしては弱いなぁとか思ったりもしつつ。
戦っているのは、荒野?月面?コンクリートの基地? 謎です。

色々言いましたが、うどんちゃんは可愛い。
10.無評価名前が無い程度の能力削除
廊下って出てたから(多分)基地かな?…多分だけど…
11.100名前が無い程度の能力削除
公式では戦争は無かったらしいですが、こういう鈴仙の話が好き。
あぁ戦争は嫌いです……
16.30名前が無い程度の能力削除
端的に言えば違和感だらけの作品。単純に人間対人間の戦闘をうどんげにやらせているようなだけに見えた。『月人』対『人間』の戦争を見ている気分にはなれないし、それに当時の技術に少し色を付けたとしても、果たして月人を追い詰めれる程の物量作戦を行える宇宙船が作れるものだろうか? そういう設定にするにせよ、何らかの説明がないと違和感で喉をつかえる。別にミリオタも黙らせるような設定を作れとは言わないし、それだと作品の趣向自体違ってしまうので考えすぎには注意だが、せめて一工夫は欲しい所。それか戦闘描写は出来るだけ排除して、心理描写に比重を置いた方がいい。見聞きかじった知識を適当に押し込もうとするからこうなる。東方の世界が舞台だと言う事をお忘れずに。
神風特攻……のくだりの台詞も個人的に違和感。地球で戦争をやっていた、くらいの認識はそりゃあるだろうが、うどんげはどこで神風特攻なんて言葉を知りえてくるのだろうか? 仮に知ってとしても、アメリカ人に対しそのセリフは変だろう。

他の部分は割愛しますが、簡潔に言えばこの作品には感情移入が出来ませんでした。背景を蔑ろにし、細部を疎かにし、描きたいと思ったシーンだけ描こうとしているのがその原因だと思われます。
まずは世界背景をよく把握し、そのキャラの立場になってもっと考える事をお勧めします。
ああいう場所にいて、そういう性格をしていて、こういう状況に放り込まれたら、一体そのキャラは何を喋り、どう行動するのだろうか。
この点について深く追求していけば、きっともっと良い作品になると思います。
17.50名前が無い程度の能力削除
優曇華院の能力がしょぼすぎて原作に忠実でも無ければ、兵士が無能すぎて現実に忠実でも無い
でもノリは好きですよ