ナレーション:加藤みどり色の目をした怪物
幻想郷、東端。
大木に囲まれた、僻地の一角に……ある、問題を抱えた神社がありました。
─────博麗神社─────
博麗の巫女が住む、幻想郷でも1,2を争う重要な建物。
この神社が抱える問題、それは──────
「最近、宴会してても肴が足りないというか……」
「霊夢とかが作ってくれてる分じゃ、もう全然足りないよねぇ」
古い造りの神社内、そもそも大人数で宴会をするように造られていないそれは、ロクな台所がありません。
自由気ままに宴会をする妖怪達が料理をするはずもなく、肴を作る霊夢とその取り巻き達は、窮屈な台所に所狭しと追いやられます。
それらの悪循環が生む、負の料理マダーチンチンスパイラルが依頼者達を苦しめます。
そんな彼女達妖怪の願いをうけ、一人の、匠が、立ち上がった…………
知
識
の
森近霖之助(1??)一級薀蓄士
──匠───────────
(株)香霖堂
│
│
│
無
理
や
り
呼
ば
れ
た
│
│
│
読書をしていた所、魔理沙に連れられた
いわば、ただの部外者……
───帰─っ─て─い─い─?───
しかし、魔理沙は知っていました。
彼がひそかに神社のいたるところにCCDカメラを仕掛け、盗撮していることを……
本人曰く、知的好奇心には逆らえない、とのこと。
日がな一日博麗神社を観察している彼にとって、彼の知らない場所はありません。
そんな彼を、人は
と、呼ぶのです。
森近が、いま、力強い足取りで博麗神社へ、向かいます。
そんな彼を待ち受けるのは、異変騒ぎでもぬけの空状態の、博麗神社。
今はまだ、鋭い爪を隠した強敵……
今回の依頼者達である魑魅魍魎に出迎えられ、博麗神社に到着した、匠。
そこでいきなり、問題が起こります。
「霊夢が帰る前に早くやっちまおうぜー」
「そうね、とっとと始めましょう」
なんと、無許可。
後で全員叩きのめされるのは必至ですが、お構いなし。
先日ばら撒かれたT(天子)-ウィルスによって、全員ドM化していたのです……
リフォーム予算
「priceless」
依頼者達がリフォームの為に用意できた予算は、"伊吹萃香&星熊勇儀(はぁと)"と書かれた肩叩き券10枚。
匠は、以前、博麗の巫女が「最近肩がこるわぁ」と言っていたのを思い出し、鬼達の肩叩き券をプレゼントすることにしました。
神社の持ち主を想う、匠の粋な計らいが伺えます。
さらに今回は、博麗の巫女が異変を解決するまでにリフォームを完了しなければならないため、リフォーム期間は、たったの3ピチューン。
問題解決のための
リフォーム期間
「3ピチュン」
この制約の中で、匠は、どの様なリフォームを見せてくれるのでしょうか……
───────────────
代改造!!━━┓
劇的 ┗→
ビフォー・アフター
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リフォームプラン
───────────
鬼が能力を使わずとも、自然と妖怪が萃まるような
温かい宴会場のような神社
「何かよくわからないけど、宴会のしやすいようにすればいいんだろう?」
「まぁ改造するふりしてまた設置箇所を増やし……ん? いや、なんでもないよ」
第一章
~倒壊~
匠がまず、取り出したのは一本の工具。
「これは、"ノコギリ"……木を切るための道具だね(キリッ」
なんと、これまで一度たりともノコギリを触ったことのない匠。
得意げに鑑定しますが、周りは思わず失笑。
調子に乗った匠は、ここで思い切った行動にでます。
「よし、これを切ろう」
匠の目が捕えた獲物は、柱。
見るからに重要そうなその柱は、博麗神社の中央に大きく佇んでいます。
慣れない手つきでノコギリを動かす匠。
そろそろ切り終わる、という時、依頼者達はあることに気づきます。
「あ、それ、大黒柱」
「え」
なんと、次の瞬間、物凄い音をたて、博麗神社が倒壊していきました。
これにはさすがの匠も閉口。
「oh……」
リフォーム開始から30分、博麗神社は、その、本来の姿が露わになりました。
本来の姿すぎて、原型をとどめていません。
ここで、匠は新たな問題に直面します……
「おい! 霊夢が2ピチュったぞ!!」
依頼者達の斥候が発した衝撃的な事実、霊夢はあと1ピチュで帰ってくるというのです。
この、思わぬアクシデントに対し、匠は一体、どう対処していくのでしょうか……
第二章
~新築~
依頼者達の能力を駆使し、なんとか3分間で博麗神社を建て直した匠。
ここで匠は、今回のリフォームには欠かせない、ある重要なものを制作します。
奇妙な形をした、両手に抱えるほどの板を次々に量産する匠、思わず、カメラマンが質問します。
「あやや、それは一体なんですか?」
「ふふ、なんだと思う?」
「霊夢が3乙したよー」
「!?」
突然ですがこの後、感動のリフォーム公開です。
BEFORE
突貫工事で建て直した神社は……
AFTER
少し縮んだように感じられます。
BEFORE
中へと入るため、襖を開けると……
AFTER
なんということでしょう
中の敷居は全て取り払われ、友達百人できるかなとも言わんばかりの大広間が目の前に広がります。
これには妖怪達も大喜び。
いまにも、酔って暴れる寸前の妖怪達の声が聞こえてくるようです。
BEFORE
あの、狭かった台所は……
AFTER
量産型ミニ八卦炉が完備された、システムキッチンへと様変わり。
広々としたそのスペースは、巫女が密かに集めていた日本酒の瓶コレクションを全て廃棄することで生まれました。
BEFORE
デッドスペースとなっていた床下を開けると……
AFTER
なんということをしてくれたのでしょう
そこには大量の肉じゃがが、所狭しと詰められています。
匠が作製していたあの板を使い、床下に調理済みの肉じゃがBOXが作られていました。
これは、肴を待てないで困っていたせっかちな妖怪達が、巫女達の手を借りるまでもなく、動かずに肴を好きなだけ取ることができるという、物ぐさな匠らしさが滲み出ています。
「肉じゃがは得意料理なんだ」
もはや、誰も聞いていない匠の言葉。
いや、よく見ると、匠の周りには誰もおらず、いつの間にか匠は一人ぼっちです。
不審に思って後ろを振り返ってみると……
笑・顔・の・巫・女・さ・ん・が・お・出・迎・え♪
ありがとうございました。
地文は某ナレーションで脳内再生余裕でした^q^
結構好きだわこれwww
めちゃくちゃツボでしたwwwww
肉じゃがwwwwwwwwwww
良い笑いを頂きました!……博麗神社と匠たちの命と引き換えに(-人-)ナムサン
これじゃ異変解決してなくね?とか思ってたら3乙で帰ってきやがった
コンティニュー無しかい
俺の腹筋になんということをしてくれたのでしょうwww
崩壊寸前じゃないか!
wwwwwwwww
ブラウザで展開されるこのTVを見ているかのような画面効果、まさに匠の技。
霊夢の喜びようとそれに伴う激しい弾幕、まさに”INSCRUTABLE BATTLE”(←メインテーマの曲名ネ)。
ああ、予想くらい楽勝で出来たさ!!!
でも笑っちまったよ、チキショウ!!