Coolier - 新生・東方創想話

あたいったら天才ね!

2011/01/13 22:45:41
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「あたいったら天才ね!」

とある夜の森、出来損ないの満月を見上げる頭から触覚を垂らした少女がいた。マントを地につけ足をのばして座り上を見上げる少女・・・そう彼女こそ『闇に蠢く光の蟲』のリグル・ナイトバグである。
「こうしてお月さまを見上げるのも、またいいねえ。」
そういってリグルがあおむけになって寝ようとした所へ、何かが襲来した。その何かはリグルのお腹にクリーンヒットして着地した。
「ぐふぇげえ!」
とても少女の口から発せられるとは思えない悲鳴、そしてそれを見下ろす青髪の少女。
「やっ、リグル」
あらゆる蟲を操る妖怪を気安く呼び捨てにする謎の影。その髪は青く、氷のように透き通った翼を持ち、リボンと帽子を足して2で割ったようなかぶり物を頭に載せた奇妙な少女。
『湖上の氷精』にして自称『強敵』、そしてリグルの一番の友達、チルノだ。
「うぎぎ・・・。どうしたの、チルノ。こんな時間に。」
「あたいったら天才ね!」
「は?」
「天才になるのね!」
リグルの問いかけにやや意味不明なことをのたまうチルノ。だが、それには確固たる理由があった。
「大ちゃんから頭がよくなる薬をもらったの。これで私はもっと最強で天才になるんだからね。」
「天才になる薬・・・?」

それは一刻ほど前のこと、チルノが大妖精のもとを訪れていた。
「だ~いちゃん、あそぼ!」
「えっと、チルノ・・・遊ぶんじゃなくて渡したい物があるからって呼んだんだけど。」
「なに?渡したい物って?」
大妖精はチルノに渡したい物があると言って、呼び寄せていた。そしてそれを取り出して、チルノにこう言った。
「これはね・・・頭が良くなる薬なの。チルノ、欲しい?」
「いらない。」
「え?どうして?」
「私はもうすでに天才だもん。」
大妖精にとっては予想通りの反応だった。だが、大妖精も機転をきかす。
「今よりもっと天才になれるのよ!」
「え、それホント?」
「本当よ!」
「じゃあもらうね。」
「あ、うん。」
まるでさきほどの発言が嘘のような返事が返ってきたので少々拍子抜けした大妖精。だが、これで彼女の願いはかなうはずだった。その願いとは、
(これでチルノが皆から馬鹿呼ばわりされなくなるといいんだけど・・・)
という親友チルノのことを思ってのことだった。だが、ひとつ懸念があった。
(あの薬師さんからもらったものだけど・・・大丈夫かなあ)
のちにその懸念は現実となる。

「・・・で、どーするの?それ。」
フラスコに入っている深緑色の見るからに怪しい液体を見てリグルは言う。
「今から飲むのよ。」
そう言うやいなや、チルノはその液体を一気に飲み干す。
「ふう、これで私はもっと天才に・・・。ん?あれれ?なんか変だよぉこれぇ。」
飲み干したと同時に顔が赤くなり、目が虚ろになるチルノ。それを見たリグルは心配して、駆け寄る。
「大丈夫?チルノ。」
「あ・・・リグりゅぅ。おかひいよぉ、らんかへんになりゅう。」
明らかに呂律が回っていない。目も虚ろなままだ。だが、頬はうっすらと赤みを帯びている。そのせいか、今のチルノは少女とは思えない妖艶な顔つきになっていた。
「わわ!大丈夫?チルノ。」
思わず心配の声をかけるリグル。だが、その心配はチルノの次の言葉で吹っ飛ぶ。
「リグりゅ~、愛してる~。好き、好きだよ~リグル~。」
「は?」
リグルはまたもや素っ頓狂な声を出してしまった。

「え?好き?へ・・・のわわわわわわわわわわ!」
チルノの豹変ぶりに動揺を隠せないリグル。当然といえば当然である。いくら仲がいいとはいえ、それはいわゆるお友達としてである。もちろん友という愛情を自覚している彼女であるが、それでもいきなり言われた時の衝撃は大きいようだ。
「す、好きって・・・。友達としての意味だよね?そうだよね?」
そう問いかけるのもむなしく、チルノはリグルに向かって這い寄ってくる。そしてリグルの足をつかむと、
「ふぃへ~、リグりゅのあしぃ~、すきぃ~。」
頬ずりをし始めた。
「ひぃえええええええええええええ!」
新鮮すぎる体験に思わず悲鳴をあげるリグル。頬やのどには冷や汗が吹き出ている。
「あれ?あついの?じゃああたいが冷やしてあげるね。」
そう言ってチルノはリグルの頬やのどを舐めはじめた。氷の妖精の舌は程よく冷たくほてった体を冷やすには気持ちいい。
「ひゃうん、ああ・・・ひゃあ・・・。ああ、ひるにょ~。」
初めてにして絶大な快感がリグルを襲う。リグルの方も呂律が回らなくなってきている。
そして目もとろんととろけ、虚ろになってきている。
「ちょっと、チルノぉ。なにやってるの~?ひぃえ!」
チルノを注意し必死に理性を保とうとするリグル。しかしそれも、チルノの無邪気な舐め攻撃の前には無力と化す。
「つめたい?冷えてきた?ペロペロピチャピチャ」
「冷たいけど、熱いよお。」
「あ、手も熱そうだね。こっちも冷やしてあげる。」
そういうとチルノは、今度はリグルの手を舐め始めた。
「ひゃあ!ああ!うひええ・・・。」
もはや言葉にならない悲鳴をあげるリグル。だがそんなリグルをよそにチルノの舌による愛撫は続く。
「えへへ~、リグル~。大好き~。」
その後も舌でなめる攻撃は数時間にも及び、2人が大妖精に発見されるまで続いたという。

時間は少し戻り、チルノが大妖精の元を発ってまもなくのこと。
「あれ?あの薬って説明書がついてたんだ・・・。え~と、なになに?この薬は頭が一時的に良くなる薬ですが、副作用として非常に強い性格変貌があります。具体的には薬を飲んで最初に見た人に異常なほどの愛情を示す惚れ薬のような効果です。まれにその副作用しか現れない方もいます。副作用は1時間程度で収まります。って、えええええええ!?」
初投稿です。以前にしあげた作品をあげてみました。
リグルとチルノのカップリング、好きなのですが、まだまだマイナー・・・。
それを応援しようと思い、書きました。
トゥデンス
http://
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コメント



0.540簡易評価
12.80香霖堂本店削除
リグチルか…。いいよ!この組み合わせいい!
15.80名前が無い程度の能力削除
リグチルもっと増えろぉー!
ってかもっとあっていい筈なんだ、公式でも「丁度いい」って言われてるんだからw