未来、未来ある所に。
お姉さんとお姉さんがいました。
彼女達は大学で秘封倶楽部という霊能者サークルを作っていましたが、普通みたいに除霊や降霊とかは好きではありませんでした。
そのため周りからは「まともな霊能活動した事ない不良サークル」と思われていましたが…実は。
人には言えない、でもお互いだけは知っている、不思議な能力を持っていました。
一人は「星を見ただけで時間が分かり、月を見ただけで現在地がが分かる程度の能力」を持つ宇佐見蓮子。
時間が分かるくせに、時間にはルーズです。
もう一人は「結界の境目が見える程度の能力」を持つマエリベリー・ハーン。
しかしマエリベリーが蓮子には上手く発音できないためメリーと呼ばれる少女であり。
東北人並にのんびりする程度の能力も持っています。
そんな彼女達は京都の大学で色々な勉強をし、秘封倶楽部で各地を回り、卒業。
紆余曲折ありながら、現在はルームシュアをしています。
今日はクリスマス。
彼女達がいる部屋の隅には脱ぎ散らかした普段着や、不思議そうな本、カバンなどが無理やりよせられています。
きっと掃除が面倒で、どけただけなのでしょう。
テーブルの上にはケーキにワイン、チーズフォンデュの材料が並べられており。
二人はワインが入ったグラスを持ち乾杯をするところでした。
「メリークリスマス!」
「蓮子クリスマス!」
ちょっとしたちゃめっけで言ったギャグ。
「メリー…今のって…」
「違うのよ、ちょっといってみたくなっただけなの」
「あはっメリーったら可愛い」
「違うのよ!そう全部蓮子のせいなのよ!私にメリーってあだ名をつけたメリーの!」
世の中女同士や男同士のクリスマスなんて一人身同士がやることですが。
今のところお互い彼氏なんて作る気は無さそうです。
お互いに彼女はできるかも知れませんが。
「はい、あーん」
「ちょっとやめてよ蓮子、恥ずかしいわよ…」
バカップルですね。
この後もメリーのほっぺたについたチーズを舐めたり、メリーの手に付いたチーズを舐めたり、メリーの唇に付いたチーズを舐めたり
広い、世界規模で比べたら狭い日本の片隅で二人は幸せに過ごしていました。
この日までは。
それが崩れたのは、一つの叫び声からでした。
「ぎぃぁああァァァァァぁぁぁァぁ」
クリスマスだというのに一体何があったのでしょう。
その声が響いてきた場所を見るため、それまで舐めていたメリーの肩から口を離し、よだれを拭きべランドから外を見下ろすと。
そこは地獄でした。
人が人を襲い。
人が人を食べていました。
悲鳴、断末魔がそこら中から聞こえてきて、あちこちで阿鼻叫喚の地獄絵図が繰り広げられています。
「誰か!誰かたすけっひっギャァァァぁぁぁぁぁ」
足を捕まれたサラリーマン風のおじさんが集団に食われています。
「こんなの嘘だ、絶対に嘘だっ!」
「早く逃げるんだ!」
男子高校生が立ち止まり、友人らしく人物が急かしています。
「あはははははははははははは」
OLが壊れたように笑い続けています。
「うおおおおおおおおおお!」
バットを持った男の人が人間の頭にバットを振り下ろしています。
こんな状況を見たら皆こう思うでしょう。
「世界はおかしくなってしまった」と
事実、この日から世界は壊れていきました。
「蓮子、なんだったの?」
「ゾンビ…」
「えっ?」
「メリー、テレビとラジオを付けて、私は荷物纏めとくから」
「えっ?わかったわ」
今ひとつ状況がわかってないメリーと、小さな頃からもしバイオハザードが起きたらどうするか。
というイメージトレーニングを積み重ねてきた蓮子。
―――ここから、秘封倶楽部とゾンビとの戦いが幕を開けました。
「恐らく噛まれたら感染、だから時間が立つに連れて状況は悪化する。
マンションでの立てこもりはバツ、食料と水が続かない。
かといって夜に逃げるのもバツ、行動するなら明日の朝からね…」
「蓮子!」
「どうだった?」
「テ、テレビで、世界が…」
世界各地に突如として現れたゾンビ。
「学校が避難場所みたいよ、早く行きましょう蓮子」
「ダメ、人数が多いところにいくと生存率が下がるわ」
「で、でもだったらどうすれば」
「ショッピングモールよ、こういう時はショッピングモールに立てこもるしかないのよ」
ゾンビ映画の定石に従おうとする蓮子。
「そうよ、警察よ、警察に電話するわね!」
『ただいま回線が非常に混雑しております、お掛け直しください』
「ど、どうして?」
「世界各地でこんなことが起きてたら、警察だってどうしようもないわよ」
「だったらどうすれば…むぐっ」
パニくるメリー、それを黙らせる蓮子、そして違う意味でもっとパニくるメリー。
「メリー、絶対に音を出したらダメよ」
「ええ」
「絶対に、絶対によ」
「わかってるわよ」
ガツンッ
「…そんな気はしたのよ」
「ごめんなさい」
「いいから走るわよ」
マンションを脱出する二人にお約束の出来事が襲う!
「メリー、先に逃げて」
「嫌よ」
「この数ならまだ逃げれるはずよ、大丈夫後で追いつくから」
「絶対嫌よ」
「……どうして?」
「蓮子が死ぬ気だからよ、だったら私は絶対に行かない」
「死ぬわよ」
「大丈夫よ、蓮子がいるもの」
「………馬鹿ね」
ゾンビに囲まれ絶対絶命の二人。
「守れなくてごめんなさい」
「いいのよ、貴方と一緒に死ねるなら」
「メリー、愛してたわよ」
「私もよ、蓮子」
「貴方達、伏せなさい!」
そこに剣を持ち現れる救世主。
「助けて頂きありがとうございます」
「別にお礼なんていいわよ」
「私は宇佐見蓮子ですが、お名前をお聞きしてもよろしいでしょうか」
「あの私はマ「宇佐見」ハーンです」
「私は風見幽香、しがない妖…剣士よ。どう貴方達一緒に逃げない?」
風見幽香を名乗る謎の女性との出会い。
「おいそこの美人のねーちゃん達、死にたくなかったら俺達の奴隷になりな」
「……」
「この銃は死んでた警官からパクった本物だぜぇ!」
「ひゅぅ、たまんねぇな俺あの緑髪のやつな」
崩壊して行く、社会秩序。
「この世界を救えるのは我が神、神奈子様、諏訪子様の御二人方しかおりません」
「全ては早苗様のために!」
「神を信じないものは全てゾンビの餌にして構いません、行きなさい貴方達」
「はっ!」
突如として襲いかかってくる狂信者達。
「幽香様!私達をお導きください!」
「どうしてこうなった」
風見教の行方は!
「…「 」…何やってるのよ…」
「姫様、どうするウサ」
「土下座して謝ったら許してもらえないかしら」
「無理ウサ」
果たして黒幕は!
「ねぇメリー、この戦いが終わったら私と結婚してくれないかしら」
「けっ…結婚?」
「ええ、私宇佐見蓮子はマエリベリー・ハーンを生涯の妻とすることをここに誓うわ」
「そんな、突然言われても…」
「返答は生き延びた後に聞かせて」
果たして二人は生き残れるのか。
秘封 of the dead 本編、お楽しみに!
これは破壊でなく救済です!
まあ未完成ネタという事で、この点で。
秘封がめっさ死亡フラグ立ててるのが気になる。
そんな法則がはたらいてますね。
その他大勢とは違う軸の狂い方をした人にしか見えんな
後早苗のとこは早苗に信仰が集まってる気がする
日本↓語訳
死の 秘封
読み↓方を変えると
死の ひほう
↓
死の 秘宝
……ハ●ー・ポ●ター?