ゆゆ様の生前のお話とゆかりんが幻想郷を創る云々のお話です。
暗いというかじめっぽいです。
初物書きで至らないと思いますが、それでも読んでくださる方はお願いします。
「昔話をしましょう、妖夢」
「はぁ、昔話、ですか。良いですよ。何をお話して下さるんですか?」
縁側に座る亡霊一人と半人と半霊。
「そうねぇ、あなたが知らない私の話かしら」
「あら、珍しいですね。幽々子様がご自身のお話をされるなんて。長くなりそうですか?」
「割とね。お茶と簡単なお茶菓子を用意できるかしら、私の庭師さん?」
「すぐにお持ちしますね。お茶を淹れる庭師とは、傍から聞けば只の雑用係ですけど」
「あら、違ったかしら?」
「仰る通りです。一刻お待ちください」
桜の余韻が香り、風はどこか肌寒く感じるが、柔らかい日差しは眠気を誘う昼下がり。
庭師と主人の何気ない会話。普段の生活では仲の良い親子か、そんな感じにしか見えない。
「悠久を生きる私達にとって、一年のこの一日は何十、何百年と越えてきた。そんな私達にとって今日を特別だと言うのはおかしな話よねぇ」
風がなびく。日の当たる縁側には少し強いぐらいの風が心地良い。
「あの子が来てから私は変わったのかしらねぇ。客観的に見られないからどうにもわからないわ。あの頃の私より今の私は、笑えているかしらね?紫?」
「幽々子さまー、お茶入りましたよー。縁側で宜しいんですかー?」
♪
「はぁ、昔話ですか。それは又突然ですね」
「あら、そうでもないわよ。私は今日を待って貴方に話そうと思っていたのだから」
ちゃぶ台を挟んで会話する妖怪二人。
「今日ってそんなに特別な日でしたっけ?」
「あら酷いわね藍。忘れたのかしら」
「忘れる訳ないじゃないですか。今日は私が紫様の式の契を結んだ日ですね」
「ご名答。流石八雲紫の式だこと。私に似て聡明ね」
ニヤリと笑う。
「似て聡明なのはとにかく、キッカケが欲しいだけで今日である必要はないんですよね?ご自身のお話をされる事は稀ですし、謹んでお聞きしますよ、紫様」
「貴方最近なまいきよね…。私に似たのかしら。まぁいいわ。そんなに畏まらなくてもいいわよ。お茶でも飲みながら聞いて頂戴」
「かしこまりました。では一刻お待ちくださいな」
ぱたぱたと小走りに台所へ向かう九尾の妖怪。尻尾の本数で力の位を判断するらしい。九尾とは最高峰らしいが、今は主人の為にお茶を淹れる只の家政婦である。
「あの子が来てからもうそんなに経つのねぇ。式のくせに式を扱えるようになるなんて。生意気も良い所ね。橙もその内九尾の猫になるのかしら」
頬杖をつきながら溜息を漏らす大妖怪。神隠しの主犯、幻想の守護者とも。
「悠久を生きる私達にとって、何十年、何百年目かの今日にそれほど意味はないわ。人間達はそれなりに賑やかにやるそうだけどねぇ」
「そりゃ寿命が私達とは違いますからね。精々祝えて100回。年一回ぐらい騒ぐのも悪くありませんよ」
どうぞ、と湯呑みを二個。お茶菓子はいりませんでしたよね。ええ、いらないわ。
「普段なら飄々と話始めるのに、今日は畏まっていますね。どんなお話なのです?」
「私がこの幻想郷を創り、愛し、今まで守って来たのは知っているわよね?」
「ええまぁ。それが八雲と教わっていますし、そうすべく動いているのも私ですし」
「なら、私が幻想郷を創造するに当たった理由は話したかしら?」
「…驚きですね、そんな事を話して下さるんですか。しかし何故このタイミングで、この日なのでしょうか?そのような事、紫様が消滅するまで秘めておきそうな事なのに」
「私を誰だと思っているのかしら。胡散臭いと評判なのよ。そういう話をしたい時もあるわ」
「ああ、いえ、聞きたくないとかでは。是非お話頂きたいですね」
ずずず、とお茶をすする目の前の大妖怪。声のトーンが若干上がるが、態度は依然として凛とした九尾の妖怪。
「では、少し昔話をしましょうか。貴方が私の式に成るよりも前。私が幻想郷の八雲紫でなかった頃の私の友人の話を」
♪
郊外から少し離れた街の隅。少女と老人と、何人かの従者達が暮らしている。
少女は目に入る物全てが愛おしく思えた。
その辺の道草も、いつも傍にいる老人も、河を泳ぐ魚も。
前に見た道草が小さな花を咲かせていたら、自然と笑みが溢れてくる。
満開の桜のような微笑を振りまく少女は、静かに暮らしていた。
そんな光景を見るのが当たり前だと思っていたわ。これから先も、ずっと。
藍、貴方は永遠を信じるかしら。何処かの蓬莱人は永遠なのかしら?
永遠とは永久に終わらない遠い月日の事。
終らないだけで在りもしないのよ。存在と終わりの境界がなくなっているだけ。
生きている内は死ぬ事はできないし、死んだ後に生はない。
生きるって事は死なない事。でも、死なない事は生きているというのかしら?
少女は空を飛ぶ鳥を思った。
あの鳥は自由に飛んで行けるのに、私はこの屋敷から出られず、飛ぶ翼もない。
私もあんなふうに飛んでみたい。それが叶わないなら鳥なんて墜ちてしまえば良いのに。
それは叶った。鳥は墜ち、動かなくなった。
なんで?私が墜ちろと願ったからなの?どうして動かないの?
死ぬってどういうことなの?息をしなくなることなの?動かなくなることなの?
よくわからないけど、確信だけはある。この鳥は私が殺したんだ
幽々子は死を操れたわ。いえ、正確には操るという程理解していない。
彼女は死の綻びを絶つ事ができた。生き物を死に誘う、とでもいうのかしらね。
理屈や理論では説明なんてできないわ。私のスキマのような物よ
構造なんてサッパリだけど、私はコレを使う事ができる。感覚的なモノかしらね。
今の幻想郷では当たり前のように能力持ちがいるけれど、この世界では異能とされたわ。
妖怪も鬼も天狗もこの時代から存在している。しかし人間達が私達を「認めない」以上私達が表舞台に出る事はない。
私達は人間達が憎い訳ではなかったけれど、人間達は私達が怖く、憎いでしょうね。
なぜなら自分達にない力を持ち、いつ自分達に牙を剥くかわからないのだもの。
鳥を墜としたあの日から、桜の微笑みはなくなってしまった。
鳥だけはない。兎も、牛も、人間も。私が思えば皆動かなくなった。
怖い。もう何も考えたくない。私なんていなくなればいいのに
そう願った。けれど私は消えなかった。まだ動いている。
不便な能力ね。私以外はころせるのに、私だけはころせないなんて。
妖忌さんの剣はあらゆるものを絶てると聞いたけれど、私の能力は絶てないみたいだし。
あらゆるものじゃないじゃない。絶てぬものなどあんまりないぐらいね。
私はこれからもこの能力でたくさんたくさん亡くしていくのね
死ぬってどういう事なのかしら。
あの時、私は何もできなかったわ。
私の大切な友人を笑わせる事も、救ってあげる事も。
あの子の笑顔が大好きだった。もう一度笑って欲しいと思った。
それを叶える術があるのなら…私は
♪
春の終わり、夏の始まり。
桜の散る頃、最後に咲き誇る妖怪桜。人は畏怖を込めて西行妖と呼んだ。
その微塵も迷いのない咲き誇りぶりは色々な人を魅了し、取り込んでいった。
この桜の下には幾つもの死体が埋まっているという逸話がある。
これだけ見事に満開なのである。魔力を帯びて人を魅せても納得できる。
「幽々子」
「紫…?どうしたの、こんな夜更けに。もう丑三つ時よ?」
桜の前で紫が待つ。幽々子が来るのを待っていたように。
「どうしたのじゃないわ。貴方こそ何をしているのよ?
知っての通りコレは妖怪桜よ。只の桜とは訳が違う。花見の季節には少し遅いと思うけれど?」
勿論。お酒も持たずに花見じゃあ風情がないわね。くすくすと笑う。
「西行妖…。人を魅了し、人を喰い、自らの糧とする妖怪桜。
その妖力は凄まじく、花弁に触れただけで死に到るとまで言われているわね。この桜は私と同じだもの。どんなに咲き誇っても誰一人見には来ない。
こんなにも美しく満開なのに、誰の目にも触れずに散っていく」
空を見上げる。満月には少し早い。風は寒くない程度に涼しく、穏やかに吹いている。
「紫ならわかるでしょう?私の能力と西行妖、人をころす力。似ていると思わない?
私はきっとこの桜なのよ。寂しくてどうしようもなかった桜が、外を見る為に私を創り出した。
その私が又ここに戻ってきちゃうんだから可笑しな話よねぇ」
ふふ、と冷笑する。微笑みに色はなく、ただ笑みを張り付かせたような笑顔。
「幽々子…。貴方はどこまで知ってしまったのかしら?西行のバカどもが話してしまったのかしらね。
しかしいつかは知ってしまう事。いつまでも隠せる訳がないのに…私も何を考えていたのかしらね」
ふふ、と冷笑する。それは自分を嘲笑うかのように。
「西行の人達は何も教えてくれないわ。会いにすら来ないし会いに行っても門前払いだしね」
一歩、桜へ近づく。それに呼応するかのように桜が揺れる。
「ただ、何となくわかったのよ。私が普通ではないのも、この桜の為に在るのも、私がどうすべきなのかも」
桜へ歩みを進める。それに従い桜も大きく揺れる。その歩を拒絶するかのように。
「幽々子、そこまでよ。貴方ならこの桜を封印する事はできるでしょう。残念ながら私でもコレは抑える事ができない。
でもその後貴方がどうなるか分かっているのかしら」
「そうねぇ、やっと私は死ねるのかしら?この子を抑えて私は死んで。ハッピーエンドじゃないかしら」
紫と対峙する。迷いはない、透き通った瞳。
「そんな優しいものではないわね。輪廻転生の輪から外れ、未来永劫コイツを抑える為の骸となる」
二人の距離が縮まる。
「あらら、私は世の中の理から外れちゃうのねぇ。それも又よしかもしれないわね。私一人ぐらい、この桜と一緒に居てあげても良いんじゃないかしら」
「…私は貴方を失いたくないわ。貴方の微笑が大好きだったもの」
向かい会う。手を伸ばせば触れ合う距離。
「あら、そんな事言ってくれるなんて紫らしくない。明日は槍が降るわね」
くすくす…。楽しそうに笑う。久しぶりにこんな笑顔を見たような気がする。
「茶化さないで欲しいわね。私は貴方が好きよ。大切な友人としてね。だから私は貴方を止め…っ…!?」
声が出ない。体が動かない。
「ごめんなさいね、紫。私も貴方が大好きだわ。一人きりだった私の友人でいてくれた貴方が。でも私は行かなくちゃいけない。
この子も寂しかったのよね。この子には私しかいないもの」
進む。桜が呼応して低く唸る。
「…!…っ!!」
「紫、ありがとう。今まで友人でいてくれて。貴方の事はずっとずっと忘れないわ。例え私がこの桜となり、未来永劫甦る事がないとしても。
貴方だけは忘れない。大切な友達だもの」
動け…!何で動かないの!私の大切な…大切な人を失うのに私は立ち尽くすだけなの!
「ごめんね…ごめんね、紫。私は忘れないけれど、私の事は忘れてね。この先貴方はもっと沢山の時を生きるでしょう。その先で私を思い出す度に悲しくなっては私も悲しいわ」
吸い込まれるように西行妖へ近づいていく。
ゆかり。今までありがとう。そして、さようなら。
♪
空を見上げる。少し欠けた月が空を照らす。。
地面を見下げる。あれだけ満開の桜が散ったというのに花弁一つ落ちていない。
桜を見据える。枯れたその木は何も語らず、静かに立ち竦んでいる。
「…終ってしまったようですな、紫様」
「妖忌…。貴方でも幽々子を止められなかったのね」
妖忌と呼ばれた老人は、大降りの剣を脇差し、小さな幽霊を携えて現れた。
「止められるとお思いですか?貴方でも止められなかったのに、私風情で幽々子様が思い止まってくれるかどうかはお分かりでしょう?」
「分かっているわ」
言い切られると私としても悲しい所がありますなぁ、と苦笑う。
「さて、どうしたものですかな。西行妖は枯れ、幽々子様の封で二度と満開になる事はないでしょう。
しかし幽々子様は桜の贄となってらっしゃる。桜を絶てば幽々子様ごと絶ってしまう事になるでしょう」
桜を見据える。数刻前の華やかさが嘘のような静けさである。
「…妖忌、桜観剣と白楼剣を貸して頂戴」
「ええ、元は貴方の物ですしね。お返しします、我が主よ」
幽霊や空間ですら絶つ大振りな刀、桜観剣。
人の想いや迷いを絶つ小振りな刀、白楼剣。
「いいこと妖忌。私はバカよ」
「言われなくても分かっていますよ。私はその主の従者ですからねぇ、私も大概バカなのでしょう」
ニヤリと微笑む。
「ふふ…。言ってくれるじゃないの。それじゃあ付き合いなさいな。私はあの子を失いたくない。このまま終らせない…!例えこの世界を否定しても」
白楼剣を地面に刺す。桜の周囲を覆う巨大な結界が浮き出る。
「よくも私の大切な友人を持っていってくれたわね…。返してもらうわよ、妖怪桜!」
桜観剣を虚無に振るう。
キイィン!と何かが割れたような音と共に結界が割れる。
桜を中心として結界が再構築される。そしてそれは瞬く間に広がって行き、この小さな町を覆う。
「…私は酷い事をしたかしらね、妖忌」
「そうでしょうな。幽々子様が望んだ結果を壊し、貴方の思い通りに進めようとしているのですからな」
「ふふ、でしょうね。私はあの子に恨まれちゃうわね」
「幽々子様の想いと存在を断ち切る事で西行寺幽々子を亡くし、そして『この世』を断ち切り隔離する事で限定的に存在を許せる空間を創り出した。
人間達の為に封をされたのにその人間達から隔離してしまうとは」
「どの道このままじゃあの子は永劫桜の骸よ。そんなの私が認めない。あの子が笑える世界でこそ意味があるのよ」
風が止む。もうすぐ夜が明ける。
「紫様。これからどうされるおつもりですかな?」
「そうねぇ。この世界を創る事はできたけれど、幽々子がいつ転生してくるかは分からないし。ならこの世界が少しでもあの子にとって良い物になるようにしていこうかしらね」
大変ねぇ、と笑う。
「そう、ここは忘れられた世界。人の目に触れてはいけない場所。まるで幻想ね。届きそうで絶対に届かない。さしずめ忘れられた者達の幻想郷(ネクロファンタジア)ね」
♪
「と、まぁ幻想郷はこうしてできたのよ」
「な…る程。まだ整理がつきませんが、大方分かりました。つまりこの世界は幽々子様の為に在ると…そう仰るのですね」
「簡単に言うとそうねぇ。今でこそこんなに大きくなっちゃって色んな妖怪とか人間とかいるけどね」
ずずず…。暢気にお茶を啜る大妖怪。
「やっと解りました。紫様が幻想郷を守り続け、愛し続けた理由が。幽々子様を友人と呼ぶ理由も…」
眼を伏せる。私達が過ごして来たこの幻想郷は、たった一人の少女を又笑わせる為に存在するのだ。
そんな理由で世界を一つ構築し、何百という月日を守ってきたのか…!
「大方貴方の思っている通りよ。私は莫迦だもの。でもね、動機はどうあれ今はこの郷で暮らす皆の為に私は動いているわよ。
何せここは忘れられた楽園。現実で忘れられたモノが集う場所、幻想郷よ。ただその中心に在るのがあの桜ってだけ」
冥界の中心にある妖怪桜。桜が多く並ぶ冥界で唯一咲かない桜。その下には何者かが封印されており、その封の所為で桜が咲かないという逸話がある。桜が満開になるとその封印が解け、何者かが復活すると言われている。
「西行妖…。あの桜が満開になると生前の幽々子様が復活されるのですか…?」
主を見据える九尾の狐。
「するわ。しかし幽々子の時を止めているのもあの桜なのよ。幽々子が封印されてから何年経っていると思っているの?その時が動き出すということは、何百という月日が一気に溢れ出すということよ」
「それは…つまり」
「そういうことよ。結局私はあの時の微笑みを見る事は二度と叶わない。莫迦よねぇ、それでも私は待ち続けている。この世界を創造したあの日から」
知っているのよ、本当は。気づいていたのよ、あの日から。
それでも私はあの子を…。
「富士見の娘、西行妖満開の時、幽明境を分かつ。
その魂、白玉楼中で安らむ様、西行妖の花を封印しこれを持って結界とする。
願うなら、二度と苦しみを味わうことの無い様、永久に転生することを忘れ・・・」
「紫様…?」
「ねぇ藍。あの子は笑えているかしらね?この世界で、あの子は…」
「紫様」
それ以上藍は何も言えなかった。紫も何も言わない。
ただ時が過ぎる。今までのように、何も変わらず。これからも。
ちなみにねぇ、藍。今日はあの子を封じた日なのよ。
♪
「と、いう訳なのよ」
はぁ、と感嘆の声を漏らす妖夢。
「わかったかしら?あの妖怪桜の下には私の生前の友人がいるのよ」
「それは文献と今のお話で分かりましたが…。本当なんですか?というか、ご自身のお話というかご友人のお話では…」
「大して変わらないじゃないの。主人を疑うのかしら?いつからそんな覚えの悪い子になったのかしらね」
ああ、いえ、そんなことは。 じゃあ行って来なさい。幻想郷の春を集めて桜を咲かすのよ
「分かりました、やれるだけやってみますよ。準備をしてきますね」
「任せたわよ、妖夢」
ぱたぱたと部屋に向かう庭師、もとい雑用係。
「これで咲けば良いのだけれどねぇ」
幽々子は思う。この桜が咲いた時、大切な友人を泣かせる事になるかもしれない。
今までずっと、私を想い続けてくれた最愛の友人が。
それでも仕方ないと思う。でも、そろそろあいつを縛り続けるのも可哀想だしねぇ。
その理由が私であるなら、それを解放できるのも私だけよね。
当時の私は相当な美人だったのねぇ。あの紫が惚れ込んでいるのですもの。
♪
「さぁなけなしの春を渡してもらうぞ、人間!」
「ああもう、うるさいわね!私はこの先のアンタのお嬢様に用事があるのよ!いいから道を開けなさい!」
白玉楼前、大階段。
「幽々子様に仇なす侵入者を易々と通すと思うか!妖怪が鍛えた桜観剣に、切れるものなどあんまりないっ!」
「少しは切れない物があるのね…。私としては楽で良いんだけどねェ…!力ずくって訳ね!」
ここは幻想郷。
幽霊も、妖怪も、人間も楽しく気ままに過ごす楽園。
ただ今年の春はちょっと遅い。5月になってもまだ雪が降っているのだ。
異変解決の専門家、博霊の巫女が動く。冬を終わらせる為に。春を迎える為に。
次も期待。