続き物なので、先に前作・前々作を読んでいただければ嬉しいです。
食堂に漂う何とも言えない素敵な香りに、子供たちのはしゃぐ声。
「お・な・か! す・い・た!」
スプーンとフォークを鳴らして足をパタパタ。寅丸星は超☆ご機嫌である。
ご機嫌状態の星を横目に、ちょっとだけご機嫌ナナメなのは雲居一輪。
「おぎょーぎわるいもん! うんざんもおこってるもん! そうだよ! いちりんがいってるとおり、おぎょうぎわるいもん!!」
ぺちんぺちんと机を叩いてお行儀の悪い星に猛抗議。
これぞ一輪の必殺・遺憾の意である。
そんな遺憾の意を表明する一輪の隣では、スプーンを咥えながら一輪の服の裾をきゅっと握って静かに村紗が遺憾の意を表明していた。
「……ごしゅじん。いいにおいがする。もうすこしのがまん」
ナズーリンの進言にようやっと星はお腹すいたコールを止め、今度はへにょりと机に突っ伏してしまった。
「……おなかすいたぞー……」
彼女達は待っている。最後の一人がやって来るのを。
そんな食堂とは打って変わって、応接間にて聖白蓮は絶句していた。
これまで様々な異変、怪異を見てきたがこんな自体は初めてだ。
じっと“それ”を見つめる。
――ぴくりともしない“それ”は誰がどう見ても。
「……足……?」
どう見ても壷からニョッキリ生えているのは少女の足。
大きくお尻に“ぬ”というプリントのついたおぱんつ。
ふるふると頭を振ってフンスと息を一つ吐き、聖は優しくおぱんつに声をかける。
「ぬえ」
おぱんつがふるっと反応する。恐らく間違いないのだろう。
「ご飯にしましょう、ぬえ」
おぶおぶと足をバタつかせるぬえ? に首を傾げる聖。
何故出てこないのだろう。恥ずかしながら聖のお腹はもうだいぶペコちゃんである。
できればのんびりせずに出てきて欲しい。
おぶおぶ、ばたばた、ぶんぶん。
ひとしきり暴れた後、へにょりと力なく足が垂れた。
「……ぬぇぇぇ……」
壷から聞こえてくるのはぬえの悲痛な泣き声。
そこで初めて聖は気がついた。
「ぬえ、出られなくなっちゃったのですね!?」
聖救助隊長は可及的速やかにぬえをスポン! と壷から引っこ抜く。
……すべっとしたぽんぽんが聖の目に映ってしまった。
「……でられながっだ……!!」
涙声のぬえを優しく抱き寄せお母さんスマイル。
ぐぅぅと鳴ったお腹の虫は、果たしてどちらのものなのか。
「……お腹がすいてしまいましたね?」
照れ笑いの聖を見て、涙目になっていたぬえもようやく笑顔を見せた。
――――――――――――――――――――――――――
「お待たせしました~。東風谷早苗特製っ……ラブリーハンバーグでーっす♪」
じゃじゃーんと効果音を背負っていそうな早苗の両手のひらから二の腕にかけて、ずらっと並んだお皿から立ち上る湯気。
「ふおぉぉぉ! ほおぉぉぉぉ!!」
寅丸星。大☆興☆奮☆
尻尾が興奮の余りブンブンと振り回され、直ぐ隣のナズーリンの尻尾にペスペス当たる。
平常時ならば何某か小言を呟くであろうナズーリンですら、言葉を失っていた。
「じゅーじゅー!! じゅーじゅー!!」
キラキラお目目で村紗のテンションも鰻上りである。
そんな子供たちを見て、満足そうに早苗もニッコリ。
手早く子供たちの前にジュウシィなハンバーグを配る。
思わず聖の喉がなってしまったがそれはご愛嬌。
「ふふふー。でも皆、もうちょっとだけ待ってね? 最後にお姉ちゃんがちょっちょっちょっーっと“奇跡”をたしちゃうから♪」
「……きせき?」
一輪がキョトンとした顔で、早苗を見つめる。
すちゃっと早苗が取り出したのは赤い液体の入った容器。
「じゃあまずはぬえちゃんのハンバーグに……コチャコチャサナサナ~、おいしくな~れ~♪」
くるくると回転した後、軽やかな足取りでぬえのハンバーグの上に容器をかざし、ぴゅるる、とケチャップでデコレーションを加えていく。
「はい! ぬえちゃんには可愛いワンちゃんのデコレーションです♪」
ピスピスとぬえの鼻息が荒くなる。
意外と上手い早苗の描いたワンコに、ぬえの昂ぶりは頂点に達した。
「ひじり! わんわん! わんわん!!」
キラキラした瞳で見られて思わず聖の頬が緩む。
「一輪ちゃんには……コチャコチャサナサナ~、おいしくな~れ~♪ はいっ! いい子の証! 花丸フラワーですっ!」
早苗が奇跡を見せるたび、子供たちはパァァッと笑顔になる。
手馴れたものだと聖は思わず感心してしまう。
……きっと自分では、あんな風に子供たちを笑顔にすることはできないだろう。
ふと、胸の奥底がじくりと痛む。
「フフフ。甘いなチミッコ達。早苗! 当然私にはギャラクティカゴッド昇天ケロちゃんスペシャルだ。判っているね?」
そんな聖の気持ちを余所に、さり気なく食卓に着いてナプキンをしっかりと装着した諏訪子がニヤリと笑った。
「はい諏訪子様にはいつものケロちゃんマークですよー」
フンーと鼻息を一つつきながら星の方をちらりと見て、にやりと意地の悪い笑み。
「ぬっふっふ。見たまえ。燦然と輝くケロマーク。これこそ選ばれたゴッドの証。一番美味しいのは間違いなく私のケロマークハンバーグだね」
「むっ!? ふ、ふん! こっちのしょうさまはんばーぐのほうがおいしそうだもんね!」
「ほっほっほ。これはこれは。残念ながら、私のことが大好きな早苗が描いてくれるケロマークだからねぇ。そんな即席虎マークには負けんのよ」
なんたる悪ゴッド。子供を相手にこの大人気なさである。
ぎゅうっと服の裾を掴んで俯く星。
突然の事態に困惑する聖。思わず早苗の方に目をやってしまう。
早苗は相も変わらず、ニコニコしているだけだった。
「……ひじり!!」
星が席を立ち、早苗からケチャップをひったくると聖の手を引っ張る。
涙ぐみながらも、意志の強い光を放つその瞳。
「えっ」
真っ直ぐなその瞳に射抜かれ、思わずたじろぐ。
どうすればいいのかわからない。助けを求められたことは数え切れないほどあった。
幾度の困難を乗り越えてきたはずだった。
沢山の人を、沢山の妖を救うことは出来たのに。
――自分を、ずっと慕ってきてくれた者の涙すら拭えないのか。
いや。違う。そんな事はない。
何故ならば彼女は聖白蓮。
そんじょそこらの、祈っても、信じても、助けてくれないヤブ神なんかとは訳が違う。
そっとケチャップを手に取り、こほんと一つ咳払い。
「な……なむなむなむさん☆なむなむさん☆おいしく、なりますように♪」
不自然に空いているハンバーグのスペースにブリュッとケチャップを垂らす。
「……出来ました。え、ええと……」
それは、初めて描いたものとしては上出来も上出来。
聖白蓮渾身の一筆。
「……」
星は何も言わない。何も言わずに、じっと聖の書いた、不思議なケチャップアートを見つめる。
「……え、ええと」
「……これ。わたしだ」
星の顔が、みるみる内に変わっていく。
泣き出しそうだった瞳が、キラキラとした星のように。嗚咽を堪えていた唇が、喜びのそれに。
「……すわこ! へへへぇ、どーだ! ひじりにかいてもらったんだぞ!」
「ケロー!? む、っむむう。クソー、おいしそうになっちゃったなー」
悔しそうに笑う諏訪子だが、早苗はニコニコと笑っている。
悔しそうなものか。あれは、自分の成長を喜んでくれたときの諏訪子の笑顔だと感づいたからだ。
「……ひじり。ごしゅじんだけじゃずるい。なずにもかいてほしい」
「……ねーさん! いちりんもかいてほしいもん!」
「……むらさも! むらさ、おぼうしかぶってるのがいい!」
「ぬえ。ゆーふぉーがいい」
キラキラと期待の視線を向けてくる子供たち。
その視線がどことなく恥ずかしくて、何よりも嬉しくて。
「……はい! じゃあ、皆のハンバーグに魔法をかけましょう!」
思わず張り切ってしまう聖だった。
「……やれやれ。手間のかかるおっかさんだねェ」
子供たちに囲まれ、早苗達が来て以来最高の笑顔を見せている聖。
そんな聖をまるで自分の子供を見ているかのような目で諏訪子は見つめて微笑んでいた。
「かく言う諏訪子様も神奈子様も、手間のかかるという意味では同じですけどね」
「早苗さん? 今ケロっと酷いこと言ったよね?」
諏訪子の問いかけに、早苗はニコッと微笑む。
「さあ? なんでしょうか。少なくともアドリブぶっ放した後で“あれ? やっちゃったかな?”とか不安になっちゃう諏訪子様のフォローも大変なんですよ?」
流石は東風谷さんちの早苗さん。気遣いと気配りを忘れない素敵レディぶりである。
「すごいもん! うんざんもいっしょにかかれてるもん!」
「ゆーふぉー、ゆーふぉー♪」
「えへへ……ひじり、ありがと……」
「……なずぅ……♪」
子供達も大はしゃぎ、今日の昼食は賑やかなものになりそうだ。
諏訪子はケロケロと楽しそうに笑いながら、ハンバーグにフォークを突き刺す。
「ほらほら、早速食べよう! 早くしないと冷めちゃうよ!」
命蓮寺としては珍しい、賑やかな昼食の始まりである。
食堂に漂う何とも言えない素敵な香りに、子供たちのはしゃぐ声。
「お・な・か! す・い・た!」
スプーンとフォークを鳴らして足をパタパタ。寅丸星は超☆ご機嫌である。
ご機嫌状態の星を横目に、ちょっとだけご機嫌ナナメなのは雲居一輪。
「おぎょーぎわるいもん! うんざんもおこってるもん! そうだよ! いちりんがいってるとおり、おぎょうぎわるいもん!!」
ぺちんぺちんと机を叩いてお行儀の悪い星に猛抗議。
これぞ一輪の必殺・遺憾の意である。
そんな遺憾の意を表明する一輪の隣では、スプーンを咥えながら一輪の服の裾をきゅっと握って静かに村紗が遺憾の意を表明していた。
「……ごしゅじん。いいにおいがする。もうすこしのがまん」
ナズーリンの進言にようやっと星はお腹すいたコールを止め、今度はへにょりと机に突っ伏してしまった。
「……おなかすいたぞー……」
彼女達は待っている。最後の一人がやって来るのを。
そんな食堂とは打って変わって、応接間にて聖白蓮は絶句していた。
これまで様々な異変、怪異を見てきたがこんな自体は初めてだ。
じっと“それ”を見つめる。
――ぴくりともしない“それ”は誰がどう見ても。
「……足……?」
どう見ても壷からニョッキリ生えているのは少女の足。
大きくお尻に“ぬ”というプリントのついたおぱんつ。
ふるふると頭を振ってフンスと息を一つ吐き、聖は優しくおぱんつに声をかける。
「ぬえ」
おぱんつがふるっと反応する。恐らく間違いないのだろう。
「ご飯にしましょう、ぬえ」
おぶおぶと足をバタつかせるぬえ? に首を傾げる聖。
何故出てこないのだろう。恥ずかしながら聖のお腹はもうだいぶペコちゃんである。
できればのんびりせずに出てきて欲しい。
おぶおぶ、ばたばた、ぶんぶん。
ひとしきり暴れた後、へにょりと力なく足が垂れた。
「……ぬぇぇぇ……」
壷から聞こえてくるのはぬえの悲痛な泣き声。
そこで初めて聖は気がついた。
「ぬえ、出られなくなっちゃったのですね!?」
聖救助隊長は可及的速やかにぬえをスポン! と壷から引っこ抜く。
……すべっとしたぽんぽんが聖の目に映ってしまった。
「……でられながっだ……!!」
涙声のぬえを優しく抱き寄せお母さんスマイル。
ぐぅぅと鳴ったお腹の虫は、果たしてどちらのものなのか。
「……お腹がすいてしまいましたね?」
照れ笑いの聖を見て、涙目になっていたぬえもようやく笑顔を見せた。
――――――――――――――――――――――――――
「お待たせしました~。東風谷早苗特製っ……ラブリーハンバーグでーっす♪」
じゃじゃーんと効果音を背負っていそうな早苗の両手のひらから二の腕にかけて、ずらっと並んだお皿から立ち上る湯気。
「ふおぉぉぉ! ほおぉぉぉぉ!!」
寅丸星。大☆興☆奮☆
尻尾が興奮の余りブンブンと振り回され、直ぐ隣のナズーリンの尻尾にペスペス当たる。
平常時ならば何某か小言を呟くであろうナズーリンですら、言葉を失っていた。
「じゅーじゅー!! じゅーじゅー!!」
キラキラお目目で村紗のテンションも鰻上りである。
そんな子供たちを見て、満足そうに早苗もニッコリ。
手早く子供たちの前にジュウシィなハンバーグを配る。
思わず聖の喉がなってしまったがそれはご愛嬌。
「ふふふー。でも皆、もうちょっとだけ待ってね? 最後にお姉ちゃんがちょっちょっちょっーっと“奇跡”をたしちゃうから♪」
「……きせき?」
一輪がキョトンとした顔で、早苗を見つめる。
すちゃっと早苗が取り出したのは赤い液体の入った容器。
「じゃあまずはぬえちゃんのハンバーグに……コチャコチャサナサナ~、おいしくな~れ~♪」
くるくると回転した後、軽やかな足取りでぬえのハンバーグの上に容器をかざし、ぴゅるる、とケチャップでデコレーションを加えていく。
「はい! ぬえちゃんには可愛いワンちゃんのデコレーションです♪」
ピスピスとぬえの鼻息が荒くなる。
意外と上手い早苗の描いたワンコに、ぬえの昂ぶりは頂点に達した。
「ひじり! わんわん! わんわん!!」
キラキラした瞳で見られて思わず聖の頬が緩む。
「一輪ちゃんには……コチャコチャサナサナ~、おいしくな~れ~♪ はいっ! いい子の証! 花丸フラワーですっ!」
早苗が奇跡を見せるたび、子供たちはパァァッと笑顔になる。
手馴れたものだと聖は思わず感心してしまう。
……きっと自分では、あんな風に子供たちを笑顔にすることはできないだろう。
ふと、胸の奥底がじくりと痛む。
「フフフ。甘いなチミッコ達。早苗! 当然私にはギャラクティカゴッド昇天ケロちゃんスペシャルだ。判っているね?」
そんな聖の気持ちを余所に、さり気なく食卓に着いてナプキンをしっかりと装着した諏訪子がニヤリと笑った。
「はい諏訪子様にはいつものケロちゃんマークですよー」
フンーと鼻息を一つつきながら星の方をちらりと見て、にやりと意地の悪い笑み。
「ぬっふっふ。見たまえ。燦然と輝くケロマーク。これこそ選ばれたゴッドの証。一番美味しいのは間違いなく私のケロマークハンバーグだね」
「むっ!? ふ、ふん! こっちのしょうさまはんばーぐのほうがおいしそうだもんね!」
「ほっほっほ。これはこれは。残念ながら、私のことが大好きな早苗が描いてくれるケロマークだからねぇ。そんな即席虎マークには負けんのよ」
なんたる悪ゴッド。子供を相手にこの大人気なさである。
ぎゅうっと服の裾を掴んで俯く星。
突然の事態に困惑する聖。思わず早苗の方に目をやってしまう。
早苗は相も変わらず、ニコニコしているだけだった。
「……ひじり!!」
星が席を立ち、早苗からケチャップをひったくると聖の手を引っ張る。
涙ぐみながらも、意志の強い光を放つその瞳。
「えっ」
真っ直ぐなその瞳に射抜かれ、思わずたじろぐ。
どうすればいいのかわからない。助けを求められたことは数え切れないほどあった。
幾度の困難を乗り越えてきたはずだった。
沢山の人を、沢山の妖を救うことは出来たのに。
――自分を、ずっと慕ってきてくれた者の涙すら拭えないのか。
いや。違う。そんな事はない。
何故ならば彼女は聖白蓮。
そんじょそこらの、祈っても、信じても、助けてくれないヤブ神なんかとは訳が違う。
そっとケチャップを手に取り、こほんと一つ咳払い。
「な……なむなむなむさん☆なむなむさん☆おいしく、なりますように♪」
不自然に空いているハンバーグのスペースにブリュッとケチャップを垂らす。
「……出来ました。え、ええと……」
それは、初めて描いたものとしては上出来も上出来。
聖白蓮渾身の一筆。
「……」
星は何も言わない。何も言わずに、じっと聖の書いた、不思議なケチャップアートを見つめる。
「……え、ええと」
「……これ。わたしだ」
星の顔が、みるみる内に変わっていく。
泣き出しそうだった瞳が、キラキラとした星のように。嗚咽を堪えていた唇が、喜びのそれに。
「……すわこ! へへへぇ、どーだ! ひじりにかいてもらったんだぞ!」
「ケロー!? む、っむむう。クソー、おいしそうになっちゃったなー」
悔しそうに笑う諏訪子だが、早苗はニコニコと笑っている。
悔しそうなものか。あれは、自分の成長を喜んでくれたときの諏訪子の笑顔だと感づいたからだ。
「……ひじり。ごしゅじんだけじゃずるい。なずにもかいてほしい」
「……ねーさん! いちりんもかいてほしいもん!」
「……むらさも! むらさ、おぼうしかぶってるのがいい!」
「ぬえ。ゆーふぉーがいい」
キラキラと期待の視線を向けてくる子供たち。
その視線がどことなく恥ずかしくて、何よりも嬉しくて。
「……はい! じゃあ、皆のハンバーグに魔法をかけましょう!」
思わず張り切ってしまう聖だった。
「……やれやれ。手間のかかるおっかさんだねェ」
子供たちに囲まれ、早苗達が来て以来最高の笑顔を見せている聖。
そんな聖をまるで自分の子供を見ているかのような目で諏訪子は見つめて微笑んでいた。
「かく言う諏訪子様も神奈子様も、手間のかかるという意味では同じですけどね」
「早苗さん? 今ケロっと酷いこと言ったよね?」
諏訪子の問いかけに、早苗はニコッと微笑む。
「さあ? なんでしょうか。少なくともアドリブぶっ放した後で“あれ? やっちゃったかな?”とか不安になっちゃう諏訪子様のフォローも大変なんですよ?」
流石は東風谷さんちの早苗さん。気遣いと気配りを忘れない素敵レディぶりである。
「すごいもん! うんざんもいっしょにかかれてるもん!」
「ゆーふぉー、ゆーふぉー♪」
「えへへ……ひじり、ありがと……」
「……なずぅ……♪」
子供達も大はしゃぎ、今日の昼食は賑やかなものになりそうだ。
諏訪子はケロケロと楽しそうに笑いながら、ハンバーグにフォークを突き刺す。
「ほらほら、早速食べよう! 早くしないと冷めちゃうよ!」
命蓮寺としては珍しい、賑やかな昼食の始まりである。
それと早苗さん 貴方信仰の心配する必要ないよ! 体も心もハイスペックだから!