Coolier - 新生・東方創想話

うそつき

2010/12/04 06:39:36
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 上白沢慧音は、豆腐のカドに頭をぶつけて命を落とした。

 当たり所が悪かったのだろう。即死だった。

 事の顛末は、おおよそ以下の通りである。



 人里の外れの夜道を、二人の人間が連れ立って歩いていた。
 村人A・Bでは些か味気ない、二人を仮にムラービトとムワッヒドと呼ぶ事にしよう。
 とにかく、ムラービトとムワッヒドは連れ立って歩いていた。
 その辺で一杯ひっかけて来た帰りである。
 明かりも人通りも無い寂れた夜道とは言え、確かにそこは人里の内であったのだが、ふと脇の茂みががさりと音を立てたかと思うと、一匹の妖怪が二人の前に現れた。

 ムラービトは思った。こいつ、小物だな、と。

 ムワッヒドは思った。こいつ、小物だな、と。

 それ位、小物っぽい妖怪であった。
 すなわち、二人にとっては非常に危険な事態と言えた。
 低俗な妖怪ほど、幻想郷の人妖間のルールを理解せず、無視する為である。
 果たして、小物っぽい妖怪は以下のように述べた。

「ぐへへへ、うまそうな人間だなア。どっちから食ってやろうかア」

 いかに台詞まで小物臭かろうと、絶体絶命の状況に違いはない。二人は震え上がった。
 すると、颯爽と現れた一つの影。

「待て! 人里でのかような狼藉、許しはせんぞ」

 我らが慧音先生である。


 慧音と対峙した小物妖怪は、二度、「むむっ、これはたまらん」と言ったという。
 一度目は、現れた慧音の姿をなめる様にためつすがめつした時。
 二度目は、慧音にボッコボコにされた時である。
 いずれの時も、小物は幸せそうに目を細めていたとされている。


「二度と人里に近づかない事を誓ってすごすご退散するか、今宵ここで夜の露と消えるか、どちらかを選ぶがいい」

 慧音に完膚なきまでに叩きのめされた上、二者択一を迫られた小物は、こう叫んだという。

「ちくしょう! 何ていいオンナなんだ!! いい乳、いいケツ、おまけにいいニオイと来たもんだ、ちくしょうめ!! これでも食らいやがれエエ」

 叫びつつ、小物は袂から豆腐を取り出した。
 あのように水っぽく、崩れやすいシロモノを如何にして袂に隠し持っていたのかと訝る向きもあろう。
 正確には、小物が取り出したのは豆腐の入ったタッパーだったのである。
 小物は荒ぶる血潮の滾るに任せてタッパーの蓋をかぱ、と開けると、中の豆腐をむんずと掴んだ。
 すると、豆腐は小物の手の中でほろりと崩れた。
 豆腐は絹ごしであった。

「くっ、おのれエ。やりやがったなアア」

 幸いタッパーに入っていた豆腐は二丁。
 小物は地団太を踏みつつ、今度は眠る赤子の頬をなでる母親が如き優しさでもって豆腐をすくい上げた。
 そして、遠心力により豆腐を掌の中に保持したまま、大きな弧を描いて、豆腐を慧音の脳天に叩きつけた。
 ぺしょっ、と鈍い音がした。


 柔よく剛を制す、という言葉がある。
 幻想郷内に並ぶもの無き剛たる慧音のドタマにとって、乙女の柔肌よりもはかなく脆い絹ごし豆腐は、天敵とも言うべき存在。


 気付けば、慧音は地面に倒れ伏していた。
 最期の言葉は、「む、」であったとされる。
 まあ、無理もない。


 我知らず、ムラービトは満腔の怒りと共に小物に殴りかかっていた。

「てめぇっ! よくも俺の慧音先生を!」

 ムワッヒドもまた、満腔の怒りと共にムラービトに殴りかかっていた。

「てめぇっ! いつから慧音先生がお前のものになったんだ!」

 人間の怒りの理不尽さに恐れをなした小物は、一目散に逃げ去ったという。



 かくして人間二人の命は守られたが、代わりに幻想郷はあまりにも多大な代償を払う事となったのであった。




 人里は深い悲しみに包まれた。
 慧音の後を追って自らの命を絶とうとする者が続出した。
 これに頭を痛めた里長は、「慧音先生の後を追って自殺する人は死刑法」を発布した。
 すると、自殺はぱたりと止んだ。


 慧音の葬儀はしめやかに執り行われた。
 告別式には人里の人間達のみならず、幻想郷中から様々な者がどっと押し寄せた。
 黒山の如き参列者の長蛇の列は一時は二十里にも及び、寝袋持参の者も現れた。
 故人の親交と人徳の程がうかがい知れる。
 会場となった里の講堂は当然その収容能力の限界を超え、少しでも参列者を会場内に招き入れる為に、まず扉が外され、屋根が剥がされ、壁が壊され、柱が倒された。

 結果、人里から講堂が消失した。

 なおも膨れ上がる慧音を偲ぶ人妖共の群れにより、さらに講堂周辺の民家の解体作業が順次進められた。

 結果、幻想郷から人里が消失した。


 このような混乱の中、しかし妹紅だけはその姿を見せなかった。
 慧音と最も深い親交を結んでいた間柄と自他共に認める彼女の不在は、多くの者に不審を抱かせた。
 余りの悲しみに、自宅から外へ出ることすら叶わないのではないか。
 あるいは、耐え切れぬ絶望に打ちひしがれて、どこへともなく出奔してしまったやも知れぬ。
 そのような憶測のもと、心配して妹紅の家を訪れた両者の共通の友人達は、予想外の光景に驚愕する事となった。
 妹紅は自宅にいた。間違いなくいたのだが。
 妹紅は昼間っからへそ丸出しの大の字でぐーすか寝ていたのである。
 口角からはうっすらとよだれが垂れていた。
 おまけに、見事な鼻ちょうちんが妹紅の安らかな寝息と連動して、大きくなったり小さくなったりしていた。
 死を悼む心は周囲に強制されるものではないとはいえ、この有様は見る者の内に怒りをこみ上げさせるに十分であった。
 あんまりといえば、あんまりだ。
 やる方ない憤懣に駆られて訪問者の一人が鼻ちょうちんをつついて割ると、妹紅はもそりと目を覚ました。

「何だい、お前達。人が気持ちよく寝てるところをぞろぞろ雁首揃えて邪魔しやがって」

 非常に険悪な表情と態度で寝起きの妹紅は毒づいた。
 逆ギレしてんじゃねーぞこの低血圧野郎、という訪問者達の心の叫びは寸分違わずにシンクロした。
 震える拳を握り締めながら、訪問者の内の一人が尋ねた。

「あのなあ、アンタ。慧音先生が亡くなったって事について、何か思うところは無いのかい」

 それを聞いた妹紅は、始めはきょとんとした顔をしていたが、突然笑い出した。

「あっはっはっはっはっはっはっはっはっは。はーっはっはっはっはっはっはっはっはっは。うっひっひっひっひ。うふっふ。へへほ」

 笑い過ぎである。
 居合わせた者達は一様に気色悪いものを見た、という表情で顔を見合わせた。

「あははは。慧音が、死んだって? それ、本気で信じてるのかい。ひひひ。そんなの、嘘に決まってるじゃないか。はっはっはっは。だいたい、豆腐のカドに頭をぶつけて死ぬって。ぷっ。くすくす。ありえないって。にゃははははは。どうせ冗談ならもう少しまともな嘘をついて欲しいね。ぬふふふ」


 訪問者達は、妹紅の言葉を聞きながら、どこか納得をしたように目配せをし合った。
 そして、妹紅をとても可哀想な物を見る目で見た後、無言でそっと立ち去っていった。


 夕暮れの竹林に、妹紅の一人笑いが空しく響いていた。



 慧音の彼岸への旅立ちを見送った群衆は、しかし、悲しみの余りその惜別を完全に消化出来なかった。
 やがて、彼らは気付いた。
 慧音ほどの人徳を持つ者であれば、まず間違いなく成仏を待つ身となって冥界に現れるであろう事に。
 かくして、さしもの二百由旬四方を誇ると言われる白玉楼の庭も、たちまち有象無象共で溢れ返った。
 ひしめく人妖達は、事ある毎に「慧音はまだか」「慧音を出せ」とわめき散らした。
 統計を取ったところ、おおよそ6分に1回は庭園のどこかで慧音コールが沸き起こっている計算になる程だった。
 1回のコールに要する時間はおおよそ10分であるから、つまるところ、エンドレスという事である。

 迷惑なのは白玉楼の住人である。
 主の亡霊嬢は暢気なものだったが、半人半霊の従者は心労がたたってダウンし、最早全霊になりつつあった。


 今日も今日とて、「慧音! 慧音!」と呼ばわる者は、増えこそすれ決して減りはしなかった。
 数多の異変を経てきた幻想郷と言えど、これは未曾有の大混乱と言って差し支えないだろう。



 かの麗しの半獣半人の賢者は、いったいいつになったら姿を現すのだろうか?















 ずぞぞ、ずぞぞ。


 例の如く、三途の川べりで惰眠を貪っていた小町は、何とも形容し難い珍妙な音によって目覚めた。
 腕を頭の後ろで組んで枕代わりにしていた為、血行が阻害されてしびれた手をぷらぷらさせながら、小町はのそりと身を起こした。
 珍妙な音は、どうやら地面から響いてくる。


 ずぞぞ、ずぞぞ。


「…? こりゃあ、いったい何の音だろうね」

 どうも、何か重い物を引きずっている音のようである。
 立ち上がった小町が手をかざして遠くを見やると、向こうの方から人影がごくゆっくりとこちらへ近づいて来るのが見える。


 ずぞぞ、ずぞぞ。


「何だい、あの袋は」

 件の人物が引きずっているのは、巨大な袋であった。
 中身がぎっしりと詰まっているらしく、肩に担いだ紐が痛々しく食い込んでいるのが見えた。
 いったい何が入っているのかはわからないが、死んでまで苦労して運んでいるのだから、余程大事な物なのだろう。
 小町は運ぶのを手伝ってやろうと駆け寄っていった。

 ずぞぞ、ずぞぞ。

「やあお前さん、随分難儀をしているようだけど。あたいも運ぶのを手伝ってやるよ」

 そう声をかけると、袋を運んでいた人物は足を止め、にこりと微笑みながら「かたじけない」と言い、ぴしと筋の通ったお辞儀をした。
 青い長髪の女性、しかもとびきりの美人であった。
 何より目が行くのは、頭の上の特徴的な帽子。
 ははあ、と小町は思い当たった。

「お前さん、もしかして人里の寺子屋の先生じゃないかい?」

 女性は小町の言葉に頷いた。
 先程から、どうしてあの頭の上の帽子は斜めになっても落ちないのだろうか、と小町は不思議に思った。

「いかにも、僭越ながら寺子屋で教鞭を取っておりました上白沢慧音と申します。しかし、何故私の事をご存知でいらっしゃるのでしょうか?」
「なに、ここを通っていく奴らで先生の話をしないのなんて一人もいないくらいさ。あたいも常々話を聞いていて、是非一度会ってみたいと思ってたんだよ」

 そう言うと、慧音は少し困ったような顔で苦笑いした。

「それはまた、何とも気恥ずかしい。そういう貴女は、三途の川の船頭死神さんでいらっしゃいますね?」
「おや。何でそっちはあたいの事をご存知なんだい?」

 小町の問いに、慧音は笑いながら自分の頭を指差した。
 習って頭に手をやってみると、ひどい寝癖になっていた。

「お仕事のみならず、夢と現の橋渡しをも大変熱心にされる方だと、此岸までお噂は」

 なるほど、お堅く見えるけどそれだけじゃないんだな、と小町はぐんと慧音に好感を持った。

「あっはっは、こりゃお恥ずかしい。あたいは船頭死神の小野塚小町。小町って呼んでおくれよ」

 二人は軽く握手をし、それから協力して袋を引きずりながら川岸へと歩き出した。



 ずぞぞ、ずぞぞ。

「時に先生、やたら重たいけどこの袋は何かね?」
「それが私にもわからないのです。落命した折にはこのような物は持っておりませんでしたし。こうして霊となると同時に、気付いたら肩に担いでおりました。ただ、心の内に、これは持って行かねばならぬ物である、という使命感だけはあるのです」

 小町も三途の川の船頭をやって長いが、そんな話は今まで聞いたことが無かった。

「ふうん、いったい何なんだろうね。まあ、きっとすごく大事な物なんだろうねえ。ちなみに、言い難かったら構わないけど、先生はどうして死んじまったんだい?」
「これがまた、お恥ずかしいお話なのですが。豆腐のカドに頭をぶつけて死にました」
「え」
「豆腐のカドに頭をぶつけて死にました」

 いたって真面目な顔で言う慧音に、小町はそれが冗談なのか本気で言っているのか判断が付かずに曖昧に笑った。

「へ、へえ、そいつは大変だったね」
「とんだ災難でした」

 あたいが豆腐のカドに頭をぶつけて死んだとしたら、とても死に切れずに悪霊になるけどな、と小町は思った。

 ずぞぞ、ずぞぞ。



 そうこうしているうちに、二人は小町の舟を繋いでいる川べりにようやくたどり着いた。
 色んな話をしている内に、小町と慧音は随分と打ち解けた。

「ふう。なんとかここまで来たね」
「ご苦労をおかけして申し訳ない。これの重みで舟が沈まなければ良いのだが」
「まあその辺は何とかなるんじゃないかね。三途の川ってのは概念的なもんだからね。さあ、そいじゃあ渡し賃をもらおうか」

 そう言われて慧音は袂に手を入れてみたが、銭らしきものは無い。
 ポケットだのスカートの中だのあちこちをひっくり返してみたが、やはり無い。
 はよその帽子の中を見てみい、と小町は内心思ったが、口に出さずにいた。
 が、最後に帽子を取って中を見ても、銭は入っていなかった。

「何と言うことだろう。私は三途の川を渡れるほど人徳が無かったということだろうか」

 不安のあまり泣き出しそうな慧音を見ながら、あたいはその帽子が頭と一体化してなくてむしろ安心したよ、と小町は思った。

「今までの霊共の話を聞く限り、先生に限ってはそんなはずは無いと思うんだけどねえ」

 そう言いつつ、自然と小町の視線は今まで引きずって運んできた袋に向かっていた。

「先生、まさかとは思うんだけど」

 ずしりぎしりといっぱいに膨らんだ袋の口を小町が開くと、中から小判がどじゃらじゃらじゃらじゃらじゃららら~、と雪崩の如くこぼれ出てきた。

「……」
「これが渡し賃ということか。なるほど苦労してでも持って来なければならなかったわけだな」
「あり得ん…」

 ほっと胸を撫で下ろしている慧音と対照的に、小町は驚愕の余り顎が外れていた。

 三途の川の渡し賃と人徳の交換レート的に、こんな事は考えられなかった。
 徳に徳を積み重ね、多くの人々に惜しまれ、悲しまれて見送られた霊で銀銭程度。
 聖人君子が如き、おおよそ人間離れした最上級の霊でようやく小判一枚である。

 慧音の持参した渡し賃は、小判四千八百十九枚。
 慧音の寿命は人間より長い為、その分積んだ徳も大きいだろうが、それにしてもこの額は異常を通り越して奇跡であった。
 おそらく永遠の輪廻のサイクルの中で、ぶっちぎりで空前絶後のレコードである。


「あ、あああ、あたい、船頭死神やっててよかったぁぁ…」

 感涙にむせび泣く小町は、顎が外れたばかりか腰が抜け、爪が割れ、ほっぺが落ちていた。
 ついでに言うと、ちょびっと失禁していた。ちょびっとだけである。

「先生っ! あたいは感動したよ! あたいの全身全霊を込めて、最高の船旅で向こう岸まで送り届けてやるよっ!!」

 息巻く小町に気圧されつつ、慧音はうなずいた。

「ああ。ひとつよろしく頼む」
「よっしゃあっ! まかしときなっ!! それじゃあいくよ! まずは、KA☆WA☆HA☆BA・ミラクルトゥインクルクルクルイリュージョンチェェェェ~~~~ンジッッ!!!」

 小町がかけ声とともに面妖なポーズでウインクを川面へ投げると、遥かに霞んで見ることすら叶わなかった対岸が、見る見るこちらへと迫って来る。


「本当はゆっくり舟旅を楽しんで欲しかったけどね。先生の人徳じゃあ、一瞬で終わっちまいそうだねえ」

 そう言って、少し寂しそうな表情を見せる小町。

 黙って頷き、再び握手を求める慧音。

 怒涛の如く迫り来る対岸。




 両岸に挟まれて、小町の舟は木っ端微塵に砕け散った。

 川幅、約2ミリ。



「……」

「……」



「……」

「…舟、壊れてもうた…」



「何か、いろいろと申し訳ありませんでした…」

「いえ、お気になさらず…」


 目の前をちろちろと流れる元・三途の川を眺めながら、とりあえず二人は今後の方針について話し合う。

「三途の川とは、舟を使わずまたいで渡ってしまっても良いものなのだろうか?」
「今までこんなこと無かったからなあ…ちょっと上司に報告・連絡・相談してみるよ」

 小町は軽く目をつむると、四季映姫へと念話を送る。
 業務中に、小町から四季映姫へ仕事についての報告がなされるのはこれが初めてのことであった。


『ねぇねぇ四季さま四季さまぁ』
『小町。上司に対する業務連絡にふさわしい呼びかけをしなさい』
『えー。じゃあ、業務時間外だったらこんな風に甘えて呼んでも良いですか?』
『いいです』

 即答であった。白黒ははっきりつける。

『やったぁ。四季さま大好きです』
『わたしも好きです』

 即答であった。

『さて、余談は置いておいて。報告をしなさい』
『はい。実はかくかくしかじかで…舟が壊れちまったんです』
『ふむ』
『というわけで、舟が直るまでの間、特別休暇を頂いてもいいですか?』
『許可します』

 即答であった。

『そんなこと言わずに…って、え? いいんですか!?』
『許可します、と言ったはずです。ただし、今期のこれ以上の特別休暇はもう認めませんよ』
『オッケーです! さすが四季さま! 話がわかるぅ』
『とにかく、イレギュラーな事態が発生しているようですね。仕事が一区切り付いたので今からそちらへ向かいます』
『了解です』
『とりあえず、川幅を戻しておいてください。それでは』


「ふー。久々の念話で疲れちまったよ」

 額の汗を拭う小町に、慧音が尋ねる。

「で、どうだった?」
「うん、許可を頂いたよ」

 川幅を戻しながら小町は答えた。

「許可とは川をまたいで渡ってもいい、ということではないのか? 何故川幅を戻してしまうんだ?」
「いやいや、舟が直るまでの間の特別休暇の許可をもらったんだよ。あれだけ木っ端微塵になったら相当長いこと休めるなあ」
「…で、わたしはどうすれば?」

 握り拳を固める慧音の帽子の下で、わずかに角が蠢いた。

 すると、突如上空から何かが飛来してきたかと思うと、三途の川にどばっしゃああぁぁん、と着水した。
 派手にあがる水しぶきに、小町と慧音はずぶ濡れになった。

「…今度は何事だ?」

 降り注ぐ飛沫が止んでみれば、川面に鎮座ましますのは紛う事なき三途の川の渡し舟であった。


「舟は直りました。貴女の特別休暇は終了ですよ、小町」

 そして、いつの間にか二人の背後には四季映姫が立っていた。

「ふえええ、そりゃ無いですよ四季さまぁ…」

 縋り付く小町を完全に黙殺しつつ、四季映姫は慧音の方へ向き直った。

「上白沢慧音ですね。幻想郷の閻魔を務めます、四季映姫・ヤマザナドゥと申します」
「お初にお目にかかります、閻魔様」
「善行を積んでいない者のもとへは、此岸であろうと折を見て赴くのですが、貴女にはその必要が無かったものですから」
「もったいないお言葉です」

 四季映姫は、足元に広がる小判の山に目をやった。
 足元に寝そべる死神は引き続き無視した。

「今回は、かなり特殊なケースと言えるでしょう。通常の方法では、貴女は三途の川を渡ることが出来ません」
「では、どうすればよいのでしょうか」

 四季映姫は浄玻璃の鏡を取り出すと、厳かに宣言した。

「今この場で、裁判を執り行います。上白沢慧音、貴女が白か黒か、はっきりさせて頂きます」
「ちなみに四季さま、今日は白ですか? 黒ですか?」
「黒です」

 即答であった。

 ブバッッシャアァァ、と炸裂音に近い音を立てて小町の鼻から鮮血が迸った。
 ちなみにお分かりの事とは思うが、答が「白です」であっても、ブバッッシャアァァ、であった。
 すなわち、この質問をした時点でブバッッシャアァァ、は確定なのであるが、そもそも四季映姫を前にした小町がこの質問をしないはずは無いのである。
 したがって、四季映姫が存在する限り、小町はブバッッシャアァァ、から免れ得ない。
 ほんと、どうでもいい。


「でも四季さま、裁判なんかしなくても白に決まりきってると思うんですがね」

 だくだくと流れる鼻血を拭いつつ、小町は言った。

「先生が黒だとしたら、白の人なんて一人もいなくなっちゃいますよ」
「それは、やってみなければわかりません」

 そう言うと、四季映姫は浄玻璃の鏡を掲げた。
 慧音の体を澄んだ光が包み込む。
 時間は、ほんの一瞬であった。

「判決を言い渡します」

 小町は思わずごくりと唾を飲んだ。
 慧音は泰然として、静かに四季映姫の言葉を待っている。



 四季映姫はゆっくりと唇を開いた。



「黒、アウトー」



「なにー!?」

 小町は酷くうろたえた。
 流石の慧音も、表情に動揺が見える。

「なんで、なんで、先生が地獄行きなんですか!? 絶対おかしいですよ、四季さまっ!! 鏡、曇ってんじゃないですか?」

「落ち着きなさい、小町。誰も上白沢慧音が地獄行きとは言っていません。しかし、彼女は一つ嘘をついているのです」
「私が、嘘を?」

 慧音は眉をひそめた。嘘をついた事について本当に思い当たる節が無いらしい。
 つくづく奇特な人物である。

「四季さま、先生は嘘をつくような人じゃないですよ。話した時間は短かったけど、あたいにだってそれくらいの事わかります。じゃあ、先生がいったいどんな嘘をついたって言うんです?」

 食い下がる小町を見やりながら、四季映姫はふう、と息をついた。





「上白沢慧音、貴女は死んでなんかいないんですよ」



『え?』



「貴女が死んだ、そのこと自体が嘘なんです。豆腐のカドに頭をぶつけて死ぬ人が、いったいどこにいるというんですか?」



 そりゃそうだ。


「確かにそれはそうですが、現に私はこうして彼岸にいます。これは私が死亡しているという事に他ならないのではないですか?」
「だから嘘をついていると言ったでしょう。貴女は、実際は死んでいないにもかかわらず、過去を改竄したんですよ。『上白沢慧音は豆腐のカドに頭をぶつけて死亡した』という、虚偽の歴史に」
「いやいや四季さま。そんな事する意味が無いじゃないですか」
「意味ですか。たとえ意味が無かったとしても、無意識に過去を改竄してしまったかも知れない。豆腐のカドに頭をぶつけて、自分は死んでしまったに違いない、と思い込んでしまった場合はどうですか? その強力な自己暗示によって、知らず知らずの内に歴史の方を捻じ曲げてしまった。そんなことは無かったと、常に現在にのみ存在する私達にどうやって証明することが出来ますか?」
「……」
「私は、こう解釈していますよ。上白沢慧音、貴女は自分が死んだ後、親友の藤原妹紅がどう生きていくのか、それを常に気にかけている」
「……」
「それを強く念ずる余り、『私が死んだ後の状況を作り出して見てみたい』と無意識下では願望を抱いていた。それが、こういう形で発露したんではないかとね」
「……」
「貴女は非常に賢い。何らかの形で歴史の改竄が解かれ、自らの記憶は保持できるようなトリガーを準備してあるのかもしれません。今現在の貴女自身では記憶していないようなところにね。まあ、この際故意か過失かを追求して咎め立てするのはやめておきましょう。少なくとも、貴女は、黒です」
「……」
「最後に、これを見て下さい」

 四季映姫は再び浄玻璃の鏡を掲げた。
 鏡の中に、何やら映像が映し出された。
 どうやら、妹紅の住む竹林のようだ。


 妹紅が笑っている姿が映っている。


『あっはっはっはっはっはっはっはっはっは。はーっはっはっはっはっはっはっはっはっは。うっひっひっひっひ。うふっふ。へへほ』

 笑い過ぎである。
 周囲に居合わせた者達が一様に気色悪いものを見た、という表情で顔を見合わせるのがわかる。

『あははは。慧音が、死んだって? それ、本気で信じてるのかい。ひひひ。そんなの、嘘に決まってるじゃないか。はっはっはっは。だいたい、豆腐のカドに頭をぶつけて死ぬって。ぷっ。くすくす。ありえないって。にゃははははは。どうせ冗談ならもう少しまともな嘘をついて欲しいね。ぬふふふ』



「妹紅…」
「無意識でも故意でもいいですけどね、貴女の親友は全然騙されていませんよ。貴女は、自分の親友というものを見くびり過ぎです」
「……」
「さあ、貴女のいるべき場所はここではないんじゃないですか? つまらない冗談は、そろそろ終わりにしましょう」

 そう言って、四季映姫はくるりと背を向けた。


 しばらくその場で立ち尽くしていた慧音は、やがて弾かれたように飛んでいった。


 小町は、遠ざかる慧音の背中に向かって大きく手を振る。


「じゃあな、先生ーっ! また会いたいけど、当分来るんじゃないよーっ!!」














 すっかり陽も落ちた。

 庵の中は暗い。

 妹紅は畳の上で、ごろりと寝返りを打った。

 ふと、玄関でごとり、と音がした。


 妹紅は、動かなかった。


 玄関から響いてくる足音はどんどん大きくなり、妹紅の頭のすぐ上あたりで止まった。



「ふて寝しているのか」

「……」

「……」

「…つまんない冗談流行らせて」

「悪かった」

「…ほんの、ほーんのちょっとだけ、心配しちゃったじゃない」

「悪かった」

「……」

「遅くなった」

「…ご飯」

「ああ」





 二人で食卓を囲む。

 夕餉は、質素ながら大変に美味かった。



「そういえば、里にも周囲にも全く人の気配が無いんだが?」













 美しい枝振りの白玉楼の夜桜の下で、二人の男が殴り合っている。
 ご存知、ムラービトとムワッヒドである。

「てめぇこのやろっ! 慧音先生が冥界に現れたら、俺と結婚するんだっ!」
「ざけんな、ぼけっ! 俺と結婚するに決まってんだろうがよっ!」

 美しき大庭園は、今や血で血を洗うバトル・ロワイヤル会場と化している。



「慧音はまだかーっ!」「慧音を出せーっ!」「慧音は俺の嫁ーっ!」「けーねーっ!け、けーっ、ケロローッ!!ケローっ!!」














































「あたい、びっくりしてます」

 小町は、四季映姫の背中に向かって言った。

「閻魔様でも、嘘をつくんですね」

 四季映姫は小町に背を向け、無言のまま、胸ポケットからピースを取り出して火を点けた。
 28mgを思い切り吸い込んだ後、深く、深く、吐き出した。

「何故、あんな嘘を?」

 四季映姫は答えない。
 小町は、ただでさえ体を壊しやすい激務なんだから、タバコは控えて欲しいと思う。
 でも、この匂いは、四季さまって感じがするから、嫌いになれないでいる。

「先生は凄くいい人でした。あんな人、確かに死なすには惜しい。でも、そんな事言い出してたらきりが無いんじゃないですか」
「そんな理由じゃありませんよ」
「じゃあ、どうして…」

 四季映姫は、煙の立ち昇る白い円筒の先端で、足元に未だ山になったままの大量の小判を指し示した。

「……」
「上白沢慧音なら、何度でもこれ位の徳が集まるでしょう。彼女自身は十分に冥界へ行き、成仏できる徳がある。お釣りが出るほどにね。そのお釣りを、どぶに捨てるのは、勿体無い。それだけの話です」
「……」

 また、四季映姫がふーっ、と大きく煙を吐き出した。
 吸いさしを、地面へと投げ捨てる。

「…危なくはないんですか」
「危ないですよ。煙を立てる者がいたらね」

 そう言って、四季映姫は地面の吸いさしを足で踏みにじって、火を消した。

「……」
「小町。今度、一泊で温泉へでも旅行に行きましょうか。二人で」
「四季さま…」

 小町は、地面を見つめたまま、わなわなと体を震わせた。





「ほんとですかーっ! うれしぃーっ!!」
「ふふふ。可愛いですね。私の小町は」
「四季さま。最後に聞いていいですか?」
「何ですか」
「今日は黒、あれも嘘ですか? ほんとは白ですか?」
「小町。世の中にはね、白と黒で割り切れない事がいっぱいあるんですよ」






 四季映姫は、スカートを捲り上げてみせた。






 小町は、一際盛大に、ブバッッシャアァァ、であった。
















































「っていう話を考えたんだが、どう思う、妹紅」

「わかったよ、慧音。いいから、好き嫌いせずに豆腐も食え」





 六作目です。

 超愛され慧音を書きたくなったので書きました。

 よろしければ、次回作もよろしくお願いいたします。

 ※2011/06/06 体裁及び誤字を修正しました。
青茄子
http://aonas.blog.fc2.com/
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コメント



0.6430簡易評価
7.100名前が無い程度の能力削除
なんかしらんが面白いぞ!
9.100コチドリ削除
こういう着地点がどこに設定されているかまるで読めないお話って大好き。
ハワイ行きの飛行機に乗ったら何故かアラスカの地に降り立っていた、みたいなね。
文章も、ノリはいいんだけどしっかり抑制も効いていて、爆笑というよりかは自然と口の端がつりあがる感じで
これも激しく自分好み。

後書きまで含めれば妹紅を除くほぼ全ての人物が己の欲望に正直で、逆に清々しくさえ思えてきますね。
特に名も無き妖怪と映姫様が素敵すぎる。人間とは斯くありたいと誤解させてくれるカッコ良さだ。
よろしくされなくたって超期待してまっせ、次回作。
10.100アン削除
ジーニアス
とくにえーき様がCuteすぎて恋をしてしまいそう
14.90ワレモノ中尉削除
豆腐が食べたくないからって、この言い訳は壮大すぎるw
というか、慧音の中での小町像、映姫像ってこんななのか……w

>上白沢慧音は、豆腐のカドに頭をぶつけて命を落とした。

当たり所が悪かったのだろう。即死だった。

この時点で、もう最後まで読む気にさせられました。すごい。
16.100スポポ削除
年末には魔物が潜むというがこれ今年度のベストワンだわ
アンタ天才だよ
17.90可南削除
ぐいぐいと引き込まれて何時の間にか読み終わっていました。
良い意味で気味の悪い話だったと思います。とても面白かったです、ありがとうございました。
18.100名前が無い程度の能力削除
なにこれこわい
ちゅっちゅ
22.100名前が無い程度の能力削除
このワザとらしいブバッッシャアァ味!
24.100名前が無い程度の能力削除
妹紅のくだりで感動していたら、最後の小町と映姫のやりとりで台無し、後書でさらに台無しでした。でも笑っちゃったんで点を入れていきます。
25.100シンフー削除
読む前 わーい、こまえーきとけねもこだー!!
読んだ後 どうしてこうなった
27.100赤朧てんげ削除
おのれ豆腐www
28.100名前が無い程度の能力削除
センスを感じる。
間違いなく他の作家とは突出しているよwww
29.100名前が無い程度の能力削除
何故だぁぁぁ!!
30.100名前が無い程度の能力削除
こんな映姫様なんて…ッ!
ディ・モールト(とても)ベネ(良し)に決まっとるだろうがッ!!
32.100名前が無い程度の能力削除
何だこりゃwww
えーき様、マジぱねぇwww
33.100名前が無い程度の能力削除
スゲーー。
もう、どっから突っ込んで良いのか分かりゃしねぇwww
35.100名前が無い程度の能力削除
アフリカ周りの歴史がお好きなようで
37.100名前が無い程度の能力削除
映姫様はしまぱんなのかっ!?
……それともはいてn
38.100名前が無い程度の能力削除
なんだかよくわからないけど、とにかく面白かった!
40.100奇声を発する程度の能力削除
とても面白かったですwwww
48.100名前が無い程度の能力削除
けねもことこまえーきがちゃんと成立しているからきっと無問題。
49.100PNS削除
氏の前作を読んだ時も思いましたが、なんと素晴らしいセンスでしょう。
次回作も楽しみにしております。
54.100名前が無い程度の能力削除
慧音先生はお豆腐が嫌い。ちぃおぼえた
57.90名前が無い程度の能力削除
豆腐みたいな淡泊なものをどう料理したら
こんなカオスな作品が出来上がるんだ。
58.100名前が無い程度の能力削除
ここまでオチの読めない話があっただろうか
60.100SPII削除
これは素晴らしい 
明後日の昨日のセンスが素晴らしい
61.100名前が無い程度の能力削除
なぁにこれ?
いい話なの? ブバッッシャアァァってなんなの? 映姫様エロイの?
いやぁ、一つ一つの文章が輝いていてとっても面白かったです。
作者さんのセンスが素晴らしくて妬ましい。
62.100葉月ヴァンホーテン削除
導入からのインパクト、そして読ませきる引きの強さに凄まじいものがありました。
カオスなようで、一本しっかりと芯が通っていて読み応えのある作品でした。
63.100名前が無い程度の能力削除
ちょっと映姫様のスカートの中確かめてくる。
65.100名前が無い程度の能力削除
シュール系かと思ったら、筋もしっかりしていた
66.100名前が無い程度の能力削除
青茄子あなた疲れてるのよ…
68.100名前が無い程度の能力削除
これはいいシュールを見た
豆腐、小物、川幅、特に好きです
70.100名前が無い程度の能力削除
いろいろと壊れすぎて頭がどうにかなりそうだったが、……なんだこの読後感の良さは。
作者の文章力のセンスが変な方向に尖っているのだけはわかった。いいぞ、もっとやれ。
76.100J.frog削除
本当に愛されているなぁ、慧音先生……と思って。
タイトルとタグに釣られて見てみたら……何じゃこりゃあぁ!?
シュールなようでカオス…? ギャグなようでいてマト…モ?
というか、話全てが先生が豆腐食いたくないだけの言い訳……?
も、もう訳が分からない……このままでは気が狂ってしまいそうだ!

というわけで最高でした。もっと青茄子味を食べてみたいw 自分もあやかりたいです。
77.100名前が無い程度の能力削除
えっなにこれ・・・えっどういうことなの・・・えっ
78.100名前が無い程度の能力削除
なんだこれ。
81.100名前が無い程度の能力削除
何故か面白い。他に言いようがない。
88.100名前が無い程度の能力削除
面白い。
90.100名前が無い程度の能力削除
シュールと感動とちゅっちゅを同時に成立させるとは、なんてカオス。
けねもこは良い話なのに彼岸の二人は駄目だこりゃww
91.100名前が無い程度の能力削除
素晴らしい……!
映姫様の即答っぷりがツボりました。
99.100名前が無い程度の能力削除
アンタ何者だよ
作風広すぎだろ
100.100名前が無い程度の能力削除
言い訳で自分を聖人君子にしてしまう慧音先生は素敵だと思います
103.100名前が無い程度の能力削除
豆腐の殺傷能力について語り合うときが来たと思ったら
何故かスカートの中が白か黒かについて気になってしまった。

結論を言いますと、なにこれかわいい皆かわいい
109.100v削除
色で言うならマーブルあたりでしょうか……すげえ。ぶっ飛んでいるのに着地も完璧。これが、100点か。
110.100名前が無い程度の能力削除
ムラービトとムワッヒドの下りだけで80は付けたくなりましたが、それを置いても100は固いですね!
どうしよう、振り切れちゃったよ。100点置いておきますね。
113.100名前が無い程度の能力削除
台無しだw
116.100名前が無い程度の能力削除
天才がいる・・・
120.100名前が無い程度の能力削除
此処のえーき様は一際輝いてますねwww
123.100名前が無い程度の能力削除
ハイセンス!
124.100mthy削除
シュールなギャグかと思ったらいい話かな?と思ってたらやっぱりシュールだった。
すばらしすぎる
127.100名前が無い程度の能力削除
カオスから始まりイイハナシで終わら……アレ?イイハナ…、え!?
128.100名前が無い程度の能力削除
三途の川が幅2ミリですか・・・藍さまでも計算不能かもしれませんね
132.100名前が無い程度の能力削除
これはこれは…
134.100euclid削除
はいてないと聞いて。

彼岸が此岸に乗り上げるんじゃあないかと心配したのはボクだけではないはず。
145.100名前が無い程度の能力削除
貴方のセンスは常人には真似出来まい……
146.100名前が無い程度の能力削除
ピースで完全に死んだw
147.100名前が無い程度の能力削除
川幅2ミリのところでわろたww
149.100名前が無い程度の能力削除
はいてない..だと?
150.100名前が無い程度の能力削除
一行目を読んだ時……いや、このページを開いてしまった瞬間に負けは決まっていた
153.100名前が無い程度の能力削除
おのれ、作者俺の腹筋を返してもらおうかwww
154.90名前が無い程度の能力削除
イイネ
158.100名前が無い程度の能力削除
ウマイ、ウマすぎる……
シュールとシリアスのバランス感覚が見事。
言葉選びも的確、且つおしゃれ。
素晴らしいの一言です。
167.100通りすがりのサバ削除
あなた最高。なんですかムラービトって。笑い死ぬかと思ったじゃないですか…
それにしても、この妹紅の信頼感がいいね
170.100名前が無い程度の能力削除
面白かったです!
183.100削除
まるで訳が分からんぞwwww