・この作品は『お互い様の小さな我侭』の後日談となっています。
・ナズーリンと星が名前で呼び合う仲になったくらいの認識で問題ないはず
ナズーリンはミカンの入った竹籠を胸に抱え、足早に歩を進める。
冬の廊下は冷たく、窓から見える景色に雪化粧が施されていた。
応接間の襖を開くと、ナズーリンは呆れたように言う。
「星、少しだらけ過ぎじゃないかね」
二人だけの時は名前で呼び合う。
それが二人の間で決めた約束だった。
気恥ずかしくはあったが時間さえあればどんなことでも慣れはするものだ。
「いいじゃないですか。折角コタツを出したんです。満喫しないと損ですよ」
「耳と尻尾まで出てるじゃないか」
「私は気にしませんよ」
星は心の底から安らいだ息を吐く。
コタツに下半身を突っ込んだ姿は毘沙門天の弟子にも誇り高い虎にも見えない。
耳を時折揺らし、溶けきった顔を突っ伏す様子は愛玩動物のそれだった。
そんな主人に対してナズーリンは溜息を吐くだけで済ませることにした。
まあ、たまにはいいか。ドジも結構する彼女だが基本的には優秀だ。
たまには息抜きも必要だろう。
普段なら皮肉の一つでも言っただろうが、届きそうもないし、それよりも早く温まりたかった。コタツの魔力というのは恐ろしい。
そう考え、ナズーリンは星の隣の辺に座ろうとする。
「あ、ナズーリン。そこじゃだめです」
「なんだい星。私は震えていろって言うのかい?」
「こっちですこっち」
バンバンと自分のすぐ隣を叩く星。
座れないこともないがかなり狭いスペースしか無い。
座ろうとすれば密着することになるだろう。
「えっと星。何をしているのかわかりますか?」
思わず敬語に戻るナズーリンに対し星は何を当たり前のことをばかりに言う。
「わかってますよ。ほら早く」
「わかってるならやめて欲しいのだけど……」
「私の隣は嫌だって言うんですか」
「いやそういうことじゃ……」
「なら、早く来て下さい」
むくれたように隣をたたき続ける星。
コタツでネコ科の本能が刺激されただけにしては妙にテンションが高い。
私を誂ってるつもりだろうか。
「つまり、星は私がいないと寂しいのかい?」
いつもの彼女ならこれで引っ込むはずだ。
「……はい。私はナズーリンがいないと心細いです」
アルェー?
怒るかと思ったら、しょぼくれちゃったよ。
ああ、やめて。そんな捨てられた猫みたいに耳をへたらせないで。そんな上目づかいで私を見ないで。
「……そうですよね。ドジばかりする私なんて愛想も尽きてますよね」
ぐすん。
星は俯き小さく鼻を鳴らす。
「い、いや! そんなことないさ星! 一所懸命なのはわかってるし、そういうところは好きだよ!」
ナズーリンは慌ててフォローを入れる。
一所懸命なのは本当なのだが、たまにするドジで相殺されているのも事実であるが。
「……本当ですか?」
「ああ、もちろん。私が嘘を付いたことがありますか?」
「…………たくさんあった気がしますが」
けど、
「ありがとうございますナズーリン」
「あー、うん。わかってもらえると嬉しいな」
沈んでいた顔を輝かせて笑う星に
「それじゃあ早く」
「えっ」
にこにことした笑顔のまま、横にずれるとナズーリンの座るスペースを作る。
ここで断る程空気の読めない自分ではない。無いのだが今は読みたくない。
しかし、今の彼女の状態では断れば泣き出してしまいそうだ。
「……失礼しますよ」
「はいっ」
ナズーリンはおずおずと星の隣に座る。
狭い一辺では肩が触れ合い、脚も絡むようにぶつかる。
これはさすがにどうなのか。一応主従の関係なのだからけじめはつけるべきではないか。
そう言おうとしたのだが、
「えへへ……」
嬉しさに頬を緩ませきった表情の星には何も言えなかった。
そこまで嬉しいものなのだろうか。
喜んでもらえるのなら、まあ、悪い気はしない。
しないが緊張して仕方がない。というか彼女はどうしてこんなにテンションが高いのか。
「楽しいですね、ナズーリン」
「そうですか」
言いつつナズーリンの肩に頭をのせる星。
ナズーリンは平静を装っているが頭をのせられた瞬間に心臓が跳ねる。
くらっとするような匂いが鼻についた。どうしてこんなにドキドキしてしまうのだろう。
子どもだと思っていたのに、いつの間にか女性になってしまって……
「って星。酒臭いが……」
「ん~? ぬえがくれたんです。飲むとあったまるって」
袖口から取り出した酒瓶を受け取りラベルを見る。
……アルコール度数92。ストレートで飲むようなものではない。
馬鹿に興奮してると思ったらコレのせいか。
ドキドキしたのもこの匂いのせいに違いない。うん。
そう結論づけ、ナズーリンはミカンに手を伸ばす。
疲れたときは甘いものを。
「あ、ナズーリン。私にもください」
「はいはい」
「あーん」
……何をしているのかな?
大きく口を開いた星にこわばった視線を向けるナズーリン。
「それは一体どういう意味か私にわからないですね」
「食べさせてください」
星は嫌味なくらい晴れ晴れしい笑顔を向ける。
狙ってやってるなら大したものだが天然だろう。
というか狙ってるほうがまだ良かった。
これで断ったりしたら今度こそ泣き出すだろう。
「あ、あーん……」
ふるふると震える手でミカンを口まで運ぶ。
なんだ、なんなんだ。一体誰の陰謀だ。
どうしてこんな羞恥プレイを受けているのか。
予想以上に恥ずかしい。顔から火どころかマジシャンズレッドが飛び出そうだ。
「はむ……」
小さい口で咀嚼し終えると、おいしいですねっ、と邪気の一つもない笑顔を向ける。
「そ、そう。それは」
よかったと言おうとしたナズーリンは
「はい、あーん」
とても楽しそうな笑顔でミカンを差し出す行為で凍りつく。
「い、いやさ星。それはいくらなんでもまずいのでは……」
「むう、これくらい友人同士なら普通ですよ」
「友人を飛び越えてる気がするんですが……」
「……嫌ですか?」
ああやめて。その捨てられた子猫の目を向けないで。心が痛すぎる。
涙に潤む視線に耐え切れなくなったナズーリンは僅かに口を開く。
「あ、あーん……」
ああもうなにこれ恥ずかしすぎる。
羞恥心だけで人は殺すことができるのか。むしろ誰か殺してくれ。
「はいっ」
「むぐっ」
もぐもぐ。
「美味しいですか?」
「は、はい」
正直すっぱいのか甘いのかもわからないが、美味しいような気はする。
その程度にしかわからないくらい頭は沸騰していた。
「えへへ、良かったです」
嬉しそうに言いながら、星は寄りかかるようにナズーリンに抱きつく。
胸に頭を猫のように擦り付けながら甘える星に思考は停止する。
沸騰しきった頭は溶けたチーズみたいにどろどろで、フォンデュもできそうだ。
「……ずっと、こういうことがしたかったです」
顔を上げてナズーリンをじっと見つめる彼女の頬はアルコールか、それとも別の何かのせいか赤く染まっていた。
頬を上気させた彼女はいつものような子供っぽさを感じさせない、艷めかしい微笑みを浮かべる。
世界が壊れた。
自分の知らない彼女は、そっと頬に手をかける。
冷たい、と感じるのは自分の頬が熱すぎるからか。
「ナズーリン……」
星は身を乗り出し、頬が触れ合いそうな距離までナズーリンに近づく。
頬にかする髪と吐息が触れた箇所が火傷しそうなくらいに熱い。
間近に感じる彼女の体温とくらくらするような匂いのせいで、心臓は動いているのかもわからない。
「ナズーリン……」
もう一度、名前を呼ぶと彼女は眼を閉じる。
それの意味は、つまり、そういうことなのか。
ナズーリンも同じように眼を閉じる。
が、そこまでだ。石のように固まった体はそれ以上の行動が出来なかった。
それよりも、怖かった。
この境界を踏み越えることは、主従関係を壊して新たな関係を作ることだ。
それは、まだ怖い。
今踏み越えることは出来ない。
だけど、酒の匂いか彼女のせいか。
このままだと雰囲気に流されてしまいそうだ。
それは望ましくない。かといって、このまま突き放すわけにもいかない。
ナズーリンがどうするべきか迷っていると、星の力の抜けた体がしなだれ掛かってきた。
癖のついた髪をなでると、彼女だけに聞こえるように耳元で囁く。
「……星、まだ、その……怖いんだ……」
星は何も応えない。
ナズーリンは、迷ったまま言葉を続ける。
「だから、もうちょっと待って欲しい。そしたら、今度は……」
星は何も応えない。
不甲斐ない自分に怒ってしまったのだろうか。
それでもナズーリンはやめない。
「今度は……ちゃんとするから……?」
そこではたとナズーリンは気がつく。
何故か、耳元で規則正しい呼吸音が聞こえる。それに妙に脱力している。
……ここで問題だ。以下の文章から答えを導き出せ。
①星はネコ科の妖怪
②コタツの側で暖かい
③かなり酔っていた
④規則正しい呼吸
……つまり正解は。
「うにゃ……ナズーリン……」
むにゃむにゃと安らかな寝顔を見せる星はかなり可愛かったのだがいやそんなことはどうでもよくはないけどじゃあ私は一人でつらつらと恥ずかしいことを口走っていたのかしかも口づけをするんじゃないかっていう期待もあったしいやけどやっぱり恥ずかしかったからよかったかもしれないけどこの猫は……!。
怒りとかその他諸々のものが身体を支配する。
雑多な感情で頬を赤面させたナズーリンは力いっぱいに叫ぶ。
「この……! バカ猫ーー!」
命蓮寺に怒声とガラスの割れる音が鳴り響いた。
・ナズーリンと星が名前で呼び合う仲になったくらいの認識で問題ないはず
ナズーリンはミカンの入った竹籠を胸に抱え、足早に歩を進める。
冬の廊下は冷たく、窓から見える景色に雪化粧が施されていた。
応接間の襖を開くと、ナズーリンは呆れたように言う。
「星、少しだらけ過ぎじゃないかね」
二人だけの時は名前で呼び合う。
それが二人の間で決めた約束だった。
気恥ずかしくはあったが時間さえあればどんなことでも慣れはするものだ。
「いいじゃないですか。折角コタツを出したんです。満喫しないと損ですよ」
「耳と尻尾まで出てるじゃないか」
「私は気にしませんよ」
星は心の底から安らいだ息を吐く。
コタツに下半身を突っ込んだ姿は毘沙門天の弟子にも誇り高い虎にも見えない。
耳を時折揺らし、溶けきった顔を突っ伏す様子は愛玩動物のそれだった。
そんな主人に対してナズーリンは溜息を吐くだけで済ませることにした。
まあ、たまにはいいか。ドジも結構する彼女だが基本的には優秀だ。
たまには息抜きも必要だろう。
普段なら皮肉の一つでも言っただろうが、届きそうもないし、それよりも早く温まりたかった。コタツの魔力というのは恐ろしい。
そう考え、ナズーリンは星の隣の辺に座ろうとする。
「あ、ナズーリン。そこじゃだめです」
「なんだい星。私は震えていろって言うのかい?」
「こっちですこっち」
バンバンと自分のすぐ隣を叩く星。
座れないこともないがかなり狭いスペースしか無い。
座ろうとすれば密着することになるだろう。
「えっと星。何をしているのかわかりますか?」
思わず敬語に戻るナズーリンに対し星は何を当たり前のことをばかりに言う。
「わかってますよ。ほら早く」
「わかってるならやめて欲しいのだけど……」
「私の隣は嫌だって言うんですか」
「いやそういうことじゃ……」
「なら、早く来て下さい」
むくれたように隣をたたき続ける星。
コタツでネコ科の本能が刺激されただけにしては妙にテンションが高い。
私を誂ってるつもりだろうか。
「つまり、星は私がいないと寂しいのかい?」
いつもの彼女ならこれで引っ込むはずだ。
「……はい。私はナズーリンがいないと心細いです」
アルェー?
怒るかと思ったら、しょぼくれちゃったよ。
ああ、やめて。そんな捨てられた猫みたいに耳をへたらせないで。そんな上目づかいで私を見ないで。
「……そうですよね。ドジばかりする私なんて愛想も尽きてますよね」
ぐすん。
星は俯き小さく鼻を鳴らす。
「い、いや! そんなことないさ星! 一所懸命なのはわかってるし、そういうところは好きだよ!」
ナズーリンは慌ててフォローを入れる。
一所懸命なのは本当なのだが、たまにするドジで相殺されているのも事実であるが。
「……本当ですか?」
「ああ、もちろん。私が嘘を付いたことがありますか?」
「…………たくさんあった気がしますが」
けど、
「ありがとうございますナズーリン」
「あー、うん。わかってもらえると嬉しいな」
沈んでいた顔を輝かせて笑う星に
「それじゃあ早く」
「えっ」
にこにことした笑顔のまま、横にずれるとナズーリンの座るスペースを作る。
ここで断る程空気の読めない自分ではない。無いのだが今は読みたくない。
しかし、今の彼女の状態では断れば泣き出してしまいそうだ。
「……失礼しますよ」
「はいっ」
ナズーリンはおずおずと星の隣に座る。
狭い一辺では肩が触れ合い、脚も絡むようにぶつかる。
これはさすがにどうなのか。一応主従の関係なのだからけじめはつけるべきではないか。
そう言おうとしたのだが、
「えへへ……」
嬉しさに頬を緩ませきった表情の星には何も言えなかった。
そこまで嬉しいものなのだろうか。
喜んでもらえるのなら、まあ、悪い気はしない。
しないが緊張して仕方がない。というか彼女はどうしてこんなにテンションが高いのか。
「楽しいですね、ナズーリン」
「そうですか」
言いつつナズーリンの肩に頭をのせる星。
ナズーリンは平静を装っているが頭をのせられた瞬間に心臓が跳ねる。
くらっとするような匂いが鼻についた。どうしてこんなにドキドキしてしまうのだろう。
子どもだと思っていたのに、いつの間にか女性になってしまって……
「って星。酒臭いが……」
「ん~? ぬえがくれたんです。飲むとあったまるって」
袖口から取り出した酒瓶を受け取りラベルを見る。
……アルコール度数92。ストレートで飲むようなものではない。
馬鹿に興奮してると思ったらコレのせいか。
ドキドキしたのもこの匂いのせいに違いない。うん。
そう結論づけ、ナズーリンはミカンに手を伸ばす。
疲れたときは甘いものを。
「あ、ナズーリン。私にもください」
「はいはい」
「あーん」
……何をしているのかな?
大きく口を開いた星にこわばった視線を向けるナズーリン。
「それは一体どういう意味か私にわからないですね」
「食べさせてください」
星は嫌味なくらい晴れ晴れしい笑顔を向ける。
狙ってやってるなら大したものだが天然だろう。
というか狙ってるほうがまだ良かった。
これで断ったりしたら今度こそ泣き出すだろう。
「あ、あーん……」
ふるふると震える手でミカンを口まで運ぶ。
なんだ、なんなんだ。一体誰の陰謀だ。
どうしてこんな羞恥プレイを受けているのか。
予想以上に恥ずかしい。顔から火どころかマジシャンズレッドが飛び出そうだ。
「はむ……」
小さい口で咀嚼し終えると、おいしいですねっ、と邪気の一つもない笑顔を向ける。
「そ、そう。それは」
よかったと言おうとしたナズーリンは
「はい、あーん」
とても楽しそうな笑顔でミカンを差し出す行為で凍りつく。
「い、いやさ星。それはいくらなんでもまずいのでは……」
「むう、これくらい友人同士なら普通ですよ」
「友人を飛び越えてる気がするんですが……」
「……嫌ですか?」
ああやめて。その捨てられた子猫の目を向けないで。心が痛すぎる。
涙に潤む視線に耐え切れなくなったナズーリンは僅かに口を開く。
「あ、あーん……」
ああもうなにこれ恥ずかしすぎる。
羞恥心だけで人は殺すことができるのか。むしろ誰か殺してくれ。
「はいっ」
「むぐっ」
もぐもぐ。
「美味しいですか?」
「は、はい」
正直すっぱいのか甘いのかもわからないが、美味しいような気はする。
その程度にしかわからないくらい頭は沸騰していた。
「えへへ、良かったです」
嬉しそうに言いながら、星は寄りかかるようにナズーリンに抱きつく。
胸に頭を猫のように擦り付けながら甘える星に思考は停止する。
沸騰しきった頭は溶けたチーズみたいにどろどろで、フォンデュもできそうだ。
「……ずっと、こういうことがしたかったです」
顔を上げてナズーリンをじっと見つめる彼女の頬はアルコールか、それとも別の何かのせいか赤く染まっていた。
頬を上気させた彼女はいつものような子供っぽさを感じさせない、艷めかしい微笑みを浮かべる。
世界が壊れた。
自分の知らない彼女は、そっと頬に手をかける。
冷たい、と感じるのは自分の頬が熱すぎるからか。
「ナズーリン……」
星は身を乗り出し、頬が触れ合いそうな距離までナズーリンに近づく。
頬にかする髪と吐息が触れた箇所が火傷しそうなくらいに熱い。
間近に感じる彼女の体温とくらくらするような匂いのせいで、心臓は動いているのかもわからない。
「ナズーリン……」
もう一度、名前を呼ぶと彼女は眼を閉じる。
それの意味は、つまり、そういうことなのか。
ナズーリンも同じように眼を閉じる。
が、そこまでだ。石のように固まった体はそれ以上の行動が出来なかった。
それよりも、怖かった。
この境界を踏み越えることは、主従関係を壊して新たな関係を作ることだ。
それは、まだ怖い。
今踏み越えることは出来ない。
だけど、酒の匂いか彼女のせいか。
このままだと雰囲気に流されてしまいそうだ。
それは望ましくない。かといって、このまま突き放すわけにもいかない。
ナズーリンがどうするべきか迷っていると、星の力の抜けた体がしなだれ掛かってきた。
癖のついた髪をなでると、彼女だけに聞こえるように耳元で囁く。
「……星、まだ、その……怖いんだ……」
星は何も応えない。
ナズーリンは、迷ったまま言葉を続ける。
「だから、もうちょっと待って欲しい。そしたら、今度は……」
星は何も応えない。
不甲斐ない自分に怒ってしまったのだろうか。
それでもナズーリンはやめない。
「今度は……ちゃんとするから……?」
そこではたとナズーリンは気がつく。
何故か、耳元で規則正しい呼吸音が聞こえる。それに妙に脱力している。
……ここで問題だ。以下の文章から答えを導き出せ。
①星はネコ科の妖怪
②コタツの側で暖かい
③かなり酔っていた
④規則正しい呼吸
……つまり正解は。
「うにゃ……ナズーリン……」
むにゃむにゃと安らかな寝顔を見せる星はかなり可愛かったのだがいやそんなことはどうでもよくはないけどじゃあ私は一人でつらつらと恥ずかしいことを口走っていたのかしかも口づけをするんじゃないかっていう期待もあったしいやけどやっぱり恥ずかしかったからよかったかもしれないけどこの猫は……!。
怒りとかその他諸々のものが身体を支配する。
雑多な感情で頬を赤面させたナズーリンは力いっぱいに叫ぶ。
「この……! バカ猫ーー!」
命蓮寺に怒声とガラスの割れる音が鳴り響いた。
あまりにもニヤニヤしてしまって頬が痛いw
ニヤニヤが抑えられない…
っは…まさか鵺の策略?www
んなわけないかwww
練習だと思ってやっちゃいなよ!
艷めかしい微笑みを浮かべるではありませんか?いきなり誤字報告スミマセン
ナズーリンかわいかったです