Coolier - 新生・東方創想話

私、一回も当たったこと無いんですよね。買い物には頻繁に来ているのですが

2010/11/20 00:18:29
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白玉楼。
今日も日課の庭の掃除をする。
私の名は『魂魄妖夢』。
ここの主、『西行寺幽々子』様に仕える庭師兼警護役。
本当に、いや本当に幽々子さまの世話役は大変ですよ。
なにせ、何を考えているか時々理解できないフワフワした存在。

そして。
今日も突拍子も無い提案を持ち出してくるのである。



◇ ◇ ◇



「妖夢~。温泉旅館のペアチケットが当たったわよぉ」
のんびりした声で私の方へふわりふわりと近づいてくる幽々子さま。
温泉旅館のチケット?
私は慌てて幽々子さまに問い詰める。
「そ、それはもしや。最近人里の一角で行われている福引の一等賞ではないですか?」
「あらぁ、いつも人里に買出しに出掛けているだけはあるわねぇ。そうよ?福引で当てたの」
「ちょっと待ってください!何時貴方は人里の福引に赴いたのですか?」
「今日よ」
「その福引は人里の店で商品を買って10枚のチケットに付き一回ですよ?」
「買い物して、集めて当てたのよ」
「何時!?」
本当に我が主の行動は不可解極まりない。
そんなに頻繁に幽々子さまが人里に買い物に行っているなんて、私は把握していませんよ?
紫さまですか?
あの隙間妖怪がこっそり幽々子さまを人里に連れ出しやがりましたか。
あの2人が人里に頻繁に赴くなんて、あまりよろしくないんじゃ。
私が言えた義理では無いですが。

「ま、まぁ、とりあえず。幽々子さま、当たって良かったですね。何時の間に人里にしょっちゅう繰り出していたかは横に置いておきましょう」
私が箒を置き、幽々子さまに近寄っていく。
過程は謎ではあるが、ともかく福引で一等を当ててきたのだ。
ここは素直に賛辞を述べておこう。

しかし、温泉旅行かぁ。
温泉といえば、地底の異変の後に頻繁に耳にするようになった名所。
一度は行ってみたかった。
特に、私の記憶が確かであれば、福引の一等賞の温泉旅館は幻想郷で一番有名な場所だったはず。
かなり大規模な施設で宿泊部屋も多いが、中々予約が取れない。

「それで、幽々子さま。ペアと仰いましたよね?紫さまと行かれるのですか?」
私に気付かれないように白玉楼を抜けて、しかも人里に買い物に行くなんて、紫さまが手引きしているに違いない。

なので、偶には友人同士で羽を伸ばしてくるのだと思っていた。
まぁ、2人はいつものんびりしていそうではありますが。
だが、そんな私の思惑に反して。
「何を言ってるのかしら、妖夢は。あなたと一緒に行くに決まってるじゃない」
「・・・え?」
わ、私を連れて行ってくれるのですか?
てっきり、私は留守番を任されるのではないかと思っていたのですが。
いや、そうでないと不味くありませんか?
「さ、誘ってくださるのは大変嬉しいです。ですが、白玉楼を長いこと空けてしまうのは良くないのでは」

ここは言うなれば生と死の境界線。
最近では生きた人間なども頻繁に訪れるものの、『安全』とは決して言えない世界。
割と住人の少ない・・・、と言うよりも実質上管理しているのが私と幽々子さまだけである。
『旅行』と言うからには、何泊かするに違いない。
確か、私が人里の抽選場で見た限りでは2泊3日くらいだったはず。
いつかの月の異変とは違って、数日間管理人不在というのは良くないのではないでしょうか。

そんな私の心配を他所に、のんびりした口調で答える幽々子さま。
「大丈夫よ、ホント妖夢は心配性なんだから。私たちが出掛けている間は紫が様子を視ておいてくれるって」
「紫さまが?確かに紫さまなら幽々子さまのご友人でもありますし、心配は要らないのですが。閻魔さまの許可とかも必要ではないのですか?」
「それも大丈夫よ。もう許可は取ってきたから」
早っ!?
今回はイヤに手際が良いですね。
いつものんびりした幽々子さまとは別人のようです。
でも、閻魔さまから許可が出ているなら問題は無さそうですね。

温泉かぁ。
しかも、幽々子さまと2人で外泊。
宴会みたいな夜通し飲んでいるようなイベントを省けば、初めてなのではないでしょうか。
うん、楽しみになってきた。
そうなれば、出発日までにちゃんと準備をしておかなくては。

「して、出発日は?」
「明日よ」
明日!?
ホント、今回は何から何まで早いですね。
今日当たって、明日行くのですか。
いくらなんでも早急すぎませんか?
しかも、もう夕方。
今日の夕飯の準備もしなくてはいけないのに。
「えーっと、とりあえず幽々子さまはご準備のほうをなさっていてください。私は夕飯後に仕度をしますので」
そう言って、私は炊事場に向かう。

スケジュールについては夕飯時に聞けばいい。
出発前から、この慌しさ。
普通の旅行では済みそうもない予感。
不安少し、でも期待は大きく。
私は抑えきれない笑みを浮かべて、夕飯の支度に向かった。



◇ ◇ ◇



当日。
私たちは、その温泉旅館の前にいる。
「噂には聞いてましたが。これは凄いですねぇ」
「ふふ、そうねぇ。来て正解だったかしら」
想像以上に立派な造りで、大きい。
温泉を抜きにしても、幻想郷で最大規模の旅館なのではないだろうか。
この敷地面積で、いつも予約で満室だとすると、噂以上に人気があるのだろう。
昨晩は、正直に言うと楽しみで中々寝付けなかったくらいだ。
本当に、来れて良かったと思う。
そんな私の感情が表に出ていたのだろうか。
横で幽々子さまが微笑みながら。
「今回は、めいいっぱい楽しみましょうね。妖夢」
にこやかに語りかけてくる。
その言葉に、少し恥ずかしく思いながらも。
「はいっ」
せっかく幽々子さまが当てて、私を誘ってくださったのだ。
今回は純粋に楽しもう。

そうして、私たちは旅館の中へと向かった。



◇ ◇ ◇



「うわぁ・・・」
私は、もしかしてとんでもない所に来てしまったのではないだろうか。
外見も立派だったが、中の造りも凄い。
これ、白玉楼に匹敵するんではなかろうか。
開いた口が塞がらない。

そんな私の所へ、従業員の方が出迎えに来た。
「いらっしゃいませ。西行寺幽々子さまに魂魄妖夢さまですね。お待ちしておりました。どうぞ、あちらのロビーで受付をしてください」
深々とお辞儀をし、丁寧に出迎えてくれた。
私は慌ててお辞儀を返す。
「い、いえ。この度は突然の宿泊になりまして、本当に申し訳ありません。あまりにも立派な旅館で少々圧倒されました。今回は色々とお世話になりますが、どうぞ宜しくお願いします」
「ふふっ」
そんな私を見て、微笑みながら幽々子さまが言う。
「そんなに畏まらなくていいのよ。私たちはお客様。あなたも今は従者としての身分を忘れなさい。言ったでしょ、めいいっぱい楽しむって」
無理ですよ、幽々子さま。
私が貴方の従者としての役目を忘れるだなんて。
でも。
もう少し、肩の力を抜くべきなのは確か。
せっかくの貴重な一時なのだ。
私が固くなっていては、幽々子さまだって楽しめない。

そんな私たちを微笑ましいように見ながら、旅館の方は案内を始めてくれた。



◇ ◇ ◇



部屋に案内された。
こ、これは立派な部屋で。
これが噂に言う、スイートルームってやつですか?
基本的に和室。
ただ、広さ・・・。
というよりも、部屋数が普通の旅館とは大きく違うのではないか。
白玉楼の宴会用大広間と同じくらいの広さの部屋が3つほどある。
「まさか、福引の懸賞でここまでの部屋が取れるとは」
部屋からの眺めも良い。
唖然としている私の横で、幽々子さまが話しかける。
「抽選会の人に聞いたんだけど、早く当たった順に豪華になるらしいわよ」
「え、そうなんですか?」

幽々子さま曰く。
最初に一等賞を当てたペアは、最上級の部屋が用意されるらしい。
一等賞は全部で3ペアくらい当たるらしいが、この部屋だけは最初に当てた人だけらしい。

「さて、と」
荷物を置いた幽々子さまが、にっこりと私に話しかける。
「まずは、温泉ね。いつものお風呂より時間は早いけど、折角の温泉旅館よ。早速行ってみない?」

・・・あぁ、やっぱし来て良かった。
とても楽しそうな幽々子さまの笑顔。
その顔を見るだけで、私は幸せになれる。
幽々子さまがそう望むのであれば、行くわけにはいかない。

「えぇ、行きましょう!」
幽々子さまと一緒にお風呂に入るなんて、少々気恥ずかしい。
でも、それを楽しんでいる自分がいる。
だから、今回は遠慮なく楽しもう。
それが幽々子さまの望みなら。



◇ ◇ ◇



廊下を歩き、温泉に向かう。
温泉なんて初めてだ。
きっと、凄く気持ちいいに違いない。
初めての経験に心踊らせる私。
そんな私を、優しい笑みで見つめている幽々子さまの視線に気付く。
ちょっと恥ずかしく思いながらも、やはり楽しみを隠せない私。

そんな私たちの前に。

「・・・ナズーリンさん?」
「おや、冥界の御両人ではないか。君たちも来ていたんだね」
前方から歩いてきたのは、命蓮寺の小さな小さな賢将、ナズーリンさんだった。
私は異変には関わっていないが、人里によく買い物に行くので知っている。
特にナズーリンさんの名声は私の耳にだって入っている。
あらゆるものを探し出せることが出来る、幻想郷一のダウザー。
浴衣を着ているということは、もう入ってきたのだろう。
顔がほんのり紅くなっている。
そして。
「なずっ!」
ナズーリンさんを囲むようにちょこちょこ歩いている小さいナズーリンさんと同じ姿をしている取り巻きたち。
なずりん。
なんでも、部下の小ネズミたちがナズーリンさんと同じ姿になってしまったとか。
原因は不明。
噂には聞いていたが。
・・・可愛い。

「ふふっ。その子たちが噂のなずりんなのね。今回はその子たちと一緒に温泉旅行かしら?」
私の横にいた幽々子さまが聞く。
「あ、あぁ。正直なずりんたちが泊まれるかどうか心配だったんだが。杞憂に終わったよ。この子たちの説明に奔走した日々が懐かしいよ・・・」
遠い眼をして答えるナズーリンさん。

・・・苦労したんですね。
でも、その苦労の結果は出ているらしい。
なずりんたちも全員、浴衣を着ている。
自前ではあるまい。
もしかして、旅館にあったんですか、なずりんサイズ。

「でも、良かったじゃないですか。部下たちと水入らずで過ごすことが出来るんですから」
その私の発言に。
「え?」
首を傾げるナズーリンさん。
ん?
私、何か間違ったこと言いましたか?
「何を言っているんだ、妖夢。今回はご主人様と一緒にきたんだよ」
そう、少し照れくさそうに答える。
「・・・」
「・・・」
私たちの沈黙に疑問を感じたのか。
「ど、どうしたんだい。偶々ご主人様がこの宿が取れたというので、お供させてもらったんだ。おい、ご主人様。貴方も黙ってないで挨拶くらいしたら」
そう言いながら振り返るナズーリンさん。
その先には。

誰もいなかった。

振り返ったまま固まるナズーリンさん。
「・・・」
「あらあら」
何と言えばいいか分からない私に対して、笑みを浮かべて見つめる幽々子さま。

・・・。
・・。

数十秒続いた、沈黙。
そして我に返ったナズーリンさん。
すぐさま、なずりんたちに指示を出す。
一瞬にして散開するなずりん。
それを見送った後。
「・・・探してくる」
項垂れながら、とぼとぼと歩いていくナズーリンさん。
迷子になったんですね。
手のかかる主人を持った、という所では共感が持てる。
幽々子さまには失礼ですが。
今度、一緒に飲みましょう。
そんな思いを秘め、私たちは温泉へと向かっていった。



◇ ◇ ◇



そして、浴場。
「うわぁ」
これは、広い。
様々な温泉にがあるところをみたら、様々な効能がある温泉が揃っているのだろう。
あ、あの泡がブクブク浮き上がっているのはなんですか!?
そんな高揚している私を嗜めるように。
「とりあえず、身体を洗いましょう。温泉では入る前にかけ湯くらいは最低限のことでしょ」
おっと、そうだ。
皆が入る公共浴場だ。
まずは身体を洗うのは最低限のマナーだ。



「では、背中を流しますので」
「あら、ありがとう」
そう言った幽々子さまが身体に巻いていたタオルをとる。

・・・。
うわぁ、本当に綺麗な身体だ。
後ろから見ているだけでも、完璧なスタイルだとわかる。
これはヤバイ。
同じ女性だというのに、心拍数が跳ね上がる。
まだ温泉に浸かってないというのに、体温が上がる。
触れていいのか?
こんな美しい身体に触れていいのか?

いや、そんなに迷っている暇はない。
早く終わらせないと、幽々子さまのお身体を冷やしてしまう。
私は、1回大きく深呼吸して気持ちを落ち着かして、幽々子さまの背中を優しく擦る。
まるで貴重な割れ物を拭くかのように、丁寧に。

滑々した、柔らかい肌。
白くて、美しい背中。
見ているだけでゾクッとくるような完璧なライン。
タオル越しだというのに、まるで直に触れているような感触。
クラクラしそうな理性を懸命に保ち、丁寧に洗う。
「背中、洗い終わりました」

未だに沸騰しそうな頭で、なんとか言葉を搾り出す。
お、終わった・・・。
色々な意味で安堵して、ホッと一息つく。

だというのに。

私の方へ振り向いている幽々子さまの顔は。
どこか不満げだった。

「あ、あの。もしかして不手際がありましたか?」
私が不安そうに聞く。
そんな私の思惑を他所に。
「いいえ。とても心地よかったわ」
え?
なら、一体何が不満だと?
「こんなに気持ちよく洗ってくれたのに・・・」
そう寂しそうな声で呟く幽々子さま。
そして。

「なのに、何で背中だけで終わっちゃうの?ちゃんと前も」
「アンタ何とんでもないこと口に出しやがりますかぁあああああああ!?」

洗えるわけ無いでしょ!?
背中だけでいっぱいいっぱいなんですよ、私は!
そんな注文まで受けた日には、私は爆死しちゃいますよ!?



幽々子さまの不満をなんとか押しのけて、前は自分で洗ってもらった。



「さ・て。妖夢♪」
一通り身体を洗い終わった幽々子さまが楽しげに私の方へ振り向く。
お願いです、幽々子さま。
目のやり場に困りますから、身体全体をこちらに向けるの、やめてもらえませんか。
いや、そんなことより。
物凄く楽しげな笑みを浮かべている幽々子さま。
嫌な予感。
こんな表情をしているときは、決まって宜しくないことを考えている。
特に、私に対しては。

そして、その私の予感は的中した。

「次は、妖夢の番よ」
え?
私の番?
それって、つまり。
「ゆ、幽々子さまが私の背中をお流しになると!?」
いやいや。
そんな恐れ多いこと。
主が従者の身体を洗うだなんて。
私の困惑した表情を見て。
「さっきも言ったでしょ。今日は従者としての役目を忘れて、二人でめいいっぱい楽しむって。貴方の普段から溜まっている疲れを洗い流してあげたいの、私自身の手で。私からのささやかな恩返し。いや?」

そんな事を幽々子さまから言われたら、拒否なんて出来ませんよ。
やはり、幽々子さまはお優しい方だ。
貴方のような主に仕えることができて、私は幸せ者です。
そんな幽々子さまのお心遣いを無下になんてできない。

「そ、それじゃあ。お言葉に甘えて」
私が、背中を向ける。

そして、優しく背中を洗い始める幽々子さま。
あぁ。
すごく気持ちいい。
擦る力加減。
背中越しに伝わってくる、優しさ。
すべてが心地よい。
本当に、本当に来て良かった。
感動を胸に、そう感じる私。

だというのに。

「さて、と♪」
いきなり後ろから抱き着いてくる幽々子さま。
ちょ、ちょっと待ってください!
いきなり何を。
柔らかいものが。
大きくて物凄く感触の良い二つの柔らかいものが背中に!
「な、何を!?」
私が慌てて振り向く。
「あら、何って。決まってるじゃないの」
そこには、妖艶な笑みを浮かべている我が主。
「洗ってあげるわ。隅から隅まで。ふふっ、良い考えでしょ。こうしたら、前を洗いながら後ろも」
「この創想話から作品を抹消させるつもりですか幽々子さまは!?ダメですって!色々問題アリですから!しかもこんな公共の場で!」
「大丈夫よ。誰も見ていないんだから」
「いますって!そこの温泉に浸かっている人が2人!」
私の視線の先には。
確かにいる。
2人のお客さんが。
しかも見覚えがある。
伊吹萃香さんと、星熊勇儀さんだ。
2人の鬼が、杯を交わしながら楽しそうに温泉に浸っている。
「大丈夫よ。あの2人はこっちなんてアウトオブ眼中よ」
「そういう問題じゃないですって!や、やめてください幽々子さま!し、死ぬ!色々な意味で死んでしまう!・・・あぁ、あぁあああああああああああ!!」



◇ ◇ ◇



温泉を後にし、私たち2人は廊下を歩く。
え?
あの後何があったかって?
聞かないで。
詳細話したら、私たちはこの世から抹消される・・・。

と、ともかく忘れよう。
温泉に来て、温泉の思い出を忘れるのは間違っている気がするが。
ちゃんと、あの後ゆっくり温泉には浸かったのだ。
それでいいじゃないか。

「あら?どうしたの妖夢。泣きそうな表情して」
貴方がそれを言いますか!?



そんなこんなで、私たちがある1区間に出る。
そこでは。
「あらぁ。温泉に卓球が付き物っていうのは本当なのね」
私たちの視線の先には、卓球場があった。
あるんですね、卓球場なんて本当に。
作者なんて温泉施設で卓球場なんて見たこと無いって言ってましたけど。
で、その卓球場で遊んでいる2人組。

「この組み合わせは意外ですね」
「いいんじゃない?楽しそうにやってるんだから」

その場にいたのは、風見幽香さんと稗田阿求さんだった。
2人で懸命にラケットを振る。
ハイスピードのラリー。
幽香さんはともかく、結構運動神経良いんですね阿求さん。
最強と名高い幽香さんと互角の動きを見せる阿求さん。
阿求さんって、結構インドアな感じがしてましたが。

「いやぁ、本当に若いもんは元気があっていいなぁ」
「そうですねぇ、おじいさん」

ふと、横を見ると。
私たちと同じように観戦している老夫婦がいた。

「あ、あの。この2人、かなり長いことラリーを続けているのですか?」
私がその老夫婦に尋ねてみる。
「おぉ、そうじゃあのう。・・・かれこれ、30分くらいは続いているかのぅ」
そ、それは凄いですね。
30分って、どれだけ体力と集中力を持続させているのですか。
新たな2人の一面。
特に阿求さん。
実はそこらの妖怪と弾幕ごっこしていてもおかしくないんではなかろうか?

「今日は卓球は見送りましょう。これは長期戦になるわよ」
そう幽々子さまに促され、私たちはその場を離れた。
折角だから、幽々子さまと卓球してみたかったですが。
まぁ、明日空いていた時でいいか。
どっちが勝つかというのは大変興味深いですが。



◇ ◇ ◇



「幽々子さま。次は何処を・・・、あれ!?」
い、いない。
何時の間にか私の側から消えてしまった幽々子さま。
辺りを見回しても、そのお姿は確認できない。
はぁ・・・。
仕方ない、探すか。

私が辺りを見ながら歩いていく。
おや。
あそこにあるのはお土産屋。
もしかしたらいるかも。
淡い期待を胸に、お土産屋に向かう。



◇ ◇ ◇



お土産も充実してますね。
饅頭や煎餅、クッキーや定番の温泉たまごまで。
このぬいぐるみは、この旅館のマスコットキャラクターでしょうか。

正直、キモいです。

そんなお土産屋を見渡していると。
「あれ、永琳さん?」
そこにいたのは永遠亭の薬師、八意永琳さんだった。
私の声に反応し、こちらに振り向く。
「あら、貴方は冥界の庭師さんでしたね。妖夢ちゃん、貴方もこの旅館の予約が取れたの?」
私も以前、色々な意味でお世話になった方が話しかけてくる。

永琳さんとの面識は多くないですが、よく人里に訪問販売にくる鈴仙さんには会う機会がある。
流石に、冥界まで訪問販売はこれないですが、偶に薬の調達に私が永遠亭に訪ねることはある。
幽々子さまに薬は必要ないですが、私は半分人間。
当然、体調を崩すこともある。
なので、定期的に薬を貰いにいくことがあるのだ。

「ご無沙汰しております。予約を取れた、とは少し違います。当たったんですよ」
「あら、もしかして鈴仙が言ってた人里の福引?」
すごいじゃない、と私の頭を撫でまわす。
や、やめてください。
恥ずかしいじゃないですか。
なんでこの人といい、鈴仙さんといい私を子ども扱いするのでしょうか。
永琳さんの誤解を解くために、幽々子さまが当てたことを言う。
「なるほど。あなたのご主人様は相当なツキを持っているようね」
「ツキ、というのであれば永琳さんも中々のものじゃないんですか?この旅館、予約を取るのが凄く難しいって」
「えぇ、珍しく姫が『4人で何処か出掛けましょう』って言うから、試しにココの予約を取ってみたのよ。そしたら、ね」

なるほど、輝夜さんの提案だったのですね。
確かに、あの人が自ら皆を何処かに連れて行こうとするのは珍しいことなのかもしれない。
あまり外出しているところを見たことないですからね。

「で、当の本人は何処にいらっしゃるのですか?4人っていうことは鈴仙さんとてゐさんも来てるんですよね。見当たらないのですが」
その問いに、困ったような笑みを浮かべて。
「それがね・・・。気付いたらいなくなっていたのよ、姫」

なるほど。それで2人が探しにいっていると。
大変ですね。
こっちも人事じゃないんですけど。
2人して主消息不明状態。
・・・そういや、ナズーリンさんも星さんを探しに行ったような。

「あら、もしかしたら此処の温泉には主を迷子にさせる効能でもあるのかしら」
少し楽しそうに恐ろしいことを思いつく永琳さん。
イヤですよ、そんな効能。
迷子続出の迷宮旅館として人気ガタ落ちになる気がするんですが。



◇ ◇ ◇



永琳さんと別れた後、幽々子さまは見つかった。
部屋でのんびりとお茶を啜っていた。
一発殴っていいですか?



◇ ◇ ◇



そして夜。
夕飯は、大広間での食事となるらしい。
廊下を進んでいく私と幽々子さま。
「妖夢の食事が一番なんだけどねぇ」
「やめてくださいよ、恥ずかしいじゃないですか」
そういってもらえるのは大変嬉しいが、今日は旅館の食事を味わってもらいたい。
あまり白玉楼以外では食事を取らない幽々子さま。
そりゃ、宴会や八雲家へと赴くときはあるが。
だから、今回の旅館での食事を是非楽しんでもらいたい。
私も、正直楽しみなのだ。



大広間に着く。
なるほど、此処で他の宿泊客と共に食事をするわけですね。
実際、すでに大広間には他の宿泊客も大勢いた。
旅館の方に案内され、席に向かう。
そこにいたのは。

「おや、2人も今から食事かい?私たちも今からなんだ」
「これはこれは。幽々子さんに妖夢さん。こんな所でお会いできるとは」
先に席に着いていたナズーリンさんと星さん。
そして大量のなずりんたち。
あるんですね、なずりんサイズの座布団。
この分だと食器とかもなずりんサイズが出てきそうですね。

「あら?ご主人様は見つかったのね」
「ちょっと、永琳。その話はもうやめてくれないかしら」
「よ、妖夢ちゃん・・・!お師匠様の言うとおり、本当に来てたんですね!」
「・・・本当、奇遇だよねぇ」
あ、そちらも見つかったんですね。
永遠亭の4人組がそこにはいた。

「お~~~、幽々子に妖夢じゃないかぁ!2人も、・・・ヒック。ここの温泉が取れたんだねぇ~」
「ハハハッ!!いいじゃないか、大勢いて。良いねぇ、酒がすすむってもんだよ!」
すでに酔っ払っている萃香さんと勇儀さん。
ふぅ、どうやら温泉で鉢合わせになったことは、本当にアウトオブ眼中だったらしい。
というか、まだ食事も運ばれてきてないのに酔っ払っているのはどういうことでしょうか?
まぁいいか、この2人に関しては。

そして。
「へぇ。貴方たちも来ていたのね。ここまで知り合いが揃うだなんて。幻想郷は狭いのやら広いのやら」
「本当に奇遇ですよねぇ。私もまさかここまで有名な人妖が揃うだなんて予想だにしてませんでしたよ。よかったら、色々お話聴かせてくださいね」
さっき卓球場で見かけた幽香さんと阿求さん。
2人で向かい合わせに座っている。
私たちがその隣に、同じように向かい合わせに座りながら尋ねてみた。
「珍しいですね。お2人が一緒にいるだなんて」
「あら、やっぱしそう見えるかしら?確かに私が人間と一緒にいるなんて珍しいことかもしれないわね。例えこの娘が稗田家の主だとしても」
「確かに、私は書物を書く上で様々な人妖と顔を合わせはしますが。外出先で幽香さんと同席するとは思いも寄りませんでした」
あれ?
今の阿求さんのセリフを聞いていると。
「あらぁ、貴方たちは一緒に来たんじゃないの?」
私の疑問を代弁するかのように、幽々子さまが尋ねる。
「当然じゃない」
当たり前のように答える幽香さん。
「私が人間を誘うような性格に見える?私は基本的に一人が好きなのよ。もちろん、花好きが花畑に来たら丁重におもてなしはするわ。今回はそれと少し似た感じね。私に純粋に興味を持って話しかけてきた相手を無下に扱う気はないわ」
「そういうわけで、こうして同席させてもらっているのですよ。私も、今回は一人でやってきました」
従者さんたちは今回連れてこなかったみたいですね。
旅館に来るくらいなら1人でも大丈夫でしょう。



◇ ◇ ◇



そんなこんなで皆と話し込んでいると。
「来たわよ妖夢。あれが私たちの夕飯ね」
お、ようやく来ましたか。
それぞれの席の前に食事が置かれる。

うわぁ、いっぱいありますねぇ。

御飯、お吸い物、漬物は勿論。
天ぷら、刺身などの魚系メインのおかず。
あ、煮物もありますね。
あれ、なんで御飯出てきたのに寿司が?
いやいや、なんで私と幽々子さまの席の間に海鮮盛りが出てきますか?
お膳の上に刺身あるんですけど。
これ海の魚ですか?
どっから摂ってきた!?
なんですかそれ?
あぁ、炭火焼。
肉料理もあるのですか。
牛、豚、鶏のどれがいいですかって?
なんですか幽々子さま、全部って。
・・・うわっ、本当に出てきたよ全部!
しかもサービスで馬肉もって。
おぉ、ついに大広間の一角に屋台が出てきましたよ?
え、セルフサービス?
ちょっとちょっと、ナズーリンさん何ピザ頼んでるんですか。
あるの!?
あ、永遠亭の皆さんがしゃぶしゃぶ始めましたよ。
萃香さんが酒酒って叫び始めました。
と、思ったら出てきたよ、酒。
しかも種類豊富ですね。
清酒、焼酎、ウイスキー、ワイン、ビールなどなど。
え、なにこれ、メタノール?
ちょ、やめてくださいよ!
これは冗談でしょ!?
てか、幽香さん!
なに唐突にラーメン食べてますか!?
私は豚骨が好き?
知らん!



こうして、宿泊客と旅館店員が一同に暴徒と化した夕飯が始まった。



◇ ◇ ◇



「よーむちゃーん。飲んでるぅ?ねぇ、飲んでる~♪」
ウィスキーの瓶を片手に私に擦り寄ってくる鈴仙さん。
その間にも次々と運ばれてくる酒地肉林な品々。

まだ出てきますか。
誰ですか、こんなに大量に飲み食いしているのは。
・・・その大食いメンバーの中には意外にもナズーリンさんがいました。
「なずーりん、なずーりーん・・・」と虚ろな目でウットリした感じの星さん。
酔っ払ってますねぇ。
それをスルーしながら、なずりんたちと仲良く飲み食いしている。

というか。
「れ、鈴仙さん。ちょっと飲みすぎなんじゃないですか?ウィスキーはちゃんと割るなりして飲んでますよね?まさか瓶でそのまま飲んだりしてませんよね?」
「うふふ~。あぁ、なんでこんにゃによーむちゃんはよーむちゃんなんでぃりゃかにゃぁ?今日はいっぱい飲みましょーねぇ」
ダメだ、聞いちゃいねぇ。
完全に酔っ払いモードで私に絡んでくる。
鈴仙さんは現在ポニーテールにしている。
なので、少しはだけた感じの浴衣から覗くうなじが綺麗だなぁ・・・。

じゃ、じゃなくて!
慌てて視線を逸らした先には幽々子さま。
ニコニコしながら食べているお姿から、気のせいかどす黒いオーラが視える。
そんな主に背筋を冷やしながら、今度はてゐさんの方へ向き。
「あ、あの、てゐさん。ちょっと鈴仙さんが危なげな感じになってきたのでどうにかしたいなぁって」
そう言いながら向かった視線の先には。

「ふふっ、鈴仙鈴仙鈴仙れーせん・・・。そんなにお気に入りなんだ。そうなんだ、そーなんだ。私とは所詮お遊びだったんだ。そりゃ毎日毎日悪戯しているけどそれは鈴仙に構ってもらいたいからなのよ。付き合いだって長いのに。なのにアンタはその庭師がそんなに気に入っちゃったわけですか。それなら私にだって考えはあるよ。これから毎日毎日鈴仙の寝室に行って鈴仙の布団に潜り込んであーんなことやこーんなことを色々ヤりまくって、それから、それからぁ・・・」

うわっ、黒っ!?
幽々子さまに匹敵するどす黒いオーラ全開のてゐさんが危ない目つきでこっちを見ている。
その手には、一升瓶。
ダメだ、この人も完全に違う世界の住人になっている。

そうだ、永琳さん。
彼女ならきっと鈴仙さんを(あと、てゐさんも)どうにかしてくれるはずだ。
そういって視線を向けた先には。
「姫ぇ~、姫ぇ~。私の弟子たちが無視するんですよぉ。構ってくれないんですよぉ。だから姫さまぁ、今日は沢山飲みましょう。私に構ってくれる人なんて姫さまぐらいですぅ」
「あぁっ!だから貴方は飲み過ぎないようにって言ったでしょうが!まったく。昔っから酒が入ると途端に甘えん坊になるんだから。ちょ、ちょっと永琳!寄るな、擦り寄るな、何私の浴衣に手をかけてるのよ!」

・・・頑張ってください、輝夜さん。
くそっ、他に味方はいないのか!?

「ミッシングパープルパワー!!」
「ハハハッ!何小さくなっていってるんだ?それじゃあ何時もと逆じゃないか!」
「分かってないなぁ、勇儀はぁ。こーすると・・・、グビッ、グビッ、グビッ」
「な、なるほど!自身が小さくなることで大量の酒を味わうことが出来るって訳だな!やるじゃないか、萃香!だが私も負けちゃあいられないねぇ!おい、女将!酒だ!もっと酒を持ってきてくれ!!」

あっちには最初から何も期待しちゃいねぇ。

そうだ。
さっきからいないんだけど、私の半霊はどこいった?
長年共に人生を歩んできた存在。
そんな相棒とも言える自身の半身を探してみると。
・・・いた。
幽香さんと、阿求さんが楽しく談笑しているところに、ちゃっかり加わってました。
よく、この狂乱騒ぎの中で微笑ましい空間作っていれますね。
羨ましいですよ。
正直、私もその輪に加わりたい気分ですよ。
てか、半霊戻って来いよ。




◇ ◇ ◇



終わらない宴。
全員暴走中。
黒いオーラ全開でうふふな状態の我が主。

・・・仕方ない。
こうなれば、私自身の手で全てを終わらしてやる。

と、言っても。
流石にこの人数、このメンツ。
私一人でどうにかできる状況じゃない。

私はチラリと横目で見る。
その視線の先には、ナズーリンさん。
その視線に、私のすべてを叩き込む。
もう頼れるのは、実質上この人1人。
私の視線に気付いたか。
こっちを振り向くナズーリンさん。
目配せは一瞬。
だが、永遠とも思わせるような感覚。
私の視線の意味をすぐに読み取ってくれたのだろう。
小さく、コクンと頷く。

それが合図となった。
これだけの強者共。
やるなら瞬殺。

見せてやろう。
西行寺幽々子さまに仕える白玉楼庭使、魂魄妖夢の力とやらを。



◇ ◇ ◇



その後の経緯を簡単に説明しよう。

とうとう辛抱溜まらんといった星さんが飛び掛ったところをナズーリンさんが全身全霊を込めたロッドで叩きつけ沈黙させ、その瞬間に私の指示でキリモミ状態で突っ込んでいった私の半霊が萃香さんの鳩尾にクリーンヒットし沈黙。
その光景に一瞬ポカンとなった勇儀さん目掛けてなずりんたちが渾身のアタック。
後ろにひっくり返った勇儀さんは柱に後頭部を強打して気絶した。
その間に私は鈴仙さんを振り払い(すでに鈴仙さんは酔いつぶれていてダウン)、永琳さんを「ヒテンミツルギスタイルオトリヨセー!」と叫びながら唐竹、袈裟斬り、右薙、右斬上、逆風、左斬上、左薙、逆袈裟、刺突に白楼剣を同時にぶち込み討ち取った。
そして、私たちの行動に便乗した輝夜さんが「メタルギア○リッド!!」と叫びながら、てゐさんのこめかみにフックを叩き込んだ。

そう。
今宵の惨劇がすべて終わった瞬間だった。

そして、最後まで穏やかに談笑していた幽香さんと阿求さんには罪は無いということにしておこう。



◇ ◇ ◇



(意識を保っていた)皆と別れ、私たちは部屋へと帰って行く。
「みんなでワイワイ騒ぐのは楽しいものよねぇ、妖夢」
十分に楽しんだといった表情の幽々子さま。
いや。
アレは楽しいというより、単なる暴走劇だったような。
てか、幽々子さま不機嫌でしたよね?
理由は分かりませんが、黒いオーラ全開でしたよね?

ともかく、今日はもう疲れた。
なんで温泉に来て疲れなくちゃいけないのかは不明だが。
でも、あと一日あるのである。
二泊三日だが、最終日は午前中にチェックアウトだ。
実質上、この旅館で楽しめるのも明日が最後である。

「さぁ、今日はゆっくり寝ましょう。明日はゆっくりこの旅館の施設を周ってみましょう」
「そうねぇ。楽しみは明日も続くのだから」
私の問いかけに、嬉しそうに答える幽々子さま。
全く。
明日はのんびりした1日を過ごしたいものだ。

部屋に着いた。
さぁ、今日はゆっくり休もう。
そう思いながら襖を開けてみたら・・・。

大きめの布団に、2つの枕。
これ、完全にダブルベッド状態ですよね。

もう、どういった表情をしたらいいか分からない私が呆然としている横で。
「あらあら、ここの旅館は随分気が利くのね」
なんて嬉しそうに微笑んでいる幽々子さま。
いや、気が利くとかそんな問題じゃないでしょ!?
これ不味いって!
私絶対不眠症になるって!

そんな私を他所に、ほらほらと手を引いて布団に誘う幽々子さま。
あぁ!
もう、どうにでもなれ!
私は恥ずかしさを必死に隠すように布団に潜り込む。
幽々子さまと一緒の布団だなんて。
死ぬ。
恥ずかしくて死にそうだ。
ちょっと嬉しいといった感情が頭によぎる自分がもっと恥ずかしい。

私は、幽々子さまに背を向けて寝る。
こんな状態で幽々子さまの顔なんてまともに見れやしない。
困惑さと、それを上回る嬉しさが煩わしくて、ぎゅっと目を瞑る。

そんな私を。
幽々子さまは後ろからぎゅっと抱きしめた。

「・・・こうして、貴方と一緒にいるのは、私にとってはとても素敵なこと」
そう、静かに囁く。
「これからも、貴方はこうして私と一緒にいてくれる?ずっと、ずっと・・・」
私を抱きしめる力が、少し強くなる。
私の背中に額を押し付ける感触が伝わってくる。
あぁ、暖かい。
私は、その手をぎゅっと握り。

「ずっと、貴方と共にいますよ」

それだけは、絶対に変わらない思い。
幽々子さまと共にいられる幸せ。
それは、きっと貴方が思っているよりも、ずっと、ずっと、私にとっては幸せなことだろう。
だから。
貴方からは決して離れない。
そう誓うように。
握るその手を、さらに強く握った。



◇ ◇ ◇



「で、よーむ♪」
「ちょ、ちょっと幽々子さま!なに浴衣に手を潜らせようとしてるんですか!?」
「ふふっ、そそると思わない?抵抗する愛する人の浴衣に手を忍ばせる・・・」
「知らんわ!そんな危険な考えはすぐさま捨ててください!」



ホント、明日は穏やかな日々が過ごせますように。
これにて、妖夢と幽々子の楽しい温泉旅行の話はおしまいです。

作り終わるまでに、何故か異様に時間がかかりました。
最後まで読んでくださって本当にありがとうございました。
エクシア
https://twitter.com/ekusia27
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コメント



0.1470簡易評価
1.100名前が無い程度の能力削除
uhoho
2.100奇声を発する程度の能力削除
>「ヒテンミツルギスタイルオトリヨセー!」
懐かしいなwwww
他にも突っ込みたい所が沢山あって面白かったですw
3.70名前が無い程度の能力削除
消えちゃうなら仕方ないな。
さぁ妖夢、早く詳細を事細かに話すんだ!

というか幻想郷メンバー集まりすぎw
6.90名前が無い程度の能力削除
メタネタww。収集がつかない収集付け方のお手並み見事です。
12.100名前が無い程度の能力削除
読みやすくて笑えたしこの点数で。
15.無評価エクシア削除
※報告
パスワードを打ち間違えたみたいで、作品の編集が出来なくなってしまいました。
誤字などが見つかったのですが修正不可能状態です。
お見苦しい点があるかとは思いますが、ご了承お願いします。

大変申し訳ありません。
20.100名前が無い程度の能力削除
エクシアさ~ん!弟子にしてください!!
29.100名前が無い程度の能力削除
いますぐあそこで布団の先とかえーりんのその後とか書くんだ!!
33.100名前が無い程度の能力削除
面白かったです。
34.無評価削除
面白かったです。
40.100名前が無い程度の能力削除
旅館の夕食がカオス過ぎて読み直してしまった・・・