グルメ度 ★★☆☆☆
「何度来ても同じだ」
妹紅は溜めた息を吐き捨てるように言い放った。
三通目となる手紙をバサリと投げ捨て、どかどかと小屋の奥に戻っていく。
打ち捨てられた書面の表紙にはでかでかと力強い文字が踊っていた。
『果し状』
小屋の入り口近くで、ナズーリンが自らの主の直筆となる書状を拾い上げ、丁寧にたたみはじめている。
「そこを何とかならないだろうか?ご主人はすっかり君の腕前に惚れ込んでしまっているのだよ。妹紅」
ナズーリンが妹紅を訪ねるのは今日で三度目となる。三顧の念願を重ねても、主人からの「料理勝負」の申し込みはことごとく跳返されていた
(私はもう果し合いはしない。それ以上言うことは無いよ)
料理勝負と言えど、真剣勝負である。ここ幻想郷においては、それはたぶん命の保障も出来ない果し合いと言える
のだ!
妹紅は奥からタバコの箱を持ってきて、ナズーリンに差し出す。ナズーリンは手のひらを見せて苦笑する。
「輝夜といつもやってる『アレ』は果し合いでは無いのかい」
「アレは『お.あ.そ.び.』だ」
妹紅の口からぽかりと煙の塊が昇っていく。
おあそびでもいいから――。
ナズーリンは一瞬そう言い掛けたが寸前でそれを飲み込んだ。いけない。これは自分の主の真っ直ぐな願いを踏みにじる暴言だ。気をつけなければ。
ナズーリンは自分の軽挙に冷や汗を掻きながら、手元の手紙に視線を落とした。
綺麗に折りたたまれている書状には、主の力強い筆跡がウラにも透けてみえている。見慣れた主の花押がいつもよりほんの少し跳ねているのは見間違いではない。ナズーリンは彼女のその一途な筆跡に目を細めていた。
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~~かしこ 恐々謹言
壱拾月廿八日 (朱印)
藤原妹紅殿 謹上
寅丸星
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テキ屋の虎!!
幻の銘店と言われる鉄板焼き屋台 『天翔』
この店の暖簾を潜る幸運に恵まれたのは、ほんの偶然であった。
「あっっ!!!」
ぬえが突然大声を上げたのは人里での説法からの帰り道だった。
少し離れて前を歩いていた聖や星達は何だろうと振り返ったが、小傘は腰をぬかして尻餅をついていた。
「『天翔』がやってるっっ!!!!」
ぬえは離れた竹林の小道の方を指差して叫んでいた。
迷いの竹林に住む蓬莱人:藤原妹紅の屋台は郷の銘店中の銘店として知られる存在であった。
店は彼女の気が向いた時にだけ、予告も無しに出される。何ともアバウトなやり方だが、味は幻想郷でも右に出るものはいないという。
自分達が幻想郷に来てから一年ほど経っているが、それでも今まで話を聞かなかったのは前回店を出したのがそれより以前だったからだろう。
幻も幻。正真正銘の隠れた銘店というわけだ。
その時は、その場にいた者誰一人としてその名前を知っている者は居なかった。
普段あちこちで遊び回っていて、ちょっとした事情通となっていたぬえだけが、その存在を知っていたのだ。
ナズーリンの主:寅丸星はここの焼き物メニューの味にすっかり惚れ込んでしまった。
「私は常々自分は焼き鳥屋だと思ってる」
妹紅は串を馴れた手つきで操りながらそういっていた。
鉄板焼きといいながらここの名物は実は「焼き鳥」である。それは表向きは裏メニューとして扱われていた。
彼女の話によると、ここ幻想郷では焼き鳥は反対運動が多いのだという。裏メニューとしてしか扱えないと妹紅はぼやいていた。
焼き鳥、野菜炒め、だしまき卵、ほうれん草(ポパイというユニークな名前だ)、お好み焼き。
「うっまっっ!!」
「これは…………。かなりのものだね……」
どれをとっても超一級品の味だ。
実は我が命蓮寺は、こういっては何だが鉄板焼きメニューには非常にうるさい。
精進料理というのをご存知だろうか?一般的には非常に味気の無い、ストイックな料理として知られている僧侶の食事だ。
食材に制限もあるが、反面それだけに料理方法のレパートリーが実に豊富だ。焼き物は後に懐石料理の定番となる程、古くから研究されているメニューだ。
特に星は『お好み焼き』の名手として我が寺内では知られている。
お好み焼きは、今ではあまり知られてはいないが元々は仏事に供される菓子が原型である。
その起源は平安時代とも奈良時代ともいわれ、それよりも更に下るとも言われる。
小麦粉を水で溶かし、野菜や肉と一緒に焼いて食べるという食文化は、ルーツをたどれば紀元前、エジプト文明の頃には既に見られる料理方法だ。
日本ではそれは昔から安価で手軽に出来る、しかもおいしい料理ということで、古くから家庭のなかで広く浸透していった。
我が主:寅丸星にとっても実に千年近く研究を続けてきた料理である。
「是非一手ご所望願いたいものです」
その日の夜、星はナズーリンを自室によんで、そう打ち明けた。
星はお好み焼きに関しては高いプライドを持っている。傍目にもまさに天才的な腕前であると思う。
天才は、もう一人天才が他にいることがガマン出来ないのだろう。
「藤原さんの元に使者に立っていただけますか?」
何時に無い積極的な星の姿勢にナズーリンは驚いていた。
「………………………………めずらしいね。……というより始めてだね。ご主人から勝負を仕掛けるなんて……」
「そ、そうでしょうか?…………おかしいでしょうか?」
星は静かな決意を湛えた表情を頼りなく崩していた。
だが、ナズーリンは首をふった。その表情にかつて無い闘志が漲っていたからだ。
「いいよ。引き受けよう。私にとっても楽しみな事だ」
その目の輝きは最近の星には無いものだった。いや、何百年ぶりくらいかもしれない。星の瞳には確かに静かに燃える「虎」の輝きが宿っていたのだから。
「しかしご主人。藤原妹紅と言えば……」
ややあって、ナズーリンは少し遠慮がちに星の顔色を伺うように言う。長く生きている妖怪にとって『藤原妹紅』の名を知らぬ者はいない。
大昔、妖怪の退治屋として名を馳せた人間だからだ。
「分かっています。そうですね……だからこそ、という思いもあるのです」
「ふむ……」
かつてあれほど名を馳せた妹紅が、何故今竹林で隠遁生活の様な暮らしを続けているのかは分からない。
幻想郷で妖怪と人間が楽しく語らうことの出来る今の時代でさえ、妹紅は世を避け、一人竹林に閉じこもっている様に見える。
ただその経緯はどうあれ、妹紅の料理が妖怪である星の心に火をつけたのは、何か因縁めいたものを感じる。
「ふむ、いいよ。ご主人。いい目をしている」
ナズーリンは満足していた。かつて命を掛けて殺しあっていた両者が、プライドを掛けて料理の腕を競うのだ。
星の部下として、そして何より一妖怪として、何としてもこの勝負は実現させたい。
主の星と同じく、ナズーリンの心の中にも静かな決意がメラメラと燃えているのを感じていた。
「ふう……」
せまい小屋の室内にはうっすらと煙が満ちていた。
ねずみ少女の嫌いな煙が部屋に満ちても、彼女は帰ろうとはしなかった。
外は夕焼けの光が沈み、静かな夜の蚊帳が降りようとしている。
(少し考えさせてくれよ……)
妹紅にそのセリフを搾り出させるまで粘った事は、素直に賞賛したかった。
彼女の熱心で主を思う一途な瞳は、会う度に直視できなくなってきている。
妹紅が真剣な勝負ごとを避けるようになったのは、随分前からだ。
全力を懸けて相手と戦うことに、妹紅はいつしか疲れを覚えるようになっていた。
今は、かつて退治屋として戦った頃のように、妖怪と命を掛けて戦う事は無い。
彼女が戦ってきた多くの妖怪達も、お互い死力を尽くしたライバル達も、時の流れとともにいつしかいなくなってしまう。
この死ねない体は、繰り返し彼女を蝕む輪廻の無常に疲れきってしまっていた。
「ふーーーー……」
体から吐き出す白い煙が、天井にモヤモヤと薄気味悪い霧をつくっている。
「帰らないのか?」
妹紅は独り言のように呟いていた。ねずみの少女ナズーリンはとっくに彼女の元を辞している。今の妹紅の言葉は別の人物に対して向けられたものであった。
少しの静寂の後、彼女の背後にしずしずと静かな衣擦れの音が聞こえてくる。
蓬莱山輝夜が暗い小屋の奥から静かに現れていた。
「何しに来た?」
妹紅はナズーリンが彼女を口説いている間、ずっと輝夜の存在を感じていた。輝夜はナズーリンの見えている部屋の風景を「永遠」として切り取り、その場にいながらその風景の中に姿を眩ましていたのだ。絵の裏に隠れていたといった方が分かりやすいかもしれない。
同じ蓬莱人の妹紅にだけ、その存在は何処にいても感知する事ができる。彼女は今、妹紅の背後に静かに立つ輝夜の存在をはっきりと感じている。
「あなたを笑いに来た。 そう言えば、あなたの気が済むのでしょう?」
輝夜はぞっとするような美しい声色でそう切り出す。その声はほとんど音色といってしまってもいい。
妹紅は乱暴に煙を吐き出した。
「好きでこうなったわけではない。それはお前にだって良くわかるはずだ」
妹紅は腹立しげに呟く。
妹紅が不死の体を手に入れて以来、輝夜とは長い付き合いになる。輝夜はかつて妹紅が妖怪の退治屋として名を馳せていた時分を知る数少ない生き残りであった。
「しかし、同情が欲しいわけでもない」
「……帰れよ」
それだけに今の自分の姿を、輝夜は誰よりも気に掛けてくれているのを妹紅は知っている。
「ならば、彼らの期待にも応える藤原妹紅であって欲しい。それが私にいえる最大の言葉だ。 ……なんてね」
妹紅の両肩に輝夜の白い手がするりと落ちた。冷たい手ではなかった。
「久しぶりの面白い話じゃない。『あの頃』の血の騒ぎはもう無いのかしら?」
「何故地球圏にとどまっているのだ」
妹紅もまた、輝夜の奇妙な運命を知る数少ない人物の一人だ。
そしてその内面の苦しみ、言いようの無い寂しさを共有する事が出来る唯一の存在でもある。
「蓬莱の魂は……月の裏側には無いわ。メビウスの帯の螺旋の境界は、この地球圏にこそある。この幻想郷にこそね」
「帯の……境界……?」
「ショーケースの中の焼き鳥は、鑑賞される道具でしかないと覚えておきなさい」
輝夜は少しだけ諭すような声で呟いた。
しばらくの沈黙の後、その気配はゆっくりと背後に遠ざかっていった。
「蓬莱の…………魂…………」
再び訪れた断崖の谷底のような静寂が、妹紅の肩に手を伸ばし始めていた。
妹紅は目の前のテーブルに整然と並べられている果し状をそっと手に取っていた。
『大決戦勃発!!焼きそば VS お好み焼き!!勝つのはどっちだ!!??』
『天下分け目の勝負!!人里龍神広場にて開催!!』
天狗の新聞に喧しい喧伝文句が踊ったのはそれから数日後だった。
ある程度予想していた事とは言え、郷の熱狂振りは少し想像を上回っていた。
天狗達は嬉々雀躍として連日特集を組み、号外を郷中にバラ撒いた。
「もう完全にお祭り騒ぎですね~……」
命蓮寺では事の騒がしさに寅丸星が参ったように苦笑を浮べていた。
四度目の嘆願の際、遂に妹紅は勝負の受諾を決意してくれたのである。
(この勝負、藤原妹紅は『焼きそば』で挑戦したい)
ナズーリンが持ち帰った妹紅の返事は、星を身震いさせるほどの力強さに満ちていた。
「まったくだよ……。神聖な勝負の場を何だと思ってるんだか……」
見事に使者の役割を果たしてくれた彼女の従者も、今は肩の荷が下りたような晴れやかな表情になっている。
もっともこの郷の喧騒振りには少々参ってしまっているらしいが。
「まあまあ、いいじゃないですか。楽しい事は良い事ですよ?」
寺の主人、聖白蓮は柔らかな笑顔を崩そうとはしない。たぶん本人も相当楽しみなのだろう。
「『里の守護者上白沢女史の大胆予想!!』……はあ、まったくこまったものだよ。どいつもこいつも」
ナズーリンは連日の号外の数々に目を通しながら頭を抱える。
今日は慧音の戦力分析のコラムが一面だ。里の守護者は真面目一徹なようでそうでもないらしい。
「さて、いよいよ勝負は明日です。この上はお互い後悔の無いよう精一杯戦って下さい」
白蓮は柔らかな表情で星の肩に手を掛ける。
連日、郷の話題をさらった勝負の期日も遂に明日にせまっていた。
「はい。仏法と日輪の輝きに掛けて。必ず勝利してみせます」
星もその手の上に、自らの手を重ねて力強く宣言する。
「相手はあの『天翔』の藤原さんです。かつては妖怪退治の専門家として鳴らしたお方。実力もかなりのものです」
白蓮はまだ尼僧だった時代から妹紅の存在は伝え聞いていた。当時は人間と妖怪はまだ血みどろの戦いを繰り返していた頃だ。
「はい、力いっぱい胸を借りるつもりです」
星も強い決意を胸に頷いた。新聞を見ても、人里に出向いても、今や話題に上るのは「どっちが勝つか?」という事だけだ。そして事前の下馬評は妹紅が圧倒的に有利である。この評価をいかにして覆すか。それはひとえに星の腕の見せ所でもある。
「明日はみんなで応援にいくよ。だからご主人は精一杯暴れてくれればいい。私達が付いてる」
二人の手の上にナズーリンの小さな手が重なる。星は見守ってくれる家族のいる幸せをかみ締めながら、もう一度頷いて見せた。
――人里には幻想郷中の人妖が集まっていた。
里中に昼間から花火が打ちあがり、沢山の屋台が列をなしている。
そして里の中央、龍神像のある広場には河童によって設営された特設会場が建てられていた。
「いやあ~~~!!集まった集まった!!」
因幡てゐは遠くを見渡すように額に手をかざして会場を眺めている。
スタジアムと呼べるほどの会場には、今や数万人の人妖が溢れかえっている。
輝夜の提案で勝負を全面的にプロデュースすることになった永遠亭は、このイベントを成功させる為、組織を挙げた活動をしていた。
広場周辺のお店や家も、スタジアム設営の為別の場所に立ち退いてもらったほどだ。
今日は開場5時間前から、人里からはみ出すほどの行列が郷に延々とつづいていた。今やスタジアムに溢れるほど集まった群集は、勝負の主役の登場を今か今かと待ちわびている。
「そろそろね……」
審判としてフィールドの中央にあった輝夜は空を見上げる。開始は正午と告知してある。日輪の光は、今まさに郷の中天に差し掛からんとしていた。
(この勝負、あなたは負けるわ)
久方振りの眩しい太陽の光に目を細めながら、輝夜は昨日の妹紅の様子を思い出していた。
輝夜のいきなりの宣言に、妹紅は晴れやかな笑顔で返したものだ。今までのお互いの関係から言えば、即殺し合いに発展しかねない挑発じみた発言だったのだが。
(人は変わっていくものだからな)
返答としては少々ちぐはぐな答えだが、妹紅は確かにそう答えた。そして昨日の二人の会話はこれっきりとなった。
ワアアアアアアアァァァァァァアアアアアアアアァァァァァァ!!!!!!!!!!
歓声が輝夜の心を現実に引き戻した。
スタジアムの人妖がいっせいに沸きたっている。会場に作られた、西と東のゲートから二人が入場してきたのだ。
そこかしこで、いっせいに旗や幟がゆれはじめる。
西のゲートから入場した寅丸星はお馴染みの天武の装束だが、いつもよりやや装備が多く派手に見える。太刀を履き、槍を手に颯爽と入場してくる姿は毘沙門天の弟子の名に恥じぬ勇姿だ。背に舞う羽衣が悠然と空に漂っていた。
一方東のゲートからは妹紅が入場してくる。こちらは打って変わっていつもと寸分変わらない格好で、ポケットに手を突っ込みやや俯き加減に歩いてくる。その姿は立派な装束の星に比べれば随分と地味に映った。
(全く……。もうちょっと格好良くしなさいよね)
輝夜はぶっきらぼうとも見られるその姿に、一瞬苛立ちを覚えてしまうが、すぐにその雑念を取り消した。
両者はフィールドに互いに用意された厨房につく。公正を期す為、厨房の基本的な造りは河童によって全く同じものが用意されるが、それぞれの食材、器具は自前のものを用意しなければならない。
鳴り止まない大歓声の中、二人は自分の厨房の食材や、器具を確認している。
「時間ね……。 『両者!前へ!』」
ワアアアアアアアアアァァァァァァァァアアアアアアアァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!
輝夜の声が凜と場内に響き渡ると、会場の歓声は一層激しさを増す。郷中の人妖達が、それぞれの応援する料理、相手の書かれた横断幕や旗をあちこちでさかんに振っている。
「い、いよいよだね……!!どうしよう……っっ!緊張するよ!!」
客席の最前列に位置した命蓮寺の面々は、数珠を手に星の背中に熱い眼差しを送っていた。
ぬえは頭に『南無三宝!』と書かれた気合の入ったハチマキを締めているが、さっきから不安そうに辺りをきょろきょろと見渡すばかりだ。
「大丈夫だよ!ご主人は必ずやってくれる!」
ナズーリンも力強くそう返すが、彼女も心臓が今にも口から飛び出してきそうな心境だった。はるか遠く、対岸の客席では同じように慧音の祈るような表情が見えた。彼女も思いは同じに違いない。
いよいよヒートアップしていく大声援の中、星と妹紅は輝夜のいるフィールドの中央に進み出ている。輝夜が両者に細かい注意点の説明をしているらしく、二人の頭が小さく何度も頷いているのが見えた。
星が何か短く妹紅に話しかけている。妹紅が「ああ」と言って頷くのが口の動きでわかった。
その短いやり取りがあって、両者は互いに手早く握手すると一気にさっと7、8間ほどの間合いに飛びのいた。
二人の間で輝夜が片手を上げると、会場はいっきにしいんと静まり返る。
いよいよだ。
ナズーリンはごくりと喉を鳴らした。
心臓が締められるような静寂が辺りを包んでいる。ナズーリンははやく始まれと心の中で呻いていた。
『始め!!』
ばっと輝夜の袖が揺らいだ。
瞬間、開始と同時に両者の影がぶつかった。遅れて衝撃波がぶわっと客席まで広がっていく。
「ハアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!」
「でええええええええええええ!!!!!!!!!!」
石礫を叩きつけるような凄まじい衝撃音と共に、フィールド中央で物凄い打ち合いが始まる。開始早々火の出るような打ち合いにスタンドは一気に沸きあがった。
ウオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォオオオオォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!!!!
星と妹紅の両者は爆風と粉塵を撒き散らしながら目にも止まらぬ激しさで打ち合っている。
「す!!すげえぜ!!なんて激しい打ち合いだ……っっ!!爆風がこっちまで伝わってくるっっ!!」
離れた場所で霧雨魔理沙が帽子を抑えながら叫んでいる。その周りにはアリスや道具屋の店主などの見知った顔が、爆風に顔をしかめながら状況を見守っているのが見えた。
(ご主人……!!かなりとばしている……っっ!!)
ナズーリンは驚きに戸惑いながらも、何百年振りかに見る本気の星の闘気を感じていた。それは驚きと共に、この上ない頼もしさを感じさせる勇姿でもあった。
「うわあああああ!!!!」
寅丸星は渾身の拳を妹紅に叩きつけていた。しかし妹紅はその拳を難なくかわす。向こうからもムチの様な蹴りが飛んでくる。考えるよりも先に星の体がそれをかわしていた。
それらの応酬が目にも止まらぬスピードで繰返される。
打ち合いの後、二人はばっといったん中央から離れる。
厨房に着地した星は、積んである食材の中から大きなきゃべつの塊を取り出した。
「む!!アレは!!!」
客席で香霖堂店主・森近霖之助のメガネがキランと光る。
「『かっぱ農園のハリハリきゃべつ』かあぁ!!!!」
その後ろに位置していた紅魔館の面々の中から、非常に濃い顔の十六夜咲夜の叫びが上がった。
「技術集団として知られる河童達だが、きゅうりやきゃべつ等の青物野菜の栽培にも定評がある!まさかここでその食材を持ってくるなんて!」
香霖は説明的なセリフを濃い顔で叫んでる。
「な!!なんだとぉぉぉ!!!!!!????」まわりの人妖からいっせいに驚きの声があがった。
食材は料理の武器だ。
自分の得意な料理に、どのような食材を使うかによって勝敗は大きく分かれる。食材選びの時点で二人の戦いは既に始まっていたのだ!
「はああああああああああ!!!!!!!!!!!!」
ザン!ザン!ザン!ザン!ザン!ザン!ザン!ザン!ザン!!!!
星は腰の大包丁を抜き払い、ダイナミックな仕草できゃべつを切り始める。客席からは大歓声が沸きあがった。
「むむ!!!!アレを見ろっ!!!!!!!」
紅魔館の面々の中から、今度はレミリアの声があがる。その指差す先には厨房で食材を手にする妹紅の姿があった。
「『迷いの竹林のすくすく筍』だとおおおお!!!!!????」
別の位置から八雲家の台所、八雲藍の叫びが上がった。
「でええええええええええええ!!!!!!!!!!」
ズド!ズド!ズド!ズド!ズド!ズド!ズド!ズド!ズド!!!!
妹紅は長大な包丁を手に筍を分断していく。真っ白で健康的な筍の断面が客席に露になった。
ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!
両者劣らぬ良質な食材の応酬にスタジアムに興奮の大歓声が沸きあがった。
「とう!!」
「でぁ!!」
間髪入れず飛び上がった両者が空中で二度三度交錯する。
ギイン!!ガキイン!!という音が短く上がったかと思うと、次の瞬間それぞれの厨房のまな板に見事に切り分けられた具材がハラハラと綺麗に落下していく。
「すげーーー…………ーー……」
客席でチルノが口をあんぐりとあけて呟いていた。
グオオオオオオオオオォォォォオオオオオオオオオオオォォォーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!
神業の様な二人の手業に、スタンドに集まった人妖は興奮の坩堝に叩き込まれた。
「妹紅のやつ!もうすっかり隠居しちまったのかと思ったが。まだまだやるじゃないか!」
東側のスタンド客席で伊吹萃香が興奮した顔で試合を見つめていた。
「萃香は昔の妹紅の事、知っているのか?」
上白沢慧音は萃香に怪訝な顔で訪ねる。慧音と妹紅の出会いはここ百年ほどだが、妹紅がかつて退治屋として鳴らした事は風の噂でしか聞いていない。
稗田家の古い資料の中にも、妹紅と思われる退治屋の記述があるのを見てはいる。阿求本人は著作の中で、妹紅の事を退治屋の集団の末裔ではないかと推測しているが本当の所は慧音にもわからなかった。
それに肝心の妹紅本人は自分の事はあまりよく話さないので、慧音も昔の彼女の詳しい事は断片的でしか知らないのだ。
「知ってるとも!昔の妹紅はそりゃあ強かったもんさ!昔は妹紅が妖怪退治の主役だったんだからね!」
萃香はまるで自分の自慢をするように胸をはって話している。
「妹紅……」
慧音はフィールドで、燃える炎の闘気を放っている妹紅に向かって静かに呟いていた。
「フルパワーですっっ!!!!!」
寅丸星は法力を解放していた。たちまち全身が黄金の気の塊に包まれる。台風のような衝撃が客席に襲い掛かった。
それに呼応するように妹紅も真っ赤な炎の闘気を爆発させる。
シャシャッ!!!という二つの音と共にフィールド上の星と妹紅の姿が忽然と消え失せてしまう。
「な、何だ……!!?? 二人とも何処にいったんだ!!??」
魔理沙は戸惑いながら叫んだ。フィールドの中、スタンドの何処にも星と妹紅の姿が見当たらないのだ。
ズガンッッ!!!!
ドガガガガガガッッッ!!!!
一瞬の間の後スタンド上空から激しい打撃音だけが響き渡ってくる。
その音はスタンド上空からフィールドのあちこちを激しく移動しているように聞こえる。
「み……!! 見えないんだわっっ!! あ、あまりに動きが早すぎて……っっ!!!」
視線を泳がせるアリスの額を冷たい汗が伝っていた。
「ば、ばかな!!?? 残像すら残さないスピードで打ち合っているというのかーーーーーーっっ!!!??」
魔理沙が濃い顔でそう叫ぶと、客席からは一気にどよめきと歓声が沸きあがった。
「んなあほなっっっ!!!????」
霊夢や早苗も目玉をひん剥いて驚いている。
「う……うそ!?? 見えない?? 私の千里眼でも……っっ!!??」
カメラブースでは犬走椛と河城にとりが目を白黒させてフィールドを見つめていた。
場内からは激しい打撃音だけが相も変わらず不気味に響き渡ってくる。二人は手にしたカメラをただいたずらに彷徨わせるだけである。
「妖気を集中させなさい! 古い人たちは皆見えているわよ!!」
彼女らの上から怒気が降ってきた。二人の傍らで射命丸文が腕を組んでフィールドに厳しい視線を送っていた。
「あ、文さん……!?」
椛とにとりは唖然と文を見上げた。みれば文は視線と頭を尋常ではない速度であちこちに動かせているではないか。
客席では、萃香や勇儀といった鬼達や、医療席の永琳、風見幽香、吸血鬼、覚り妖怪や守矢の神、八雲の師弟といったごく一部の妖怪達のみ、視線を高速で同じように移動させている。
その全員の動きが見事に一致している事から、彼女達だけが同じように試合の動きが見えていることがかろうじて分かるのだ。
「もみもみもにとりんも若い妖怪だから無理も無いけど、良く見ておきなさい。これが本当の人妖の闘いよ。昔、私達妖怪と人間はこうやって命を懸けて戦っていたのよ」
「こ……これが……!! 昔の人妖の闘い……っっ!!」
椛は想像を超えた凄まじさにに息を飲んだ。スペルカードなど、まさにお遊びに等しいではないか。
文は、既に椛が知るいつものちゃらんぽらんな彼女ではなかった。その刺すような視線からは大空の王者、天狗の圧倒的な妖気が滲み出ている。
「ぼけっとしてないで!! しっかり追いなさい!」
文の怒声に椛は必死でフィールドに目を凝らすが、そこかしこで打撃音が聞こえるのみで二人の姿を追うことはできない。
「う……っ、ど、どこ!? み、見えない……!!」
「ほら! 上よ!」
ボボボン!! とスタンドの上空で巨大な火の手が上がった。
大きな火の玉が容赦なくスタンドの客席をふっとばす。
ドゴゴォォォォォォン……!!!
当たれば人間も妖怪も木っ端微塵だが、そこは幻想郷の人妖達はたくましい。いっせいに安全な位置まで一人残らず避難している。
グオオオオオオォォォォォオオオオオオオオォォォォオオオオオオォォォォォーーーーーー!!!!!!!!!!
観客は悲鳴をあげるどころか、予想を遥かに超えた異次元の闘いに大喝采を送っていた。
別の客席では十六夜咲夜が冷や汗を滴らせながら、フィールドに目線を彷徨わせていた。
彼女の傍らでは紅美鈴が腕を組んで厳しい目線を移動させている。はっとするような男前の表情に咲夜は驚いた。
「め、美鈴!? あなたもアレが見えているの!?」
「ええ、まあ」
美鈴からはいつものほんわかした雰囲気は消えうせていた。美鈴は集中しているのか咲夜の問いにも生返事をかえすだけだ。
「妹紅さんが……押してますね……」
「ああ……寅丸もなかなかやるが……やはり妹紅の方が上手のようだ」
主のレミリアは余裕の表情で空を見上げている。
ドギャ!!という鈍い音が響いた。
次の瞬間向こうの客席にミサイルを撃ち込んだような大爆発が起った。
人も妖怪も猫も杓子も木っ端微塵に吹っ飛ばされる。
「あいたあ……明日も農作業があるのに、ひでぇこった……」
「アチチチチチチーーー!!!!!!!」
しかし普段栄養満点の野菜と米で育った幻想郷の人妖達は体の丈夫さが違う。
吹っ飛ばされようが、火達磨になろうが体は元気だ。
客席にもうもうと吹き上がった煙の後には、大きなクレーターが出来上がっていた。
「ご主人!!!」
紅魔館のメンバーの近くで、ナズーリンの声が上がった。
スタンド上空には妹紅がいる、彼女の主の星はあのクレーターの中だ。
「うらららららららららららーーーーーーーっっっ!!!!!!!」
妹紅から容赦ない火球が無数に放たれる。クレーター周辺の観客達がぎゃーぎゃー言いながら逃げていくのが見えた。
やられる!!
ナズーリンが目を塞いだその時だった。
―――伸びろっっ!!!
エコーのかかったような星の声が場内に響いた。この独特の響きは魔法の詠唱の際などに発生する共振現象だ。
クレーターの中から超大型のお好み焼きのヘラが出現した。寅丸星の最終兵器『巨大箆』だ。
「うおおおおおお!!!!!!」
バシイィィィ!!!!!!!
妹紅から放たれた火球はヘラによってことごとく弾き返される。
フィールドや客席のいたるところで爆発が起った。客席の人妖はどこか楽しそうにきゃーきゃー言いながら吹っ飛ばされていく。
「何ぃ!!???」
驚愕する妹紅をよそにクレーターの中から星が飛び出すのが見えた。
「ほう、この丈夫さはなかなかのものだ」
ナズーリン達の近くで、レミリアが感心して空を見上げている。
(当然さ! ご主人の丈夫さは幻想郷一なんだ!)ナズーリンは心の中で胸をはった。
星は大ヘラを軽々と振りかざして妹紅に挑みかかっている。
「神様! 仏様! どうか星さんをお守りくださいっっ!!!」
ナズーリンの隣でムラサが必死に手を合わせている。そのすぐ上空を星と妹紅が猛スピードで通過していく。
「「ショーーウ!! がんばってーーーーーーーー!!!!!!!」」
ぬえと小傘は二人で声を枯らして追いかけるように声援を送る。爆音と歓声が渦巻く中、私達の声が星に届く筈は無いだろう。しかしナズーリンはすぐにその考えを打ち消した。
いや、私達の声は星に届くはずだ。私がご主人に力を送るのだ。
気がつけばナズーリンは声を枯らして必死になって叫んでいた。
「ご主人負けるなーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!」
闘いは佳境に差し掛かっていた。
「やるな! 寅丸星!!」
妹紅の表情には不敵な笑みが浮かんでいだ。
バシャーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!!
妹紅の操る炎の中で麺と野菜が踊る様に弾けている。焼きそばに必要な物は何を置いても充分な火力だ。
大出力の火力で大量の麺にからんだソースと野菜の水分を一気に飛ばさなければならない。そうしなければべちゃっとした何とも締まりのない焼きそばになってしまうのである。
「うううおおおおおおーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!」
妹紅は最後の仕上げとばかりに巨大な黒い物体を取り出した。
「な!! 何だとおおおおーーーーーーーー!!!!????」
「中華鍋だってえええええーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」
客席で紅美鈴が仁王立ちになって雄叫びをあげた。
妹紅は超大型の中華鍋に具材をどかんどかん投げ入れていく。
「そ!! そうか……!! 鉄板に比べ中華鍋は食材を囲う様に出来ている……!! 強い火力を一気に注ぎ込めば鉄板より熱効率がいい!! 妹紅は大出力の火力で一気にカタをつけるつもりだ!!」
驚愕する観客の中に、説明役の香霖がわって入る。顔は相変わらず濃いままだ!
妹紅の屋台『天翔』が名店とされる所以。それは何にもまして「焼き」に対する圧倒的なこだわりにあった。
食材に対する火の通り具合、熱加減、焼くということを何よりも知る妹紅ならではのこだわりが味わう者をことごとく魅了するのだ。
妹紅の背後に膨大な闘気が流れ込んだかと思うと、巨大な火柱が一気に沸き上がった。
『鳳・凰・天・翔おおおおおおおおおおおおおおおーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!』
藤原妹紅の最終奥義が炸裂した。
ピイイイイイイイイイイイイイィィィィィッッッッーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!
妹紅の後ろに紅蓮の炎で彩られた巨大な鳳凰が姿を現した。かつてあまたの邪悪を焼き払った聖なる翼がスタジアムいっぱいに羽をひろげる。
「う、うわあああああああ!!!!!!」
観客の人妖は灼熱の熱風に顔をしかめる。巨大な中華鍋の中で具材が躍動した。
「あ、あわわ……!!も、ももも……ものずごい妖気だよ……っっ!!あんなのを喰らったら幾ら星さんだってひとたまりもないよ……っ!!」
カメラブースの河城にとりはがくがくとふるえながら呟いている。その半身は赤く照らし出され、無数の火の粉が周りにキラキラとまっていた。
「く……っ!!うううう……っっ!!」
椛はその傍らで歯を食いしばりその様子を見つめていた。哨戒天狗として今まで厳しい修行を積んできたつもりが、ここでは二人の動きを追う事すらできない。彼女はハラの底から沸き起こる、自分に対する無力感に打ち震えていたのだ。
射命丸文はそんな椛の姿にチラリと目線を移す。彼女の口元にはやさしい笑みが浮かんでいた。
「はああああああああああああーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」
一方の星も巨大なヘラを叩き付ける。プールほどの大きさの超大型の鉄板の上に、日輪の輪の様な巨大なお好み焼きが出来上がっていた。
星の全身から黄金の闘気が沸き上がった。
『ハングリーーーー!!!!!!タイガアアアアアアアアァァァァァーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!』
仏法の光を司る正義の炎が猛虎の姿となってお好み焼きを包みこむ。
ガオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンンンンン!!!!!!!!!!!!
虎の咆哮と鳳凰の嘶きが上空でぶつかった。
ドオオオオオオオォォォォォォォォオオオオオオオオンンンンン………………!!!!!!!!
百本の雷がすぐ近くで落ちたのかと思うほどの光と轟音がスタジアムを包んだ。
ナズーリンは仲間達と共に客席に伏せながら心の中で叫び続けていた。
(南無三ーー!! 南無三ーーーーっっ!! 毘沙門天様!ご主人をお護りください!!)
ナズーリンは数珠が千切れるほど拳に力を込めて祈り続けていた。
もうどちらが勝とうとそんな事はどうでも良い。ただ自分の愛する主の身が無事であるように、それだけを祈り、叫んだ。
上空で弾けた炎の塊は、激しい爆風と衝撃をもたらしたが、やがてそれはゆっくりと収束していった。
それは両者の間で勝敗が決したことを静かに物語っていた。
――スタジアムは歓声に沸き返っていた。
フィールドに溢れ出して来た観客によって、先程まで戦場だったスタジアムはお祭り騒ぎになろうとしている。
向こうの群衆の中では寅丸星の胴上げが今まさに始まろうとしていた。
「27542票 対 27531票」
お好み焼きと焼きそばの史上最大の決戦は、スタジアムに集まった人妖全ての投票によって決められた。
その差はわずか11票。
妹紅有利の圧倒的な前評判を覆す、寅丸星の天才的なお好み焼きの味が僅かに得票を勝ち得たのだ。
最後に寅丸星の放った「とろけるチーズ」が決め手となったのは疑いの余地がない。ナズーリンが事前に寅丸星に授けた秘策が僅かに勝敗を分けたのだ。
群集の輪の中で星の体が宙に弾みはじめた。星ははにかんだような笑顔でそれに身を任せている。
一方の敗者となった妹紅はがっくりと首をうなだれ…………ているわけではなかった。
「気分はどう?」
輝夜は少し肩をすくめて妹紅の顔を覗き込んだ。
星の胴上げを見つめる妹紅の目には、敗北の屈辱どころか達成感に溢れた自信に満ちた輝きが宿っていた。
いや、戻っていたと言ったほうが良いかもしれない。
敗れても敗れても、炎の中から鳳凰は蘇る。それが輝夜の知る藤原妹紅の姿だ。かつて人々を救った不死鳥の翼は今も折れてはいない。妹紅の中で再び羽を広げてよみがえったのだ。
その火の様な紅い輝きは、輝夜の頬を知らずに熱く染めあげていた。
輝夜の問いに妹紅は少し我に返ったように顔を赤らめ、いつものように俯いて見せる。
「へっ、負けちまったよ。……寅丸星……見事なもんだ」
ポケットに手を突っ込んでいつものように背中を向ける妹紅の姿を輝夜は満足そうに見ていた。
「それでこそ私のライバルよ」
妹紅の傍らでは慧音が肩を抱くように付き添っている。慧音は目を真っ赤に腫らし、締まり無く鼻水を垂らしながらわんわん泣いていた。
二人の背中を見送りながら輝夜はまた呟いた。
「それでこそ、 私の ―――――― 」
輝夜の口から音色のような音が漏れていた。幻想郷では、いや地球圏では誰も知る者のない響きは輝夜の口からそっと周囲の歓声に溶け込んでいった。
妹紅の前には行く手を塞ぐように数人の人影が取り囲んでいた。
妹紅は足元に落ちるたくさんの影に思わず顔を上げる。
「お前らは、」
妹紅の周りに伊吹萃香や星熊勇儀、射命丸文や紅美鈴といった妖怪達がにこやかな表情でたっていた。
「お疲れ様です。妹紅さん」
美鈴が妹紅にいつもの人懐っこい笑顔を振りまく。彼女には珍しく、今だけレミリアやフランドールの傍らから離れて来たようだ。
「美鈴……」
妹紅は美鈴の弾ける様な笑顔を驚いたように見ている。自分は惜しくも敗北したが、労うべきは勝者の方だ。見事な闘いをした星の胴上げに加わってやるのが筋ではないのか?そんな妹紅の怪訝な表情を察したのか、萃香が輪の中から進み出て言った。
「楽しかったよ、妹紅! 勝負には……その……負けちゃったけどさあ。……でも楽しかった! なんか……旨くいえないけど、すっごいドキドキした!」
「萃香……」
「昔のケンカ仲間がまだ元気でいてくれてるってのは、うれしいもんさ。わざわざ地底から見に来てよかったよ。」
勇儀は大きな杯を傾けながら萃香の頭をぽんぽんと叩いている。
かつて妹紅と命を懸けて戦った妖怪達が、妹紅の周りを囲んでいた。それは妹紅にとっては何とも不思議な光景であった。
「今度、独占インタビューさせてもらいますよー!覚悟しておいてください!」
文が妹紅の肩をぽんぽん叩きながら言う。事後の苦難を思い、妹紅は思わず苦笑してしまう。
「あと、それとは別にお茶に誘いますから覚悟して下さい。結構本気で……ね……」
すれ違い様、文は妹紅の耳元でささやく。え?と妹紅が振り向くと文はそのまま勝者の星の方へ、にこにこしながら駆けていった。
気がつくと妹紅の周りには何重もの人妖の人垣が出来上がっていた。
妹紅は身動きが取れなくなってしまい、狼狽した。
萃香が拳を突き上げて声を上げた。
周りに集まった人妖はそれに答えて歓声をあげたかと思うと、たちまち妹紅の体を持ち上げ始めた。
「ええ??おいおい? ちょっ……ちょっと……!!」
妹紅はあわてて声を上げるが、群集は彼女の体を軽々と持ち上げてしまう。妹紅の体は多くの人妖の手で高々と宙に舞い上がった。
『よみがえった古の名勝負!』
『勝者はお好み焼き!僅差で焼きそばを下す!!』
ナズーリンは郷にばら撒かれた号外を、山のようにダンボールに詰めて妹紅の小屋を訪れていた。
新聞などいっさい取らない妹紅を気遣って届けてやるつもりだ。
(実力は全ての面において妹紅さんが上回っていました。私もまだまだ修行が足りない様ですよ、ナズーリン)
星は今回の勝利を「命蓮寺の勝利」と言っていた。最後にナズーリンが授けた秘策により「チーズ党」達の票が流れたのだ。ナズーリンはさかしいことをしたかもしれないと少しだけ後悔していた。
もし、この秘策が星に無ければ?もし、妹紅が本来の得意料理である「焼き鳥」で挑んでいたら?
当初の前評判を覆す星の実力は見事なものだった。しかし、妹紅の力を凌駕したのはひとえに命蓮寺皆の力があったからだと思う。ナズーリンのアイデアやムラサやぬえ達の応援の声が届いた結果なのだ。
「妹紅、いるかい?今日は新聞をたんと持ってきて……」
ナズーリンは小屋の入り口でダンボールを手に唖然と立ち尽くしていた。訪れた妹紅の部屋は沢山の新聞と手紙の山で溢れかえっていたのだ。
今は輝夜が来て、どうやらそれらの整理を手伝ってやっているところらしい。
「ああ、ナズーリンか!いいところに来てくれたよ。ちょっとこっちに来て手伝ってくれよ!」
妹紅は郷中から届けられた新聞と手紙の中に埋もれるように手を振っている。
ナズーリンは一瞬あっけにとられていたが、すぐにこみ上げてくる笑いを抑えられなくなってしまった。
「はっはっは。そうかそうか。もういらない気遣いだったか。ではこれは持ち帰ることにするよ」
「悪いがそうしてくれ。全部焼き払ってもいいんだが、慧音がうるさいからな」
妹紅は破れたソファにぐったりと体を沈めて言った。
「ちょ!あなたねぇ。それはちょっと無いんじゃないの?慧音でなくても怒るわよ」
輝夜が妹紅のトンデモ発言に目を剥いている。
二人の果し合いから既に1週間以上が過ぎているが、郷の熱狂振りはまだまだ冷めていない。
その中で実施された文々。新聞のアンケートでは不思議な現象が起こっていた。
寅丸星は人間を中心とした面々から大いに支持を集め、今日も人里でお好み焼き教室を無償で行っている。連日本業と違う所で忙しくなってしまっていたが、一方の妹紅は妖怪を中心に支持を集めていた。
「感動した」「久々に熱くなった」といった感想が、特に古い妖怪を中心に上がるようになっていたのだ。
妹紅の小屋はそんな妖怪達からのファンレターで今もあふれ返っている。妖怪である筈の星が人間達に、人間である筈の妹紅が妖怪達に支持される結果になったのだ。
「はあ……これが、アレか? お前が言う『螺旋の境界』てやつか?」
妹紅はうんざりしながら輝夜に変な事を聞いている。
「何だい?それは」
ナズーリンも何となく輝夜の手伝いを始めていた。クレヨンでいびつなハートマークが一杯書かれた手紙を丁寧に木箱に詰める。
(……こういう手紙を書いているのが意外に千年以上生きてます、ていう妖怪なのだから幻想郷は分からないんだよ)
「ナズーリンは『メビウスの輪』の事を知ってるかしら?」
輝夜は絵の具でへたくそな絵が描かれている手紙をやさしげに見ながら言う。
「ああ、循環や再生を表現する輪廻のリングのことだろう?」
「そうね、その通り。その輪の境界ははどうなっているかしら?」
「ああ」
ナズーリンはそこまで話して、輝夜の言葉を理解した。
メビウスの輪の帯はその境界が捩れている。1周して戻ってくると向きが逆転しているという性質を有していることから、単なる輪っかとの対比としてしばしば語られるのだ。
「因果の輪自体は変わらないが、その性質は変化すると言うことかい?」
ナズーリンがそう言うと輝夜は目だけで頷いてみせる。
妖怪と人間との因果は今も変わらず続いている。しかしそれは明らかに形を変えているのだ。今回妖怪が人間に支持され、人間が妖怪に支持されたのは、その因果の性質の変化を物語っていると言えるのである。
ナズーリンは稚拙な絵の描かれた手紙を見つめながら、これもその結果なのかと苦笑してしまう。
妹紅はタバコの煙を吐き出しながら考えていた。
(そして人間が敗れたという事実もまた、その古い性質の一つの崩壊を意味している。と、言えるんだろうな……)
輝夜が(あなたは負ける)と予言して見せたのも、妹紅が(人は変わっていく)と返したもの、全ては蓬莱の魂がその因果の流れの変化を感じていたからに他ならない。
それは変わらない因果を見つめる魂を運命付けられた者にこそ与えられる役目ともいえるかもしれない。そしてその境界はここ幻想郷に確かに存在していた。
「そうか、ならば今を生きる者としてみれば、その因果の変化を十分に堪能してみたいものだよ。君の屋台でね、妹紅」
「あら?いいわね。そうね、今夜さっそく、月夜の下で……ね」
二人で微笑み合ったナズーリンと輝夜は、そのままにんまりと妹紅に視線を移す。
「はー、今日は疲れてるんだけどなぁ」
妹紅はぶわっとタバコの煙を吐いた。前に店を開けてから一ヶ月も経ってない。
しかし気分は悪くないといえた。どうせ気の向いた時だけ開ける店だ。気が向けばその間隔が多少狭くなろうが問題ない。
この先「気が向けば」少しだけ店を開けるペースが多くなろうと問題ない。そう、何も問題ないのだ。
妹紅は手でタバコの煙を無造作に払い、それを突き抜けるようにように一気に立ち上がった。
(了)
その分、料理に対する描写が少なかったのに少々物足りない感じがありましたね。
いや、料理対決なのに最初が打ち合いかよっ!!的な、思わず突っ込みを画面に入れたりで楽しかったので、ベクトルの違いではあったのですがwww
あと、所々の輝夜の言い回しのせいで、脳内BGMが某逆シャアの曲(TMN)に固定されてしまいました。
これは狙ったのかはわかりませんが、門番さんの所業ですよねぇwww
ともあれ、妹紅の焼きそばも星のお好み焼きも食べてみたくなりましたのでこの点数で。
さて、感想ではございますがぁ…オーバーヒートな熱い接戦。うむ、これほど魂躍るものはありませんなぁ…ヤムチャ視点の下りが特に面白かったですw
作者さん方含め、みんな楽しそうで何よりでしたw
むちゃくちゃなんだけどのめり込みました。
ご馳走様です。クワトロ輝夜www
永琳
激しすぎるwww
ふおおぉぉぉ! まるで中華一番とドラゴンボールと松岡修造を混ぜてシリアスな味付けを施したような良作だ!
白熱するバトルシーンやお好み焼きの薀蓄もそうですが、妹紅の過去や人妖との関わりといった東方らしいテーマを描きつつ「焼きもの食わせろ!」と不肖私に叫ばせるテンションの筆運びがうまいなァと思いました。
熱く楽しい作品をありがとうございます。
女の子の投稿者の方と言う事でずっと応援してます!今回は眠れない夜にはかなり熱い話でしたね!
冬は私も高校の頃イヤでしたww 制服って寒いですもんね。。タイツとか標準じゃ無いですか?私は寒い時は
二重に履いてましたww 寒さに負けず元気いっぱいでがんばってください!
の一文を彷彿とさせる内容でした。タイトルはマネーの虎でおk?
お好み焼きと焼きそばってあんまり好きじゃないんだが、これ読んでたら食いたくなってきたよ
今晩は天かすを大量にぶち込んだお好み焼きでも作るかー
超人ロック・シリーズの「炎の虎」ネタか!と思ったら全然違った…。
今回はジョジョもガンダムも抜きなのかな? しかし、良かった。とても良かった。
いつだって私のお腹をぺこぺこにしてくれる。食事の楽しさを思い出させてくれる。
ありがとう!
フランクフルト御柱ってなんて物をw
学校生活が楽しそうでなにより。また次回作品を楽しみにしてます。
書いてる雰囲気のお話だけどここまで付き合ってくれて感謝したいわね。あなたや読んでく
れてる人の為にももっとがんばりたいわ!本当にありがとう! お嬢様
えへへへ ・ 分かる人にはわかりますねぇ 超門番
皆様からのコメントはいつも不安であり、楽しみでもあります。PCの中ですがこうやってお話
させてもらえるのは光栄でございます。また次回もご覧下さいませ。 冥途蝶
4番様 80年代!!??wwww 古い妖怪さんね?そんな人に評価してもらってとっても嬉しい!
ありがとうね! お嬢様
名前&財産の無い様
VIP様でございますね。いつもお立ち寄りいただきありがとうございます。お好み焼きはお召し
あがりいただけましたでしょうか?ここ数年お召し上がりでは無いのは、やはり財産が無い為
ではk@p9.、k 冥途蝶
き、気持ちですよ!!気持ち!!! 超門番
うん。わたしもそれ心配。 お嬢様
8番様 よんでくれてありがとう!今回はちょっと楽しみすぎたかな?って反省してる。またやるけど。
よかったらまた付き合ってあげて! お嬢様
楽しいのが一番なんですけど、それだけじゃ駄目ですからね。むずかしいですね~
超門番
10番様 ああ、これも古い妖怪さんね!www 気に入っていただけて嬉しいわ。よかったらまた見に
きてね! お嬢様
13番様 今回はスパイスがキツすぎたかもね。でも全部よんでくれてうれしいわ!ホント光栄よ!
お嬢様
私が直接手を下さなくても、ニュータイプへの革新で人類は変わる!その時をp@「、k
超門番
奇声を発するVIPな方
ああ・・!いっつもきてくれる!足長おじさん的な感じの人ね!足長っていうより奇声をあげてるん
だけど。。こんな有名は人にいつも見てもらって何ていうか、申し訳ないわwwくだらないお話
だけど楽しんでくれれば一番!次回も一生懸命がんばるわ!! お嬢様
ありがとうございます!誤字も直します。流石によく見てらっしゃいますね!
超門番
VIP様入りま~す。やはり理性的で紳士的なコメントですわ。 冥途蝶
がま口様 ああ!またきてくれた!!変な名前の人!!ありがとう!今回は内輪ウケみたいなお話でついてい
けない感じだったと思うけど、読んでくれてありがとう!反省します。。ネタは何となくこの間見
た「ミスター味っ子」がモチーフかな?松岡修造はいないから!ww 楽しんでもらえて本当にう
れしいわ!またよかったら見に来てね!! お嬢様
作品全て見ていただいて光栄でございます。とっても丁寧なコメントありがとうございますわ
冥途蝶
riko様 おお~っと!?はじめて女性ってわかる人からのコメントね!!しかも私らの先輩格の方かしら?
コメントありがとう!投稿するのもそうだけどコメントするのも勇気がいるのよね!!うれしいっ!
黒タイツあるわよ。中学時代からの伝統のが。でもまだ年明けてないから。最後の切り札なのよ。
私達は「F型装備」と呼んでいるわ!!! お嬢様
これを装備するとお嬢様は「完全無欠」のお嬢様と化すのでございます。女性の方からのコメント
大変ありがたく頂戴いたします。またどうぞ気軽にお立ち寄りくださいませ。冥途蝶
うれしいですね!ホントほっとしますよ!また見に来てくださいね! 超門番
26番様 「料理の鉄人」はウチのパパンがDVD持ってるわ!わたしもすっごいスキよ! お嬢様
マネーの虎は漫画ですかね?少年誌ネタは私の担当ですけどまだまだ勉強が必要ですね!
超門番
27番様 常連様かしら?いらっしゃい!変なお話だけど楽しんでもらえてうれしい!お好み焼きは私らもあん
まり今まで親しみ無かったんだけど高校入ってから皆で食べるようになったわ。料理の楽しみの幅が
広がるのは楽しいことよ。是非試してみてね。 お嬢様
私の友達は天かす大量派でございますが私はチーズ党でございます。 冥途蝶
31番様 『天翔』はなんかホントにありそうな名前ないの~?てことで門さんが考えたアイデア。あとから
自分で「鳳・凰・天・翔」て打ってみてはじめて気がついたわww お嬢様
妹紅さんかっこいいですよね!!ホントにあったらいいな~ 超門番
36番様 常連様かしら!?それとも古い妖怪さん? ありがとう! ジョジョネタはスキだけど今回は入って
ないわね。。ブーム過ぎたのかな? ガンダムはたぶんあるわよ。くだらないお話いっつも読んでく
れてホント申し訳ないっていうか。。ありがとう!でもまたやるけどね! お嬢様
シャアのネタがありますよぉ・・ふふふ・・ 超門番
桜田ぴよこ様
あ!桜田さんね!ごきげんよう!!また見てくれたのね!!グラッツェ!!いっつも見てくれる人に
はいくら感謝しても足りないわww 今回は濃すぎるお話だったけど鉄板焼きメニューにあわせて濃
いのにしようって話になって作ったものよ。アクがでてしまったけどねwww でもあなたに楽しん
でもらえて光栄よ。よかったら次回もまた見に来てね! お嬢様
光栄なことでございますわ。少しでも恥ずかしくない作品が出来るようがんばりますわ
冥途蝶
武蔵様 名前かっこいいww 変なお話だけど読んでくれてありがとう!御柱フルトはすっごいウケたわ。
前にここで古明地カレーパンやるっていったんだけど無理だったから。。よかったら試してみて!!
お嬢様
次回も期待して下さい!!たぶん阿求ちゃんのお話になると思うんですけど。。
超門番
ようこそおいでくださいました。ご一読いただき光栄でございますわ。武蔵様に楽しんでいただく為
精一杯変なお話を考えますので、次回もよろしければお立ち寄りくださいませ 冥途蝶
39番様 それはあなたが古い妖怪だからよ!!www 楽しんでもらえてよかったー!またよかったら見に
来てみてね!精一杯変なお話考えるから! お嬢様
楽しんでもらえてホントうれしいです!ありがとうございます!! 超門番
おいしいお好み焼きと焼きそばを食べようとしたけど前菜が熱すぎて舌がいかれたみたいです。
困った参った御見それいたしました。
戦闘(料理)描写がイケメンすぎます。
設定もいいものでした!
妹紅の設定はうまいと思いました。
次回作も楽しみにしてます!
俺は焼きそばに一票だな。
御柱フランクフルトは一度食ってみたいんだぜ。
そう言えば妹紅も屋台やってるんでしたっけ、と今更思い出したり。
真剣勝負の時は煙草を吸わないとか、逆に真剣勝負だからこそ咥え煙草(ただし火はついてない)
とかでもよかったかもとか思ったり。
色んなお話にコメントしてくれてる人よね?そんな人に褒めてもらってすっごい
うれしい!好き嫌い分かれるお話だと思うけど気に入ってもらえて何よりよ。
よかったらまた読んでみてね!ホントありがとう! お嬢様
大変恐れ多いお言葉でございます。拙い文章ではございましたが、お読み頂きまこ
とにありがとうございます。 冥途蝶
43番様 ありがとう!妹紅好きな人かしら?こうやって読んでもらってコメントもらって
ホント感謝よね。次回もがんばるからまた読んでね! お嬢様
最近さむいですからお体に気をつけてくださいね~ 唐突ですけど 超門番
44番様 あ、常連さんっぽい感じね。いっつもありがとう!やきそば好きは古い妖怪さん
なのかしら?御柱フルトは味はフツーだから! お嬢様
いやおいしいですよ?御柱フルト。。来年は何しよっかな~ 超門番
45番様 いっつも読んでくれてありがとうね!妹紅は設定に或る「ただの焼き鳥屋だ」て
セリフからきてるのよ。咥えたばこは確かにロマンだわ!そういう人にあこがれ
る部分はちょっとあるかもね。次回はひょっとしたら阿求のお話だから期待して
てね!読んでくれてありがとう! お嬢様
ドラゴンボールエキスをふんだんに使いました。ちょっと濃過ぎましたかね、て
反省してます。またやりますけどね! 超門番
笑わせてもらったよ
かんじよね・ww 街の食堂みたいだわwww でもよかった、楽しんでくれて。
テスト期間前にまた書くからよかったら見てね! お嬢様
48番様 ウケた!!wwww お払いタダじゃないから気をつけてよ!www
楽しんでもらえたみたいでなにより!また見に来てね!! お嬢様
頭がおかしくなりそうだった
ちょっとおもしろかったしねwwww 次回は阿求のお話。是非また見に来てね! お嬢様
うん、おもしろい感想でした。頭おかしくなって書いてますからねぇ 超門番
ハチャメチャ展開がウリと見られがちですが、バックボーンの考察がとても真剣。
恐れ入ります。三人様、いつまでも仲良くあられたい。
あ、この三人で書こうかな……
お好み焼きといえば、大阪で暮らしていた頃は、焼酎の「オロナミン割り」がお供でしたね。
関東では見たことがありませんがね。体に良さそうなのに(?)
テキ屋さんの焼きそばは、ソースにお金をかけるかどうかにほとんどすべてがかかっています。
「ブル○ックソース中濃」をつかって御覧なさい、夢見る焼きそばになりますから。ええ。
見てくれて光栄よwww
と~ってもありがたい感想をいただいて恐縮だわ。まあ要するに「イケメンを闘わせろ!」
て事だからね!www 妹紅かっこいい!! お嬢様
「ブルドッ○ソース中濃」ですってええぇぇぇぇえええぇぇl!!!!???
妹紅かっこいい!! 冥途蝶
「夢見る焼きそば」ですってえええぇぇぇぇえええええぇぇぇ!!!??
星かっこいい!! 超門番