Coolier - 新生・東方創想話

虹にかけた夢は叶う。Ⅲ

2010/11/01 01:14:16
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続き物です。

























空を見上げても、カラッとした清々しさはどこにも見当たらずに、
薄い雲に覆われた見ているだけで凹んでくる天気が続いていた。


風が吹かなくなったぐらいから考えて
ここ3日ぐらいは続いているのだと思う。
この前失敗したNTバイザー改良型の開発に忙しくて、
昼夜が逆転、ほとんど徹夜で過ごしていたからだ。
完成したのが、今日の朝。日が昇るくらいのころ。
当然、睡眠類は最後の方だったので、とっていない。

のどが渇いたので、水を飲みに台所へ向かう。
丁度、2杯ぴったりだったので軽く飲み干す。
また冷やしておくため、水瓶に汲みにいったが、
そこにはもう、何もなかった。





水が終わったことに気がついたとき。
最大のピンチに私は陥りつつあった。

体がだるくなって、胃液が過ぎた量排出され、なんともいえない嫌悪感を醸し出している。
眠ろうにも眠れず、だけど眠い。
体温が低くなり、貧血で頭がくらくらする。
お腹の中に空気が入っていて、出てきそうだけど出てこない、みたいな。

まぁ、簡単に言うと、空腹。
簡単に言ったから軽く聞こえるけど、実際かなり酷い。
まず、食料がない。
外の世界から入ってきたレーゾーコとかいう、食品保存用の箱にも
何も入っていない。
外に魚でも釣りに行こうかと思うけど、生憎今はまだ日が高い。
この空腹に気がついたのがちょうど日が昇るころ。
それから今まで何も口にしていないことになる。
食べていない日にちは…3日?

………人間は水だけで一週間過ごせるらしい。
私は妖怪だ。だから大丈夫。
水もなくなっちゃったけど大丈夫。
今日の夜まで頑張って起きていれば、きっと生き延びることができる。
だから、何かに集中しよう。頑張って。








やっと夜が来た。
NTバイザー改良型の実験もかねて、早く晩御飯を捕まえよう。

この時間になると、ほとんどの魚は寝ている。
だからわたしは、針を飲み込んでもらいのではなく、
魚を針に引っ掛けて魚を釣る。
この方法なら、時間をかけなくても、コツをつかめばすぐにつれる。

竿に糸と針をつけて、穴場の岩の上に乗って。
糸をたらして、反応があったら引く。



――――今回は大物だった。
予想外の引きの強さに、私はつい、足に力を入れてしまった。
岩の上というのは、思ったよりも滑りやすい。
濡れていればなおさら。こんな木の下の穴場ならなおさら。
ここ数日湿度が高くて、太陽が照っていないのであればなおさらに。

「ぅあっ!?」

ドッボーン!

そんなありふれた音と共に、私は息も継げないまま、川に流されていった。

ただでさえ不調なのだ。
泳げない私にとっては、目を開けることすら不可能で。
河の中にある岩を避ける事なんて到底不可能で。

体をとがった岩にあちこちぶつけながら流されて、
滝から落ちたところで、私の意識はなくなった。



















―――――何かとても厄いものが降りてくる。
私がいつもどおり、厄を集めているときにその気配は現れた。
最初は小さなしこりのようなものだった。
それが徐々に周りの厄を巻き込んで、大きな塊になって降りてくる。

「なにかしら…?」

ここまで大きくては命が危険にさらされているかもしれない。
私は急いで現場へ向かうことにした。

……妙な胸騒ぎをつれて。









「っ!」

そこは川、だった。
岩にひかかった何かから、私の服よりも鮮やかな赤の線模様をその身に纏った。

どうやら、あの何かが厄の原因であるらしい。
それにしても、胸騒ぎが酷い。
大切な、体の一部をどこかに置いてきてしまったような。
気づかないうちに、宝物が壊れていてしまってそれを心配しているときのような。

とにかく私は急いでその何かを助けに向かった。


よく近づいて見ると、それは、あの子だった。

帽子がなくなっていて、あの変なゴーグルを着けたままだけれど。

いけない。早く助けなければ。
体は氷のように冷たい。
助かるかどうかはわからない。

急いで私の家に連れ帰って、できる限りの手当てをする。
その間にも、彼女が零すのはうわ言でもなく、苦痛に満ちた声でもなく、

か細い、私の吐息に消えてしまいそうな吐息だけだった。
こんばんわ。
1週間あけての投稿となりました。
この短さなので1週間に1回のペースで投稿したいのですが・・・;

雛とにとりの話を別々に投稿するのは、私には難しそうです^^;
にとり編だけにしてしまうと、これよりも短いことになって、
何かピンと来ないのです。すいません。

もっと、ほんわかした感じに書きたかった!!

読んで頂きありがとうございました。
х桜星х
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コメント



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4.70コチドリ削除
どうも私のコメントが作者様の頭を悩ませたようで大変申し訳なく思っております。
自分では掴みともいえる、第一、二話限定のつもりで書いたのですが、言葉が足りなかったようですね。

コメントというのはとどのつまり、書いた人間の主観でしかありません。
風呂でこいた屁のようなものです。あまり深く考えなくてもいいと思うんですよ。
まぁ、たまには纏わり付いてくる強烈なやつもありますが。(鏡を見ろ)

以下の突っ込みも含めて話半分、そのまた半分、もう一声でさらに半分位に読んでください。