みなさんこんにちは小悪魔でした。
パチュリー様の元で使い魔のようなものとして働いている私ですが、基本的に暇を持て余してます。
まあよく考えると当たり前の話なんですよね。あの人本読んでばっかりだし。呼ばれる用事特にないし。
アレで読んでるのが小説とか漫画だったなら、サクサク読み進んで「小悪魔、次持ってきて」ってなるんでしょうけど基本的にもやしさんが読むのは魔術書ですからね。
数時間で読み終わる代物じゃないわけです。そんでもって、読んでる途中で必要になりそうな辞書の類は予め机にセットされてると。
そんなどうでもいいことをつらつら並べ立てて何が言いたいのかっていうと、私が暇だということです。
最初に言ってるじゃんこれ。わざわざ説明しなくてもわかりそうな理由話す必要あったんですかね?
昔はその暇を有効利用して私自身も魔術書の勉強していたりもしたんですが、最近はちょっと根詰めたせいか食傷気味でございます。
そこでその暇を潰すために―――ああもう、暇暇言いすぎて嫌ですねぇ。私の資産価値が今どこかで下がってそうです。上がったところで売りませんけどね。
とにかく、空いた時間で日記を書いてみようと。
一行で済む本題。ああ、なんて素晴らしいのか。世界は所詮無駄なものばかりで出来ているんです。
パチュング様の実は結構ある胸の脂肪とか、帽子についてる三日月とかやたら暖かそうなネグリジェとか全部無駄です。
南無阿弥陀仏ですよ。自分でも何言ってるのかわかりませんが。
さて、でもただの日記じゃ面白くないなぁと思った私です。そこで普段から同じく暇を持て余してそうなレミリア様にとりあえず抱きついてみました。
背後から突然抱きついちゃったので肘鉄が飛んできました。割と痛いです。流石吸血鬼ですよねぇ。
でもそこでダウンするほど私が柔なわけでもなく、交換日記やりませんか、と私は誘いをかけてみたわけです。
さりげなくレミリア様の顎の下を指で撫でながら。噛まれました。ちぎれますちぎれますごめんなさい。
「交換日記? そんなにマメなことが出来る性格だったっけ、あんた」
どちらかというとそれは私がレミリア様に言う事じゃないかなぁ、と思いましたが私は大人なので口には出しません。
ちなみに今レミリア様は私の抱擁に爪を立てながらすっぽりおさまっています。あんまり反抗してきません。
なんだかんだで仲は悪くないんですよね私と。悪ノリ仲間と言いますか。結構協力して咲夜さんにちょっかいかけたりしますし。
この前は咲夜さんの下着の棚を弄って下着博物館にしてましたね。紅魔館のみんなの下着を数着ずつ入れておいて。
返すのかそのまま着服するのか(この高尚なギャグをどや顔で思いついたのはパチモン様です)レミリア様と興味津々で観察してたのですが、結果は―――
ああ、やめときましょう。あの時、私生まれて初めて背筋が凍るというのを実地で体験いたしましたよ。
おおこわいこわい。
まあとにかく。
私と悪友やってくれてるレミリア様は、交換日記なんて面倒なことをするのは嫌だけど、ストレートにそれを言えないわけです。
もし迂闊にそんなことを言うと、私に「こまめな事出来なさそうですもんねぇ」という挑発を食らうのが目に見えているわけで、それを嫌がったわけですね。
とりあえず逆に問題を押し付けてみたと。なんだか私との駆け引きがうまくなってきて小悪魔少々複雑な気分です。
まあ今は別にレミリア様をいじめたいわけでもなく、純粋に交換日記をやってみたいだけなので私は説明を試みます。
一人で日記をやるのも悪くないけど、見る人がいるとほんの少し楽しい。
見た人がたまにでもいいから一緒に日記を書いてくれるなら、ほんの少し嬉しい。
気が向いたときに数行書いていただければいいのです。後暇なときに読んでみてくれれば。
ほら、悪戯の計画書くにも最適ですよ。ほらほら。
レミリア様はしばらく私の指先からジワジワと溢れてくる血を舐めとりながら猫目を細めて考えているようでしたが、血があまり出なくなると顔を上げて、
「いいわ、やったげる。暇なときはね」
と快く承諾してくださいました。わぁい。
○月×日 雨 こあくま
いよいよ交換日記の始まりです。小悪魔です。
これからしばらくは、この持て余した時間が日記に費やされて海の藻屑と消えて行くことを考えるだけで達成感と虚しさが同時にこみ上げてきます。
なんかアレとよく似てますね。セスタスでしたっけ。
しかし、レミリア様は暇なときにやってくれると言いましたけど、それ割と常にですよね。とか言ったら怒りますかねぇ。
まあこの日記ご本人様が見るんですけど。その程度のことを気にする私でもないのでどうでもいいんですけどね。
形式としてはあくまで交換日記…あ、いいですね今の。二人とも悪魔ですよ。悪魔の交換日記です。
話を戻して。
交換日記の体裁を成しているからにはある程度メッセージ性のあるものを書くべきだったり、他人が読むことを考慮した文体にすべきなのかもしれませんが私には関係ありません。
どうせ目的は私の暇つぶしなのです。私のモチベーションが下がってしまったら本末転倒なのですから。
というわけで、パルシェン様の痴態だろうがなんだろうがここで晒すことに抵抗は一切ない、ということを予め記しておきます。はた迷惑な日記ですねー。
いずれこの日記がちょっとした曰くつきの魔道書になって人間に奪われることを空想しただけでドキがネムネムです。朝も起きられません。
そんな感じになったらいいなぁ。
さて今日は図書館にレミリア様が暇を持て余して遊びに来ております。特にやることがなさそうだったので私が颯爽と漫画本をざっくりと本棚一つ分位目の前に積み上げてあげました。
山を切り崩そうと必死になるレミリア様ですが、よく考えると漫画本の類はあの人ほぼ全部読破済みなんですよね。
特に今手にとってる奴なんか4週目じゃないでしょうか。本当に暇なんですねぇ。というか飽きないんでしょうか。
あ、目が据わってきた。飽きてるのかやっぱり。眠そう。凄い眠そう。
でもこのまま眠ってしまうと私の悪戯の餌食です。ああ、なんてこと。起きた頃にはレミリア様は大事な何かを失ってしまうのです―――あ、落ちた。机に突っ伏しました。
対面に座っているパチスロ様はこの間も微動だにせず本を読み耽っています。毎度思うんですけど、アレいざ席を立とうとしたとき下半身が死後硬直に近いレベルで固まらないんでしょうか。
紫色のご主人様はふっと顔を上げて私に目でサインを送ってきます。え、なんですか。「この子を手篭めにしろ?」わあ、流石ですね。魔女って怖いです。
私は純情なので顔を赤らめながらガッツポーズをして快諾の意をパタポン様に伝えましたが、指令を送ったご本人はなにやら困惑した顔をしています。
またまた、自分で命令したくせにー。今更何を躊躇っているんですか。
私が手をワキワキさせながらテーブルに近付いて行くと何やら紫色の拳が飛んできました。痛いです。……って、え? 紫? そこは肌色じゃないんですか?
びっくりしてパタリロ様の方を見ると、この人自分の髪のおさげの部分を掴んでブンブン振り回しております。ああ、武器だったんですねそれ。肝に銘じておきます。
どうやら手篭めにしちゃいかんようです。さて気を取り直して。
寝ているレミリア様にする悪戯の候補は幾らでもありますが、とりあえず今この瞬間に思いついた案は冷たい粘液を背中から流しこむ、というものでした。
ですがどうにも後始末(二重の意味で)が大変な気がしたので、ここは簡潔な王道で行きたいと思います。
寝ている間にも稀にピコピコと動く翼に触れないようにしながら、レミリア様に慎重に近づきます。
顔をレミリア様の耳の辺りまで近づけて、息をふうっと―――
しようとしたところで生命の危機を感じた私は後ろに飛び退きました。
私の額が先程まであった場所を通過していく銀のナイフ。いや、通過というか刺さったんですけどね。私の二の腕に。痛いです。
誰の仕業かは言わずもがな。図書館の入口の方から、如何とも名状しがたいオーラをまとった咲夜さんが現れました。
もう、この人は酷いです。時間止めるとかどう見てもチートじゃないですか。
絶対時止めて悪戯してますよね。私がやるのは許さないのに。
ひとまずまだ咲夜さんと距離があるうちに降参のポーズをしておきます。
咲夜さんは目で「おいたがすぎないようにね」と念を押すと、振り返って図書館から出ていこうとして、ふと気がつくと消えていました。
……いえ、でもこの目でちゃんと見ました。今咲夜さん、足をもつれさせましたよ。そして時を止めましたね。
なんか和んだので許してあげることにします。
おっと、止血止血。このままでは私の健康的な二の腕が真っ赤に染まってしまう。これは武器になりますか?
パ知恵袋さーん。ちくしょう無視か。あ、もうほとんど自然治癒で止まってしまいましたね。
はて、このままではただの日記になってしまいますね。折角だしレミリア様起こしてみようかな。怒るかな。
私は人差し指でまだ固まっていない血をちょっと拭い取ると、寝息を立てているレミリア様の口元にそっとそれをさし出してみます。
噛まれました。
紅魔館の主たる吸血鬼がこんな小動物みたいな釣られ方をして大丈夫なんでしょうか―――って、完全に目がさめてますね。
割としたり顔でこちらを見ているレミリア様の様子をみると既に起きてたみたいです。
いや、でもそんなニヒルな笑いされても人の指咥えながらだと威厳ないですからね。割とシュールで痛い!痛いです!刺さってます!
バタバタしてたらパティシエ様に本の角で殴られました。涙目に玉ねぎです。
後、そろそろご主人様の名前を弄るのに飽きてきたので明日からは普通に表記しようと思います。ネタ尽きたし。
さて、そんなこんなの一日でしたがレミリア様はどうでしたか?
○月×日 れみりあ
あんたの血はあまにがい
あとぱちぇの本名あんたのせいであやしくなったんだけど
○月×日 こあ
お褒めに預かり光栄です。
あの人の本名ですか? なんかさくらんぼみたいな感じだったと思います。
今気付いたけどこれ交換日記というよりは交換ノートですよね。誤差の範疇ですけど。
まあ、今日は一日お疲れ様でした。
パチュリー様の元で使い魔のようなものとして働いている私ですが、基本的に暇を持て余してます。
まあよく考えると当たり前の話なんですよね。あの人本読んでばっかりだし。呼ばれる用事特にないし。
アレで読んでるのが小説とか漫画だったなら、サクサク読み進んで「小悪魔、次持ってきて」ってなるんでしょうけど基本的にもやしさんが読むのは魔術書ですからね。
数時間で読み終わる代物じゃないわけです。そんでもって、読んでる途中で必要になりそうな辞書の類は予め机にセットされてると。
そんなどうでもいいことをつらつら並べ立てて何が言いたいのかっていうと、私が暇だということです。
最初に言ってるじゃんこれ。わざわざ説明しなくてもわかりそうな理由話す必要あったんですかね?
昔はその暇を有効利用して私自身も魔術書の勉強していたりもしたんですが、最近はちょっと根詰めたせいか食傷気味でございます。
そこでその暇を潰すために―――ああもう、暇暇言いすぎて嫌ですねぇ。私の資産価値が今どこかで下がってそうです。上がったところで売りませんけどね。
とにかく、空いた時間で日記を書いてみようと。
一行で済む本題。ああ、なんて素晴らしいのか。世界は所詮無駄なものばかりで出来ているんです。
パチュング様の実は結構ある胸の脂肪とか、帽子についてる三日月とかやたら暖かそうなネグリジェとか全部無駄です。
南無阿弥陀仏ですよ。自分でも何言ってるのかわかりませんが。
さて、でもただの日記じゃ面白くないなぁと思った私です。そこで普段から同じく暇を持て余してそうなレミリア様にとりあえず抱きついてみました。
背後から突然抱きついちゃったので肘鉄が飛んできました。割と痛いです。流石吸血鬼ですよねぇ。
でもそこでダウンするほど私が柔なわけでもなく、交換日記やりませんか、と私は誘いをかけてみたわけです。
さりげなくレミリア様の顎の下を指で撫でながら。噛まれました。ちぎれますちぎれますごめんなさい。
「交換日記? そんなにマメなことが出来る性格だったっけ、あんた」
どちらかというとそれは私がレミリア様に言う事じゃないかなぁ、と思いましたが私は大人なので口には出しません。
ちなみに今レミリア様は私の抱擁に爪を立てながらすっぽりおさまっています。あんまり反抗してきません。
なんだかんだで仲は悪くないんですよね私と。悪ノリ仲間と言いますか。結構協力して咲夜さんにちょっかいかけたりしますし。
この前は咲夜さんの下着の棚を弄って下着博物館にしてましたね。紅魔館のみんなの下着を数着ずつ入れておいて。
返すのかそのまま着服するのか(この高尚なギャグをどや顔で思いついたのはパチモン様です)レミリア様と興味津々で観察してたのですが、結果は―――
ああ、やめときましょう。あの時、私生まれて初めて背筋が凍るというのを実地で体験いたしましたよ。
おおこわいこわい。
まあとにかく。
私と悪友やってくれてるレミリア様は、交換日記なんて面倒なことをするのは嫌だけど、ストレートにそれを言えないわけです。
もし迂闊にそんなことを言うと、私に「こまめな事出来なさそうですもんねぇ」という挑発を食らうのが目に見えているわけで、それを嫌がったわけですね。
とりあえず逆に問題を押し付けてみたと。なんだか私との駆け引きがうまくなってきて小悪魔少々複雑な気分です。
まあ今は別にレミリア様をいじめたいわけでもなく、純粋に交換日記をやってみたいだけなので私は説明を試みます。
一人で日記をやるのも悪くないけど、見る人がいるとほんの少し楽しい。
見た人がたまにでもいいから一緒に日記を書いてくれるなら、ほんの少し嬉しい。
気が向いたときに数行書いていただければいいのです。後暇なときに読んでみてくれれば。
ほら、悪戯の計画書くにも最適ですよ。ほらほら。
レミリア様はしばらく私の指先からジワジワと溢れてくる血を舐めとりながら猫目を細めて考えているようでしたが、血があまり出なくなると顔を上げて、
「いいわ、やったげる。暇なときはね」
と快く承諾してくださいました。わぁい。
○月×日 雨 こあくま
いよいよ交換日記の始まりです。小悪魔です。
これからしばらくは、この持て余した時間が日記に費やされて海の藻屑と消えて行くことを考えるだけで達成感と虚しさが同時にこみ上げてきます。
なんかアレとよく似てますね。セスタスでしたっけ。
しかし、レミリア様は暇なときにやってくれると言いましたけど、それ割と常にですよね。とか言ったら怒りますかねぇ。
まあこの日記ご本人様が見るんですけど。その程度のことを気にする私でもないのでどうでもいいんですけどね。
形式としてはあくまで交換日記…あ、いいですね今の。二人とも悪魔ですよ。悪魔の交換日記です。
話を戻して。
交換日記の体裁を成しているからにはある程度メッセージ性のあるものを書くべきだったり、他人が読むことを考慮した文体にすべきなのかもしれませんが私には関係ありません。
どうせ目的は私の暇つぶしなのです。私のモチベーションが下がってしまったら本末転倒なのですから。
というわけで、パルシェン様の痴態だろうがなんだろうがここで晒すことに抵抗は一切ない、ということを予め記しておきます。はた迷惑な日記ですねー。
いずれこの日記がちょっとした曰くつきの魔道書になって人間に奪われることを空想しただけでドキがネムネムです。朝も起きられません。
そんな感じになったらいいなぁ。
さて今日は図書館にレミリア様が暇を持て余して遊びに来ております。特にやることがなさそうだったので私が颯爽と漫画本をざっくりと本棚一つ分位目の前に積み上げてあげました。
山を切り崩そうと必死になるレミリア様ですが、よく考えると漫画本の類はあの人ほぼ全部読破済みなんですよね。
特に今手にとってる奴なんか4週目じゃないでしょうか。本当に暇なんですねぇ。というか飽きないんでしょうか。
あ、目が据わってきた。飽きてるのかやっぱり。眠そう。凄い眠そう。
でもこのまま眠ってしまうと私の悪戯の餌食です。ああ、なんてこと。起きた頃にはレミリア様は大事な何かを失ってしまうのです―――あ、落ちた。机に突っ伏しました。
対面に座っているパチスロ様はこの間も微動だにせず本を読み耽っています。毎度思うんですけど、アレいざ席を立とうとしたとき下半身が死後硬直に近いレベルで固まらないんでしょうか。
紫色のご主人様はふっと顔を上げて私に目でサインを送ってきます。え、なんですか。「この子を手篭めにしろ?」わあ、流石ですね。魔女って怖いです。
私は純情なので顔を赤らめながらガッツポーズをして快諾の意をパタポン様に伝えましたが、指令を送ったご本人はなにやら困惑した顔をしています。
またまた、自分で命令したくせにー。今更何を躊躇っているんですか。
私が手をワキワキさせながらテーブルに近付いて行くと何やら紫色の拳が飛んできました。痛いです。……って、え? 紫? そこは肌色じゃないんですか?
びっくりしてパタリロ様の方を見ると、この人自分の髪のおさげの部分を掴んでブンブン振り回しております。ああ、武器だったんですねそれ。肝に銘じておきます。
どうやら手篭めにしちゃいかんようです。さて気を取り直して。
寝ているレミリア様にする悪戯の候補は幾らでもありますが、とりあえず今この瞬間に思いついた案は冷たい粘液を背中から流しこむ、というものでした。
ですがどうにも後始末(二重の意味で)が大変な気がしたので、ここは簡潔な王道で行きたいと思います。
寝ている間にも稀にピコピコと動く翼に触れないようにしながら、レミリア様に慎重に近づきます。
顔をレミリア様の耳の辺りまで近づけて、息をふうっと―――
しようとしたところで生命の危機を感じた私は後ろに飛び退きました。
私の額が先程まであった場所を通過していく銀のナイフ。いや、通過というか刺さったんですけどね。私の二の腕に。痛いです。
誰の仕業かは言わずもがな。図書館の入口の方から、如何とも名状しがたいオーラをまとった咲夜さんが現れました。
もう、この人は酷いです。時間止めるとかどう見てもチートじゃないですか。
絶対時止めて悪戯してますよね。私がやるのは許さないのに。
ひとまずまだ咲夜さんと距離があるうちに降参のポーズをしておきます。
咲夜さんは目で「おいたがすぎないようにね」と念を押すと、振り返って図書館から出ていこうとして、ふと気がつくと消えていました。
……いえ、でもこの目でちゃんと見ました。今咲夜さん、足をもつれさせましたよ。そして時を止めましたね。
なんか和んだので許してあげることにします。
おっと、止血止血。このままでは私の健康的な二の腕が真っ赤に染まってしまう。これは武器になりますか?
パ知恵袋さーん。ちくしょう無視か。あ、もうほとんど自然治癒で止まってしまいましたね。
はて、このままではただの日記になってしまいますね。折角だしレミリア様起こしてみようかな。怒るかな。
私は人差し指でまだ固まっていない血をちょっと拭い取ると、寝息を立てているレミリア様の口元にそっとそれをさし出してみます。
噛まれました。
紅魔館の主たる吸血鬼がこんな小動物みたいな釣られ方をして大丈夫なんでしょうか―――って、完全に目がさめてますね。
割としたり顔でこちらを見ているレミリア様の様子をみると既に起きてたみたいです。
いや、でもそんなニヒルな笑いされても人の指咥えながらだと威厳ないですからね。割とシュールで痛い!痛いです!刺さってます!
バタバタしてたらパティシエ様に本の角で殴られました。涙目に玉ねぎです。
後、そろそろご主人様の名前を弄るのに飽きてきたので明日からは普通に表記しようと思います。ネタ尽きたし。
さて、そんなこんなの一日でしたがレミリア様はどうでしたか?
○月×日 れみりあ
あんたの血はあまにがい
あとぱちぇの本名あんたのせいであやしくなったんだけど
○月×日 こあ
お褒めに預かり光栄です。
あの人の本名ですか? なんかさくらんぼみたいな感じだったと思います。
今気付いたけどこれ交換日記というよりは交換ノートですよね。誤差の範疇ですけど。
まあ、今日は一日お疲れ様でした。
それにしてもパチェ錦さんの性格がよく分からん、続編が出るならそれに期待だ。
あと気になるのは小悪魔ちゃんの血液成分。
咳止めシロップのような甘味、サンマの内臓のような苦味を混ぜた感じだと俺は睨んでいるぜ。
つまりは激しく微妙な味ってことだ。
レミリア本人に読ませたのか…
小悪魔すげえ
あとパチ…何だっけ…パチャカマ様?の胸の脂肪は無駄じゃないよ!