博麗神社跡地。
結局、本部になりそうなところは殆ど壊滅してしまったため、急遽修理が行われる事となった。
方々から、人員を集めて。
魔理沙「働け働け~!馬車馬のごとく!」
ルーミア「重い~!」
ミスティア「眠い・・・・。私、夜行性なのに・・・・。」
リグル「もう嫌だ~!」
チルノ「何でこんなことしなきゃいけないのよ~!」
その辺の妖怪たちをはじめ、
メルラン「姉さんも律儀よね。」
リリカ「だね~。」
ルナサ「ここに迷惑かけたの、何処の誰だったっけ?」
メルラン「あ~・・・、う~ん。」
リリカ「でもまぁ、ここがこんなんじゃ、仕事も減るだけだしね。」
ルナサ「そういうこと。だから二人もせっせと働く。」
プリズムリバー三姉妹、
永琳「ウドンゲ、ちょっとそれ取って。」
鈴仙「はい、師匠。」
永琳「ありがと。・・・・って、あれ?姫は何処?」
鈴仙「え?・・・・あれ?さっきまでそこに居たのに。」
永琳「飽きたから、逃げたのね・・・。ウドンゲ。」
鈴仙「はい?」
永琳「あとは、お前に任せたわ。」
鈴仙「え!?ちょっと、ししょ~!」
永遠亭の住人など、
萃香「建築材も人材もこの通り。萃めといたよ。」
魔理沙「ん。いい仕事してるな。」
咲夜「この分なら、神社の再建も近いわね。」
霊夢「出来れば今日中にして欲しいけど。」
アリス「まぁ、こんな時はトラブルの一つ二つ、付き物なんだけどね。」
霊夢「不吉なこと言わないでよ。」
結構沢山来ている。
さらには、
カン!カン!カン!
妹紅「釘が足りないよ。回して頂戴。」
慧音「ああ。」
慧音は、藤原妹紅を援軍として連れて来ていた。
妹紅「こんなところに連れ出されたかと思えば、大工仕事?」
慧音「無理言ってすまんな。」
妹紅「いや、仕事自体は別にいいんだけどね。後で酒も出るって言うし。ただ・・・。」
慧音「ただ?」
何であいつも居るのよ?
そう、妹紅が口を開こうとした、そのとき、
輝夜「とう!」
どん!
『あいつ』が現れ、妹紅を押した。
妹紅「わ!・・・・と!か、かぐ・・・!」
輝夜「えい!」
どん!
バランスを崩す妹紅に、追い討ちをかける輝夜。
妹紅「わ~~~~~~~!!」
ひゅ~~・・・・・
妹紅は、落下していった。
そして、
ぐちゃ・・・
嫌な音がして、死んでしまった。
輝夜「南無~。」
慧音「こらぁ!突然出て来て突き落とすな!!」
輝夜「ご挨拶代わりよ。」
慧音「挨拶した途端、さよならかよ・・・。」
慧音が輝夜に怒鳴っていると、
ごち~ん!!
輝夜「あう・・・・・。」
下から飛んできたトンカチが、輝夜に直撃した。
輝夜は気を失い、
ひゅ~・・・・・
落下して、
ぐちゃ・・・
死んだ。
妹紅「ったく・・・。いちいち殺される暇は無いってのに。」
慧音「お~い、大丈夫か~?」
妹紅「一応ね~。」
トンカチを投げたのは、さっき死んで、早々に生き返った妹紅だ。
輝夜「それは残念。」
妹紅「・・・あんた・・・・。」
輝夜も早々に生き返る。
死んだにも関わらず、早々と復活するのは、不死人の特権だ。
霊夢「そこ!殺しあってる暇があったら、さっさと働く!」
妹紅「好きで殺しあってるわけじゃないってば。」
輝夜「嫌よ嫌よも、好きのうちってね。」
ガン!
輝夜「あう・・・・。」
ぱた・・・
輝夜は、妹紅にトンカチで殴られて気を失った。
死んだのか普通に気を失ったのか、まぁどっちにしろ大差は無い。
妹紅「誰か~、コレ、どっかにやって~。」
魔理沙「人柱として、壁に埋めるか?」
妹紅「あ、それ賛成。じゃあ早速・・・。」
霊夢「うちを猟奇殺人の現場にするな。」
輝夜を壁に埋めたりしたら、毎晩呻き声に悩まされることだろう。
猟奇的で怪奇的だ。
永琳「姫~。どこ行ったんですか~?」
妹紅「こっちこっち。」
永琳「ん?」
ちょうど良いところに、永琳が現れた
妹紅は永琳をちょいちょいと手招きする。
永琳「あ~もう、またこんな所で殺されて・・・。」
妹紅「さっさと引き取って頂戴。こちとら真面目に働いてやってるんだから。」
永琳「そりゃあ悪かったわ。」
永琳は、意識の無い輝夜を担いで、向こうへ行ってしまった。
妹紅「やれやれ。」
慧音「問題児を追っ払ったところで・・・。そろそろ昼時だぞ。」
霊夢「ああ、そういえばそんな時間ね。」
咲夜「交代で、休憩とっていいわよ。」
現場監督の咲夜が、指示を出した。
そうすると、作業を中断して、続々と皆が集まってきた。
萃香「酒が飲める飲めるぞ~。」
魔理沙「酒が飲めるぞ~。」
アリス「昼間っから、いい気なもんね。」
霊夢「ていうか、今飲まない。午後もちゃんと働いてよね。」
鈴仙「ささ、師匠も一杯。」
永琳「ん、苦しゅうない。」
霊夢「そこも!」
何故か全員が休んで、現場は宴会騒ぎになった。
咲夜「交代って言ったのに、おかしいわね・・・。まあ、いいか。」
とりあえず、細かいことなので気にしないことにした。
しかし、気にした方がよかったと、咲夜は後でちょっとだけ思った。
その理由は・・・。
輝夜「ささ、おひとつ・・・。」
妹紅「いらないわよ。」
ここである。
何か怪しい料理を、妹紅に勧める輝夜。
輝夜「あら。食べなきゃ成長しないわよ?」
妹紅「いや、止まってるし。・・・どうせ、何か仕込んでるんでしょ?」
普段、妹紅を殺す気満々な輝夜である。
何か仕込んでると考えるのが普通であろう。
輝夜「・・・。いいから。はい、あ~ん。」
妹紅「その間は何?ていうか、絶対開けてやるもんか!」
輝夜「あ~ん。」
妹紅「・・・・・・。」
妹紅は、どうあっても口を開けようとはしない。
仕方ないので輝夜は、
輝夜「い~ち、に~い、さ~ん。」
妹紅「?」
カウントダウンの後、
輝夜「モッコスモッコス~!」
妹紅「ぶ~っ!」
輝夜「モッコスモッコス~!」
ハッスルしてみた。
シッコクでは無い。
妹紅「く、下らないこと言ってんじゃないわよ!」
ひょい
妹紅「むぐっ!」
怒鳴ってしまったが最後。
妹紅の開いた口に、すかさず輝夜はソレを放り込んだ。
妹紅「もぐもぐ・・・。」
妹紅はソレをよく噛んで、
妹紅「ごっくん。」
飲み込んで、
妹紅「・・・・。」
ご馳走様。
妹紅「わ~!食べた飲んだ~!」
輝夜「お粗末様でした。」
恭しく頭を垂れる輝夜。
裏では、してやったりと思ったりしているが。
慧音「おい、大丈夫か?」
妹紅「いやぁ~!きっとまた避けるような痛みの後、臓腑が弾けて血反吐を吐いて・・・。」
慧音「早く吐け!・・・あ~、食事の方な。」
妹紅「うぐっ!!・・・・く、苦しい!」
慧音「!?」
突然苦しみだす妹紅。
やっぱり何か入っていたらしい。
慧音「おい!やっぱり毒か!?」
妹紅「うぐぐ・・・・・!」
輝夜「毒なんて・・・。余りにワンパターンだから、盛らないわ。」
慧音「じゃあ、何をし・・・!」
何をしたんだ!と言おうとしたそのとき!
ぴか~~~~~~!!
妹紅の身体が、眩いばかりに光った!
霊夢「眩しいわねえ。」
魔理沙「あ~、これは途轍もなく嫌な予感がするな。」
慧音「くっ・・・・!一体、何が・・・?」
慧音は、妹紅の方を見た。
そして、視界に入ってきたモノは・・・。
妹紅「・・・・・・・・。」
慧音「うわ~~~~~!?」
巨大化した妹紅。
そう、毎度の如く怪獣化してしまったのだ。
輝夜「なるほど。」
永琳「まだ、隠し持ってたんですか。」
輝夜「永琳もまだまだ甘いわね。」
永琳「威張って言うことですか。大体、このタイミングで使いますか、普通。」
輝夜「このタイミングだからこそ、よ。上手くいったもん・・・・。」
妹紅「・・・・・。」
ごぉぉォォォォォ!!!
巨大妹紅が、輝夜に向かって火を噴いた!
輝夜「熱い熱い~~~~!」
妹紅「・・・・・・。」
ずず~ん・・・
ずず~ん・・・
輝夜「何か私だけ追いかけて来てる~!?」
巨大化した妹紅は、逃げる輝夜を追いかける。
永琳「・・・・・。」
霊夢「何で、このタイミングで出てくるのかしらねえ、怪獣・・・。」
魔理沙「今回は、他のとは違うな。明らかに、輝夜だけを狙ってるぜ。」
霊夢「『ふんぎゃ~!』とか、叫んだりもしないし。理性残ってるのかしら?」
アリス「蓬莱人の特性かしら。研究してみても、面白いかもね。」
魔理沙「それについては、同感。」
アリス「蓬莱怪獣『モッコン』。少し、手間はかかりそうね。」
突然舞い込んだ仕事に、半ば呆れる暇得隊。
咲夜「さて、と。その前に、色々聞かせてくれないかしら?」
永琳「ん、私?」
咲夜「あなた以外、誰が話してくれると?」
ちょっとくらい、配置に気遣っておけばよかったな、と思いつつ、
咲夜は永琳に話を振った。
慧音「この現象。どういうことか、説明して貰おうか。」
永琳「そうねぇ・・・。」
一部始終、ていうか全部見ていた暇得隊は、永琳を問い詰める。
見るからに聞くからに、妹紅の巨大化は永琳の薬のせいである。
永琳「まず、何処から話したものやら。」
魔理沙「最初から。」
永琳「と、なれば今から千年以上前になるけど。」
霊夢「じゃ、最後の方だけ。」
永琳「こうなった。以上。」
輝夜「私が、風邪引いて寝込んだくらいからでいいんじゃない?わ~~~~!」
追いかけられてる輝夜が、横から口をはさんだ後、また逃げ出した。
とりあえず二人は放っておいて、暇得隊は永琳への尋問を続けることにした。
アリス「風邪?」
永琳「ええ。結構前に、姫が風邪引いたから、風邪薬を精製しようとしたの。」
霊夢「輝夜が風邪ねぇ・・・。」
永琳「ところが、対象は不死身の蓬莱人。まともな薬が通用するとは思えない。」
慧音「それで、あんな理不尽なもん作ったのか!」
永琳「最初は、ちょっと強くなるだけだったわ。言ってみれば、強壮剤。
しかしその程度では、風邪薬にはなれない・・・と思ったの。」
咲夜「で、強力にしていくうちに、あんなモノを生み出す薬が、ってこと?」
永琳「結局、姫の風邪が自然治癒したから、風邪薬はどうでもよくなったわ。」
霊夢「まぁ、普通に寝てれば治るわね。」
永琳「で、廃棄しようとして暫く置いておいたら、何時の間にか無くなってた。」
慧音「まさか・・・。」
輝夜「そう、全ては私がやった。熱い~~~!」
モッコン「・・・・・・。」
正直に言っても、妹紅ことモッコンの怒りは収まらない。
火で焙られながら、輝夜はひたすら逃げる。
そんな二人は放っておいて、永琳は語る。
慧音「結局、毒じゃないか。」
永琳「まったく。姫ってば、ご自分の影か薄いのをいいことに、
薬を持ち出しては、方々の妖怪に投与していたみたいなの。」
輝夜「何か酷いことをさらりと言ってない?永琳。あ~れえ~~~~!」
追いかけられても影の薄い輝夜は置いといて、永琳は続ける。
永琳「しかも、悪戯に使うなんて・・・。」
輝夜「悪戯なんて心外だわ。知的好奇心を止めることが出来なかっただけよ。助けて~~~!!」
魔理沙「悪戯だと?」
咲夜「そこらの、通りがかりの妖怪に、薬を投与したわけね。」
永琳「そう。夜な夜な抜け出しては、たまたま見つけた妖怪に、ね。そして、ウドンゲにも。」
魔理沙「・・・霊夢に関しては、どうなんだ?」
永琳「あの場に姫は居なかった。つまり、考えられる原因は・・・?」
アリス「薬を作った本人。」
霊夢「って!ひょっとして私が巨大化したのは・・・!」
永琳「突如現れた知的好奇心を、止めることが出来なかっただけよ。」
霊夢「あんたねえ!」
咲夜「うちの門番。」
輝夜「知的好奇心がね。えーりん!たすけてえーりん!」
永琳「取り上げたと思ったら、まだ隠し持っていたらしいわね。」
アリス「私も、魔理沙の家ででっかくさせられたわ?」
魔理沙「ちなみに、原因は私じゃあないぜ。」
永琳「そういえば・・・。姫ってば薬を何処かに落としたとか何とか。」
魔理沙「いつぞのアレは、その薬をたまたま拾ったことが原因か。」
アリス「つまりソレに関しても、原因はあんただったのね!」
霊夢「じゃあ、萃香が神社再建を邪魔したのも!」
永琳「それは多分、神社に充満していた薬の残り香を吸ったのね。」
咲夜「そして、パチュリー様の術の失敗で、
体内に残る薬の成分が活性化し、前回のような事態に・・・。」
永琳「でも、私もまだまだ甘かったということね。」
慧音「まだ隠し持ってたということか。」
全ての謎が、取って付けたんじゃないかと言う位の勢いで、解けていった。
何のことは無い。
殆どが輝夜の仕業だったのだ。
永琳「あら、これで謎は全て解けたわ。素敵ね。」
霊夢「素敵、じゃないわよ!も~、あんたがどうでもいいことするから、
こんな事件が起こって、どんどん大袈裟にになったんでしょ!」
多分一番の被害者である霊夢が、怒りを爆発させる。
永琳「ところで、そろそろ姫が限界っぽいわね。」
霊夢「輝夜はいいけど。とりあえずこいつを退治したら、この事件は終わるのね!」
アリス「じゃあ、やりますか。」
魔理沙「最終決戦か。腕が鳴るな。」
慧音「まったく、仕方が無いな・・・。」
咲夜「全軍、攻撃を・・・・?」
咲夜は、来ている面子全員に指示を出した。
しかし・・・。
ミスティア「ぐ~・・・。」
ルーミア「zzzz・・・。」
夜行性のミスティアと、多分夜行性であろうルーミアは、
周りが騒がしいにも関わらず寝入っている。
寝不足と重労働のせいだろう。
チルノ「あわわわ・・・・。」
リグル「ひええ・・・・・。」
一杯一杯な二人は、やっぱり一杯一杯だ。
鈴仙「し~しょお~・・・ひぃいめぇ~・・・。もう飲めませえ~ん・・・。」
鈴仙は、勝手に酔いつぶれていた。
咲夜「・・・何でコレだけしか居ないのかしらねぇ。」
アリス「ああ、ちんどん屋は、『食事は自分達の家で』って言ってたわ。」
魔理沙「言いだしっぺ赤いのか、まったく。」
咲夜「萃香は?」
アリス「指示と同時に四散したわよ。ほら。」
霊夢「サボるな~!見てないで戦え~!」
咲夜「なるほど。う~ん・・・。」
見ると、暇得隊以外、まともに戦えそうなのが居ない。
霊夢「結局、いつものパターンじゃないの!」
咲夜「仕方ないわねぇ・・・。」
ともあれ、モッコンを止めなければ神社再建工事は進みそうに無い。
暇得隊はモッコンに攻撃を仕掛ける!
魔理沙「よし、行くぜ!ブレイジングスター!」
ギュルルルルルル!!
モッコンへの一番槍!
魔理沙が、モッコンに向かって突撃した!
ぺちっ
魔理沙「あ~・・・・・。」
案の定、あっさり落とされてしまった。
霊夢「魔理沙!も~、最後の最後まで役に立たないわね!!」
アリス「でも、最後の最後くらい役に立ってもらわなきゃね。拾ってくるわ。」
咲夜「お願いね。」
アリスは、魔理沙が墜落した方へと向かった。
その間にも暇得隊は、モッコンへの攻撃を続けた。
・
・
・
さて、墜落した魔理沙である。
魔理沙「いけるか?ウルトラランよ。」
藍(ふん。私だってEXTRAボス。同じ立場の人間なんかに、やられてたまるか。)
皆に見つからないよう変身するために、わざと撃墜されたのだ。
魔理沙「きっとこれが、最後の変身だな。」
藍(よし、たまには気合入れて行こうか!)
魔理沙は懐からスペルカードを取り出した。
そして、それを天高く掲げた!
ぴか~~~~~~!!
辺りが光に包まれた!
そして現れたのは!
ウルトララン「ヘアッ!」
巨大な八雲藍こと、ウルトララン!
これが、ウルトラランと怪獣との、最後の決戦になるだろう!
がんばれ、ウルトララン!
アリス「・・・・・思い出した。」
その様子を見ていた、人妖。
以前ウルトラランの正体を見破ったが、記憶を飛ばされてしまったアリス。
だが、この様を見て、その時の記憶が蘇ってしまったのだ!
アリス「これは・・・。皆に伝えなきゃ。」
・
・
・
一方の、暇得隊。
モッコン「・・・・・。」
ゴオオオオ!!
霊夢「熱っ!も~、しぶとい!」
永琳「流石に、分が悪いかしらね・・・。」
モッコンの、『自称一兆℃の炎』と耐久力の前に、暇得隊は劣勢だ。
前回のように空気を抜こうにも、刺さるものが無い。
ジリジリと押される暇得隊。
しかし、天は彼女らを見捨てることはなかった!
ウルトララン「ヘア!」
モッコン「・・・・・・・!」
空の彼方からウルトラランが現れ、モッコンの前に立ち塞がる。
霊夢「あ、ウルトラランよ!」
咲夜「これで、処理は早くなる・・・かもね。」
永琳「また、壊されるんじゃない?」
霊夢「あ、そうだった。ちょっと~!今度は気をつけてよ~!」
ウルトララン「デュワ!」
戦いが長引けば、周りへの被害は広がるだけだ。
そう思ってかウルトラランは、手を十字に構え、
いきなり必殺技のマスター狐狸妖怪レーザーを放った!
どばばばばばっ!!
モッコン「・・・・・。」
どっか~~~ん!
モッコン「・・・・・・。」
ばた~ん・・・
必殺技はモッコンに直撃!
モッコンはそのまま倒れてしまった。
霊夢「あれ?もう終わり?」
永琳「まさか。相手は不死身の蓬莱人よ。そう簡単には。」
むくっ
モッコン「・・・・・。」
ウルトララン「!」
モッコン復活。
そう、彼女は死なない、何度でも蘇るのだ。
永琳「いかないわけよ。凄いでしょう?」
霊夢「そこは自慢するところじゃないでしょ!」
下の方では騒がしいが、ウルトラランはそんなことを気にせず、再び構えを取る!
ウルトララン「シュワ!」
ギュルルルルル!
今度の技は、アルティメットブディストの卍を投げる、ブディスト光輪だ!
モッコン「・・・・・・・。」
サクッ!
モッコン「・・・・・・・。」
ずず~~ん・・・・
光輪は、モッコンの脳天に見事にぶっ刺さった。
また倒れるモッコン。
魔理沙(どうだ・・・。)
むくっ
魔理沙(うわ、やっぱりか。)
ウルトララン「(一筋縄ではいかん、か。)」
脳天に何かが刺さっても、平気で起き上がってくるモッコン。
霊夢「優勢に見えて、全然優勢じゃないわね。」
咲夜「ウルトラランには時間制限がついてる。長期戦とは行かないわね。」
慧音「む~、何とか穏便に出来んものか・・・。」
霊夢「穏便も何も、この状態が既に穏便じゃないわけだけど。」
暇得隊は、ウルトラランの戦いを見守っている。
そんなときである。
アリス「大変よ!」
霊夢「アリス?遅かったじゃない。」
咲夜「どうかしたの?」
アリス「どうかしたの!」
アリスが、大変な情報を持って帰ってきた。
アリス「みんな聞いて!ウルトラランの正体は、魔理沙だったのよ!」
霊夢「え・・・?」
咲夜「何ですって!?」
霊夢「何だってー!?」
驚愕の事実を口にするアリス。
そういう事実だけに、みんな驚いている。
慧音「前々から、タイミングがアレだと思っていたが・・・。」
永琳「薬がどうこう、ってわけでもなさそうだったけど。」
霊夢「そういうことだったのね!今回は流石に驚いたわ。」
全員が、ウルトラランの方を向く。
ウルトララン「ヘア!」
そんなことは露知らず、ウルトラランは復活したモッコンを見据えている。
そして、再び必殺技を使おうと、腕を構えた!
アリス「魔理沙~。みんなに教えておいたから、気にせず頑張りなさいよ~。」
咲夜「お嬢様にも教えておくからね~、魔理沙~。」
霊夢「魔理沙!後で色々責任とりなさいよ!」
ズルッ!
暇得隊の面々の声援に、ずっこけで応えるウルトララン。
魔理沙(な、なんてこった・・・・。)
大変だ。
このままでは、万が一タイムリミットが切れたとき、
『ウルトララン=魔理沙=スッパテンコー』の図式が、完全に成り立ってしまう!
ウルトララン「(こうなれば是非も無し。あいつらもやっつけて、上手く記憶を飛ばし・・・)」
テンコー!テンコー!
ウルトララン「ゲッ!」
図式が成り立った瞬間に、この音。
大ピンチである!
魔理沙(不味い・・・。非常に不味いぜ。)
時間が無い!
ひとまず、この戦いを今すぐにでも終わらせなければ!
ウルトララン「デュワ!!」
ドババババババ!!
必ず殺せるとも限らないことが実証されてしまった、必殺技のマスター狐狸妖怪レーザー!
どっか~~~ん!
モッコン「・・・・・。」
ずず~~ん・・・・
また直撃を喰らい、モッコンは倒れた。
ウルトララン「デュ・・・!」
急いで離脱しようとするウルトララン。
しかし、
ぐいっ!
ウルトララン「!?」
と、足をつかまれ、
べちゃっ!
ウルトララン「ブベッ!」
と、勢い余って地面に顔面を打ち付けてしまった。
テンコー!テンコー!テンコー!テンコー!!
モッコン「・・・・・・・。」
ウルトララン「デュ・・・。」
生き返ったモッコンが、逃げようとするウルトラランの足を引っ張ったのだ。
魔理沙(くそ!しつこいにも程があるぜ!)
いくらそう思っても、モッコンは蘇る。
モッコンは不死身なのだ!
テンコー!テンコー!テンコーテンコーテンコーテンコーテンコー!!!!
ウルトララン「アア・・・・・・・!!」
魔理沙(おい!気をしっかり持て!自分に負けるな!)
ウルトラランの理性が、今まさに崩れようとしている。
そして!!
ウルトララン「ア・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
ぱり~んっ・・・・
何かが、壊れた・・・・。
橙「あ~!藍様愛用のお皿落とした~!」
のは、家での出来事であった。
不吉である。
どっくん・・・・
どっくん・・・・
現場で、何故か聞こえる鼓動音。
霊夢「ウルトララン?」
咲夜「様子がおかしい・・・?」
アリス「まさか・・・。」
ウルトラランの動きが止まった。
次の瞬間!!
ウルトララン「テンコォォォォォォォォオオーーーーーーーーー!!!!!!!」
※ただいま、非常に「テン 不適切な場「イイヨテンコ~ 面がありましたこと 「ブディス
を深くお詫び「四面楚歌たのしー!! 申し上げます。
「テンコーたのしーよ~!! もう暫く、お待ち願いますと「てん ともに、皆様のご理解、
ご協力のほどを、お願いいたします。引き続き「テンコー!たの ウルトラランをお楽しみ下さい。
「プリンセス楽しいよォ~~~~!!」
※一旦CM
幽々子「カリスマ一番スキマは二番♪惨事のおやつは香霖堂♪」
霊夢「は~、お茶がおいしい。」
魔理沙「こっちの菓子も中々だな。」
霖之助「だから、勝手に入り込んで店の商品を漁るのはやめろと何度も・・・。」
咲夜「軽い食事は、香霖堂。」
霖之助「うちは茶店じゃない。そういう宣伝はやめてくれないか。」
霊夢「大丈夫よ。どっちにしろお客なんて来ないから。」
霖之助「・・・・そうか。」
・
・
・
辺りは、静まり返っていた。
ウルトララン「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
ウルトラランは大地に倒れ伏している。
その体毛、雰囲気など、全てを一言で言い表すなら、白である。
巨大化した分、カロリーの消費は激しい。
その上で、激しい運動をしたらどうなるか。
結果は、明日の何とやら最終回である。
ウルトララン「(ふ・・・。燃え尽きたよ、真っ白にな・・・。)」
魔理沙(ああ・・・・。)
ウルトララン「(こんな大衆の前での痴態・・・。もう、生きてゆけない・・・。)
魔理沙(ああ・・・・。)
ウルトララン「(思えば、色々あったな。)」
魔理沙(ああ・・・・。)
ウルトララン「(三分でスッパテンコーを知った時の驚愕、技を失敗したときの脱力感、
紅白にはボコボコにされ、それ以降はロクに怪獣退治なんぞ出来なかった・・・。
幻想郷の結界にぶつかり、怪獣達に絡まれたり返り血を大量に浴びせられ・・・。
そして、この体・・・。ふふ、ロクな思い出がないわ・・・・。)」
魔理沙(ああ・・・・。)
ウルトララン「(私、もう眠いんだ・・・。魔理沙・・・。)」
魔理沙(ああ・・・・。)
ウルトララン「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
ウルトラランの意識が、完全に無くなった・・・。
咲夜「ウルトラランが・・・・・。」
霊夢「死んだのかしら。」
慧音「無残な。」
アリス「もう、見てられないわね。色々と。」
暇得隊は、割と冷静だ。
モッコン「・・・・・・・・。」
ゴオオオオオ!
輝夜「熱い~!」
邪魔者を始末したモッコンは、再び輝夜に攻撃を加え始めた。
そんなことを忘れていたのか輝夜は、思いっきり炎を浴びてしまった!
怒りの炎は、輝夜のみならず、・・・。
霊夢「わ~!神社に燃え移った~!」
恐れていたことが。
直りかけの神社に、炎が飛び火してしまったのだ。
咲夜「消火活動!急いで!」
と、言いつつ咲夜は、何かを掴んだ。
チルノ「ちょっと~!わ、私を投げて火を消すなんて、誰も認めないわよ!」
咲夜「・・・・ち。」
チルノ殺害事件は、未遂に終わった。
霊夢「あんたのせいでしょ!何とかしなさいよ!」
永琳「しょーがないわねぇ・・・。」
永琳は、見るからに怪しい注射器を取り出すと、
ちくッ
霊夢「痛っ!」
何の躊躇も予告も無く、霊夢に刺した。
霊夢「何すんのよ!って、その注射は何よ?」
永琳「ああ、これ?例の薬の在庫。」
霊夢「え?」
ぴか~~~~!!!
R&Wキング「ケーーーーーヒーーーーー!!!」
モッコン「・・・・!」
霊夢の身体が光り、以前ウルトラランを打ち倒した、
あの『二色蓮花獣 レッドアンドホワイトキング』が出現した!
思わぬ事態に驚くモッコン。
そして、第二の戦いが始まったのだ・・・。
・
・
・
ここは、藍の精神世界。
大量のカロリー消費と羞恥による精神ダメージで、身も心もボロボロになり、
真っ白になってしまったウルトラランこと八雲藍は、生死の境界を彷徨っていた。
もう、このまま楽になってもいいや、何て思っていた藍に、何者かが語りかけてきた。
?「ウルトララン・・・・。ウルトララン・・・・・。」
藍「・・・・私を、ウルトラランと呼ぶのは、誰だ・・・・。」
答えるのも面倒な様子で、藍が尋ねる。
紫「おはよう、藍。」
藍「げげっ!紫様・・・・・・。」
声の主は藍の主、八雲紫であった。
季節はもう春。
冬眠から目覚めたのだ。
紫「何こんなところで遊んでるの、私を放っておいて。放任主義教育は橙で十分でしょう?」
藍「いや、私を教育するのが、紫様でしょう?」
紫「そうよ。きちんと教育してあげるから、早く帰って仕事しなさい。」
藍「あ~、その・・・・。少々、問題がございまして・・・・。」
紫「あら。私の命が聞けないと言うの?」
藍「め、滅相もございません!」
紫「嗚呼、私の教育が至らないばかりに、藍がこんな子に・・・・・。
こうなったら、明日からスパルタ教育実行で、その腐りかけた根性を叩きなおして・・・。」
藍「それだけはご勘弁を!と、とりあえず私の話を聞いてください!紫さま~!」
とにかく、話を聞いてもらわないことにはどうしようもない。
藍は、命乞いをするかのように、これまでの経緯を紫に話した。
紫「そう。じゃあ仕方が無い、かしらね・・・・。」
藍「ははっ!決して、決して仕事をサボっていたわけではございません!」
紫「ふうん。それが本音ね。」
藍「ご、誤解です!紫さまぁ~!!」
紫のその言葉が本気なのかどうかは良くわからないが、
とにかく平謝りする藍。
うっかり変なこと言ってしまうと、そこからどう発展して行くか解らない。
しかもそれが、良い方向に向かうとは到底考えられない。
紫「まぁ、こちらとしても、藍には帰ってきて貰わなきゃ面倒だし。」
藍の願いが通じたのか、ちょっと良い方に話が向かってきた。
・・・・と、思う。
紫「私が、生と死の境界を弄って、魔理沙を生き返らせるわ。」
藍「そ、それでは・・・!」
紫「お前は白玉楼逝きね。」
藍「うそぉ!?何でですかー!?」
紫「お前の命を魔理沙に与えるからよ。」
藍「じゃあ、私は?」
紫「気が向いたら、適当に何とかするわ。」
藍「私ってばそんな扱い!?」
やっぱり、藍にとっては良い方向には向かわなかった。
紫「さ、逝きましょうか。」
藍「魔理沙~!助けて魔理沙~!」
紫「当分、幽々子の家の雑用でもやって・・・。あ、私と橙も、暫く泊めてもらおうかしら。」
藍「あ~れぇ~・・・・・。」
こうして藍は、魔理沙の身体から離れていった。
命だけを残して・・・。
・
・
・
戦いは、熾烈を極めたらしい。
妹紅「う~ん・・・・・。」
どれ程の時間が経ったのかは知らないが、モッコンは倒され、妹紅に戻っていた。
慧音「お~い、生きてるか?・・・って、お前は死なないんだよな。」
妹紅「・・・・痛い・・・。」
巨大化してたとは言え、相手は最強を誇るR&Wキング。
それはもう、こっ酷い目に遭わされた様子だ。
輝夜「いたたたた!永琳、滲みるってば~!」
永琳「痛いのは最初だけ。後は楽になれますから我慢してください。」
一方、モッコンから文字通り集中砲火を浴びた輝夜は、
永琳手製の火傷薬の痛さに苦しんでいた。
別に放っておいても治るのだが。
輝夜「も~、これもあんたが火なんか吐くからよ。」
妹紅「あんたが一服盛るからでしょうが!」
慧音「暴れるな。薬塗るぞ。」
妹紅の方も、擦り傷などによく効くという薬を塗られる。
妹紅「痛っ!もっと痛くないように塗ってよ!」
慧音「と、言われてもなぁ。」
妹紅「う~、何で私がこんな目に・・・。」
輝夜「ほんとよ。何で私が・・・。」
永琳「姫の場合は、自業自得です。」
慧音「お前の場合は、因果応報だ。」
輝夜「う~・・・。」
輝夜に反省の色はあるのか、よくわからない。
妹紅「いたたたた!」
輝夜「いたたたた!」
五分ほど、二人仲良く、薬の痛さを共有することになってしまった。
さて、妹紅をボコボコにした霊夢はと言うと。
霊夢「ああ・・・。結局こういうことになるのね・・・。」
愕然としていた。
モッコンの炎が飛び火したり、巨大化した自分が暴れて壊したりで、
半分くらい直りかかっていた博麗神社は、またも廃墟となってしまった。
咲夜「今度は6割程度よ。霊夢が下した被害は。」
霊夢「大小の問題じゃなくてね・・・。は~・・・。」
嘆息する霊夢。
神社再建は、まだ少しかかりそうだ。
慧音「おい、あれは何だ?」
と、ようやく慧音が、何かに気付いた。
ウルトラランが倒れた方向だ。
霊夢「空間の歪み・・・。紫?」
咲夜「紫でしょうね。きっと、藍を回収しに来たんだわ。」
アリス「じゃあ、ウルトラランは。」
咲夜「もう二度と、出ては来ないでしょうね。」
霊夢「藍の方も居なくなっちゃいそうだけどね。」
慧音「そりゃあ、あんな痴態を晒せばなぁ・・・。」
空間の歪み、紫が作った境界、隙間。
隙間は、元の姿に戻った藍を回収すると、空の彼方へと去って行った。
魔理沙「う~ん・・・・。」
そして、ウルトラランが居なくなった跡には、魔理沙が残されていた。
霊夢「魔理沙!」
咲夜「魔理沙、大丈夫?」
駆け寄る暇得隊の面々。
魔理沙「あ~、酷い目に遭った・・・。」
霊夢「魔理沙、藍は?」
魔理沙「逝ったよ。あの世に。」
霊夢「あ、死んだんだ。」
アリス「ほんとに居なくなったのね。」
魔理沙「紫が連れてくとか言ってた。で、私は生き返らせて貰ったわけだが。」
ともあれ、これで全てが終わったんだな。
魔理沙が、そんな一言で締めようかと思った瞬間!
霊夢「で、ウルトラランだったあんたは、どうやって弁償してくれるのかしらね。色々と。」
魔理沙「っておい、私のせいか!?」
アリス「連帯保証人みたいなものね。」
何か、責任を追及されてしまった。
魔理沙「くそ、お前が要らんこと思い出さなきゃ・・・。」
アリス「事実だから仕方ないの。」
咲夜「じゃあ、うちの修理も手伝ってもらおうかしら。」
永琳「じゃあ、うちも。」
何だか知らないうちに、魔理沙は大量の借りを請負ってしまった。
魔理沙「私はさっき、紫に記憶操作されたから、ウルトラランとしての記憶が一切無い!」
霊夢「そんな言い訳が通じるかー!」
霧雨魔理沙が、その借りを全て返したのか、踏み倒したのか。
それはまた、別のお話・・・。
さようならウルトララン。
偶然の事故のため、謀らずとも幻想郷の平和を守ったウルトララン。
被害状況はともかく、である。
とりあえず輝夜と永琳も反省し、幻想郷から巨大な妖怪たちは姿を消した。
紫のお陰で魔理沙は生き返り、ウルトラランは、二度と我々の前に姿を現すことは無いだろう。
一部、それにほっとする連中が居ることは置いといて、ウルトララン、ありがとう!
ウルトララン、さようならーーーー!!
藍「こんなこと、もう二度とやるもんか・・・・。」
幽々子「藍~、ご飯~。」
妖夢「あ~、何もしないで済むから楽ね~。そうだ、部屋の掃除もやっといて。」
橙「お腹すいた~。」
紫「よかったわね、藍。人気者よ。たまには、死んでみるのもいいのかもね。」
藍「しくしく・・・。」
ウルトララン THE END
おまけ
巨大妖怪たちは、暇得隊やウルトラランの活躍によって、幻想郷から消え去った。
幻想郷に、静寂と平和が戻ってきたように見えた。しかし!
妖夢「幽々子様!また裏庭に出ました!」
幽々子「また~?おちおち、昼寝もできないわね。」
冥界、西行寺のお屋敷では、幻想郷以上の異変が起こっていた。
そこで幽々子は、彼女らを集めた!
霊夢「こんな所に呼び出して、いったい何なのよ~。」
咲夜「私、忙しいんだけど。」
アリス「何なのよ、ほんと。」
魔理沙「私はまだ死にたくないぜ、まったく。」
アリス「この間まで、半分死んでたじゃない。」
西行寺のお屋敷。
そこの裏庭には、近頃なにやら異変が起こっているとのこと。
幽々子「と、いうわけで。経験者は語るということで隊長。」
咲夜「ん?私?」
幽々子「妖夢はお茶係ね。」
妖夢「そんな~!もっと良い役くださいよ~。」
幽々子「で、私は社長で。」
妖夢「いやいや、幽々子様。社長って何ですか?」
幽々子「守る場所は裏庭。名付けて、『ウラニワ警備隊』!」
裏庭を警備するから、ウラニワ警備隊。
名前は安直だが、幽々子はそんな組織を結成してみる。
妖夢「と、ここが裏庭で・・・・。」
霊夢「ちょっと!アレは何よ!」
さっそく裏庭に向かう暇得隊改めウラニワ警備隊。
そこで見たのは、何と巨大な幽霊だった!
そう、あの悲劇が、今まさに繰り返されようとしていたのだ!!
魔理沙「今回、私は脇役というか、変身できんぜ。」
藍「紫さま~、早く何とかしてください~・・・・。」
ウルトラランの居ない彼女らに、巨大な幽霊に対抗する術があろうか。
妖夢「くぅ!斬れない!」
妖夢の刀をも跳ね返し、暴れまわる巨大幽霊。
ウラニワ警備隊は、早々にピンチを迎えた。
しかし、奇跡が起こった!!
幽々子「へァ!」
妖夢「ぶーーーーー!!」
何と、巨大化した幽々子が出現!
巨大幽霊と戦い始めたのだ!
妖夢「な・・に・・・?ん・・・・ああ!?ええ~!?」
魔理沙「混乱するな。で、アリスよ。アレに、あえて名前をつけるなら?」
アリス「ええと・・・。私に、魔理沙、霊夢と・・・・・。」
何故かアリスは、数を数え始める。
アリス「あれは、『カリスマセブン』よ!」
霊夢「カリスマセブン?」
アリス「そう。私たちウラニワ警備隊は、六人。あいつのあの姿は、まさに七人目の隊員よ。」
魔理沙「だから、カリスマセブンか?」
巨大幽々子は、カリスマセブンと名付けられた!
カリスマセブン「ヘァー!!」
暴れまわるカリスマセブン!
どどどど~~~ん!!
妖夢「わ~!お屋敷が~!」
霊夢「ああ、やっぱり、こういうことになるのね。」
繰り返す悲劇。
妖夢と幽々子は、家なき子になってしまうのか?
カリスマセブン「ジュワ!!」
額の@から放たれるビーム!
必殺の、カリスマショットだ!
カリスマセブン「ジェア!!」
全てを切り裂くカリスマセブンの扇子!
名づけて、センスラッガー!
妖夢「ゆ、幽々子様・・・。何てことを・・・・・。」
カリスマセブン「ヘアッ!」
妖夢「ヘアッ!じゃな~~い!!」
新番組『カリスマセブン』。
妖夢「だめ~~~~!!正体全然隠してないし、幽々子様に
こんな醜態を晒させるなんて、絶対だめ~~~~~~!!」
堂々・・・
妖夢「未来永劫・・・・ざぁぁぁぁーん!!!」
放送打ち斬りっ。
結局、本部になりそうなところは殆ど壊滅してしまったため、急遽修理が行われる事となった。
方々から、人員を集めて。
魔理沙「働け働け~!馬車馬のごとく!」
ルーミア「重い~!」
ミスティア「眠い・・・・。私、夜行性なのに・・・・。」
リグル「もう嫌だ~!」
チルノ「何でこんなことしなきゃいけないのよ~!」
その辺の妖怪たちをはじめ、
メルラン「姉さんも律儀よね。」
リリカ「だね~。」
ルナサ「ここに迷惑かけたの、何処の誰だったっけ?」
メルラン「あ~・・・、う~ん。」
リリカ「でもまぁ、ここがこんなんじゃ、仕事も減るだけだしね。」
ルナサ「そういうこと。だから二人もせっせと働く。」
プリズムリバー三姉妹、
永琳「ウドンゲ、ちょっとそれ取って。」
鈴仙「はい、師匠。」
永琳「ありがと。・・・・って、あれ?姫は何処?」
鈴仙「え?・・・・あれ?さっきまでそこに居たのに。」
永琳「飽きたから、逃げたのね・・・。ウドンゲ。」
鈴仙「はい?」
永琳「あとは、お前に任せたわ。」
鈴仙「え!?ちょっと、ししょ~!」
永遠亭の住人など、
萃香「建築材も人材もこの通り。萃めといたよ。」
魔理沙「ん。いい仕事してるな。」
咲夜「この分なら、神社の再建も近いわね。」
霊夢「出来れば今日中にして欲しいけど。」
アリス「まぁ、こんな時はトラブルの一つ二つ、付き物なんだけどね。」
霊夢「不吉なこと言わないでよ。」
結構沢山来ている。
さらには、
カン!カン!カン!
妹紅「釘が足りないよ。回して頂戴。」
慧音「ああ。」
慧音は、藤原妹紅を援軍として連れて来ていた。
妹紅「こんなところに連れ出されたかと思えば、大工仕事?」
慧音「無理言ってすまんな。」
妹紅「いや、仕事自体は別にいいんだけどね。後で酒も出るって言うし。ただ・・・。」
慧音「ただ?」
何であいつも居るのよ?
そう、妹紅が口を開こうとした、そのとき、
輝夜「とう!」
どん!
『あいつ』が現れ、妹紅を押した。
妹紅「わ!・・・・と!か、かぐ・・・!」
輝夜「えい!」
どん!
バランスを崩す妹紅に、追い討ちをかける輝夜。
妹紅「わ~~~~~~~!!」
ひゅ~~・・・・・
妹紅は、落下していった。
そして、
ぐちゃ・・・
嫌な音がして、死んでしまった。
輝夜「南無~。」
慧音「こらぁ!突然出て来て突き落とすな!!」
輝夜「ご挨拶代わりよ。」
慧音「挨拶した途端、さよならかよ・・・。」
慧音が輝夜に怒鳴っていると、
ごち~ん!!
輝夜「あう・・・・・。」
下から飛んできたトンカチが、輝夜に直撃した。
輝夜は気を失い、
ひゅ~・・・・・
落下して、
ぐちゃ・・・
死んだ。
妹紅「ったく・・・。いちいち殺される暇は無いってのに。」
慧音「お~い、大丈夫か~?」
妹紅「一応ね~。」
トンカチを投げたのは、さっき死んで、早々に生き返った妹紅だ。
輝夜「それは残念。」
妹紅「・・・あんた・・・・。」
輝夜も早々に生き返る。
死んだにも関わらず、早々と復活するのは、不死人の特権だ。
霊夢「そこ!殺しあってる暇があったら、さっさと働く!」
妹紅「好きで殺しあってるわけじゃないってば。」
輝夜「嫌よ嫌よも、好きのうちってね。」
ガン!
輝夜「あう・・・・。」
ぱた・・・
輝夜は、妹紅にトンカチで殴られて気を失った。
死んだのか普通に気を失ったのか、まぁどっちにしろ大差は無い。
妹紅「誰か~、コレ、どっかにやって~。」
魔理沙「人柱として、壁に埋めるか?」
妹紅「あ、それ賛成。じゃあ早速・・・。」
霊夢「うちを猟奇殺人の現場にするな。」
輝夜を壁に埋めたりしたら、毎晩呻き声に悩まされることだろう。
猟奇的で怪奇的だ。
永琳「姫~。どこ行ったんですか~?」
妹紅「こっちこっち。」
永琳「ん?」
ちょうど良いところに、永琳が現れた
妹紅は永琳をちょいちょいと手招きする。
永琳「あ~もう、またこんな所で殺されて・・・。」
妹紅「さっさと引き取って頂戴。こちとら真面目に働いてやってるんだから。」
永琳「そりゃあ悪かったわ。」
永琳は、意識の無い輝夜を担いで、向こうへ行ってしまった。
妹紅「やれやれ。」
慧音「問題児を追っ払ったところで・・・。そろそろ昼時だぞ。」
霊夢「ああ、そういえばそんな時間ね。」
咲夜「交代で、休憩とっていいわよ。」
現場監督の咲夜が、指示を出した。
そうすると、作業を中断して、続々と皆が集まってきた。
萃香「酒が飲める飲めるぞ~。」
魔理沙「酒が飲めるぞ~。」
アリス「昼間っから、いい気なもんね。」
霊夢「ていうか、今飲まない。午後もちゃんと働いてよね。」
鈴仙「ささ、師匠も一杯。」
永琳「ん、苦しゅうない。」
霊夢「そこも!」
何故か全員が休んで、現場は宴会騒ぎになった。
咲夜「交代って言ったのに、おかしいわね・・・。まあ、いいか。」
とりあえず、細かいことなので気にしないことにした。
しかし、気にした方がよかったと、咲夜は後でちょっとだけ思った。
その理由は・・・。
輝夜「ささ、おひとつ・・・。」
妹紅「いらないわよ。」
ここである。
何か怪しい料理を、妹紅に勧める輝夜。
輝夜「あら。食べなきゃ成長しないわよ?」
妹紅「いや、止まってるし。・・・どうせ、何か仕込んでるんでしょ?」
普段、妹紅を殺す気満々な輝夜である。
何か仕込んでると考えるのが普通であろう。
輝夜「・・・。いいから。はい、あ~ん。」
妹紅「その間は何?ていうか、絶対開けてやるもんか!」
輝夜「あ~ん。」
妹紅「・・・・・・。」
妹紅は、どうあっても口を開けようとはしない。
仕方ないので輝夜は、
輝夜「い~ち、に~い、さ~ん。」
妹紅「?」
カウントダウンの後、
輝夜「モッコスモッコス~!」
妹紅「ぶ~っ!」
輝夜「モッコスモッコス~!」
ハッスルしてみた。
シッコクでは無い。
妹紅「く、下らないこと言ってんじゃないわよ!」
ひょい
妹紅「むぐっ!」
怒鳴ってしまったが最後。
妹紅の開いた口に、すかさず輝夜はソレを放り込んだ。
妹紅「もぐもぐ・・・。」
妹紅はソレをよく噛んで、
妹紅「ごっくん。」
飲み込んで、
妹紅「・・・・。」
ご馳走様。
妹紅「わ~!食べた飲んだ~!」
輝夜「お粗末様でした。」
恭しく頭を垂れる輝夜。
裏では、してやったりと思ったりしているが。
慧音「おい、大丈夫か?」
妹紅「いやぁ~!きっとまた避けるような痛みの後、臓腑が弾けて血反吐を吐いて・・・。」
慧音「早く吐け!・・・あ~、食事の方な。」
妹紅「うぐっ!!・・・・く、苦しい!」
慧音「!?」
突然苦しみだす妹紅。
やっぱり何か入っていたらしい。
慧音「おい!やっぱり毒か!?」
妹紅「うぐぐ・・・・・!」
輝夜「毒なんて・・・。余りにワンパターンだから、盛らないわ。」
慧音「じゃあ、何をし・・・!」
何をしたんだ!と言おうとしたそのとき!
ぴか~~~~~~!!
妹紅の身体が、眩いばかりに光った!
霊夢「眩しいわねえ。」
魔理沙「あ~、これは途轍もなく嫌な予感がするな。」
慧音「くっ・・・・!一体、何が・・・?」
慧音は、妹紅の方を見た。
そして、視界に入ってきたモノは・・・。
妹紅「・・・・・・・・。」
慧音「うわ~~~~~!?」
巨大化した妹紅。
そう、毎度の如く怪獣化してしまったのだ。
輝夜「なるほど。」
永琳「まだ、隠し持ってたんですか。」
輝夜「永琳もまだまだ甘いわね。」
永琳「威張って言うことですか。大体、このタイミングで使いますか、普通。」
輝夜「このタイミングだからこそ、よ。上手くいったもん・・・・。」
妹紅「・・・・・。」
ごぉぉォォォォォ!!!
巨大妹紅が、輝夜に向かって火を噴いた!
輝夜「熱い熱い~~~~!」
妹紅「・・・・・・。」
ずず~ん・・・
ずず~ん・・・
輝夜「何か私だけ追いかけて来てる~!?」
巨大化した妹紅は、逃げる輝夜を追いかける。
永琳「・・・・・。」
霊夢「何で、このタイミングで出てくるのかしらねえ、怪獣・・・。」
魔理沙「今回は、他のとは違うな。明らかに、輝夜だけを狙ってるぜ。」
霊夢「『ふんぎゃ~!』とか、叫んだりもしないし。理性残ってるのかしら?」
アリス「蓬莱人の特性かしら。研究してみても、面白いかもね。」
魔理沙「それについては、同感。」
アリス「蓬莱怪獣『モッコン』。少し、手間はかかりそうね。」
突然舞い込んだ仕事に、半ば呆れる暇得隊。
咲夜「さて、と。その前に、色々聞かせてくれないかしら?」
永琳「ん、私?」
咲夜「あなた以外、誰が話してくれると?」
ちょっとくらい、配置に気遣っておけばよかったな、と思いつつ、
咲夜は永琳に話を振った。
慧音「この現象。どういうことか、説明して貰おうか。」
永琳「そうねぇ・・・。」
一部始終、ていうか全部見ていた暇得隊は、永琳を問い詰める。
見るからに聞くからに、妹紅の巨大化は永琳の薬のせいである。
永琳「まず、何処から話したものやら。」
魔理沙「最初から。」
永琳「と、なれば今から千年以上前になるけど。」
霊夢「じゃ、最後の方だけ。」
永琳「こうなった。以上。」
輝夜「私が、風邪引いて寝込んだくらいからでいいんじゃない?わ~~~~!」
追いかけられてる輝夜が、横から口をはさんだ後、また逃げ出した。
とりあえず二人は放っておいて、暇得隊は永琳への尋問を続けることにした。
アリス「風邪?」
永琳「ええ。結構前に、姫が風邪引いたから、風邪薬を精製しようとしたの。」
霊夢「輝夜が風邪ねぇ・・・。」
永琳「ところが、対象は不死身の蓬莱人。まともな薬が通用するとは思えない。」
慧音「それで、あんな理不尽なもん作ったのか!」
永琳「最初は、ちょっと強くなるだけだったわ。言ってみれば、強壮剤。
しかしその程度では、風邪薬にはなれない・・・と思ったの。」
咲夜「で、強力にしていくうちに、あんなモノを生み出す薬が、ってこと?」
永琳「結局、姫の風邪が自然治癒したから、風邪薬はどうでもよくなったわ。」
霊夢「まぁ、普通に寝てれば治るわね。」
永琳「で、廃棄しようとして暫く置いておいたら、何時の間にか無くなってた。」
慧音「まさか・・・。」
輝夜「そう、全ては私がやった。熱い~~~!」
モッコン「・・・・・・。」
正直に言っても、妹紅ことモッコンの怒りは収まらない。
火で焙られながら、輝夜はひたすら逃げる。
そんな二人は放っておいて、永琳は語る。
慧音「結局、毒じゃないか。」
永琳「まったく。姫ってば、ご自分の影か薄いのをいいことに、
薬を持ち出しては、方々の妖怪に投与していたみたいなの。」
輝夜「何か酷いことをさらりと言ってない?永琳。あ~れえ~~~~!」
追いかけられても影の薄い輝夜は置いといて、永琳は続ける。
永琳「しかも、悪戯に使うなんて・・・。」
輝夜「悪戯なんて心外だわ。知的好奇心を止めることが出来なかっただけよ。助けて~~~!!」
魔理沙「悪戯だと?」
咲夜「そこらの、通りがかりの妖怪に、薬を投与したわけね。」
永琳「そう。夜な夜な抜け出しては、たまたま見つけた妖怪に、ね。そして、ウドンゲにも。」
魔理沙「・・・霊夢に関しては、どうなんだ?」
永琳「あの場に姫は居なかった。つまり、考えられる原因は・・・?」
アリス「薬を作った本人。」
霊夢「って!ひょっとして私が巨大化したのは・・・!」
永琳「突如現れた知的好奇心を、止めることが出来なかっただけよ。」
霊夢「あんたねえ!」
咲夜「うちの門番。」
輝夜「知的好奇心がね。えーりん!たすけてえーりん!」
永琳「取り上げたと思ったら、まだ隠し持っていたらしいわね。」
アリス「私も、魔理沙の家ででっかくさせられたわ?」
魔理沙「ちなみに、原因は私じゃあないぜ。」
永琳「そういえば・・・。姫ってば薬を何処かに落としたとか何とか。」
魔理沙「いつぞのアレは、その薬をたまたま拾ったことが原因か。」
アリス「つまりソレに関しても、原因はあんただったのね!」
霊夢「じゃあ、萃香が神社再建を邪魔したのも!」
永琳「それは多分、神社に充満していた薬の残り香を吸ったのね。」
咲夜「そして、パチュリー様の術の失敗で、
体内に残る薬の成分が活性化し、前回のような事態に・・・。」
永琳「でも、私もまだまだ甘かったということね。」
慧音「まだ隠し持ってたということか。」
全ての謎が、取って付けたんじゃないかと言う位の勢いで、解けていった。
何のことは無い。
殆どが輝夜の仕業だったのだ。
永琳「あら、これで謎は全て解けたわ。素敵ね。」
霊夢「素敵、じゃないわよ!も~、あんたがどうでもいいことするから、
こんな事件が起こって、どんどん大袈裟にになったんでしょ!」
多分一番の被害者である霊夢が、怒りを爆発させる。
永琳「ところで、そろそろ姫が限界っぽいわね。」
霊夢「輝夜はいいけど。とりあえずこいつを退治したら、この事件は終わるのね!」
アリス「じゃあ、やりますか。」
魔理沙「最終決戦か。腕が鳴るな。」
慧音「まったく、仕方が無いな・・・。」
咲夜「全軍、攻撃を・・・・?」
咲夜は、来ている面子全員に指示を出した。
しかし・・・。
ミスティア「ぐ~・・・。」
ルーミア「zzzz・・・。」
夜行性のミスティアと、多分夜行性であろうルーミアは、
周りが騒がしいにも関わらず寝入っている。
寝不足と重労働のせいだろう。
チルノ「あわわわ・・・・。」
リグル「ひええ・・・・・。」
一杯一杯な二人は、やっぱり一杯一杯だ。
鈴仙「し~しょお~・・・ひぃいめぇ~・・・。もう飲めませえ~ん・・・。」
鈴仙は、勝手に酔いつぶれていた。
咲夜「・・・何でコレだけしか居ないのかしらねぇ。」
アリス「ああ、ちんどん屋は、『食事は自分達の家で』って言ってたわ。」
魔理沙「言いだしっぺ赤いのか、まったく。」
咲夜「萃香は?」
アリス「指示と同時に四散したわよ。ほら。」
霊夢「サボるな~!見てないで戦え~!」
咲夜「なるほど。う~ん・・・。」
見ると、暇得隊以外、まともに戦えそうなのが居ない。
霊夢「結局、いつものパターンじゃないの!」
咲夜「仕方ないわねぇ・・・。」
ともあれ、モッコンを止めなければ神社再建工事は進みそうに無い。
暇得隊はモッコンに攻撃を仕掛ける!
魔理沙「よし、行くぜ!ブレイジングスター!」
ギュルルルルルル!!
モッコンへの一番槍!
魔理沙が、モッコンに向かって突撃した!
ぺちっ
魔理沙「あ~・・・・・。」
案の定、あっさり落とされてしまった。
霊夢「魔理沙!も~、最後の最後まで役に立たないわね!!」
アリス「でも、最後の最後くらい役に立ってもらわなきゃね。拾ってくるわ。」
咲夜「お願いね。」
アリスは、魔理沙が墜落した方へと向かった。
その間にも暇得隊は、モッコンへの攻撃を続けた。
・
・
・
さて、墜落した魔理沙である。
魔理沙「いけるか?ウルトラランよ。」
藍(ふん。私だってEXTRAボス。同じ立場の人間なんかに、やられてたまるか。)
皆に見つからないよう変身するために、わざと撃墜されたのだ。
魔理沙「きっとこれが、最後の変身だな。」
藍(よし、たまには気合入れて行こうか!)
魔理沙は懐からスペルカードを取り出した。
そして、それを天高く掲げた!
ぴか~~~~~~!!
辺りが光に包まれた!
そして現れたのは!
ウルトララン「ヘアッ!」
巨大な八雲藍こと、ウルトララン!
これが、ウルトラランと怪獣との、最後の決戦になるだろう!
がんばれ、ウルトララン!
アリス「・・・・・思い出した。」
その様子を見ていた、人妖。
以前ウルトラランの正体を見破ったが、記憶を飛ばされてしまったアリス。
だが、この様を見て、その時の記憶が蘇ってしまったのだ!
アリス「これは・・・。皆に伝えなきゃ。」
・
・
・
一方の、暇得隊。
モッコン「・・・・・。」
ゴオオオオ!!
霊夢「熱っ!も~、しぶとい!」
永琳「流石に、分が悪いかしらね・・・。」
モッコンの、『自称一兆℃の炎』と耐久力の前に、暇得隊は劣勢だ。
前回のように空気を抜こうにも、刺さるものが無い。
ジリジリと押される暇得隊。
しかし、天は彼女らを見捨てることはなかった!
ウルトララン「ヘア!」
モッコン「・・・・・・・!」
空の彼方からウルトラランが現れ、モッコンの前に立ち塞がる。
霊夢「あ、ウルトラランよ!」
咲夜「これで、処理は早くなる・・・かもね。」
永琳「また、壊されるんじゃない?」
霊夢「あ、そうだった。ちょっと~!今度は気をつけてよ~!」
ウルトララン「デュワ!」
戦いが長引けば、周りへの被害は広がるだけだ。
そう思ってかウルトラランは、手を十字に構え、
いきなり必殺技のマスター狐狸妖怪レーザーを放った!
どばばばばばっ!!
モッコン「・・・・・。」
どっか~~~ん!
モッコン「・・・・・・。」
ばた~ん・・・
必殺技はモッコンに直撃!
モッコンはそのまま倒れてしまった。
霊夢「あれ?もう終わり?」
永琳「まさか。相手は不死身の蓬莱人よ。そう簡単には。」
むくっ
モッコン「・・・・・。」
ウルトララン「!」
モッコン復活。
そう、彼女は死なない、何度でも蘇るのだ。
永琳「いかないわけよ。凄いでしょう?」
霊夢「そこは自慢するところじゃないでしょ!」
下の方では騒がしいが、ウルトラランはそんなことを気にせず、再び構えを取る!
ウルトララン「シュワ!」
ギュルルルルル!
今度の技は、アルティメットブディストの卍を投げる、ブディスト光輪だ!
モッコン「・・・・・・・。」
サクッ!
モッコン「・・・・・・・。」
ずず~~ん・・・・
光輪は、モッコンの脳天に見事にぶっ刺さった。
また倒れるモッコン。
魔理沙(どうだ・・・。)
むくっ
魔理沙(うわ、やっぱりか。)
ウルトララン「(一筋縄ではいかん、か。)」
脳天に何かが刺さっても、平気で起き上がってくるモッコン。
霊夢「優勢に見えて、全然優勢じゃないわね。」
咲夜「ウルトラランには時間制限がついてる。長期戦とは行かないわね。」
慧音「む~、何とか穏便に出来んものか・・・。」
霊夢「穏便も何も、この状態が既に穏便じゃないわけだけど。」
暇得隊は、ウルトラランの戦いを見守っている。
そんなときである。
アリス「大変よ!」
霊夢「アリス?遅かったじゃない。」
咲夜「どうかしたの?」
アリス「どうかしたの!」
アリスが、大変な情報を持って帰ってきた。
アリス「みんな聞いて!ウルトラランの正体は、魔理沙だったのよ!」
霊夢「え・・・?」
咲夜「何ですって!?」
霊夢「何だってー!?」
驚愕の事実を口にするアリス。
そういう事実だけに、みんな驚いている。
慧音「前々から、タイミングがアレだと思っていたが・・・。」
永琳「薬がどうこう、ってわけでもなさそうだったけど。」
霊夢「そういうことだったのね!今回は流石に驚いたわ。」
全員が、ウルトラランの方を向く。
ウルトララン「ヘア!」
そんなことは露知らず、ウルトラランは復活したモッコンを見据えている。
そして、再び必殺技を使おうと、腕を構えた!
アリス「魔理沙~。みんなに教えておいたから、気にせず頑張りなさいよ~。」
咲夜「お嬢様にも教えておくからね~、魔理沙~。」
霊夢「魔理沙!後で色々責任とりなさいよ!」
ズルッ!
暇得隊の面々の声援に、ずっこけで応えるウルトララン。
魔理沙(な、なんてこった・・・・。)
大変だ。
このままでは、万が一タイムリミットが切れたとき、
『ウルトララン=魔理沙=スッパテンコー』の図式が、完全に成り立ってしまう!
ウルトララン「(こうなれば是非も無し。あいつらもやっつけて、上手く記憶を飛ばし・・・)」
テンコー!テンコー!
ウルトララン「ゲッ!」
図式が成り立った瞬間に、この音。
大ピンチである!
魔理沙(不味い・・・。非常に不味いぜ。)
時間が無い!
ひとまず、この戦いを今すぐにでも終わらせなければ!
ウルトララン「デュワ!!」
ドババババババ!!
必ず殺せるとも限らないことが実証されてしまった、必殺技のマスター狐狸妖怪レーザー!
どっか~~~ん!
モッコン「・・・・・。」
ずず~~ん・・・・
また直撃を喰らい、モッコンは倒れた。
ウルトララン「デュ・・・!」
急いで離脱しようとするウルトララン。
しかし、
ぐいっ!
ウルトララン「!?」
と、足をつかまれ、
べちゃっ!
ウルトララン「ブベッ!」
と、勢い余って地面に顔面を打ち付けてしまった。
テンコー!テンコー!テンコー!テンコー!!
モッコン「・・・・・・・。」
ウルトララン「デュ・・・。」
生き返ったモッコンが、逃げようとするウルトラランの足を引っ張ったのだ。
魔理沙(くそ!しつこいにも程があるぜ!)
いくらそう思っても、モッコンは蘇る。
モッコンは不死身なのだ!
テンコー!テンコー!テンコーテンコーテンコーテンコーテンコー!!!!
ウルトララン「アア・・・・・・・!!」
魔理沙(おい!気をしっかり持て!自分に負けるな!)
ウルトラランの理性が、今まさに崩れようとしている。
そして!!
ウルトララン「ア・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
ぱり~んっ・・・・
何かが、壊れた・・・・。
橙「あ~!藍様愛用のお皿落とした~!」
のは、家での出来事であった。
不吉である。
どっくん・・・・
どっくん・・・・
現場で、何故か聞こえる鼓動音。
霊夢「ウルトララン?」
咲夜「様子がおかしい・・・?」
アリス「まさか・・・。」
ウルトラランの動きが止まった。
次の瞬間!!
ウルトララン「テンコォォォォォォォォオオーーーーーーーーー!!!!!!!」
※ただいま、非常に「テン 不適切な場「イイヨテンコ~ 面がありましたこと 「ブディス
を深くお詫び「四面楚歌たのしー!! 申し上げます。
「テンコーたのしーよ~!! もう暫く、お待ち願いますと「てん ともに、皆様のご理解、
ご協力のほどを、お願いいたします。引き続き「テンコー!たの ウルトラランをお楽しみ下さい。
「プリンセス楽しいよォ~~~~!!」
※一旦CM
幽々子「カリスマ一番スキマは二番♪惨事のおやつは香霖堂♪」
霊夢「は~、お茶がおいしい。」
魔理沙「こっちの菓子も中々だな。」
霖之助「だから、勝手に入り込んで店の商品を漁るのはやめろと何度も・・・。」
咲夜「軽い食事は、香霖堂。」
霖之助「うちは茶店じゃない。そういう宣伝はやめてくれないか。」
霊夢「大丈夫よ。どっちにしろお客なんて来ないから。」
霖之助「・・・・そうか。」
・
・
・
辺りは、静まり返っていた。
ウルトララン「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
ウルトラランは大地に倒れ伏している。
その体毛、雰囲気など、全てを一言で言い表すなら、白である。
巨大化した分、カロリーの消費は激しい。
その上で、激しい運動をしたらどうなるか。
結果は、明日の何とやら最終回である。
ウルトララン「(ふ・・・。燃え尽きたよ、真っ白にな・・・。)」
魔理沙(ああ・・・・。)
ウルトララン「(こんな大衆の前での痴態・・・。もう、生きてゆけない・・・。)
魔理沙(ああ・・・・。)
ウルトララン「(思えば、色々あったな。)」
魔理沙(ああ・・・・。)
ウルトララン「(三分でスッパテンコーを知った時の驚愕、技を失敗したときの脱力感、
紅白にはボコボコにされ、それ以降はロクに怪獣退治なんぞ出来なかった・・・。
幻想郷の結界にぶつかり、怪獣達に絡まれたり返り血を大量に浴びせられ・・・。
そして、この体・・・。ふふ、ロクな思い出がないわ・・・・。)」
魔理沙(ああ・・・・。)
ウルトララン「(私、もう眠いんだ・・・。魔理沙・・・。)」
魔理沙(ああ・・・・。)
ウルトララン「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
ウルトラランの意識が、完全に無くなった・・・。
咲夜「ウルトラランが・・・・・。」
霊夢「死んだのかしら。」
慧音「無残な。」
アリス「もう、見てられないわね。色々と。」
暇得隊は、割と冷静だ。
モッコン「・・・・・・・・。」
ゴオオオオオ!
輝夜「熱い~!」
邪魔者を始末したモッコンは、再び輝夜に攻撃を加え始めた。
そんなことを忘れていたのか輝夜は、思いっきり炎を浴びてしまった!
怒りの炎は、輝夜のみならず、・・・。
霊夢「わ~!神社に燃え移った~!」
恐れていたことが。
直りかけの神社に、炎が飛び火してしまったのだ。
咲夜「消火活動!急いで!」
と、言いつつ咲夜は、何かを掴んだ。
チルノ「ちょっと~!わ、私を投げて火を消すなんて、誰も認めないわよ!」
咲夜「・・・・ち。」
チルノ殺害事件は、未遂に終わった。
霊夢「あんたのせいでしょ!何とかしなさいよ!」
永琳「しょーがないわねぇ・・・。」
永琳は、見るからに怪しい注射器を取り出すと、
ちくッ
霊夢「痛っ!」
何の躊躇も予告も無く、霊夢に刺した。
霊夢「何すんのよ!って、その注射は何よ?」
永琳「ああ、これ?例の薬の在庫。」
霊夢「え?」
ぴか~~~~!!!
R&Wキング「ケーーーーーヒーーーーー!!!」
モッコン「・・・・!」
霊夢の身体が光り、以前ウルトラランを打ち倒した、
あの『二色蓮花獣 レッドアンドホワイトキング』が出現した!
思わぬ事態に驚くモッコン。
そして、第二の戦いが始まったのだ・・・。
・
・
・
ここは、藍の精神世界。
大量のカロリー消費と羞恥による精神ダメージで、身も心もボロボロになり、
真っ白になってしまったウルトラランこと八雲藍は、生死の境界を彷徨っていた。
もう、このまま楽になってもいいや、何て思っていた藍に、何者かが語りかけてきた。
?「ウルトララン・・・・。ウルトララン・・・・・。」
藍「・・・・私を、ウルトラランと呼ぶのは、誰だ・・・・。」
答えるのも面倒な様子で、藍が尋ねる。
紫「おはよう、藍。」
藍「げげっ!紫様・・・・・・。」
声の主は藍の主、八雲紫であった。
季節はもう春。
冬眠から目覚めたのだ。
紫「何こんなところで遊んでるの、私を放っておいて。放任主義教育は橙で十分でしょう?」
藍「いや、私を教育するのが、紫様でしょう?」
紫「そうよ。きちんと教育してあげるから、早く帰って仕事しなさい。」
藍「あ~、その・・・・。少々、問題がございまして・・・・。」
紫「あら。私の命が聞けないと言うの?」
藍「め、滅相もございません!」
紫「嗚呼、私の教育が至らないばかりに、藍がこんな子に・・・・・。
こうなったら、明日からスパルタ教育実行で、その腐りかけた根性を叩きなおして・・・。」
藍「それだけはご勘弁を!と、とりあえず私の話を聞いてください!紫さま~!」
とにかく、話を聞いてもらわないことにはどうしようもない。
藍は、命乞いをするかのように、これまでの経緯を紫に話した。
紫「そう。じゃあ仕方が無い、かしらね・・・・。」
藍「ははっ!決して、決して仕事をサボっていたわけではございません!」
紫「ふうん。それが本音ね。」
藍「ご、誤解です!紫さまぁ~!!」
紫のその言葉が本気なのかどうかは良くわからないが、
とにかく平謝りする藍。
うっかり変なこと言ってしまうと、そこからどう発展して行くか解らない。
しかもそれが、良い方向に向かうとは到底考えられない。
紫「まぁ、こちらとしても、藍には帰ってきて貰わなきゃ面倒だし。」
藍の願いが通じたのか、ちょっと良い方に話が向かってきた。
・・・・と、思う。
紫「私が、生と死の境界を弄って、魔理沙を生き返らせるわ。」
藍「そ、それでは・・・!」
紫「お前は白玉楼逝きね。」
藍「うそぉ!?何でですかー!?」
紫「お前の命を魔理沙に与えるからよ。」
藍「じゃあ、私は?」
紫「気が向いたら、適当に何とかするわ。」
藍「私ってばそんな扱い!?」
やっぱり、藍にとっては良い方向には向かわなかった。
紫「さ、逝きましょうか。」
藍「魔理沙~!助けて魔理沙~!」
紫「当分、幽々子の家の雑用でもやって・・・。あ、私と橙も、暫く泊めてもらおうかしら。」
藍「あ~れぇ~・・・・・。」
こうして藍は、魔理沙の身体から離れていった。
命だけを残して・・・。
・
・
・
戦いは、熾烈を極めたらしい。
妹紅「う~ん・・・・・。」
どれ程の時間が経ったのかは知らないが、モッコンは倒され、妹紅に戻っていた。
慧音「お~い、生きてるか?・・・って、お前は死なないんだよな。」
妹紅「・・・・痛い・・・。」
巨大化してたとは言え、相手は最強を誇るR&Wキング。
それはもう、こっ酷い目に遭わされた様子だ。
輝夜「いたたたた!永琳、滲みるってば~!」
永琳「痛いのは最初だけ。後は楽になれますから我慢してください。」
一方、モッコンから文字通り集中砲火を浴びた輝夜は、
永琳手製の火傷薬の痛さに苦しんでいた。
別に放っておいても治るのだが。
輝夜「も~、これもあんたが火なんか吐くからよ。」
妹紅「あんたが一服盛るからでしょうが!」
慧音「暴れるな。薬塗るぞ。」
妹紅の方も、擦り傷などによく効くという薬を塗られる。
妹紅「痛っ!もっと痛くないように塗ってよ!」
慧音「と、言われてもなぁ。」
妹紅「う~、何で私がこんな目に・・・。」
輝夜「ほんとよ。何で私が・・・。」
永琳「姫の場合は、自業自得です。」
慧音「お前の場合は、因果応報だ。」
輝夜「う~・・・。」
輝夜に反省の色はあるのか、よくわからない。
妹紅「いたたたた!」
輝夜「いたたたた!」
五分ほど、二人仲良く、薬の痛さを共有することになってしまった。
さて、妹紅をボコボコにした霊夢はと言うと。
霊夢「ああ・・・。結局こういうことになるのね・・・。」
愕然としていた。
モッコンの炎が飛び火したり、巨大化した自分が暴れて壊したりで、
半分くらい直りかかっていた博麗神社は、またも廃墟となってしまった。
咲夜「今度は6割程度よ。霊夢が下した被害は。」
霊夢「大小の問題じゃなくてね・・・。は~・・・。」
嘆息する霊夢。
神社再建は、まだ少しかかりそうだ。
慧音「おい、あれは何だ?」
と、ようやく慧音が、何かに気付いた。
ウルトラランが倒れた方向だ。
霊夢「空間の歪み・・・。紫?」
咲夜「紫でしょうね。きっと、藍を回収しに来たんだわ。」
アリス「じゃあ、ウルトラランは。」
咲夜「もう二度と、出ては来ないでしょうね。」
霊夢「藍の方も居なくなっちゃいそうだけどね。」
慧音「そりゃあ、あんな痴態を晒せばなぁ・・・。」
空間の歪み、紫が作った境界、隙間。
隙間は、元の姿に戻った藍を回収すると、空の彼方へと去って行った。
魔理沙「う~ん・・・・。」
そして、ウルトラランが居なくなった跡には、魔理沙が残されていた。
霊夢「魔理沙!」
咲夜「魔理沙、大丈夫?」
駆け寄る暇得隊の面々。
魔理沙「あ~、酷い目に遭った・・・。」
霊夢「魔理沙、藍は?」
魔理沙「逝ったよ。あの世に。」
霊夢「あ、死んだんだ。」
アリス「ほんとに居なくなったのね。」
魔理沙「紫が連れてくとか言ってた。で、私は生き返らせて貰ったわけだが。」
ともあれ、これで全てが終わったんだな。
魔理沙が、そんな一言で締めようかと思った瞬間!
霊夢「で、ウルトラランだったあんたは、どうやって弁償してくれるのかしらね。色々と。」
魔理沙「っておい、私のせいか!?」
アリス「連帯保証人みたいなものね。」
何か、責任を追及されてしまった。
魔理沙「くそ、お前が要らんこと思い出さなきゃ・・・。」
アリス「事実だから仕方ないの。」
咲夜「じゃあ、うちの修理も手伝ってもらおうかしら。」
永琳「じゃあ、うちも。」
何だか知らないうちに、魔理沙は大量の借りを請負ってしまった。
魔理沙「私はさっき、紫に記憶操作されたから、ウルトラランとしての記憶が一切無い!」
霊夢「そんな言い訳が通じるかー!」
霧雨魔理沙が、その借りを全て返したのか、踏み倒したのか。
それはまた、別のお話・・・。
さようならウルトララン。
偶然の事故のため、謀らずとも幻想郷の平和を守ったウルトララン。
被害状況はともかく、である。
とりあえず輝夜と永琳も反省し、幻想郷から巨大な妖怪たちは姿を消した。
紫のお陰で魔理沙は生き返り、ウルトラランは、二度と我々の前に姿を現すことは無いだろう。
一部、それにほっとする連中が居ることは置いといて、ウルトララン、ありがとう!
ウルトララン、さようならーーーー!!
藍「こんなこと、もう二度とやるもんか・・・・。」
幽々子「藍~、ご飯~。」
妖夢「あ~、何もしないで済むから楽ね~。そうだ、部屋の掃除もやっといて。」
橙「お腹すいた~。」
紫「よかったわね、藍。人気者よ。たまには、死んでみるのもいいのかもね。」
藍「しくしく・・・。」
ウルトララン THE END
おまけ
巨大妖怪たちは、暇得隊やウルトラランの活躍によって、幻想郷から消え去った。
幻想郷に、静寂と平和が戻ってきたように見えた。しかし!
妖夢「幽々子様!また裏庭に出ました!」
幽々子「また~?おちおち、昼寝もできないわね。」
冥界、西行寺のお屋敷では、幻想郷以上の異変が起こっていた。
そこで幽々子は、彼女らを集めた!
霊夢「こんな所に呼び出して、いったい何なのよ~。」
咲夜「私、忙しいんだけど。」
アリス「何なのよ、ほんと。」
魔理沙「私はまだ死にたくないぜ、まったく。」
アリス「この間まで、半分死んでたじゃない。」
西行寺のお屋敷。
そこの裏庭には、近頃なにやら異変が起こっているとのこと。
幽々子「と、いうわけで。経験者は語るということで隊長。」
咲夜「ん?私?」
幽々子「妖夢はお茶係ね。」
妖夢「そんな~!もっと良い役くださいよ~。」
幽々子「で、私は社長で。」
妖夢「いやいや、幽々子様。社長って何ですか?」
幽々子「守る場所は裏庭。名付けて、『ウラニワ警備隊』!」
裏庭を警備するから、ウラニワ警備隊。
名前は安直だが、幽々子はそんな組織を結成してみる。
妖夢「と、ここが裏庭で・・・・。」
霊夢「ちょっと!アレは何よ!」
さっそく裏庭に向かう暇得隊改めウラニワ警備隊。
そこで見たのは、何と巨大な幽霊だった!
そう、あの悲劇が、今まさに繰り返されようとしていたのだ!!
魔理沙「今回、私は脇役というか、変身できんぜ。」
藍「紫さま~、早く何とかしてください~・・・・。」
ウルトラランの居ない彼女らに、巨大な幽霊に対抗する術があろうか。
妖夢「くぅ!斬れない!」
妖夢の刀をも跳ね返し、暴れまわる巨大幽霊。
ウラニワ警備隊は、早々にピンチを迎えた。
しかし、奇跡が起こった!!
幽々子「へァ!」
妖夢「ぶーーーーー!!」
何と、巨大化した幽々子が出現!
巨大幽霊と戦い始めたのだ!
妖夢「な・・に・・・?ん・・・・ああ!?ええ~!?」
魔理沙「混乱するな。で、アリスよ。アレに、あえて名前をつけるなら?」
アリス「ええと・・・。私に、魔理沙、霊夢と・・・・・。」
何故かアリスは、数を数え始める。
アリス「あれは、『カリスマセブン』よ!」
霊夢「カリスマセブン?」
アリス「そう。私たちウラニワ警備隊は、六人。あいつのあの姿は、まさに七人目の隊員よ。」
魔理沙「だから、カリスマセブンか?」
巨大幽々子は、カリスマセブンと名付けられた!
カリスマセブン「ヘァー!!」
暴れまわるカリスマセブン!
どどどど~~~ん!!
妖夢「わ~!お屋敷が~!」
霊夢「ああ、やっぱり、こういうことになるのね。」
繰り返す悲劇。
妖夢と幽々子は、家なき子になってしまうのか?
カリスマセブン「ジュワ!!」
額の@から放たれるビーム!
必殺の、カリスマショットだ!
カリスマセブン「ジェア!!」
全てを切り裂くカリスマセブンの扇子!
名づけて、センスラッガー!
妖夢「ゆ、幽々子様・・・。何てことを・・・・・。」
カリスマセブン「ヘアッ!」
妖夢「ヘアッ!じゃな~~い!!」
新番組『カリスマセブン』。
妖夢「だめ~~~~!!正体全然隠してないし、幽々子様に
こんな醜態を晒させるなんて、絶対だめ~~~~~~!!」
堂々・・・
妖夢「未来永劫・・・・ざぁぁぁぁーん!!!」
放送打ち斬りっ。
次の作品も頑張ってください。
ともあれ完結お疲れ様でした。。
毎回毎回ピコさんの長編パロディ内の冥界組って、影は薄いながらいろいろな意味で美味しい所にいますよね。
で、魔理沙は毎回ひどい目に遭う・・・とw。 何はともあれ連載完了ご苦労様でした。 またの連載をお待ちしております。
…少し疲れたので、目を瞑ってみた。
目蓋の裏に浮かんでは消える、幻想の少女たち。
ルミアー、メルラン躁人、リグモン、巨大ミスティア、R&Wキング、
ジミナ人間、ウドンゴ、チャイナ、レティラス星人、スイカドン、
パチェロニモン、モッコン。
暇得隊の皆。
……そしてウルトララン……
長い間お疲れ様でした。素晴しい作品を有難う御座います。
………カリスマセブン、期待したいけど、駄目ッスか…?(笑
しかしネタキャラにされた怒りで変身する~といった下りは慧音の妄想でしょうか。
少し布石を拾いきれない感じが残ったので、90点です。
逆に、それであってもとてもおもしろかったので、90点です。
本当にお疲れ様でした。
自分の思いつきに対抗していただいて、感激です。
あと、ウルトラランの続編は、藍(モロボシ・欄
以下書き直しです
>カリスマセブンの歌
自分の思いつきに対抗していただいて、感激です。
あと、ウルトラランの続編は、藍(モロボシ・藍)がアリスに変身する
ウルトラ七色(セブン)なんてどうですかね?
いろいろ他にも巨大化して欲しい人がたくさん・・コーr(バキッ
長編ご苦労様でした。
妹様かゆゆ様だと思ってたんだけど・・・。外した。
このネタで、よく続いたよなぁ(勿論、いい意味で)w
続編、期待しております。