「ん…」
咲夜は目が覚める。
「あ…おはよう、咲夜」
先に起きていた美鈴は既に着替え終わっていてメイド服だ。
「おはようございます」
咲夜は挨拶する。
「さて、今日が初日!張り切っていきましょう」
「はい!」
「じゃあ、とりあえずメイド服に着替えて、朝御飯は私が作るから」
「はい、わかりました」
咲夜は着替えに行く。
「さてと、私は朝御飯の支度しなくっちゃ」
美鈴は朝御飯の支度にとりかかった。
「私の今日から!頑張らなくっちゃ!」
小さくガッツポーズをする咲夜。
「そういえば…」
(美鈴さんって、料理できるのかな…?)
咲夜はそんな事を思いつつ着替えた。
「朝御飯は…普段通りでいいわね」
美鈴は炊いておいた御飯を二膳盛ってテーブルに置く。
「咲夜が嫌いな物が無ければいいけど…」
そういいつつ美鈴は次々と用意していく。
「あ、良い匂い…美鈴さんが作っているのかな…?」
着替え終わった咲夜は美鈴のいる所に戻る。
「あ、咲夜。準備終わったよ。早く食べよ」
「はい」
咲夜は椅子に座る。
「わぁ、すごぉい」
「朝は…これくらいでいいよね?」
「これでも多いくらいですよ!」
「そう?それじゃあ、冷める前に食べちゃいましょう」
「はい」
咲夜と美鈴は楽しそうに朝御飯を頂く。
「ごちそうさま」
「ごちそうさまでした」
「さて…」
美鈴は食べ終えた食器を流し台に持っていく。
「あ、私も…」
咲夜も続いて持っていく。
「私が洗うから、咲夜はテーブルを拭いといてくれる?」
「はい」
「片付け終わったし、行こうか?」
「はい…で、まずどこへ?」
「うーん…まずはレミリアお嬢様に会いにいきましょうか?」
「はい、わかりました」
「あ…」
「どうしたの?」
レミリアの部屋の前に着いて咲夜が立ち止まった。
「あの、レミリアお嬢様は吸血鬼ですよね…」
「そうだけど…」
「そろそろ日が昇る時間ですからそろそろ睡眠時間だと思うのですが…」
「あ…そうね、うーん、どうしようか」
「どうしましょう…」
二人してレミリアの部屋の前で立ち尽くす。
「あら、二人してどうしたの?」
レミリアが歩いてきた。
「初日ですから何をすればいいのか、わからなくて…」
「別に気にする事無いわ、貴女達の部屋に全部揃っているはずよ」
「え!?そうなんですか?」
「そういえば昨日その事をいうの、忘れていたわ。ごめんなさいね」
「わかりました」
「では、失礼します」
二人はレミリアにお辞儀をして立ち去ろうとする。
「あ、ちょっとまって」
「はい、なにか…」
「貴女達の掃除場所は、貴女達の部屋の前の廊下ね」
「はい、わかりました」
「私はこれから夕方まで眠るから」
「おやすみなさいませ」
「じゃあ、がんばってね~」
レミリアは手をひらひらさせて部屋へと入る。
「それじゃあ」
「頑張りましょう」
美鈴と咲夜は掃除場へと向かった。
「ここ…」
「そう…私達の掃除場…」
美鈴と咲夜は永い廊下を見る。
先が見えない程永い廊下…1キロはあるんじゃないかと思う位…。
「とりあえず…やりましょうか?」
「そうですね、やらないと終わらないですし…」
「じゃあ、私が上を掃除しますから美鈴さんは下をお願いします」
「わかったわ」
咲夜は脚立を持ってきて上がる。
そして午後三時…
「だいぶ進んだわね」
「そうですね…このまま行けば夜までには終わりそうですね」
咲夜は脚立を降りようとした…
その時…
ガクンッ
「あっ………」
咲夜が足を踏み外した。
「っっ…………」
思わず目を瞑る。
「危ないっ」
ガシッ
「……………!?」
咲夜は恐る恐る目を開ける。
「大丈夫ですか?咲夜」
目を開けるとそこには美鈴の顔。
「あ…ありがとうございます…」
おもわず頬が赤くなる。
「多分疲れているんですよ、焦らなくていいから」
「ご、ごめんなさい」
「……」
「……」
「あ、あの…」
「ん?」
「わ、私…その、お、重くないですか?」
「え?ああ…」
今の姿は美鈴が咲夜をお姫様だっこしているような感じだ。
「別に大丈夫ですよ…むしろ軽いくらいですよ」
「あ、そうですか…じゃなくて、そろそろ降ろしてくれないと…その…恥ずかしいです」
さらに顔を赤くして俯く。
「あ、ごめんね」
美鈴は咲夜をゆっくりと降ろす。
「とりあえず、上は私がやるわ。咲夜は下をお願い」
「はい…ごめんなさい」
「いいのよ…今度は無しね」
美鈴は咲夜にウインクする。
「はい」
そしてまたしばらく掃除をした。
午後八時………
「これで…終わりっ」
「ようやく終わりましたね」
「これから毎日…頑張りましょう」
「はいっ」
「さてっ…!?」
目の前が歪む…
(あれ…私も疲れているのかな)
「どうしたんですか?美鈴さん」
「ううん…大丈夫……」
(とりあえず脚立から降りないと……!?)
ガタッ
目の前が真っ暗になった。
その音に気付いた咲夜は振り向く。
美鈴が脚立から落ちてくる。
(美鈴さん!)
(今の私じゃ支えきれない!)
(でも、助けたい!)
(どうすれば…)
(とにかく助けたい!助けたい!助けたい!)
咲夜は無我夢中で能力を使っていた。
時間の流れがゆっくりになる。
咲夜はそんな能力を使っていることなどとは知らずに…
ドサッ
咲夜は美鈴を支えきれずに、地面に尻餅をついた。
「大丈夫ですか!?美鈴さん!?」
美鈴の反応は無い…
「美鈴さん!美鈴さん!」
「どうしよう…私じゃ美鈴さんを部屋に運ぶのは大変だし…」
「でも…私がやらなきゃ!」
咲夜は美鈴をおんぶした。
「私がやらなきゃ…私がやらなきゃ…」
「どうしたの!?」
後ろから声がかかった。
レミリアお嬢様だ。
「あ、あの、美鈴さんが突然気絶してしまって…」
「私が運ぶわ!」
「で、ですが、お手を貸していただくなんて…」
「今はそれどころじゃないでしょ!」
レミリアの一喝に驚く。
「は、はい、わかりました」
「よっと」
レミリアは軽々と美鈴を運び始めた。
そうして部屋に着いたレミリア、美鈴、咲夜は…
「よっと…」
ドサッ
レミリアは美鈴をベッドに降ろす。
「あの、ありがとうございました…」
「いいのよ、困っているときはお互い様でしょ?」
「はい…もうしわけありません」
「ところで、美鈴の事なんだけど…」
「はい…」
「多分…普段慣れていないことをやったから身体がついていってないのよ…」
「そうですか…」
「……う………うん………?」
美鈴が目を覚ました。
「美鈴さん!大丈夫ですか?」
「え?え?私、どうして…」
「よかった…」
咲夜は目に涙を浮かべて抱きついた。
「ごめんなさい、咲夜」
「美鈴…」
「お、お嬢様」
「美鈴…あなた、どうしたの?」
「確か、脚立から降りようとした所、眩暈がして、その後はまったく…」
「やっぱり…」
「あの…」
「美鈴、あなた…頑張りすぎ…」
「え?」
「咲夜に良く教えようと頑張っているのは分かるわ…でも、貴女自身の身を考えたほうがいいわよ」
「もうしわけありません」
「ま、たいした怪我もしなくて良かったじゃない」
「咲夜…貴女が私を…ここまで…?」
「それは私よ」
「もっ、申し訳ありません!お嬢様の手をわずわらせるなんて…」
「気にしないで、これから頑張って貰えればいいんだから」
「はい…もったいないお言葉…」
「それじゃあ、私はそろそろ行くわね」
「はい…」
「じゃあね~」
バタン
レミリアは部屋を後にした。
「咲夜…」
「ひっく、ひっく、美鈴さぁん。よかったぁ~」
「ごめんなさい、咲夜。心配かけて…」
「これからは、無理しないでくださいね~」
咲夜は涙声だ。
「張り切りすぎちゃったみたいね…」
「うう…」
「ごめんね…」
「………!」
美鈴は咲夜の頭を撫でた。
「ううっ…うわぁぁぁぁぁん」
咲夜は再び泣き始めてしまった。
「もう…無理はしないから…ね?」
「うっ…うんっ………」
レミリアは部屋の外にいて二人の会話を聞いていた。
「あの二人はこれからも大変でしょうね
私が見ていないと心配だわ…」
レミリアは部屋の前にある物を置いた。
「これを二人にあげるわ」
レミリアは部屋を後にした…
咲夜は目が覚める。
「あ…おはよう、咲夜」
先に起きていた美鈴は既に着替え終わっていてメイド服だ。
「おはようございます」
咲夜は挨拶する。
「さて、今日が初日!張り切っていきましょう」
「はい!」
「じゃあ、とりあえずメイド服に着替えて、朝御飯は私が作るから」
「はい、わかりました」
咲夜は着替えに行く。
「さてと、私は朝御飯の支度しなくっちゃ」
美鈴は朝御飯の支度にとりかかった。
「私の今日から!頑張らなくっちゃ!」
小さくガッツポーズをする咲夜。
「そういえば…」
(美鈴さんって、料理できるのかな…?)
咲夜はそんな事を思いつつ着替えた。
「朝御飯は…普段通りでいいわね」
美鈴は炊いておいた御飯を二膳盛ってテーブルに置く。
「咲夜が嫌いな物が無ければいいけど…」
そういいつつ美鈴は次々と用意していく。
「あ、良い匂い…美鈴さんが作っているのかな…?」
着替え終わった咲夜は美鈴のいる所に戻る。
「あ、咲夜。準備終わったよ。早く食べよ」
「はい」
咲夜は椅子に座る。
「わぁ、すごぉい」
「朝は…これくらいでいいよね?」
「これでも多いくらいですよ!」
「そう?それじゃあ、冷める前に食べちゃいましょう」
「はい」
咲夜と美鈴は楽しそうに朝御飯を頂く。
「ごちそうさま」
「ごちそうさまでした」
「さて…」
美鈴は食べ終えた食器を流し台に持っていく。
「あ、私も…」
咲夜も続いて持っていく。
「私が洗うから、咲夜はテーブルを拭いといてくれる?」
「はい」
「片付け終わったし、行こうか?」
「はい…で、まずどこへ?」
「うーん…まずはレミリアお嬢様に会いにいきましょうか?」
「はい、わかりました」
「あ…」
「どうしたの?」
レミリアの部屋の前に着いて咲夜が立ち止まった。
「あの、レミリアお嬢様は吸血鬼ですよね…」
「そうだけど…」
「そろそろ日が昇る時間ですからそろそろ睡眠時間だと思うのですが…」
「あ…そうね、うーん、どうしようか」
「どうしましょう…」
二人してレミリアの部屋の前で立ち尽くす。
「あら、二人してどうしたの?」
レミリアが歩いてきた。
「初日ですから何をすればいいのか、わからなくて…」
「別に気にする事無いわ、貴女達の部屋に全部揃っているはずよ」
「え!?そうなんですか?」
「そういえば昨日その事をいうの、忘れていたわ。ごめんなさいね」
「わかりました」
「では、失礼します」
二人はレミリアにお辞儀をして立ち去ろうとする。
「あ、ちょっとまって」
「はい、なにか…」
「貴女達の掃除場所は、貴女達の部屋の前の廊下ね」
「はい、わかりました」
「私はこれから夕方まで眠るから」
「おやすみなさいませ」
「じゃあ、がんばってね~」
レミリアは手をひらひらさせて部屋へと入る。
「それじゃあ」
「頑張りましょう」
美鈴と咲夜は掃除場へと向かった。
「ここ…」
「そう…私達の掃除場…」
美鈴と咲夜は永い廊下を見る。
先が見えない程永い廊下…1キロはあるんじゃないかと思う位…。
「とりあえず…やりましょうか?」
「そうですね、やらないと終わらないですし…」
「じゃあ、私が上を掃除しますから美鈴さんは下をお願いします」
「わかったわ」
咲夜は脚立を持ってきて上がる。
そして午後三時…
「だいぶ進んだわね」
「そうですね…このまま行けば夜までには終わりそうですね」
咲夜は脚立を降りようとした…
その時…
ガクンッ
「あっ………」
咲夜が足を踏み外した。
「っっ…………」
思わず目を瞑る。
「危ないっ」
ガシッ
「……………!?」
咲夜は恐る恐る目を開ける。
「大丈夫ですか?咲夜」
目を開けるとそこには美鈴の顔。
「あ…ありがとうございます…」
おもわず頬が赤くなる。
「多分疲れているんですよ、焦らなくていいから」
「ご、ごめんなさい」
「……」
「……」
「あ、あの…」
「ん?」
「わ、私…その、お、重くないですか?」
「え?ああ…」
今の姿は美鈴が咲夜をお姫様だっこしているような感じだ。
「別に大丈夫ですよ…むしろ軽いくらいですよ」
「あ、そうですか…じゃなくて、そろそろ降ろしてくれないと…その…恥ずかしいです」
さらに顔を赤くして俯く。
「あ、ごめんね」
美鈴は咲夜をゆっくりと降ろす。
「とりあえず、上は私がやるわ。咲夜は下をお願い」
「はい…ごめんなさい」
「いいのよ…今度は無しね」
美鈴は咲夜にウインクする。
「はい」
そしてまたしばらく掃除をした。
午後八時………
「これで…終わりっ」
「ようやく終わりましたね」
「これから毎日…頑張りましょう」
「はいっ」
「さてっ…!?」
目の前が歪む…
(あれ…私も疲れているのかな)
「どうしたんですか?美鈴さん」
「ううん…大丈夫……」
(とりあえず脚立から降りないと……!?)
ガタッ
目の前が真っ暗になった。
その音に気付いた咲夜は振り向く。
美鈴が脚立から落ちてくる。
(美鈴さん!)
(今の私じゃ支えきれない!)
(でも、助けたい!)
(どうすれば…)
(とにかく助けたい!助けたい!助けたい!)
咲夜は無我夢中で能力を使っていた。
時間の流れがゆっくりになる。
咲夜はそんな能力を使っていることなどとは知らずに…
ドサッ
咲夜は美鈴を支えきれずに、地面に尻餅をついた。
「大丈夫ですか!?美鈴さん!?」
美鈴の反応は無い…
「美鈴さん!美鈴さん!」
「どうしよう…私じゃ美鈴さんを部屋に運ぶのは大変だし…」
「でも…私がやらなきゃ!」
咲夜は美鈴をおんぶした。
「私がやらなきゃ…私がやらなきゃ…」
「どうしたの!?」
後ろから声がかかった。
レミリアお嬢様だ。
「あ、あの、美鈴さんが突然気絶してしまって…」
「私が運ぶわ!」
「で、ですが、お手を貸していただくなんて…」
「今はそれどころじゃないでしょ!」
レミリアの一喝に驚く。
「は、はい、わかりました」
「よっと」
レミリアは軽々と美鈴を運び始めた。
そうして部屋に着いたレミリア、美鈴、咲夜は…
「よっと…」
ドサッ
レミリアは美鈴をベッドに降ろす。
「あの、ありがとうございました…」
「いいのよ、困っているときはお互い様でしょ?」
「はい…もうしわけありません」
「ところで、美鈴の事なんだけど…」
「はい…」
「多分…普段慣れていないことをやったから身体がついていってないのよ…」
「そうですか…」
「……う………うん………?」
美鈴が目を覚ました。
「美鈴さん!大丈夫ですか?」
「え?え?私、どうして…」
「よかった…」
咲夜は目に涙を浮かべて抱きついた。
「ごめんなさい、咲夜」
「美鈴…」
「お、お嬢様」
「美鈴…あなた、どうしたの?」
「確か、脚立から降りようとした所、眩暈がして、その後はまったく…」
「やっぱり…」
「あの…」
「美鈴、あなた…頑張りすぎ…」
「え?」
「咲夜に良く教えようと頑張っているのは分かるわ…でも、貴女自身の身を考えたほうがいいわよ」
「もうしわけありません」
「ま、たいした怪我もしなくて良かったじゃない」
「咲夜…貴女が私を…ここまで…?」
「それは私よ」
「もっ、申し訳ありません!お嬢様の手をわずわらせるなんて…」
「気にしないで、これから頑張って貰えればいいんだから」
「はい…もったいないお言葉…」
「それじゃあ、私はそろそろ行くわね」
「はい…」
「じゃあね~」
バタン
レミリアは部屋を後にした。
「咲夜…」
「ひっく、ひっく、美鈴さぁん。よかったぁ~」
「ごめんなさい、咲夜。心配かけて…」
「これからは、無理しないでくださいね~」
咲夜は涙声だ。
「張り切りすぎちゃったみたいね…」
「うう…」
「ごめんね…」
「………!」
美鈴は咲夜の頭を撫でた。
「ううっ…うわぁぁぁぁぁん」
咲夜は再び泣き始めてしまった。
「もう…無理はしないから…ね?」
「うっ…うんっ………」
レミリアは部屋の外にいて二人の会話を聞いていた。
「あの二人はこれからも大変でしょうね
私が見ていないと心配だわ…」
レミリアは部屋の前にある物を置いた。
「これを二人にあげるわ」
レミリアは部屋を後にした…
瀟洒じゃない咲夜さんってのも新鮮でグレート