いつになく真剣な表情をした妖夢が紅魔館の門をくぐる。
美鈴は顔見知りというわけではないが、先日宴会で会った白玉楼のものだと伝えると通してくれた。
名も知らぬメイドの「すぐにお呼びしますが」との言葉に従ってソファーに腰掛けて待っていると、間もなく咲夜がやって来た。
妖夢の表情に緊張が篭る。
咲夜の部屋に通された妖夢は素早くあたりを見回した。
部屋は廊下など他の部分と同じく赤を基調に統一されているが、調度品のためか、行き届いた手入れのためか、より優雅な印象を与えた。
「いい部屋だ」と素直に褒め言葉が出そうになって、妖夢は口を結ぶ。
「何の用かしら」
殺気すら出そうな勢いの妖夢とは打って変わって咲夜は微笑を浮かべる。
勝者の余裕か。
妖夢は咲夜に向き直った。
「先日は世話になった」
白玉楼での一戦が脳裏をよぎる。
「そうね……、それでまた勝負でも挑みにきたの?」
咲夜は優雅な手つきで妖夢と自分の紅茶を注ぎ、静かにポットを置いた。
「いや、そんなつもりはない」
「へえ……?」
「しかし、ぜひ一手指南頂きたい!」
咲夜は明らかに面食らったように見えた。
妖夢は続ける。
「私も長いこと白玉楼に仕えてきたが、弾幕勝負とはいえ、勝負に負けたことは二度目。一度は師に敗れて以来だが、それ以来無敗を守って久しい」
妖夢は言葉を紡いでいく。
「しかし! あなたに負けたことは事実。いや、正直、太刀打ち出来なかったと言っていい」
「そんなに褒められるようなものじゃないわよ。私は……」
「いや。様々な相手と戦ってきたが、時間を止める人間というのを見たのは初めてだった。一体、どのような修行をすればあの境地にまで達することができるのか、是非教えていただきたい!」
咲夜は小さく溜め息を吐いた。
「修行って言うけれど、人に伝えられるようなことでは……」
「そこを何とか!! このままでは引き下がれないのだ」
頭を下げる妖夢を見て、咲夜はやれやれ、と腰を上げる。
「わかったわ、あなたが満足できるかどうかは別にして期待には応えたいと思うわ……」
「ほ、本当か!?」
「ええ、しかし、まずこれだけは言っておかなくてはいけないわ……」
「な、何だろう!?」
「私は時間を止めていたわけではないわ。そんなことは出来ないのよ」
「な、何ですって!?」
妖夢は口をあんぐりと開けて驚いた。
咲夜は平然として、右手をゆっくりとカップから離した。
と、同時にその姿は妖夢の前から消える。
「はっ、時間が飛んだのか!?」
咲夜は妖夢の背後からゆっくりと歩み出て元の席に戻ると紅茶を一杯啜った。
妖夢は呆然とする。
「今、明らかに時間が止まっていた」
妖夢は口をあんぐりと開けて驚いた。
咲夜は平然として、右手をゆっくりとカップから離した。
と、同時にその姿は妖夢の前から消える。
「はっ、ま、また、時間が飛んだのか!?」
咲夜は妖夢の背後からゆっくりと歩み出て元の席に戻ると紅茶を一杯啜った。
妖夢は呆然とする。
「今、私は瞬きもしなかったが、動きは見えなかったぞ。こ、これは!?」
「時間が止まっていたのではないわ。今、私はただ爆乳を披露しただけよ!!!」
「何だって!!!??? ば、ば、ば、爆乳だと、突然そんなことを言われても……、いつそのような破廉恥なものが、」
赤面した妖夢は咲夜の爆乳と手元のミルクを交互に見やる。
馬鹿な。いつの間に爆乳などというものが。現に咲夜は爆乳ではあるが、ダブルのベストの6つボタン及びブラウスのボタンは最上段まで留まっている。
混乱した妖夢は震える手でミルクと砂糖をたっぷり紅茶に注ぎ、かき回してからダージリンの香りを楽しみつつ飲んだ(美味しい)
「貴方は爆乳を見せたと言い張り、私はそんなものは見ていない、そして貴方はいつの間にか私の背後へ!!! こ、こ、これはまさか?」
「そう。魂魄妖夢。貴方は私の超爆乳に驚き、時間が止まったように感じた。(――現実には止まっていないのに!)そして、私はその隙にブラジャーとシャツとベストを元通りにすると同時に貴方の背後へ回ったというわけよ!! 十分な時間と理論だわ!!!」
「そ、そんな非現実な!! 破廉恥にもほどがある。このままではいけない!!」
「時よ止まれ!」
妖夢は口をあんぐりと開けて驚いた。
咲夜は平然として、右手をゆっくりとカップから離した。
と、同時にその姿は妖夢の前から消える。
「どうかしら、見えた?」
咲夜は妖夢の背後からゆっくりと歩み出て元の席に戻ると紅茶を一杯啜った。
妖夢は呆然とする。
「そ、そんな馬鹿な」
「いいえ、それが証拠よ……」
妖夢はふと口元に手をやると大量の鼻血が溢れていた。
「あなたが爆乳を見たっていう何よりのね……」
咲夜はあくまでも冷静だった。
対照にうっかり興奮して大量の鼻血を出してしまった妖夢。
勝負は明らかだった。
「く……、悔しいが、負けだ。認めよう。破廉恥などと言って申し訳なかった。破廉恥なのは私だ」
「妖夢、負けを認めるのは負けではないわ。大きな勝利よ。貴方はある少女の話を知っているかしら?」
ある少女とか急に言われても全然分からないので、妖夢は素直に首を横へ振った。
「いいわ。ある所に貧しくてメイドの少女がいたのね。その少女はより大きな胸が欲しいと願った。来る日も来る日も胸を鍛え続け、その胸は比類なき程になった。しかし、少女はそれでも満足せず、胸を鍛え続けたわ。そしてある日、うっかりよ。ほんのアクシデントだったわ。その少女がシャワーを浴びていたところ、それとは知らずにレミリア様が扉を開けてしまったわ。少女は驚いて胸を隠そうとしたのだけれど、その瞬間気づいてしまったの……、己の胸がある現実における限界を突破し、次のステージへ踏み込んでいたことを。そして、その少女はレミリア様お気に入りのメイドとなったわ…」
「ま、まさか、その少女というのは!?」
「そう。妖夢。貴方の弟子入りを認めるわ!!!」
「あ、ありがとうございます。これからがんばって行きたいと思います! 十六夜……」
「違うわ。私の名前は瀟洒な……」
「瀟洒な……? メ、メイ?」
「違うわ……」
咲夜が黙り込んでしまったので、妖夢はうろたえつつ、瀟洒な、その、瀟洒な……と繰り返す。
妖夢の目が手元のミルクの前で止まり、その手が陶器ごと握りつぶした。
「よろしくお願いします。瀟洒な……!!! ミルクメイド!!!!」
今更初心な振りをするんじゃないwww
おいw
咲夜さんは爆乳だから時間が止まったように感じた。
なら、妖夢はどうなのだ。
妖夢と戦うと、時間が遅くなるように感じるのだ。
つまり……。妖夢は爆乳とまではいかないそこそこ乳だったということか……!
もしくは胸に対する狂おしいほどの渇望が生み出した哀しい幻だったのかもしれないね。
例えば一億歩譲って貴女が爆乳だったとしよう。なら美鈴はどうなってしまうんだい?
『美鈴』という名のおっぱいになってしまうぢゃないか。そんなの可哀想だろ?
疲れているんだよ、咲夜さん。さあ、今はゆっくり眠っt「幻符 殺人ドール!!」
っ【PAD】
だれでもおっぱいは好きだよね。
これでOK?