Coolier - 新生・東方創想話

虹にかけた夢はかなう。

2010/10/10 22:41:55
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初投稿です。
すっごい短いです。
話がポンポン飛ぶと思います。
文章を書くのは苦手なので稚拙な部分も多々あるとは思いますが、
それでもおkな方はどうぞ。



















ついに…完成した。
半年以上を家に引きこもり作り上げたゴーグル型の光化学兵器。
その名も『NTバイザー146』
横のスイッチを押すだけで、近いところから遠いところ、暗いところから明るいところまでを
鮮明に内面に映し出すことができる道具だ。

これを以前作成した光化学迷彩と併用することで、誰にも見つからずに行動することができるのだ。
これがあれば人間とも会わずに平穏に暮らすことができる。
人見知りが激しい私としてはとてもありがたい二品だ。
もし隠れていて壊れたときのことを考えるとぞっとしない。


だが、このままでは本当に成功しているのかがわからない。
というわけで、実験してみようと思う。


えー、私は今、自宅前の滝のそばにいます。
時間は夜。視界は不良。絶好の実験日和であります。
光化学迷彩の動作を確認……。良好。
NTバイザーの動作を確認……。
ん…?何も映らない…だと…?
あぁ、何かを見ないといけないな。

外に出ることがなかったので、何があったのかは知らないが、
雨が降っていないのだろう。水はすごく澄んでいる。
「仕方がない。何か観察できるものでも探しに行こうかな」
私は河童だけど水が苦手だ。
苦手というのも違うかもしれない。
私は、泳げないのだ。
河童のくせに泳げない河童。
河童なのに皿がない河童。
一人だけ、はぐれ者の河童。

道を歩きながら昔のことを思う。

小学校のとき、みんなは水泳の授業で、それこそ50mを20秒とか
そんなタイムの域で競い合っていた。
そんな中で、私だけが泳げない。みんなが地を歩くように泳いでいる姿を見、
みんなに自分の姿が見られないようにすごしてきた。

当然ながら帽子なんか手放せなかった。
夏の暑い日、みんなの皿が乾いてきて頭痛を訴え始めても、
私はねっとりとまとわりつくような湿気の多い暑さにへばっていただけだった。

その姿を見た一人の男子生徒が
「河城だけずるいぞ。みんな皿が乾いて頭痛いのに、一人だけ帽子かぶって涼しい顔してるなんて」

愕然とした。涼しいってどこが?
みんなと体感温度は変わらないというのに。

それに気づいた周りの生徒たちがいっせいにはやし立てる。
「そうだそうだ。なんでお前だけ帽子かぶってんだよ。早くそんなもん脱げよ。おら」
必死に抵抗した。
帽子を取られるということは、もう普通の生活は望めないということだったから。
だけども、男子生徒に囲まれてしまっては、女の私など太刀打ちできるはずもない。

ついに帽子を脱がされ、衆目にさらされる。
「何でお前・・・皿がないんだ?」
みんなの気味悪がるような目線が私に刺さって
気持ち悪いおぞましい化け物怪物皿なしお化け寄るなこっちを見るな息をするな話しかけるな気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い―――――――

「いやああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっ」
絶叫した。逃げたかった。
ここじゃないもっと遠くの場所へ行きたかった。
自分は普通じゃない。河童でもない。
でも、それなら、河童から生まれた私は何?







はっとして顔を上げると大分山を下ってきていた。
いつもの癖で周りを見渡すと、河原が薄闇に淡く光っていた。
何だろう。

私は光に吸い寄せられる蟲のように、一歩ずつ光に近づいていく。

私は好奇心旺盛なほうだと自分でも思う。
だって、人に会うのがこんなにも怖いのに、
その光っている原因を突き止めたい。と思ってしまうのだから。
光化学迷彩ok。NTバイザーの作動を確認。
一歩ずつ音を立てないように近づいていく。

…次は音を消す機械を作ろう。

「ほわぁ…」
知らずの内に声が出ていたことに気付き、慌てて口を塞ぐ。

少女が、そこにはいた。

目を閉じて、ちょこんと座って、手を薄紫に淡く光る元凶へと差し伸べて、いた。
そこに、しっかりと存在していた。すべてが無に帰りそうな幻想的な絵の中で、
唯一、そこに在る、と思えるからかもしれない。

私、河城にとりはその少女から目を離すことができなかったんだ。

全体的な色合いは赤と緑。
赤いフリルのついたふわふわのドレスに、
同じく頭の上に赤い大きなリボンをつけて、柔らかな緑の髪を前に束ねてゆっている。

そして、風景と同じ様に無機的な白い肌は人形めいた雰囲気をより一層際立たせる。
薄く閉じられた目がゆっくりと開き、吸い込まれそうなほどに透き通った緑の目と

目が合った。

っえっ、ちょちょっとまってまって。みえてないよね。
見えていたらどうしよう。これを見られてはまずい。
何がまずいって人道的にまずい。一瞬で刑務所いきなぐらいにまずい。
半端ないストーカーだよ?姿隠して、ゴーグルつけて隅々まで見るくらいの。
その前にこの距離なら見えるわけないよね。
てか、このきょりってどのくらい?50m?25m?10m?
何を思ったか、ゴーグルまでずれてきた。


「こんばんわ」

鈴が鳴るような声がした。

「こっこ…こんばんわ」

いろいろなことが起こりすぎて、頭が追いついていなかったんだ。
でも、一番の原因はあの、名前も知らない女の子に
夢中になって、声を聞くことができて、話しかけてもらえて、舞い上がっていたからだと思うんだ。


このとき、初めて人に対して怖いと思う以外の感情が芽生えた。
それはとても新鮮なことで、同時にいい知れぬ不安と驚きを伴うものだった。

目が離せない。一つ一つの動作に心が揺さぶられる。
もう一度声が聞きたい。

心の中がもやもやして、君のことを考えるとどきどきして、
声が聞けると、そんなのが一気に晴れてあったかい幸せな気持ちが心に広がる。
その心をとても心地よいものだと感じた。

彼女は挨拶してそのまま飛び去っていっちゃったけど、
ここでの出会いは、彼女と友達になりたい、と思えるぐらいには
私の心をつかんでいったんだ。

その日はどうやって帰ったのかがわからない。
でも、その日に見た夢は、悪夢なんかとは程遠い、
とても幸せな夢だったんだ。
「よく考えると、実験って失敗?
 光化学迷彩は解けてたし、NTバイザーの距離情報は表示されてなかったorz」

初投稿です。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
今後、もし文を書くことがあれば、どうやればよいのか、
辛口の批評・感想コメント
宜しくお願いします。<(_ _)>


                                                                                        2010/10/17 修正しました。
х桜星х
[email protected]
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コメント



0.380簡易評価
5.70コチドリ削除
初投稿おめでとうございます。
文章を書くのが苦手とのことですが、それでも作者様は一つの作品を書き上げそして投稿された。
そこに発生した熱意と勇気にまず拍手を。まあ、個人的には苦手というより書き慣れていないだけだと思うのですが。

それでは作品の感想を。
上でも少し触れましたが、文章を書き慣れていないと思われる故の若干不自然な箇所が散見されると
個人的には感じられました。
それに作品名から推察するに、作者様の頭の中ではにとりと雛のこれからの物語もある程度は
浮かんでいるのではないでしょうか? できればそこまで書き切って欲しかったというのが正直な感想です。

良かったと思うところは次の一文。
>…次は音を消す機械を作ろう。
何気ない描写ですが、人見知りを通り越して対人恐怖症に近いにとりを上手く表現していると思いました。

作中で使用されている語彙や表現、キャラの言葉遣いを鑑みるに作者様は結構若い方だと
思うのですが、如何でしょう。
ならばとにかく沢山物語を読んで、投稿するかどうかは置いておいてどんどん創作する。
実に無責任な一般論ですが、まずはこれかなと。
長文失礼、健闘をお祈り致します。
8.70名前が無い程度の能力削除
真夜中にゴーグル装着した河童に余裕で話し掛ける厄神様は流石としかいえない

微妙に言い回しに違和感がある部分もありましたが面白かったです。

・・・で、消音+迷彩+ゴーグルのセット販売はいつですか。
10.無評価х桜星х削除
コチドリ様
アドバイス、ありがとうございます。
色々と考えてみたのですが、
どんどん作って、投稿して、
そこでの経験が生かせるようになりたい、というのが今の願望ですので、
続きを作って上げていきたいと思います。
もし、続きを読んでいただけるのでしたら、
その際、色々とアドバイス等
助言をいただければ幸いです。

名前がない程度の能力様
評価、ありがとうございます。
ちなみに、にとり印の消音+迷彩+ゴーグルのセット販売ですが、
日本という名の国が幻想入りする時期に発売を予定しております。