「ん、あふぅ……」
早苗は、足元からゆっくりと体全体を湯船に浸からせた。
「んぁぁ~……」
熱いお湯が、ぴりぴりと肌を刺激する。
冷え切っていた体が溶かされていくような気がした。
「はぁー、極楽極楽……」
掃除、洗濯、家事――諸々の仕事を終えた早苗は、その疲れを取るべく、風呂に入っていた。
夏の日射しもなりを潜め、外はもう秋の息吹が感じられる。
「最近、急に寒くなったなぁ」
そのうち、秋も眠り、冬が訪れるだろう。
「寒いのは嫌だなぁ……」
ま、寒い方がお風呂は気持ちいいんだけどね。
そうつぶやいて、早苗は体を沈め、ぶくぶくと水面を鳴らした。
ポコォ。
「あひゃっ」
お尻らへんに溜まってた空気が、体を動かした拍子に上に逃げていく。よくあるよね。
東風谷早苗、お風呂でおならなんて下品な真似はいたしません。
目をつぶり、浴槽に体を預ける。
意識と体、その両方がお湯に溶けていくような心地良い感覚。
「はぁ~……」
自然とため息が漏れる。
ポコォ。
「ひゃっ」
まだ残ってたか。
どれだけ隠しているの、私のお尻は。
ぼこぼこ。
「……ん?」
ぼこぼこぼこ、と湯船から不自然なほどの気泡があふれる。
「え? え? なにこれ、なにこれ!」
ず、と水面が盛り上がり、そして――
ざばぁ。
――早苗の股の間から、大柄な男が現れた。
一瞬、何が起こったのか理解できずに、思考が停止する。
「――――」
やがて、徐々に目の前の、今起こっていることが頭に入ってきた。
となれば、することは一つ。
「き……」
すぅう、と息を吸い込む早苗。
「きゃあーーー!!?」
早苗は、出せる限りの声を上げた。
「ななななんで!? なんでいきなり男の人が!? しかも外人! あ、外人って差別用語だって先生が言ってた。なんで外国人が!?」
男が、ざばりと湯船から立ち上がる。
「ぎゃあ! はだか! って、私もだった」
あわあわとパニックに陥る早苗。
「いやー! 見ないでー! って……ん?」
肩を抱き、湯船の中に隠れる早苗。
そんな中、男は洗面用具や風呂の作りなどを、じっくりと観察していた。
(木製のお風呂が珍しいのかしら……)
確かに珍しいかもしれない。外の世界でもタイルがほとんどだった。
それはともかく――
「……全く見られないと、それはそれで腹が立つんですけど」
とにかく、今がチャンス。
早苗は素早く風呂から出て、用意していたパジャマに着替えたのだった。
「なんなんですか、あなたは!」
早苗は、男の腰にバスタオルを巻かせ、居間に座らせていた。
「いきなり女の子のま、ま、股の間から出てくるなんて、非常識にもほどがあります!」
男は眉間にしわを寄せ、じっと早苗を見つめていた。
「聞いてるんですか!?」
ばん、とちゃぶ台を叩く。
男は、びくん、と体を退けぞらせていた。
「……もしかして、伝わってない?」
んん。これはいかなることか。
「えっと、もしかしてあなた。幻想郷の住人ではないんですか?」
そう聞かれた男は、きょとんとするばかりであった。
「むむむ。これは困りましたね……」
事態を収拾できそうな神奈子も諏訪子も、今は出かけていていない。
早苗一人でなんとかしなければならなかった。
「……とりあえず、お茶でも飲みます?」
人のことを非常識呼ばわりした早苗は、常識では考えられない、のんきさがあった。
「はい、どうぞ」
早苗は男の前に、ことりと湯のみを置いた。
「肌寒くなってきましたからねー。熱いお茶にしてみました。それと……」
ぽふ、と一つ湯のみの隣に置く。
「おまんじゅうです。お茶うけはほしいですからね」
男は、じっと腕を組んだまま、お茶とまんじゅうを眺めていた。
(食べ方がわからないのかしら……)
そう思った早苗は、とにかくコミュニケーションを取ろうと試みた。
「えーと、ドゥーユースピークイングリッシュ?」
無反応。
「ツ ペデス ハブラス エスパニョール?」
無反応。
「ツーシーブーシーチョングォーレン? ……ん、これだと、あなたは中国人ですか、になっちゃうか」
まあ、どこからどう見ても中国人じゃないよね。
触っただけの外国語を並べ立てても意思が伝達できるとは思えない。
そう思った早苗は、万国共通の言語を使うことにした。
「こうやって、包みを剥がして……」
ぺりぺりと包装を剥がす早苗。
「ぱくっ」
餡子のたっぷり詰まったまんじゅうを口いっぱいに頬張り、幸せそうにもぐもぐする。そして、お茶をすすり一息つく。
ようするに、ボディランゲージである。
「ふぅ……」
早苗は満足げにため息を吐き、
「はい!」
手を出し、どうぞ、と促した。
食べろ、と言っていることが伝わったのか、男は早苗がしたように、まんじゅうの包装を剥がし、恐る恐る口に含んだ。
「おお、食べた」
もぐもぐもぐ、と口を動かし、そして男は、カッ、と目を見開いた。
よほど気に入ったのか、男はガツガツとまんじゅうを食べる。
しかし慌てて食べたためか、男の顔に焦ったような表情が広がり、どんどん、と手で喉を叩きだした。どうやら喉に詰まらせたらしい。
「お茶お茶! これ飲んでください!」
早苗は慌ててお茶を進めた。
ぐい、と男はそれを流し込む。
やがて落ち着くと、しげしげと湯のみに入ったお茶を眺め、そして両手で顔を覆い、俯いた。
何かを嘆いているように見える。
(ど、どうしたんだろう。いきなり落ち込んじゃった)
おろおろと戸惑う早苗。
原因を探るべく、早苗は必死になって考えた。
(えぇと、おまんじゅうがおいしかったのは別にいいよね。喉に詰まらせちゃったけど、お茶も気に入ってもらえたようだし……あ)
早苗はそこで、ぴーんときた。
(もしかして、おかわりが欲しいのかな)
合っているかどうかはわからないが、なにもしないよりはとりあえず行動してみようと思った早苗は、台所にまんじゅうを取りに行くことにした。
「あ、あの! 今おかわり持ってきますから!」
ととと、と急いで台所に向かう早苗。
その様子を男はぼんやりと眺めていた。
「おまたせしました。おかわり持ってきましたよー」
まんじゅうを持ってきた早苗は、居間にいるはずの男に声をかける。
「あれ、いない!?」
きょろきょろと辺りを見回すも、そもそも人の気配すらしない。
「まさか、山を下りようとしたとか……?」
何かを嘆いていたように見えたし、恐らくは幻想郷の住人ではない。何かがきっかけで飛び出してしまった可能性は否めなかった。
「――ッ。いけない!」
こんな時間に山を下りるなんて危険すぎる。
早苗は慌ててパジャマを脱ぎ捨て、外に出る準備をした。
急いで走って行ったのだろう。広く辺りの気配を探っても、それらしいものは感じられなかった。
急がなくては。
早苗が焦って支度をしている、そんな時。
「ただいまー」
「早苗ー。帰ったよー」
用事を終えた神奈子と諏訪子が帰ってきた。
「あ、神奈子様、諏訪子様!」
どたどたと玄関先まで行く。
早苗の尋常でない表情を見て、二柱は何事かと眉を上げていた。
「どうしたんだい、早苗。そんなに慌てて」
「あ、あの、今、外国の方が居間にいてでもいなくってお風呂から出てきておまんじゅう食べて落ち込んで――!」
「ちょ、ちょっと落ち着きなよ早苗」
諏訪子が早苗をなだめる。
「はい、深呼吸~」
言われた通りにする。うん、ちょっと落ち着いた。
「えっと、今、外国の方が山を下りていきませんでしたか!?」
早苗の言葉に二柱は、きょとん、と顔を見合わせた。
「いや……いなかったよねぇ?」
「うん、いなかったね」
「そんなはずはないです! バスタオルを巻いたローマの石像みたいな人が山を走って下りて行ったはずなんです!」
「いや、いなかったって。そんなトラウマレベルの人間、見えなくても私たちなら気付くって」
「そうだねぇ。夢でも見たんじゃないのかい? 早苗」
「え、えぇー……?」
二柱がそこまで言うのなら、本当に山を下りていったのではないのだろう。
しかし、それならばあの男は一体どこに消えたのか……。
早苗の胸には疑問ばかりが残った。
目を覚ました男は、ぼんやりと空を眺めた。
手元には、きめの細かい、よく水を吸う上質な布。
隣には、心配そうに男を見る、もう一人の男。
男は、きょろきょろと辺りを見回し、自分が元の世界に戻ってきたことを悟った。
そして、男は、カッ、と目を見開き、隣の男に言う。
「おい、ありったけの木を用意してくれ!」
言われた男は、ただただ不思議そうな表情を浮かべていた。
数日後、街では斬新な浴場があるということで話題になっていた。
「いやー、いいですなぁ! この木製風呂!」
「全く! 温かい風呂が、さらに暖かく感じますな!」
「何よりこの、ふわりと漂う木の匂いが心を癒してくれる。本当に、良いものを作ってくれたものだ」
そんなやりとりを、二人の男が端から眺めていた。
「おい、大盛況じゃねえかよ。一体どこからこんなアイデアが浮かんでくるんだあ?」
友の成功を自分のように嬉しがる友人を見て、設計を務めた男は、曖昧な笑顔を向けた。
(とてもではないが、説明できぬ……)
水に弱い木を、あえて浴場に使おうとする発想が素晴らしい。
そして、入ってみるとわかる木の匂い、暖かみ、柔らかさ。
耐久性という致命的な弱点にさえ目をつぶれば、良いところ尽くしではないか。
快楽のために、何かを犠牲にしてでも物を作ってみる。
平たい顔族の、その着眼点には感服せざるを得ない。
そんなことを考えていると、緑の髪をした女子の顔が浮かんできた。
「……可愛かったな」
「え、なんだって?」
つぶやいた一言を聞かれた男は、恥ずかしそうに「なんでもない」と言うのであった。
早苗は、足元からゆっくりと体全体を湯船に浸からせた。
「んぁぁ~……」
熱いお湯が、ぴりぴりと肌を刺激する。
冷え切っていた体が溶かされていくような気がした。
「はぁー、極楽極楽……」
掃除、洗濯、家事――諸々の仕事を終えた早苗は、その疲れを取るべく、風呂に入っていた。
夏の日射しもなりを潜め、外はもう秋の息吹が感じられる。
「最近、急に寒くなったなぁ」
そのうち、秋も眠り、冬が訪れるだろう。
「寒いのは嫌だなぁ……」
ま、寒い方がお風呂は気持ちいいんだけどね。
そうつぶやいて、早苗は体を沈め、ぶくぶくと水面を鳴らした。
ポコォ。
「あひゃっ」
お尻らへんに溜まってた空気が、体を動かした拍子に上に逃げていく。よくあるよね。
東風谷早苗、お風呂でおならなんて下品な真似はいたしません。
目をつぶり、浴槽に体を預ける。
意識と体、その両方がお湯に溶けていくような心地良い感覚。
「はぁ~……」
自然とため息が漏れる。
ポコォ。
「ひゃっ」
まだ残ってたか。
どれだけ隠しているの、私のお尻は。
ぼこぼこ。
「……ん?」
ぼこぼこぼこ、と湯船から不自然なほどの気泡があふれる。
「え? え? なにこれ、なにこれ!」
ず、と水面が盛り上がり、そして――
ざばぁ。
――早苗の股の間から、大柄な男が現れた。
一瞬、何が起こったのか理解できずに、思考が停止する。
「――――」
やがて、徐々に目の前の、今起こっていることが頭に入ってきた。
となれば、することは一つ。
「き……」
すぅう、と息を吸い込む早苗。
「きゃあーーー!!?」
早苗は、出せる限りの声を上げた。
「ななななんで!? なんでいきなり男の人が!? しかも外人! あ、外人って差別用語だって先生が言ってた。なんで外国人が!?」
男が、ざばりと湯船から立ち上がる。
「ぎゃあ! はだか! って、私もだった」
あわあわとパニックに陥る早苗。
「いやー! 見ないでー! って……ん?」
肩を抱き、湯船の中に隠れる早苗。
そんな中、男は洗面用具や風呂の作りなどを、じっくりと観察していた。
(木製のお風呂が珍しいのかしら……)
確かに珍しいかもしれない。外の世界でもタイルがほとんどだった。
それはともかく――
「……全く見られないと、それはそれで腹が立つんですけど」
とにかく、今がチャンス。
早苗は素早く風呂から出て、用意していたパジャマに着替えたのだった。
「なんなんですか、あなたは!」
早苗は、男の腰にバスタオルを巻かせ、居間に座らせていた。
「いきなり女の子のま、ま、股の間から出てくるなんて、非常識にもほどがあります!」
男は眉間にしわを寄せ、じっと早苗を見つめていた。
「聞いてるんですか!?」
ばん、とちゃぶ台を叩く。
男は、びくん、と体を退けぞらせていた。
「……もしかして、伝わってない?」
んん。これはいかなることか。
「えっと、もしかしてあなた。幻想郷の住人ではないんですか?」
そう聞かれた男は、きょとんとするばかりであった。
「むむむ。これは困りましたね……」
事態を収拾できそうな神奈子も諏訪子も、今は出かけていていない。
早苗一人でなんとかしなければならなかった。
「……とりあえず、お茶でも飲みます?」
人のことを非常識呼ばわりした早苗は、常識では考えられない、のんきさがあった。
「はい、どうぞ」
早苗は男の前に、ことりと湯のみを置いた。
「肌寒くなってきましたからねー。熱いお茶にしてみました。それと……」
ぽふ、と一つ湯のみの隣に置く。
「おまんじゅうです。お茶うけはほしいですからね」
男は、じっと腕を組んだまま、お茶とまんじゅうを眺めていた。
(食べ方がわからないのかしら……)
そう思った早苗は、とにかくコミュニケーションを取ろうと試みた。
「えーと、ドゥーユースピークイングリッシュ?」
無反応。
「ツ ペデス ハブラス エスパニョール?」
無反応。
「ツーシーブーシーチョングォーレン? ……ん、これだと、あなたは中国人ですか、になっちゃうか」
まあ、どこからどう見ても中国人じゃないよね。
触っただけの外国語を並べ立てても意思が伝達できるとは思えない。
そう思った早苗は、万国共通の言語を使うことにした。
「こうやって、包みを剥がして……」
ぺりぺりと包装を剥がす早苗。
「ぱくっ」
餡子のたっぷり詰まったまんじゅうを口いっぱいに頬張り、幸せそうにもぐもぐする。そして、お茶をすすり一息つく。
ようするに、ボディランゲージである。
「ふぅ……」
早苗は満足げにため息を吐き、
「はい!」
手を出し、どうぞ、と促した。
食べろ、と言っていることが伝わったのか、男は早苗がしたように、まんじゅうの包装を剥がし、恐る恐る口に含んだ。
「おお、食べた」
もぐもぐもぐ、と口を動かし、そして男は、カッ、と目を見開いた。
よほど気に入ったのか、男はガツガツとまんじゅうを食べる。
しかし慌てて食べたためか、男の顔に焦ったような表情が広がり、どんどん、と手で喉を叩きだした。どうやら喉に詰まらせたらしい。
「お茶お茶! これ飲んでください!」
早苗は慌ててお茶を進めた。
ぐい、と男はそれを流し込む。
やがて落ち着くと、しげしげと湯のみに入ったお茶を眺め、そして両手で顔を覆い、俯いた。
何かを嘆いているように見える。
(ど、どうしたんだろう。いきなり落ち込んじゃった)
おろおろと戸惑う早苗。
原因を探るべく、早苗は必死になって考えた。
(えぇと、おまんじゅうがおいしかったのは別にいいよね。喉に詰まらせちゃったけど、お茶も気に入ってもらえたようだし……あ)
早苗はそこで、ぴーんときた。
(もしかして、おかわりが欲しいのかな)
合っているかどうかはわからないが、なにもしないよりはとりあえず行動してみようと思った早苗は、台所にまんじゅうを取りに行くことにした。
「あ、あの! 今おかわり持ってきますから!」
ととと、と急いで台所に向かう早苗。
その様子を男はぼんやりと眺めていた。
「おまたせしました。おかわり持ってきましたよー」
まんじゅうを持ってきた早苗は、居間にいるはずの男に声をかける。
「あれ、いない!?」
きょろきょろと辺りを見回すも、そもそも人の気配すらしない。
「まさか、山を下りようとしたとか……?」
何かを嘆いていたように見えたし、恐らくは幻想郷の住人ではない。何かがきっかけで飛び出してしまった可能性は否めなかった。
「――ッ。いけない!」
こんな時間に山を下りるなんて危険すぎる。
早苗は慌ててパジャマを脱ぎ捨て、外に出る準備をした。
急いで走って行ったのだろう。広く辺りの気配を探っても、それらしいものは感じられなかった。
急がなくては。
早苗が焦って支度をしている、そんな時。
「ただいまー」
「早苗ー。帰ったよー」
用事を終えた神奈子と諏訪子が帰ってきた。
「あ、神奈子様、諏訪子様!」
どたどたと玄関先まで行く。
早苗の尋常でない表情を見て、二柱は何事かと眉を上げていた。
「どうしたんだい、早苗。そんなに慌てて」
「あ、あの、今、外国の方が居間にいてでもいなくってお風呂から出てきておまんじゅう食べて落ち込んで――!」
「ちょ、ちょっと落ち着きなよ早苗」
諏訪子が早苗をなだめる。
「はい、深呼吸~」
言われた通りにする。うん、ちょっと落ち着いた。
「えっと、今、外国の方が山を下りていきませんでしたか!?」
早苗の言葉に二柱は、きょとん、と顔を見合わせた。
「いや……いなかったよねぇ?」
「うん、いなかったね」
「そんなはずはないです! バスタオルを巻いたローマの石像みたいな人が山を走って下りて行ったはずなんです!」
「いや、いなかったって。そんなトラウマレベルの人間、見えなくても私たちなら気付くって」
「そうだねぇ。夢でも見たんじゃないのかい? 早苗」
「え、えぇー……?」
二柱がそこまで言うのなら、本当に山を下りていったのではないのだろう。
しかし、それならばあの男は一体どこに消えたのか……。
早苗の胸には疑問ばかりが残った。
目を覚ました男は、ぼんやりと空を眺めた。
手元には、きめの細かい、よく水を吸う上質な布。
隣には、心配そうに男を見る、もう一人の男。
男は、きょろきょろと辺りを見回し、自分が元の世界に戻ってきたことを悟った。
そして、男は、カッ、と目を見開き、隣の男に言う。
「おい、ありったけの木を用意してくれ!」
言われた男は、ただただ不思議そうな表情を浮かべていた。
数日後、街では斬新な浴場があるということで話題になっていた。
「いやー、いいですなぁ! この木製風呂!」
「全く! 温かい風呂が、さらに暖かく感じますな!」
「何よりこの、ふわりと漂う木の匂いが心を癒してくれる。本当に、良いものを作ってくれたものだ」
そんなやりとりを、二人の男が端から眺めていた。
「おい、大盛況じゃねえかよ。一体どこからこんなアイデアが浮かんでくるんだあ?」
友の成功を自分のように嬉しがる友人を見て、設計を務めた男は、曖昧な笑顔を向けた。
(とてもではないが、説明できぬ……)
水に弱い木を、あえて浴場に使おうとする発想が素晴らしい。
そして、入ってみるとわかる木の匂い、暖かみ、柔らかさ。
耐久性という致命的な弱点にさえ目をつぶれば、良いところ尽くしではないか。
快楽のために、何かを犠牲にしてでも物を作ってみる。
平たい顔族の、その着眼点には感服せざるを得ない。
そんなことを考えていると、緑の髪をした女子の顔が浮かんできた。
「……可愛かったな」
「え、なんだって?」
つぶやいた一言を聞かれた男は、恥ずかしそうに「なんでもない」と言うのであった。
クロスオーバーだと分かっていたら読まなかったのに。
先日読んだばかりなので、面白く読ませていただきましたw
どうググれば良いかorz
2巻読みたいなぁ……
( ‘д‘) <早苗さんの裸身を男に見せるなんて!
⊂彡☆))Д´)
よくわかんなかったけど平たい顔族でググってみたらだいたいわかった
なんかすごいみたいだけどおもしろいんかね?
この話で尚更興味が湧いたので、今度買ってみようかなあ。
しかし、フロスオーバーとは上手いタグですねw
最高だぜ、ヒャッハァ
テルマエ・ロマエを読んだことない人は是非読んでもらいたい。
まさかテルマエ・ロマエとはwww
ついにあの御方は幻想郷にまでワープしましたかw
…裏山鹿ぞ、裏山鹿ぞル○ウスのおじん!!
おもろかった。
短いながら、実に楽しませてもらいましたw
ありがとうございました。
そう言ってもらえて安心しました。
>2
やったー! 私の勝ちぃー!
……すみません、調子に乗りました。
楽しんでいただけたようでなによりですw
>7
やはりクロスオーバーものは地雷ですか。
ご満足していただけなかったようで、申し訳ありません。
>9
別の世界に行ってしまわないようお気を付けください。
>10
タイミングが合っていたようでなによりw
>11
なるほど、申し訳ないです。
読んでない人にわかるようには書いていなかったので、そこは不親切だったかもしれませんね。
>12
む、下ネタですか。
自分としてはそんなつもりはなかったのですが。
下ネタの範囲も、人によって違うのですね。猛省いたします。
>15
テルマエ・ロマエで検索してください!
絶対に面白いですから!
>16
出ていたのですよ、実は。
さぁ買って、今すぐ買って、そして読んで!
>18
脳内再生されましたか!
上手く書けてたってことかなぁ……。
だとしたら嬉しいですねw
>21
す、すみません。でも、小粋な湯気がナイスな仕事してくれてたと思うので、大丈夫です!
>22
今一番ホットな漫画です。
是非ご一読を!
あ、関係者ってわけではないですよ。
>24
さすがにそれをやってたら終わりません。
>ワレモノ中尉さん
表紙で足踏みをする人はいそうですね。
ただ、中身は間違いないので、是非もなしにw
>28
風呂だけに、ですか?
上手いこといいますね。
>31
タグホイホイってやつですね。
ちょっとずるかったかもしれませんw
>砂時計さん
ありがとうございます!
けど、原作も読んでみてくださいw
>黒糖さん
腐った日本酒はやめてくださいねw
\まつがった!/
>36
いつ行っても不思議ではないですけどねw
>37
一種の時事ネタみたいなものですね。
もっと流行ればいいと思います。
>38
クロスオーバーってタグも併用した方がよかったかなぁ、と思い始めました。
ま、いいかw
>39
早苗という名前が絶妙でしたw
ありがとう早苗!
>41
あの漫画って、ものすごくクロスオーバーさせやすいでよねw
>43
そこだけは私自身書いてて嫉妬しました(真剣な目)
>45
これからお風呂が気持ちいい季節ですね。
温泉玉子でも食べながら過ごすのもありでしょう。
>46
おぉ~、書いておいてなんですが、地雷と思っていただけに嬉しいです。
今回初めてクロスオーバーに挑戦しましたけれど、結構難しいものなんですね。
ありがとうございました!
>47
ありがとうございます!
たぶん、これ以上長くしていたら絶対にボロが出てましたw
奴ならwwwwww風呂でタイムスリップする奴ならやりかねんwwwww
ですよね。
だからクロスオーバーさせやすかったです。
あとなんかアニメにもなってるしww
やっぱりお風呂は良い!