「……着いた」
風見幽香が見上げた先には、一軒の焼肉屋があった。
「……早く食べたい。……お肉」
今日は、月に一度のゆうかりん感謝デー。
自分で自分に感謝をするこの日、彼女は必ず人里へ行き、この行きつけの店で焼肉を食すことを習わしとしているのである。
「ふふ。ふふ。ふふふふふ……」
店先で妖しく笑う彼女を見た通りすがりの人々は、誰もが皆顔を引き攣らせていたが、それはこの際どうでもいいことである。
「―――いくわよ。幽香」
弾幕勝負に臨むとき以上に真剣な眼差しで、幽香はドアノブに手を掛けた。
……と、そのとき。
「あら? 風見?」
「えっ」
ふいに、背後から声がした。
振り返ると、よく見なくても分かる、見覚えのある顔がそこにあった。
「んなっ!?」
思わず、キャラに似合わない声を上げて仰け反る幽香。
ドゴッと背中がドアにぶつかったが、それを気にしている余裕は今の彼女には無かった。
「な、なな、なんで、あんたが……?」
幽香が震える指で示した先。
そこには―――。
「あら。それはこちらの台詞ですわ。どうしてあなたが、こんな所に?」
言わずと知れた、“妖怪の大賢者”―――八雲紫が、嫌になるほど綺麗な笑みを浮かべて、佇んでいた。
「わ、わわ、私はっ」
普段の冷静さも忘れて、ひたすらに狼狽する幽香。
無理もなかった。
並大抵の妖怪なら指先ひとつで消し飛ばせる(本人談)幽香だが、この八雲紫だけは話が別。
この妖怪こそ、幽香にとって、できることなら相手にしたくない、それどころか近付きたくもない妖怪・ナンバーワンなのである。
しかしそんな幽香の思惑など露知らず、紫はニコニコと微笑みながら話し掛ける。
「……焼肉を、食べに来たのよね?」
「えっ、いや、その」
「しかも見たところ、お一人みたいね?」
「う、うぐっ……」
流石に、ドアノブを掴んで店に入ろうとしていた瞬間を捉えられては、言い逃れもできない。
下手に誤魔化そうにも、誤魔化せるような相手ではない。
幽香は観念し、俯きながら答えた。
「……そうよ。悪い?」
正直、誰にも見られたくはなかった。
仮にも“最凶の妖怪”として恐れられている自分が、人里で焼肉を食べようとしているところなど。
しかも、一人で。
(……いや、それは別にいいんだけどさ)
幽香は無駄にプライドが高かった。
すると、そんな幽香の内心を見透かしたかのように、紫は楽しげな口調で提案した。
「ちょうどよかった! 実は、私も一人なのよ。よかったら、一緒にいかが?」
「え……ええぇ!?」
幽香は驚愕した。
あの“胡散臭い妖怪ランキング第一位”の八雲紫が、自分を食事に誘ってきただと!?
(う、胡散臭い……!)
絶対に、何か裏がある。
普段から他人に心を許すということをしない幽香は、いつにもまして強い警戒心を張った。
他方紫は、妙に険しい顔つきをする幽香を見て、首を傾げる。
「? どうしたの?」
「え、ああ、いや……」
「私と一緒じゃ、ご不満かしら?」
「えっ! い、いや、別にそういうわけじゃ……」
「じゃあ、決まりね! 入りましょ!」
「あ、ちょっ」
紫は弾むような笑顔で幽香の腕を取ると、そのまま勢いよくドアを開いた。
(ま、まあいいか……。ここで下手に断っても……)
幽香はちら、と隣でるんるん顔をしている紫を見る。
「~~~♪」
紫はとても楽しそうに、鼻歌を口ずさんでいた。
……こうして見ていると、ただの可憐な少女にしか見えないのだが、その正体は、“絶対にガチでバトりたくない妖怪ランキング第一位”の称号を持つ、危険度超弩級の最強妖怪・八雲紫である。
そんじょそこらの妖怪なら瞬きひとつで滅失させられる(本人談)幽香とはいえ、この妖怪とだけは極力闘り合いたくない、というのが本音であった。
(……うん、そうね。こいつに裏があるにせよ無いにせよ……ここは適当に合わせて乗り切るのが一番。ただの気まぐれって可能性もあるし)
幽香が真剣な面持ちで思考を巡らせている横で、紫は上機嫌に「二名です☆あ、こう見えても二人とも成人だからね♪」などとはしゃいでいた。
もちろん今の幽香に、ツッコむ余裕など無い。
「では、こちらへどうぞ」
店員の案内により、二人は窓際のテーブル席に通された。
その間、紫がずっと腕を組んできていたため幽香は一瞬たりとも気が抜けなかったが、内心の緊張をおくびにも出すことなく、見事なポーカーフェイスで乗り切った。
(……ふぅ、よかった。気を張っているのがバレたら、不審に思われるかもしれないし)
なんせ相手はあの八雲紫である。
いくら見た目が幼い少女にしか見えなくとも、その力は紛れもなく幻想郷最強。
一瞬の隙が命取りになると言っても過言ではない。
(……それにしても、折角のゆうかりん感謝デーなのに、何でこんなことに……。まあいいや、明日に振り替えってことにしよう)
ゆうかりん感謝デーは意外とフレキシブルであるようだ。
それはさておき、テーブル席に向かい合って座った、幽香と紫。
片や、微笑を湛えつつも、一瞬たりとも気を緩めない眼差しの、幽香。
片や、ニコニコ笑顔で、やたら嬉しそうな表情の、紫。
実に対照的な二人であった。
(フフフ……いいわ、八雲紫。どこからでもかかっていらっしゃい。あなたにどんな意図があるか分からないけど、私だって、伊達に永い年月生きていないのだから……!)
幽香が見る人が見たら失禁しそうな笑みを浮かべていると、紫が暢気に話し掛けてきた。
「ねえ風見。あなた呑む?」
「え? あ、ああ……今日はいいわ」
「そう? じゃあ私もいいや。まだお昼だしね」
ぺらぺらと、嬉しそうにメニューのページをめくっている紫。
そんな彼女の様子を微笑と共に眺めながら、幽香の内心にはどす黒い炎が立ち上っていた。
(こんな状況で酒なんて飲めるわけないでしょッ……!)
紫がいつどんな行動を起こしてきても対処できるよう、常に全神経を集中させている自分に対して、紫のこの余裕ぶり。
(私程度、酔っていてもどうにでもできるってことかしら……?)
幽香の頬がひくつく。
(……ふん。この私も、随分低く見られたものね……)
普通の呼吸に混ぜて、少しだけ深く息を吸う。
(……だが、この程度で精神を乱す風見幽香ではない!)
幽香の精神コントロールの卓越ぶりは、並の人妖のそれを凌駕していた。
猛る内心を微塵も表層に出さず、柔和な外面を保ったまま、紫に対して声を掛ける。
「大体決まった?」
「ええ」
「じゃあ、そろそろ注文しましょうか」
「うん、そうね。あ、お願いしま~す☆」
何故星を付ける。
幽香は内心でツッコんだが、表情は微塵も変えなかった。
熟練の妖怪の為せる業である。
「お待たせ致しました。ご注文をどうぞ」
間もなく、店員がやって来た。
早速、嬉々として注文をし始める紫。
「えっと、これと、これと……」
「…………」
紫が注文する様を、幽香はじっと見つめていた。
今は無邪気に振舞っているが、その内心、何を考えているか全く分かったものではない。
紫と別れる最後の瞬間まで、絶対に警戒を解くまいと誓う幽香だった。
一方、幽香の視線に気付いたのか、紫は彼女の方に向き直った。
「風見。他に、何か欲しいのある?」
「え、ああ、そうね。……じゃあ、ご飯を」
「あ、忘れてた。私もご飯、お願いしますわ」
「はい、ご飯をお二つですね。ご注文以上でよろしいでしょうか?」
「ええ、結構ですわ」
「では、少々お待ち下さいませ」
「あ、すみません」
立ち去りかけた店員に対して、幽香が声を掛けた。
振り返る店員。
「はい」
「ご飯、早めに持って来てもらっていいですか」
「かしこまりました」
一礼をし、去っていく店員。
そのやりとりを眺めていた紫は、不思議そうに首を傾げる。
「? ねえ風見……今の、何?」
「ああ、ここの店ね、いつもご飯を持って来るのが遅いのよ。焼肉といったら白いご飯だっていうのに」
「……へえ。よく来るのね?」
「まあね……って、ちち違うわよ! こ、これは焼肉屋の一般論で……」
先ほどまでの真剣な表情はどこへやら、思わず顔を赤くして反論する幽香。
「くすくす」
「…………」
そんな幽香を見た紫は、口元に手を当て、さも可笑しそうに笑った。
幽香は段々と、彼女を真面目に警戒していることが馬鹿馬鹿しいことのようにも思えてきた。
(……いや、でもまだ)
完全に警戒を解くわけにはいかない。
軽く頭を振り、気を引き締めなおす。
そう。
今、自分の目の前にいるのは、“妖怪の大賢者”八雲紫なのだ。
最後の最後まで、気を緩めるわけには―――。
「…………」
再び真剣な面持ちとなり、紫を見据える幽香。
と、そこで紫の様子の異変に気付いた。
(……ん?)
どことなくそわそわしているというか、落ち着きが無い。
視線も上を向いたり、下を向いたりと忙しい。
(……何かしら? ……陽動?)
あくまでも、疑念は捨てない幽香であった。
しかしどうにも、紫の様子はおかしいまま。
溜まりかねて、口を開く。
「ねえ」
「えっ! な、何?」
「いや……何でそんなに、キョロキョロしてんの?」
「えっ。あ、いや……」
紫はもじもじとしながら、上目遣いで言った。
「わ、私、実は、こういうとこ来るの、初めてで……」
「……えっ?」
予想だにしないその返事に、幽香は思わず間の抜けた声を出してしまった。
紫は人差し指を突っつき合わせながら、続ける。
「や、ほら、いつもは藍がご飯作ってくれてるから……」
「……ああ、あの狐の」
「そうそう。あの可愛い狐の」
「……そういや、何で今日はいないのよ。あの狐」
「ああ、うん。それがね。藍ったら、夏ばてで寝込んじゃって……ほら、やっぱり暑いらしいのよ。あの尻尾」
「……ああ、なるほど」
幽香はひどく納得した。
あのふさふさの尻尾が遍く熱を吸収しようものなら、それはさぞかし暑いことだろう。
夏ばてになるのも無理はない。
「それでご飯のあてもないから、一人で人里に食べに来たってことね」
「そういうことなの」
「あ、でもあの子は? ほら、オレンジだっけ? 猫の」
「ああ、橙ね」
ツッコめよ……!
幽香は下唇を噛みながらも自然に流した。
「ああ、そうそう。そんな名前だったわね。あの子にご飯、作ってもらったら? まあ、あんまり料理できそうな感じでもなかったけど」
「あら、橙はああ見えて結構料理できるわよ。少なくとも私よりは」
あまり自慢にならないことを、何故だか得意気に言う紫。
そんな紫を見ながら、幽香は半ば呆れたように呟いた。
「……じゃあ、その子に作ってもらいなさいな」
「それが無理なの」
「何でよ?」
やれやれと、大げさに肩を竦めるジェスチャーをしながら、紫は言う。
「橙、藍の看病で付きっきりなの。『藍さまが元気になるまで、ずっと傍にいます!』って張り切りようでね。……お陰で私はほったらかし」
「……ぷっ」
そのとき、幽香の中で何かがはじけた。
「……くくっ、あははは。それはそれは……かわいそうなご主人様だこと」
「本当よ、もう。ふふふっ」
「あはははっ」
(……あれ?)
少し遅れて、幽香は我に返った。
(……何で私、笑ってんの)
一瞬たりとも、警戒を緩めないはずだったのに。
(……相手は八雲紫よ? あの)
でも不思議と、そんなことはもうどうでもよくなっている自分がそこにいた。
紫が、穏やかな笑みを浮かべて言う。
「……でも、よかったわ」
「え?」
「人里に来てみたのはいいけど、どのお店に入ればいいのか、とんと分からなくて……。困っておろおろしているときに、偶然、あなたを見つけられたから」
「……そうだったの」
「そうだったのよ」
「…………」
改めて、じっと紫を見る幽香。
紫の表情は、純真な少女そのものだった。
(いや、でもやっぱり裏が……)
僅かに残る疑心。
しかし。
「?」
不思議そうに小首を傾げる紫を見ていると、いよいよもって、そんなことはどうでもよくなった。
(……ああ、もう。いいや)
今日は、月に一度のゆうかりん感謝デー。
楽しく過ごさないと、勿体無い。
そう思うと、幽香はふっと全身の力が抜けた気がした。
(……大体、こいつが胡散臭いのなんて、今に始まったことでもないし)
結局、裏があるのか無いのかなんて、いくら考えたって分からないだろう。
どのみち分からないのなら、もういっそ考えない方がいい。
そう結論付けて、幽香は紙エプロンを首に巻いた。
「ほら、あんたもエプロン着けなさいな。タレが服に飛んでも知らないわよ」
「あら。これはこうして使うのね」
嬉しそうに、エプロンをいそいそと着ける紫。
得意気な顔で、どう? なんて聞いてくる。
「……ったく、もう」
今日の感謝デーは、騒がしくなりそうね―――。
幽香の表情から、自然と笑みが零れる。
そしてすぐに、ご飯と大皿を盆に載せた店員がやって来た。
「お待たせ致しました。こちらご飯と、特選和牛の切り落としになります」
「わあ」
子供のように目を輝かせ、皿の上の肉に釘付けになる紫。
そんな紫を見ながら、幽香は包み込むような笑顔で言う。
「……ふふ、すごく美味しいわよ。これ」
「あら、それは楽しみですわ。早く焼きましょう!」
「ええ」
―――こうして、忙しくも楽しい、焼肉パーティーが幕を開けた。
「あ、これもう焼けてそう。はぐはぐ」
「あーっ! わ、私が大切に育てていたカルビちゃんを!」
「えっ? なにそれごめん」
「ごめんじゃないわよもう! 信じらんない!」
「じゃあお詫びにこのシシトウをあげますわ」
「ああ、ありが……ってめっちゃ焦げてるし! ていうか炭化してんじゃないのこれ!」
「あははは」
「あはははじゃないわよ! もう!」
警戒だの疑心だの、そんなものは、とうに昔に吹き飛んでいた。
ただただ楽しく焼肉を頬張る二人の姿が、そこにはあった。
「もう! ここから先は私の陣地よ! 進入禁止だからね!」
「あら、そう言われると侵入したくなるのがスキマ妖怪の性ですわ」
「あーっ! 言ってる傍から私のロースを!」
「おほほほ。御免あそばせ」
「むきーっ!」
ぎゃあぎゃあと、まるで小さい子供のように。
どうやら猜疑心と一緒に羞恥心もどこかへ置いてきてしまったようだと、幽香は思った。
―――小一時間後。
「あ~、食べた食べた。大満足ですわ」
「……そりゃあ満足でしょうよ。あんだけ人の肉食ったらね」
「あら。風見だって、私のお肉たくさん取ってたくせに」
「……ふん」
ついっと顔を背ける幽香。
紫につられて、浅ましくもはしたない仁義無き焼肉大戦に参戦してしまった恥ずかしさが、今になって込み上げてきたようだ。
「……でも」
少しだけ声のトーンを落として、紫が言う。
「とっても、楽しかったわ」
「…………」
綺麗な笑顔だった。
たとえ嘘でも、欺瞞でも。
この笑顔になら騙されてもいいかと、幽香は思った。
そう思えるくらい、綺麗な笑顔だった。
紫は穏やかな口調で続ける。
「やっぱりいいわね。誰かとする食事、っていうのは」
「…………そうね」
幽香自身、誰かと食事を共にするのは久しぶりだった。
大勢が集まる宴会などを除いては、それこそ数年ぶりだったかもしれない。
(……まあ、そうは言っても)
幽香の心に、一筋の影が差す。
いつも一人の自分と違い、紫はたまたま、一緒に食べる相手がいなかっただけ。
式神の体調が回復すれば、今までどおり、式神と食事を共にするのだろう。
(……所詮私は、代役なのよね)
ふっと、自嘲気味に溜め息を吐く幽香。
そんな幽香に向けて、紫は笑顔のままで言う。
「ねえ。また今度、一緒に食事しましょうよ」
「……ええ。いいわよ。あなたの式が寝込んだりしたときは、いつでも」
大丈夫。
自分は線引きを誤ったりはしない。
幽香はそう思い、短く頷く。
しかし目の前のスキマ妖怪は、なぜかひどく不思議そうな表情を浮かべていた。
「……? 何言ってるの?」
「え?」
きょとんと、小首を傾げて。
その少女のような仕草に、胸の奥をくすぐられつつ、幽香は答えた。
「いや、だから、あなたの式の代役なら、いつでも―――」
その瞬間、幽香の口を細い指先が塞いだ。
ぴんと人差し指を伸ばした紫は、少し頬を膨らませていた。
「……怒るわよ」
「え?」
「……式がどうとか関係無しに、また一緒に食事しましょう、って言ってるの。……友人として」
「……ゆう、じん」
唇を押さえられたまま、くぐもった声で幽香は反芻した。
紫がにこりと笑う。
「……それとも、私が友人じゃご不満かしら? ―――幽香」
「…………!」
紫の頬は、朱に染まっていた。
そしておそらくは、今の自分も。
「……よくもまあ、口に出して言えるわね。……そんな、恥ずかしい台詞」
「う、うるさいわね。……で、ど、どうなの?」
一呼吸分だけ間を置いて、幽香は笑顔で答えた。
「……喜んで。―――紫」
その瞬間、紫の顔がぱあっと、太陽のように輝いた。
「……ふふっ。ありがとう! 幽香!」
なんだかんだで相当恥ずかしかったのだろう、そう言うや、赤くなった顔を隠すかのように、彼女はスキマの中に逃げ込んでしまった。
「……もう。最初から最後まで、騒々しいんだから」
一人残された幽香は、くすくすと笑みを零す。
―――と、そのとき。
幽香はふと、遠巻きに自分を見ている視線を感じた。
その方を振り向くと、里の若い男衆が、二、三人、幽香の方をちらちらと見ながら、何やら小声で話をしているのが目に入った。
大方、“最凶の妖怪”として名を馳せている自分を見つけて、何かよからぬ噂話でもし始めたのだろう。
「……ったく」
幽香は軽く溜め息を吐くと、つかつかと、男達の方へ歩を進め始めた。
男達は、幽香が自分達の方へ近付いてきたことに気付くや、途端に、わたわたと慌てふためき始めた。
やがて幽香は男達の前に立つと、腰に手を当てて言った。
「ねえ、あなた達」
「ひっ!」
「な、なんだよ。俺達は別に何も……」
ごにょごにょと言い訳をするような男達を見据えながら、幽香はすぅっと息を吸い、一言だけ言った。
「あんまり人を、肩書きだけで判断しない方がいいわよ」
「……へっ?」
それだけ言うと、幽香は踵を返し、颯爽と歩き出した。
(……ね。“妖怪の大賢者”様?)
くすくすと、可笑しそうに笑いながら。
了
紫は普段は不気味な、得体の知れないキャラとして描かれていますが、逆にこんなまっすぐな紫もたまらなく愛おしいですね。
幽香も幽香で、なんだかんだいって食事に付き合ってる様は言いようのない、微笑ましい光景ですねー。
可愛くて、面白かったです。
一人焼肉しながら眺めてみたいです。
に空目してしまうという失態を犯した自分を修正して欲しい。
最後まで朗らかに進んで癒されました。
ゆうかりんもゆかりんも可愛いよ!!
↑自分も「人肉」に見えた…
ライトな語り口でとても読みやすかったですし、読了後のふんわり感がとてもよかったです
幽香の相方に紫様をあててくれるなんて。
まさに盆と正月が一緒に来た状態でわくわくしながら読ませて頂きました。
お話の内容? 当然焼肉といったら白いご飯の如く、文句なんかあるわけないっす!
これほど心の琴線に触れまくる紫様と出会わせてくれた作者様に大感謝です。
あ、もちろん風見さんもとっても素敵でしたよ。
もし次があるのなら、初焼肉店でおどおどと可愛らしくキョドりまくる博麗の巫女ちゃんなんかが
登場すると、嬉しすぎて幽体離脱しちゃうかもです。
とにかく素晴らしい作品、ありがとうございました!!
短く読みやすく後味のよい、牛ロースのような作品をありがとうございました。
誤字的な何か
微笑を称えつつも→微笑を湛えつつも
妖怪の成せる業→妖怪の為せる業(微妙ですが“為”のほうがよさそうです)
エプロン付けなさいな→エプロン着けなさいな(たぶん“着”のほうがよさそうな感じです)
エプロンをいそいそと付ける→エプロンをいそいそと着ける(ry
すごく、良いです。
幽香ちゃんしかもゆうかりん感謝デーなんて初耳だよ! なんで教えてくれなかったの!? ねえ幽香ちゃん! 幽香ちゃん! え、死ね?
しかしかわいい幽香といい、この少女モード全開の紫といい、恐ろしい破壊力だ。
蛇足・気になった部分
(二人で入店後のゆうかりんの内心シーンで)
幽香が見る人が見たら失禁しそうな笑みを浮かべていると、
→幽香「を」見る人が~、ではないでしょうか。
おもしろかった
もうなんていうか、こんな可愛い幽香も紫も初めてみたかもしれない。
そして前作の焼肉の話もそうでしたが、何故か読んでいて異様に焼肉が食べたくなる不思議。
すばらしい作品をありがとうございました。
前半のゆうかりんひとりごと部分も面白かったです。
ゆかりんさりげなく食い逃g(スキマ送りにされました】
感動が1.3倍になりました。幸せの最小単位はきっとホント二人だよね……!
楽しく食べることは何より大事ですね。
感謝。
それにしても可愛いお嬢さん方だ。焼肉はやっぱ誰かと一緒に楽しく食べてナンボよ。
楽しかった時間の回想に没頭するあまり、おうちに帰るまで口の周りがタレでびっちょりな事に気付かない二人を想像するとますますかわいい。