ー注意ー
この作品はあまりの暑さに作者がやられ、冬になってほしいと思い作られた作品です
霖之助は椅子に座り外の景色をじっと見つめていた。空から降ってくる雪を。夏にあれ程まで華やかに、
そしてしっかりと咲き誇っていた向日葵のあった畑を。
「また外を見ているのね、霖之助。」
急に名前を呼ばれて少し吃驚する。
「幽香。」
「どうかしたのかしら?」
彼女が花の様な笑顔をこちらに向ける。
「いや、どんなものも最後は儚く散ってしまうのもだと痛感していたのさ。」
少し前まであそこに咲いていた向日葵達も秋ぐらいに枯れ始め、今はもう見る影さえ無い。
(僕と幽香はあと何回あの光景を見るのだろうね。)
日が経つにつれ、段々萎れてゆき、遂に力尽きて地に堕ちてゆく向日葵達。
その時の幽香はとても悲しそうな顔をしていた事をまだ覚えている。
「仕方ないのよ。儚く散るものなのよ、植物は。」
その言葉を聞き、僕は更に考える。
(その度に幽香のあの表情を見なければならないのか。)
と、そんな事を考えていると不意に幽香の手が首にまわされ僕を優しく抱きしめる。
「そんな事ずっと考えてなくて良いのよ。」
「……そうだね。」
視点を上げふと時計を見る。今約6時だ。
「そろそろ晩御飯を作るかな。」
そう言うと霖之助は腰を上げキッチンへ行く。
「ところで君は何時まで抱きしめているんだい?」
「あ……ご、御免なさい」
幽香が顔を赤くして抱きしめるのを止める。
そもそも僕が幽香の家に居る理由は少し前まで遡る。
偶然来ていた魔理沙が幽香に弾幕勝負を申し出たのだ。その時店の外で勝負していたのだが魔理沙のマスタースパークの空気の振動で香霖堂を囲む木の雪が香霖堂に落ちて潰れてしまったのだ。
僕は仕方が無いと思っていたのだが、魔理沙が責任をとると鬼に頼み、今建て替え中である。
そして家を探しに人里へ行こうとした時に幽香が
「べ、別に私の家に来ても良いわよ。」
と、何故か頬を赤く染めて言ってきたのでお願いしたのだ。
その礼として料理は基本的に僕が作るようにしている。
「さて、何を作ろうかな?」
と食材庫を覗いて見る。
「ふむ、今日はシチューでも作ろうかな。」
と言い材料をキッチンへ運ぶ。
実は霖之助は料理がとても上手だ。もしかすると賢者の式や庭師達よりも上手かもしれない。
「さて、ジャガイモ、ニンジン、ブロッコリー、鶏肉、しめじで良いかな?」
そう言いながらまな板に材料を置き、手際良く切ってゆく。ジャガイモとニンジンは乱切り。
ブロッコリーと鶏肉は一口大。しめじは小房に分ける。
そしてフライパンにジャガイモ、ニンジンを入れ、更にその後鶏肉を入れ鶏肉の表面が色付くと水としめじを入れ少し茹でる。
その間に別の鍋にバターを入れ、小麦粉を絡める様に混ぜ、牛乳でとろみをつけて更に白ワインを入れ、塩・胡椒で味を調える。
その鍋に鶏肉や野菜等をしっかり湯切りして入れ暫く煮込む。
「あら、良い匂いね。」
くぅ、と可愛らしいお腹の音を鳴らせて幽香がキッチンに顔を出す。
「あともう少し煮るだけだからもうちょっと待ってくれ。」
「わかったわ。」
「……」
「……」
「幽香?」
「ど、どうかしたの?」
「何故チラチラと此方を見ているんだい?」
そう言うと幽香の顔が先程よりも赤くなってゆく。
(僕の顔に何か付いているのかな?)
「べ、別に何でもないわ。」
「なら良いんだが。」
幽香は急にどうしたのだろうか。
と、そこでシチューが丁度いい具合に煮えた。
「幽香。」
「ひゅい!?」
「煮えたよ。」
「そ、それじゃ食べましょうか。」
「そうだね」
「頂きます。」
「召し上がれ。」
幽香が一口食べる。
(やっぱり美味しい。鶏肉にちゃんと火が通っているのに舌で簡単に崩れる。しかも鶏肉の旨味が他の野菜にも染み込んでいる。ジャガイモも口に入れてすぐに崩れるし、しめじが食感に短調さを感じさせない。これは美味しいといったが美味しいを通り越して危険だわ。他のシチューが食べられなさそうね)
幽香が一口食べ幸せそうな顔になったのを確認して霖之助も食べだす。
(うん、中々上手に出来ているな。)
そしてあっという間に食べ終わってしまった。
「御馳走様でした。」
「お粗末さまでした。」
「後片付けは私がするから霖之助はお風呂を沸かして頂戴。あと先に入ってもいいわよ。」
「ああわかった。」
暫くして霖之助がお風呂から出る。
「おーい幽香、お風呂から出たよ。」
おかしい。返事が無い。
「おーい、幽……。」
「ん~?にゃに?」
ソファーで寝ていた様だ。まだ少し寝ぼけているが。
「出たよ。」
「ん~。」
「ほら、入らないと風邪をひくよ。」
いくら妖怪といっても風邪をひく時はひく。
「霖之助~膝枕して~。」
「え?」
「膝枕~。」
「しょうが無いな。その代わりその後入るんだよ。」
そう言ってソファーに腰掛け幽香に膝枕をする。
「うー☆」
何か違う気がするが無視して頭を優しく撫でる。少しの間撫でていると幽香は寝てしまった。」
(こう見るとただの可愛い少女なのにね。)
幽香の寝顔を見ながら霖之助はそう思っていた。
暫くの間撫でていると段々霖之助も瞼が重くなってきた。
「僕もこのまま寝ようかな。」
そう言って霖之助は瞼を閉じた。
翌日、風呂上がりのまま寝た霖之助が風邪をひき、幽香が看病するのは別の話。
シチューおいしそう…
男の人の料理はこってるっていいますからねー
最初から最後まで視点統一でよかったのでわ
黙ってよめねぇのか意見にもならねぇ意見ぬかしやがって
いや、それは自分のフリーレスに対してのコメだったのですよ。>>13に向けたものではありません。
アンカーじゃなくて、矢印で指してあったものですから、自分のコメを消したらその上の人へのコメになってしまうなと思ったら、ちょっと悪戯心が顔を出しまして、どうせ益体もない内容だったので自分のコメを消したんですよ。
まあ、強いて>>16を責めるなら、しょうもない、感情的な内容のコメレスは良くないってとこでしょうか。