ふと、顔を上げた。
叩き付けるような光が顔面を直射し、思わず左手で顔を覆う。
真夏の真昼の真っ盛りの太陽は、どこまでも強く、熱く、鮮烈な光を投げかけてきた。
光に慣れ、あらためて空を見据える。
木々の枝葉の向こうに広がるそれは、明るく鮮やかで、澄み切ったような深い青。
雨季の間、上空を覆い続けていた薄雲もすっきりと晴れ、遮るものの無くなった空と陽が、
満面の色と輝きをもって地を照らしあげ、本格的な夏の様相を演じていた。
博麗霊夢は一つため息をつき、掃除を再開する。
薄めの生地で仕立てた夏用の巫女服の内に、じわじわと汗が滲む。その感触は鬱陶しいが、
何処とない心地よさもあった。剥き出しの肩に照りつける光と熱は前の日よりもさらに強く、
夏の盛りが日々増していることを肌で感じさせられる。雨季も去ってしばらく経つ。そろそろ
熱中症などにも気をつける必要がありそうだった。
箒を掃く手がまた止まった。ぼんやりとした目つきで周りを見渡す。
境内の周りには、深々と緑をたたえた木と森と。
やや距離がある石畳の先の鳥居に、うっすらとした陽炎が。
変わりばえのない夏の境内である。
視線の先に、ふっと横切る何かがあった。鳥か、虫か。その類の小動物だろうか。
霊夢は、また掃除を再開する。
さっ
さっ
箒が音を立てる。日々の努力の賜物か、敷地内の汚れはさほど多くはない。
ちぎれた枝葉に土くれに、たまに鳥羽や虫の死骸などが入り混じった塵芥。大きなものだけ
除けておき、それ以外は敷地の外へと掃きだす。いずれ周囲の木々の肥やしとなるはずだ。
箒の音のともに、ざざざ、と葉の繁る音がした。木々が風に揺られた音だ。結った後ろ髪が
穏やかになびく。
霊夢はまた、箒を掃く手を止めた。
さわさわと後ろ髪が風に引かれている。掃き集めた塵芥が風に押されて散らばる。
塵のひとつがころころと微かな音を立てた。
――何かが足りない。
唐突にそう思った。
霊夢は目を浅く閉じた。汗が一滴、額から瞼の間を流れて落ちる。
光を感じ、熱を感じ、風を感じた。
目を薄く開ける。
昨日、一昨日と変わることのない、夏の博麗神社の情景が映える。
――気のせいかな?
そう思ったとき、ばさばさ、と鳥が羽ばたく音を耳が捉えた。
きぃきぃ、と虫か別の何かの鳴き声が続く。
そうして霊夢は気づいた。
――ああ。
――蝉の声がしないんだ。
光があり、熱があり、風があった。しかし、音が足りなかった。
雨季の終りとともに大合唱を始めるはずの蝉の音を、今年は聞いていなかったのだ。
掃除を終えた霊夢は縁側に腰掛け、冷たい麦茶を啜った。
珍しいこともあるものね、と、ただそう思うのみだった。
*
次の日も蝉の音はしなかった。
掃除後の霊夢は縁側に腰掛け、冷やした羊羹をお供に温めのお茶を啜っていた。
昼下がりの神社の境内はうだるような暑さだった。屋根の日陰の先、遮るもののない太陽に
晒された地面は、光を反射して行灯のように照り返しており、腕を伸ばせば届く距離ですらも
陽炎の揺らめきが見えるほどだ。
しかし、眼前ではこれほどまでに夏盛りの様相を呈しているにも関わらず、霊夢は何となく
実感に欠けたような気分を感じていた。
やはり聞こえるべき音が無いからなのかな、と思う。五感から聴覚だけが零れ落ち、まるで
色鮮やかな絵画を眺めているような心地である。
まったく何も聞こえないというわけではない。風がそよげば葉がざわめきもするし、麦茶を
啜っても音はする。耳を澄ませば、数多の生き物たちの雑多な音も絶え間なく聞こえてくる。
音だけではない。目を凝らせば、光景の向こうに蜂や羽虫などの飛び交う様子が見えるし、
足元に視線を落とせば蟻の群れが行列を為している。豊かな命の気配に満ちた夏の姿である。
それゆえか、霊夢は特に動こうとも思わなければ、何かを調べようという気も起きなかった。
蝉の声自体に愛着を感じているわけでもない。それどころか、毎年の鳴き始めの頃にもなると、
あまりの喧しさに癇癪を起こすことすらある。今回の件にしろ、異変の勘が騒ぐこともなく、
今年はたまたまそうなのだろうという程度の認識でしかなかった。
「そうそう。考えてみれば、これだけ静かな感じの夏ってのも珍しいじゃない」
そう呟く。
「たまには良いものよね、たまには――」
そう口に出すと、片手の飲み干した湯飲みを床に置いて、霊夢はふっと目を閉じる。
昼下がりの風が頬を撫で、静かで心地よい気分のまま、いつしか眠りに落ちていた。
*
「なんだか浮かない顔をしているわ」
神社の近くを流れる小川のほとりに腰掛けていた霊夢の背後に、唐突ににょきっと現れ出る
顔があった。霊夢は僅かに首を傾けて、肩越しに生えたその顔を嫌そうに睨みつけると、軽く
裏拳を打ち込み、顔の主に呻き声をたたせた。
「いきなりご挨拶ねえ。いたた」
「いきなり鬱陶しい出かたをするほうが悪い」
背中越しの顔が引っ込むと、今度は腰掛けた霊夢のすぐ隣に、派手な装いの妖怪がふわりと
全身を現した。八雲紫である。
「相変わらず仰々しい格好ね。暑くないの? あんた」
「暑いですわ。だからこのとおり、日傘を差していますもの」
「ここ、思いっきり日陰じゃない……」
神社の周囲に広がる森の奥に流れる、小さな川のほとりである。木々が鬱蒼と繁り、頭上も
枝葉に覆われて木漏れ日すらも斑だった。辺りの空気もひんやりとしたもので、日向に広がる
灼熱の様相も、ここでは微塵も感じられない。
さらさら、と小川のせせらぎが聞こえた。
蛙がひと鳴きし、水に飛び込む。ぱしゃり、と音がした。
チチチ、と小鳥の鳴き声し、ばたばたと羽ばたきが響く。
聞こえないのは蝉の声だけだった。
「何か用?」
「別に。貴女の顔でも見ようと思って」
「じゃあもう目的は果たしたわね。帰りなさいよ」
「つれないわねえ。一緒に涼むくらい良いじゃない」
「涼がほしいなら、まずその服を脱いだらどう」
「エッチ」
「やかましい」
相手にしてらんない、といった様子で霊夢は顔を正面に戻した。何となく溜息が漏れ出る。
紫も口を閉ざし、しかし目線だけは霊夢に向けたままだった。
「なんだか浮かない顔をしているわ」
再びそう口にした。
霊夢はちら、と紫に視線を向け、また正面に戻す。
「何となく寂しそう。誰かが恋しくなったの? 私ならいつでもお相手してあげるけど」
「そんなんじゃないわよ。というか、いつでもあんたは遠慮してもらいたいくらいだわ」
「まあ、やっぱりこの子はご挨拶」
まったく聞く耳持たないという風にころころ笑う紫。いつもどおりの対応にいつもどおりの
反応をされ、霊夢もやれやれと、また溜息をつく。
「今年の夏は静かよね」
笑い声をとめて、しかし目は笑ったまま、紫はそう切り出した。
霊夢は僅かに顔をしかめて、しかし澄ました声で返す。
「……そうね」
「昼寝がしやすくて大変結構だわ」
「……あっそ」
「貴女も気持ちよさそうに昼寝してたしね」
「いつの話よそれは」
「私はいつだって貴女を見ていますとも」
「鳥肌が立ったわ」
紫は懐から扇子を取り出し、ぱたぱたと扇いだ。
ついでに霊夢の横顔へも向けて扇ぎ、ますます鬱陶しそうな表情を浮かべさせる。
「外の世界もね」
「何よ」
「蝉がいなくなってきているらしいわ」
「……ふうん」
さらさら、とせせらぎの音が聞こえる。
「蝉なんてどこにでもいるものと思ってたけどねえ」
「外の世界に生え出るものは木々ではなくて石と鉄。地面に広がるものも石と鉄。空に浮かぶ
ものすら石と鉄。蝉はおろか、生き物が住める場所自体、どんどん減る一方」
「そうらしいわね。でもここは幻想郷。外の世界とは関係ないでしょ?」
「あら、そんなことは無いわよ。確かに結界に隔てられてはいるけれど、幻想郷と外の世界は
地続きだもの。知性ある者の行き来を止めることはできても風や雲霞まで遮ることはできない。
雑多な虫くらいにしてもまた然りね」
「外の世界から蝉がいなくなれば、こっちの蝉も消えるってこと?」
「さあ、どうでしょう」
肝心な点をぼかす紫。霊夢の声にわずかな苛立ちが帯びる。
「別にいいわよ、蝉くらい。あんたの言ったとおり、静かな夏も良いもんだわ」
「じゃあ来年も鳴かなかったらどうするの?」
「もう一度、静かな夏を過ごせるだけよ」
「再来年は?」
「……知らないわよ、そんなこと」
ざわざわ、と枝葉が音を奏でる。
「日が昇れば光が満ちるように、暮れれば月が照らすように」
「うん?」
「水辺に魚がいるように、山が草木に覆われるように」
「なによ」
「当たり前の情景というものは確かにあるわ」
「それがどうしたっての」
「では、水辺から魚が消えたら? 山から草木が削ぎ落ちたら?」
目の前の妖怪の話の意図が掴めず、胡散臭そうな視線を向ける霊夢。
「答えは、水辺は水辺のまま。山は山のまま。変わらず在り続けるわ。様相を変えただけ」
「何が言いたいのかさっぱりなんだけど」
「蝉の声が消えたとしてもまた然り。夏は変わらず在り続ける、ということよ」
扇子を片手に言葉を続ける紫。霊夢は、その瞳が微かな憂いを帯びているように見えた。
「もし、再来年も蝉の声が聞こえなかったら――霊夢、貴女は解決しに行く?」
「……さあ、多分行かないと思うわ。もしそうするのなら、今頃とっくに行ってるだろうし」
博麗の勘は働いていない。ゆえに、今のこの現状は異変ではないということだ。
「そうして、蝉の聞こえない夏が3年、4年と続いたらどうなるか――」
「……」
「失われた様相は記憶と記録のなかのものとなり、伝え聞くだけの存在と成り果てて」
ぱたり、と扇子を閉じた。
「――そして、幻想となるの」
知らず知らず、霊夢は目を閉じていた。
記憶のうちの、蝉の大合唱が聞こえた気がした。
「……幻想になるのなら、そのときはまたここで聞くことができるってことよね」
「前まで聞こえていたもの自体、既に幻想だった可能性もあるけどね」
「何よそれ」
「幻想だって永遠にはなり得ないもの。記憶からも、記録からも失われれば――幻想だって、
あるいは死を迎えるかもしれない」
霊夢は目を開けた。
耳に入る音は、小川のせせらぎと木々のざわめきと鳥や虫らの羽ばたきと――
――やはりそれだけだった。
「ふふ。やっぱり解決しに行く?」
「だから行かないってば。自然の成り行きでいなくなるのなら、仕方のないことじゃない」
「失うに任せるってこと? ずいぶん聞き分けのいいことだわ」
「そういうものでしょ。私も、あんたも。この世界も」
そう言うと、霊夢は顔を持ち上げて、眼前に生い茂る木々を見上げた。
枝葉のざわめき以外、何ひとつ音を立てようとしないそれらを眺めるうち、霊夢は先刻まで
再生されていたあの合唱が、急速に記憶の淵から遠ざかっていくような気がした。
――記憶からも、記録からも失われれば
――幻想だって、あるいは
霊夢はいつになく必死に、消え去ろうとする合唱の有様を思い出そうとした。
繰り返し繰り返し、頭の中で再生させるうち、いつしか霊夢は、滅多に囚われることのない
感情が己の心を満たしていることに気づく。
それは、失われようとするものに対する、儚さと寂しさの感情だった。
隣にいたはずの紫は、いつの間にか姿を消していた。
*
その次の日のことだった。
いつもどおり、猛暑の下で汗だくになりながら境内の掃除をしているさなか、じぃぃぃぃ、
という、この夏最初のひと鳴きが霊夢の耳に飛び込んできた。
箒を掃く手を止めた霊夢は、はっと顔を上げて周囲を見渡した。
空耳でも、記憶の再生でもない、確かな実物の鳴き声が彼女の耳を突き刺していた。
じっと確かめるように霊夢はその鳴き声を聞き続けた。そしてしばらくした聞き入った後、
大きく溜息をつくと、何事も無かったように掃除を再開した。
*
最初のひと鳴きが始まってからは、あっという間だった。
その日の内にまた新たなひと鳴きが加わると、続けざまにふたつ、みっつと次々に鳴き声が
重なり、翌日にはすっかり、毎年と変わらない大合唱が神社を充満していた。
霊夢も当初こそ感慨深げに鳴き声を堪能していたが、翌日になると早くも表情に煩わしさが
浮かび始め、その翌日に至っては例年と同様に癇癪を起こした。
それをも過ぎれば、やはりいつもどおり。
光と熱と緑と風を、蝉の大合唱が包み込む、夏の情景が出来上がっていた。
今となってみると、霊夢にはあの蝉の声の絶えた様相こそが、季節の狭間にふと巡り合った
幻想だったのではないか、と感じていた。
先日、里への用事で出かけた際、道すがら虫の妖怪のリグル・ナイトバグと行き交ったので、
とっ捕まえて今回の事情について問い質してみた。返ってきた答えは、今年前半頃の不安定な
気候の影響で、蝉の羽化が例年より遅れていただけだ、という単純なものだった。
夏だというのに蒼白な面持ちで、時折つっかえながら答えるリグルの様子を霊夢は思い出す。
自身もよほど怖い表情を浮かべてしまっていたのだろうか。彼女にしても、まさかこの程度で
博麗の巫女から異変認定でもされたらたまったものではなかったことだろう。
とはいえ、リグルの答えを聞いても、霊夢の内心は安堵も怒りも浮かばなかった。
そんなものよね、と一言、心の中で呟いただけだった。
霊夢は今日も、蝉の大合唱が響くなか、いつもどおり神社の掃除に勤しんでいた。
もはや箒の手を止めるような何事も起きることはなかった。いつもどおり掃除を終えると、
涼しい縁側に腰掛け、冷えた麦茶で喉を潤すことにした。
ひとつだけ気にかかることがあった。
あの時、森の水辺で、紫はなぜあんなことを話したのだろうか、という点である。
いつもどおり胡散臭い話しぶりで胡散臭い内容を並べ立てるばかりだったのは変わりないが、
それでも妙に示唆的な中身になっていた気がした。
――そして、幻想となるの。
――記録からも失われれば幻想だって、あるいは死を迎えるかもしれない。
そんな仰々しい一言一言が、ぐいぐいと心に突き刺さってきた覚えがある。
そして、それまでただ何となく気にかかっていただけの蝉の声が聞こえないという事実が、
紫の話を聞いた後、霊夢の中ではっきりとした感情を伴って圧し掛かってくるようになった。
その晩は、たかが蝉のこと程度にも関わらず随分を煩悶させられたものだ。
今になって思うと恥ずかしさすら覚えることだった。
たかだか蝉のことなのに。
そもそも紫なら、これが幻想のものか否かということくらい、容易に判別できるはずだろう。
一体何のつもりで、あれだけ己の内心を揺さぶってきたのか。
そして、唐突に気付いた。
――ああ、そういうことか。
口に出す。
「からかわれてただけだ、あいつに」
霊夢は残った麦茶を飲み干すと、湯飲みを床に置いて目を閉じた。
真夏の光と熱のなかを陽炎が漂い、相変わらずの蝉の大合唱が辺り一面に満ちるなかでも、
日陰になる縁側は今日も涼しかった。
昼下がりの風が霊夢の頬を撫でる。
喧しさに眉を顰めながらも、いつしかゆっくりと眠りに落ちていった。
...End
まるで目の前で二人が会話してるのが見えてくるようでした
雰囲気がすごく良い
セミのいない夏だなんてゾッとするね
霊夢と紫の雰囲気が良かったです。ありがとうございました。
まるで自分が登場人物の一人になったかように引き込まれるお話でした
さて具体的にどんな風景だったかというと、おぼろげにしか思い出せないものです。
ああ、もっとプールの情景を記憶しておくべきだった。
蝉の鳴き声はあったら暑苦しくて鬱陶しいけど、なければないで違和感が・・・
日常の何でもない情景が幻想郷に溶けこんでますね。素晴らしいです。
いつもこんなやりとりしてるんでしょうね この2人は
そしてリグルが酷い目にあわさらてるところも こんな目に合わされてるんだろうな~
ってちょっと笑っちゃいました(笑
幻想入りということは幻想出ということもありうるのはわかっているのですけれども。
私の役目たる春告も刹那に生まれて消える幻想を触れ回るただそれだけの行為。
さみしいね。
蝉が鳴かないのは蝉がいないから。蝉がいなくなるようにしたから。
私の生活圏では普通に鳴いています。蜩カナカナ。
いずれ鬼が再び姿を現すように。
忘れ去られた頃にまた生まれいずる現実。それが幻想へと書き換えられて。
認識するもののいない世界で、それらはほら、あんなにも「普段通り」に。
せみのこえ、きこえた?
毎年恋しくなるのよねぇ。
お空は出なかったけど雰囲気出てていいね
淡々とした会話に季節感がよくあらわれていて、
読み終えた後も、何かじんわりと残るものがありました。
読んでいる時に蝉の声を幻聴したような気がしました
──誰もが我々を忘れたとき、果たして妖怪は幻想たり得るのかしら?
夢にも現にも、大切なものを忘れることなきよう…
夏に蝉、秋に紅葉、冬に雪、春に桜、海に潮、山に木々、風に香り、街に人そして、人に故郷。
身近にあると気付かされたとき、それは失ったとき。
このまま失って良いのか、我々の心たる自然は。あゝ日本の原風景。
失はれし物語(幻想郷)よ。
今年はたしかにセミは遅かったなぁ。
一斉に鳴き始めて一気に静かになった。
綺麗で緻密な文章は見事でした。
でも確かに、どこかから少しずつ、私たちの「当たり前」は剥がれおちているんでしょうね。
いい雰囲気の作品でした。
なんてことないはずのことに揺れ動く心が巧みに綴られているように思いました。
石と鉄ばかりの外の世界。本当に、蝉の声が珍しくなってしまう日が来てしまうかもしれませんね……
また来年の夏に改めて読み返したいと思います。
こんな冬にも、風流を感じさせていただける、凄いSSでした。しかし、紫さんも言っていたとおり、当たり前に存在していたものが、音もなく、ふいに居なくなってしまうことがあるかもしれません。
私は、それを拒むことはできないが故に、後悔しないようにしっかりと、心の風景に入れておきたいです。
ほら…瞳を閉じれば、蝉の鳴き声が…
(空蝉で某汚い忍者を思い出してしまったのは秘密です…)
今年ももうすぐ蝉の季節だなぁ。