ぐららららららら(爆笑)。 たっだいまぁぁぁ衣玖さんでぇぇぇす!! おぅぉ!? こらぁテンコっ!! おまんは人の家のベットで何しとるかぁぁぁぁ!!
「むにゃぁ……衣玖ぅ?今何時?真っ暗……」
なぁにが『むにゃぁ』か馬鹿このっ! えぇこら!? 可愛い声だしやがってぇこの! 可愛ぇぇのぉ可愛ぇぇのお!! お前はほんとにかわええのおおぉお!!
「ななななっ、ど、どうしたのよ衣玖!?」
なぁにびっくりした顔しとんじゃあ! えぇこの! 驚くのはこっちじゃろおぉぉテンコ馬鹿このっ! 勝手に人に家に入って、えぇこらぁぁ!?なぁにベットで可愛い寝顔さらしとんじゃっ!! おらぁちょっとこっち来いやぁぁぁぐぅふふふふふ(エロ笑い)!
「ちょっ、離してよ衣玖! …っうぐ! 酒臭ァ!? 酔ってる!?」
いんえぇ酔ってませんよ? 衣玖しゃんはぜぇんぜぇぇん酔ってましぇんよぉぉぉお? だぁから一緒に寝まちょおぉぉぉ!! むにむにぃーーーーー!!!
「こらぁーーー! 人を抱き枕にするなぁーーー!」
んぎもちいぃぃぃ! んぎもちいぃぃぃ! テンコちゃんはほんとにモフモフじゃのぉモフモフじゃのぉ! うにゃじがいい臭いじゃのおぉぉぉぉ!!むしゅしゅしゅーー!!
「あひぃ! うなじを吸うなぁ!」
ぐひひひひひ嫌がっとんかぁ! 嫌がっとんかぁ! 嫌にゃんかぁぁぁあひぃい!! ん゛可愛ぃぃぃいぃいテンコん゛可愛いぃぃぃぃ!! やらかいぃ(柔らかい)のぉやらかいのぉ! むにむにぃーーー! むにむにぃーーー!
「ちょっ馬鹿っ……変な事揉まなっ……んっ! ……もういやああ!!」
逃げたァァぐひひっテンコ逃げたァァ!何逃げとんじゃこのおぉぉぉぉぐふふふふ!!おらつーかまーえたー!捕まえたでぇぇもこちゃーんっ!!!ベットで一緒に寝まちょぉぉぉぉ!!
「衣玖重いぃ! どいてよぉ!」
うぐふふふふテンコちゃんの髪の毛良い匂いぃー……ぅーい……のど乾いたぁ……飲み物……みじゅ、みじゅう(水)……。あ!! よぉぉぉしテンコしゃんのお乳を飲もぉぉぉぉぉ!!!
「は!? はぁぁぁぁぁ!!??」
おっぱーーーい♪ おっぴゃーーーい♪ テンコのびんびん(?)おっぱいぃーーー♪
「ぎゃーーー!ぎゃぁぁぁぁぁ!服をはぐなぁぁぁぁ!!」
おお!? おっぱい出まちたよぉぉぉぉ! よくできまちたねぇぇぇぇぇぇ!!
「きゃーーーーー!きゃーーーーー!」
おお……ピンク……ピンクだ……ピンクおっぱーーーい!! テンコちゃんのテンコビン(??)はモモピンクおっぱぁぁぁぁいやったぁぁぁぁ!!!!
「あ……ああ……ああ……」
いただきまぁぁぁぁぁぁぁしゅっ!!!! ぶちゅうぅ!!
「あひゃーーっ!! そんなに強く吸わないでぇ!!」
ムちゅぅっ……ムッちゅうぅ……ムッちゅぅぅぅぅぅぅ……あへぇ? おちち出なひぃぃ……?(あれえ? お乳出ない?)
「でるわけ……ないでしょっ……いくのっ……ばかぁっ……」
むちゅぅぅぅぅむちゅぅぅぅぅ……うーん……でもおいちぃー……ちゅー……おいちぃ……うぅ眠くなっちゃった……ねむぅ……ねぅぅ……ぅぅ………………くかー、くかー。
「っく……ひっく……うぅ゛……ばかぁ……いくのばかっ……」
翌朝。衣玖が目覚めると目の前におっぱいがあった。
「……えぇ!?」
飛び起きようとした衣玖を猛烈な頭痛が襲う。たまらず呻いてベットに倒れてしまった。激痛を伴なってグワァングワァンと鐘の音が頭の中で鳴り響く。
うめきながらも、朝。だというのは分かった。窓から光が挿し込んでいるし、天界スズメの鳴く声も聞こえる。体もなんとなく感覚的に朝を感じていた。だが分からないのは、なぜ隣で天子が眠っているかであり、またなぜ上半身裸でおっぱいをさらけ出しているかだ。
「うぅ……」
痛む頭で記憶を遡る。
あぁそうだ。昨晩は知人の家に招かれて酒を飲んだ。そして滅多に無いことだがつい飲み過ぎて、泊まっていけばと知人に心配されながら、なんとか千鳥足で家路についたのだ。たしか途中でゲロを吐いたりもしたが、無事家についた覚えはある。だが、その後の記憶がどうも混濁しているようだ。しかし一体、天子とはどこで一緒になったのだろう?
「……総領娘様は……ベットに……」
ベット! それだ! 家に帰ると天子がベットで寝ていたのだ。おそらく、衣玖が留守の間に上がりこんで、帰りを待つ間に寝てしまったのだろう。そしてそれに気付いた衣玖は……。
一瞬ズキリと頭が痛む。そしてそれが引き金になったように、突然記憶が蘇ってきた。
「……あっ!!」
月明かりの中で驚いている天子。天子のうなじ。逃げる天子。いくつかの映像が頭の中に浮かんでは消えていく。天子を捕まえベットに押し倒す自分。己の手によりはだける天子の胸……。
「あっ……ああっ……なんてこと!!」
衣玖の顔が紫に染まる。
恥の赤と、罪の青。いつも冷静な自分が、あのような痴態を見せてしまったという恥じらいと後悔。そして、酒に酔ってエライ事をしてしまったという罪悪感と恐怖。それらが衣玖の表情にないまぜになっている。
記憶の再生は衣玖が止めたいと思っても勝手に進む。天子の乳頭に吸いつく直前の映像が見え、さらに、自分が発した汚い罵声の数々と天子の悲鳴が脳内に再生される。
「そんな……! 私はなんてはしたない事を……そんな……!!」
両手で顔を覆って、頭を振った。だがどんな事をしても犯したは過ちは変わらず、衣玖の全身が震えた。
衣玖は痙攣する手で、懺悔であろうか、眠る天子の頬を撫でようとした。そして気づいた。気づいて、小さく悲鳴を上げた。
天子の頬にくっきりと残る、涙の跡。永江衣玖の、罪の跡。
「あああ! あああああ……!!!」
衣玖はその場に崩れ落ちた。
そして――
「衣玖が死んじゃううううっ!!!」
悲痛な叫びが永遠亭ERに響いた。涙と悲しみにしゃがれた酷いダミ声の、心からの絶叫。
「な、なに!?」
丁度そのとき永遠亭の中庭では、鈴仙、てゐを含む因幡達が朝の健康体操を行っていた。
中庭は単一の庭としては永遠亭内でもっとも面積の広い場所であり、全体行動時の実施場所となる。
そして、中庭にある通用門は永遠亭ERの正面ゲートを兼ねている。
「助けてぇ!!」
バァン!と通用門が蹴り開けられ、ぐったりとした人影をを背負った青い髪の少女が転がり込んできた。
同時に、酷い悪臭が因幡達の嗅覚を攻撃した。肉の焦げる臭いに近い。そしてどこかで臭った事がある。
「くさっ……天子!? どうしたの!?」
崩れ落ちた天子に鈴仙が駆け寄る。
「衣玖がぁ!衣玖がぁ!!」
涙と鼻水と唾液で顔をグチャグチャにした天子が、鈴仙にすがり付く。
その背中に背負われた衣玖を一目見て、
「!!」
鈴仙は即応した。
「ストレッチャー!!」
その緊迫した声に数匹の因幡がハイッと答え屋敷に駆けこんでいく。
「ひどい……!」
てゐが鼻を抑えながら呻いた。
その状態は目を背けたくなるような有様だった。人というよりも、炭化したタンパク質と焦げた肉の塊がヒトの形になっていると言ったほうが近いほど。額は焼け、頬はただれ、四肢の先端は黒焦げでいまにも取れてしまいそうに思える。また、彼女の身につけていたであろう衣類は、今やただのぼろ布と化して、一部は融解して皮膚と同化してしまっている。意識はない。まだかすかに呼吸はしているが、このままでは間違いなくそれも停止するだろう。
「酷い熱傷……!皆、衣玖さんをゆっくりと地面に横に寝かせて! てゐ、鼻毛が焦げてるか確認! ねぇ、火あぶりにでも会ったの!?」
最後の問は天子への質問だったのだが、半狂乱になって焼け焦げた衣玖にすがり付くのみで、まともに答えられそうな様子ではなかった。
鈴仙の頭に、一瞬、妹紅の顔が浮かんだ。衣玖のこの姿は、妹紅との死合いに敗れた輝夜の姿にかなり似ている。先程から漂う悪臭も、その時に嗅いだ肉のコゲる匂いとそっくりだった。
いやまさか……!?
鈴仙はそんな事を考えながらも、呼吸脈拍の確認やその他一次診断をてきぱきとこなしていく。
すると天子が嗚咽の合間に呻いた。
「衣玖が……ごめんなさいって……ごめんなさいって言って、自分に雷を……!! 衣玖ぅ!!」
「自分で……?」
鈴仙が眉を寄せた。
その時、ストレッチャーを運んできた因幡と共に永琳が現れた。割烹着を着ているのは、朝ごはんのしたくの最中だったからだろう。因幡の用意した手術着をその上からちょくせつ羽織る。
「ウドンゲ」
「師匠」
「状態は?」
因幡達が、1、2、3と合図をとりながら衣玖をストレッチャーに載せ、その一方では永琳が衣玖の皮膚の状態を確認しながら、鈴仙の報告を聞く。
「落雷患者です。意識不明。脈拍呼吸ともに微弱。バビンスキー反応陽性。血圧測定中。火傷以外には外傷による出血打撲無し。全身の広範囲に二度から三度の熱傷。ですがこれも火によるものではなく、過度の雷撃によるもののようです」
「電でこうなる?信じがたいわねどれだけの電気を……なるほど電撃痕がある。鎖骨下から……左鼠径部に抜けているわ。人間なら即アウトだったわね。ウドンゲ。治療方針は?」
「はい。まずは…」
永琳と矢継ぎ早にやりとりをしながらも鈴仙は点滴ろの確保やなんやらと手を動かし続け、さらにその周りでは、因幡達やてゐが治療の妨げになる衣類を除去してゆく。
複雑で緻密さを要求されるその手順を一切の淀みなくこなしていくその姿は、まるで緊急救命曲を奏でるオーケストラの一団。
「衣玖を助けて!!!」
そんな中で天子の声は、花瓶をたたき割ったかのような耳障りなのノイズとなって演奏を邪魔していた。
「治療の妨げになるよ」
てゐがその天子を衣玖から遠ざけようとした時、廊下の角から輝夜が現れた。
「うわぁー。妹紅みたいにまる焦げじゃーん」
ほえー、っとやる気のない小学生が吹いたリコーダーのような輝夜の音色。
「姫様ちょどいい! その人を待合室へ案内してください。私達は処置室へ行きます」
「うぃー」
永琳に応じて、輝夜は天子を連れていこうとする。
「嫌! 私も衣玖の側にいる!」
だが天子はなかなか衣玖の側から離れようとしない。
「ダイジョブダイジョブ。心配しなくていいわよ。永琳慌ててないし。まず心配ないわよ」
「衣玖を……衣玖を助けて」
「さぁさぁ。服も泥だらけだし顔もぐちゃぐちゃじゃないの。綺麗にしましょうね」
「行くわよ皆!」
覇気に満ちた永琳の掛け声とともに、衣玖をのせたストレッチャーを全員で押して処置室へ向かう。
ウドンゲが後ろを振り返ると、天子は輝夜にもたれかかりながらその場に泣き崩れていた。なんてか弱く、可哀想な姿だろう。必ず助ける……! うどんげはそう強く誓い、前を向いた。
「命に別状はないわ。妖怪は生命力が強い。体も直ぐに元通りになるでしょう」
「……!」
永琳のその言葉が、天子に張り詰めていたものをすべて取り去った。
全身の力が抜けた天子は待合室の椅子にペタリと座り込んだ。一時的に涙をせき止めていた緊張も消え、ふたたびポロポロと天子の目から涙が溢れていく。しかし永遠亭に駆け込んできた時とは違いそれは歓喜の涙だ。
「けれど」
と、永琳の声が天子を脅かす。
「事の原因を考えると安心はできないわね。自傷行為ですって?」
「う、うん。実は……」
昨晩の出来事、そして今朝の出来事を天子がたどたどしく話していく。
だんだんと永琳の顔色が曇っていった。
「そう……。貴方にしたことに気を病んで、自殺未遂を……」
「衣玖の馬鹿っ……気にしなくていいって言ったのに……。衣玖って変な所で真面目だから……」
永琳が顎に手をあてながら、唸る。
「厄介ね」
「え……」
「心的な部分に原因がある場合、いくら外傷を治療しても根本的な原因が解決できていなのだから、また繰り返すケースが多いの」
「そんな……!どうしたらいいの!」
「あくまで対処療法だけど……人間の里に相談できる者がいる。話してみましょう」
「ありがとう……どうかお願い……!」
天子は永琳の手を握り、深々と頭を下げた。誰かに対してこんな事をするのは天子にとって初めてのことだった。
「この原っぱから見る夕日はとても綺麗だなぁ」
うつくしい藍色。裾の広い服を着た女性。頭の飾りは少し奇妙だが、真面目そうな凛々しい顔をしている。彼女は衣玖の隣に立って、それ以外には何も言わず、ウウンと大きく伸びをした。
村のはずれから10里ほどにはずっと緑の平原が連なって、その先には深い緑の山々が赤い空を背景にしてたたずむ。夕焼けに光る大小の雲が音もなく彼方まで広った。
「ええ……本当に」
知らない相手ではあったが、衣玖は自然にそう答える事ができた。その女性の理知的で柔らかい感じのおかげだろうか。
「失礼、ひょっとしてどこかでお会いした事が?」
衣玖の問いに、彼女は首を振った。
「いや。おそらくないだろう」
「そうですか」
「上白沢という。里を守っている妖怪だ」
「ああ。なるほど……」
彼女が自分に話しかけてきた理由に衣玖は察しがついた。見知らぬ妖怪が村に近い所にいるのを見かけて、気になったのだろう。人好きする雰囲気をまとわせながら、しっかりとこちらの様子を伺っているのだ。
「私はあの空の上に住んでいる龍宮の使いです。地上からの夕陽を眺めを見てみたくなりまして」
「龍宮の使い……そうだったか。地震の予知。感謝している」
彼女は微笑ながら、小さく頭を下げた。その誠実な様子に衣玖は好感を覚えた。
「いえいえ……。私は永江衣玖と言います」
「これは失礼。下の名前がまだだったな。慧音。上白沢慧音だ」
お互いに、どこか似たている部分があるのを感じていた。
それから少し話しをしてなんとなく感じたのは、会話における気の相手への使い方が、おそらく似ているのだろうという事だった。相手との間に取る心の距離が、同じなのだ。だから話していて疲れないし心地良い。
「ところで衣玖殿は。酒を飲むのか?」
少し、唐突な問いではあった。
「私は弱いほうですし、それほど舌もこえていませんから、たしなむ程度ですね」
宴会に参加した時も、知人と酒を囲んだ時も、少し顔が赤くなる程度にいつも抑えている。酒を楽しむというよりは、付き合いを楽しむために一応の口を付けるだけだ。
「何故聞くのです?」
「いやぁ。私はそれなりに酒を好むのでね。よければ……と」
「なるほど。お呼びいただければ喜んで……」
衣玖がやんわりと誘いに応じた所に、天子がやってきた。
「衣玖。おまたせ」
天子は里で装飾品の類を見物していた。衣玖も途中までは同行していたのだが、夕陽をよく眺めたくて一足先に村を離れたのだ。
「こちらは上白沢慧音さん。村に住んでいる方だそうです」
「うん。知ってる。慧音さん」
衣玖は驚いた。天子は慧音に深く頭を下げて、とても丁寧に挨拶をしたのだ。明らかな敬意がそこに感じられた。
「うん。こんにちは。天子」
「二人……お知り合いだったのですか?」
その事実以上に、二人の関係が気になる。
「博麗神社での飲み会でな。酔っ払っていた天子を介抱したことがあるんだ」
「へぇ……」
それだけではまだ、天子の態度は納得できないのだが。
「なぁ天子。今な。衣玖殿を酒に誘ったのだ」
「えっ。な、なんで!?」
天子の驚き方にまた少し違和感を感じるが、やはり衣玖にはそれが何なのか分からなかった。
「衣玖殿は酒に弱いそうだから。むしろ何度も酒を飲んで、自分ペースを知ったほうがいのさ。……というのがタテマエで、私が酒を飲みたいだけだがな。はっはっは」
天子はふぅん、といやに静かに頷いた後、言った。
「私も一緒に飲む」
「え? 総領娘様はあまりお酒を好きではないのでは?」
「いいの! 二人が調子にのって飲みすぎないように、私が監視するの!」
「は、はぁ。そうですか」
「ははは! きっと天子は衣玖殿を私に取られないかと心配しているんだろ」
「ち、違うわよ!」
高らかに笑う慧音と、夕陽に顔を赤く染める天子とがおかしくて、衣玖もついプっと笑ってしまった。そうして皆ではしゃいでいると、心にあった違和感はいつのまにか気にならない程度に小さくなっていた。
「よし、これから飲もうじゃないか!」
黄昏の紅に染まる世界で、三人は肩を並べ村へと歩いていく。
夕凪が静かに訪れて、夜が近づいた――
いや…何を伝えたいのかが後半らへんで分からなくなった…
でもこれって根本的な解決にはなっていないというか、
今後もお酒を飲みすぎたら同じ事の繰り返し・・・
いいぞもっとやれ。
同じく黒焦げの慧音と泣きながら謝る妹紅というオマケ付きで……
前半と後半のタッチの違いにちょっと違和感を覚えたもので、
ついこんな妄想を。
手が遠いw
衣玖さん真面目!好き!
なんで誰も『鼻毛が焦げてるか確認』に突っ込まないんだ…?