「ククク……、今宵は血に飢えているわ」
レミリアは頬杖をつきながら、テラスにある丸型の小さなテーブルに座り、今月号の文々。新聞を読んでいた。
綽然とした夜空には、紅い月がかかり、まさにレミリアの傲岸不遜ぶりは絶頂を迎えている。
いつもは近くにいる咲夜もあらぶる主の様子に、恐れをなしてどこぞに隠れているようだ。
愛い愛い。
「いまの私は、ついつい、あの人間の小娘をくびり殺してしまうかもしれんからな」
充電と称して腰骨をギリギリとしめつけたり。
クイっと少女漫画ふうに小首を持ち上げたり。
ほっぺたにキスしたり、ほっぺたにキスされたり。
三時間耐久ちゅっちゅレースしたり。
お嬢様抱っこされたり。
あーんと口をあけて、毒入りケーキを顔色ひとつ変えずに食べたりするのだ。
しゃがみガードなどする必要もない。
――そう、幻想郷中に私のカリスマが轟くのだ。
べつに文のゴシップ記事が読みたいのではなかった。
注目すべきは、ひとつのコラム。読者投稿コーナー『今月のカリスマさん』である。
文々。新聞にはミニコラムとして、『今月のカリスマさん』というコーナーがあり、登録した者に対して読者が投票するシステムをとっていた。
先々月の中ごろ、皆が言うのでしかたないふうを装いながら、レミリアは『今月のカリスマさん』にエントリーしたのだった。
――当然、私が一番のはず。
確信めいたものはある。
しかし、なんだろうこの嫌な感じは。
次のページに『今月のカリスマさん』が載ってある。
所詮、お遊び。
べつにカリスマのランクがどうであろうと児戯に等しいことに変わりはない。
レミリアもそのことはよく理解しているのだ。
しかし、一つ前のページで手が止まってしまっている。
――く、この程度のことで、私が止められるだと。きょ、恐怖しているというのか。この私が。カリスマの権化たる私が!
レミリアは己の不甲斐なさに憤った。
背中からは常軌を逸したカリスマオーラ。
あの霊夢でさえも、わずかながらひるませたと言われる、濛々たる霧状のなにかである。
レミリアはカリスマ、カリスマと心のなかで叫びながら、該当ページに到達した。
上位からずらりと並ぶそうそうたる面々。
一位は八雲紫が怪しい印象を普段振りまいているせいか、ぶっちぎりの票を獲得している。もしかすると組織票を天狗たちから貰っているのかもしれない。
その次は当然のことながら神々が上位に食いこんでいた。読者の絶対数から言えば、人間や山の妖怪が多いから、それらの者たちが敬う者が上位にくるのは必然である。
中堅どころには永琳がいた。
これもある程度しかたないところであった。どんな病魔もたちどころに癒してしまう妙齢の美人は、それだけで一種のカリスマドクターであるのだ。
レミリアの名前は影も形もなかった。
そしてレミリアはさらに驚愕することになる。
同じくエントリーしたフランドールが最下位ながらも初登場でランクインしていたのだ。
レミリアは全力全霊をもって、椅子から立ち上がった。
「これは罠だ! 文が私を陥れるために仕組んだ罠だ! 妹ごときが姉に勝つなんておかしいじゃないか! それが罠だという証拠!」
そこからさらに視線を下に落とすと読者のコメントが数点書かれてある。
レミリアについての項を見てみる。フリーレスだけはやたら多いようだ。もしかすると賛否両論なのか?
カリスマ的な器が極端に大きいと、賛同だけではなく批判も寄せられるようになると聞く。
賛否両論はカリスマの理想的な形態なのだ。
賛否両論なら――しかたあるまい――愚民どもも少しはわかっているということではないか。
そんな淡い期待を胸にレミリアは灰色の紙面に視線を落としていく。
『あー、おぜうさまかわいいよ。おぜうさまぁ。カリスマブレイクしたおぜうさまかわいいよ』
『おぜうさまにカリスマは不要だろ。常識的に考えて』
『カリスマする意味あるんですか?』
『カリスマキャラに違和感があります』
『ひよこクラブに行けばいいと思うよぉ?』
『はいはいカリスマカリスマ』
『おまえら、おぜうがいいなら、俺はフランちゃんとうふふしてきますね』
『おぜうなら俺の隣で寝てるよ』
『おぜうさまがかわいすぎて生きるのが辛い……』
『そんな事より同志たちよ、ちょいと聞いてくれよ。カリスマ投票とあんま関係ないけどさ。昨日、近所の紅魔館行ったんです。紅魔館。そしたらなんか妖精さんがめちゃくちゃいっぱいで座れないんです。で、よく見たらなんか垂れ幕下がってて、れみりあ☆うー、とか書いてあるんです。もうね、アホかと。馬鹿かと。お前らな、れみりあ☆うー如きで普段来てない紅魔館に来てんじゃねーよ、ボケが。れみりあ☆うーだよ、れみりぁ。なんか小悪魔連れとかもいるし。一家総出でれみりあ☆うーか。おめでてーな。よーしカリスマ頼んじゃうぞー、とか言ってるの。もう見てらんない。お前らな、ボムやるからその席空けろと。紅魔館ってのはな、もっと殺伐としてるべきなんだよ。Uの字テーブルの向かいに座った咲夜さんといつ喧嘩が始まってもおかしくない、刺すか刺されるか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。女子供は、すっこんでろ。で、やっと座れたかと思ったら、隣の奴が、姉妹丼つゆだくで、とか言ってるんです。そこでまたぶち切れですよ。あのな、姉妹丼なんてきょうび流行んねーんだよ。ボケが。得意げな顔して何が、つゆだくで、だ。お前は本当につゆだくを食いたいのかと問いたい。問い詰めたい。小1時間問い詰めたい。お前、つゆだくって言いたいだけちゃうんかと…………』
「きえええええええええぇぇぇぇぇぇぇい」
レミリアは新聞を真っ二つに引き裂いた。
それからテラスのすみっこのほうで、しゃがみガード。
声を殺して小さな小さな嗚咽。
そうしていると、どこからともなく咲夜があらわれて、背中を優しくさすってくれた。
レミリアは咲夜に抱きついた。
「うー。うー」
「何かの間違いかもしれませんわ。お嬢様。またがんばりましょう」
「そ、そうね。いや――私は取り乱してなんかいないわよ。ちょっと、今月は調子が悪かっただけよ」
「下々の者にお嬢様のカリスマがしみこんでいくには、それ相応の時間がかかるということなのでしょう」
「時間が?」
「そうです。カリスマが厳格であればあるほど、時間がかかるものなのですよ。例えれば戒律のようなものです。戒律が厳しければ厳しいほど、それを愚民どもが理解して実践するのには時間がかかります。それと同じように、お嬢様のカリスマがあまりにも巨大すぎて、民衆どもの理解が及ばないのでしょう」
「あなた、口悪いわね」
「お嬢様ほどではございませんわ」
おほほと優雅に笑う様は、いつものパーフェクトメイドである。
レミリアは少しだけ自信を取り戻した。
このような完璧な従者を従えている自分が、ベッドの中で泣き喚く幼児なはずはないのだ。
『カリスマ』
カリスマとは、カリスマータというギリシャ語が語源であり、神の恩寵を意味する。
神という言葉が入っている時点で、レミリアとは縁深いというか縁遠いというか、ともかく微妙な気分になってくるものの、要するには天賦の才のことをいうのだ。
どんなことに対する天賦の才かというと、これはドイツの社会科学者マックス・ウェーバーが詳しい。
大衆を指導し心服させる程度の能力。
つまりは、支配する程度の能力のことをいう。
まさに、運命を操る私にこそふさわしい能力ではないか。
レミリアは、彩り深い絨毯をゆったりとした歩調で歩きながら、フランドールの部屋へと向かっていた。
まずは、近いところにいる者から、なぜ最下位ながらもカリスマ票を獲得できたのか、その秘密を探ろうと思ったのである。
しかし、レミリアはごく思考の浅いところではそのようには考えてなかった。
妹の様子を見に行くことは、紅魔館の激務に従事しながらも家族を大事にするカリスマチックな行為だと考えていたのである。
もちろんほかのみんなもそう考えてくれるだろうと期待している。
「フラン。いるかしら」
レミリアはドアを軽くノックする。
「ん。お姉様? なあに」
ドアは開かれた。
フランは妖精のようにかわいらしい純真そうな瞳をレミリアに向けていた。
レミリアは頭のなかで考える。
普通にかわいいじゃないか。
どこにカリスマがあるというのだろう……。
「部屋のなか入っていい?」
レミリアは聞いた。フランはこくんと頷いた。地下からでてきたフランにあてがった部屋は少女趣味が全開のお姫様ふうのお部屋だった。
人形のようなかわいらしいフランにお似合いの、人形のような部屋なのである。
ベッドには当然のようにレースがついており、調度品も品が悪くならない程度のものだが、部屋の雰囲気にマッチさせるように配慮したつもりだった。
フランは、あまりそういったことにこだわらない性格らしく、地下から出れただけで嬉しいらしい。
それも場所的な意味ではなく、姉とよく話せるのが嬉しいというのだから、もうレミリアにとってはかわいさあまってかわいさ百億倍である。
だからこそ、レミリアはフランの前では姉でありたかった。
なによりもカリスマな姉でありたかった。
レミリアはフランに誘われるかたちで、ベッドに並んで腰掛けた。
「フラン。あなたカリスマランクで最下位ながらもランクインしてたわよ」
「ふうん。そうなんだ」
「よかったわね」
「うん」
べつにどうでもよいといった感じで答えるフラン。
レミリアはほんのちょっぴり嫉妬しているのであるが、そんなことにはまったく気づいていないようだ。
「お姉様は?」
フランが聞いてきた。
「残念ながら……、私はランク外だったわ」
「へぇ。お姉様に勝っちゃった……」
そう言って、フランは無邪気に笑った。
憎らしいけれど、かわいらしいという、得体の知れない感情に、レミリアの内心は嵐のようにかきみだされている。
しかし、その感情を抑え、レミリアは口を開いてフランに尋ねた。
「どこらへんがカリスマだと思われたのかしらねぇ」
口調はまるで近所におつかいをしにいくような、そんな軽さである。
フランは「んー」とうなり、空中を見つめる。
それから妖艶な眼差しになるのは吸血鬼の特性か。じと目のような細い目つきになった。ほんの少し見下されている気がするが、おそらく気のせいだろう。
「お姉様よりもパワーを見せつけることが簡単だからじゃないかしら」
「パワーって?」
「カリスマとは権力よ。権力とはパワーよ。圧倒的な力こそがカリスマなの」
「私だってフランと同じぐらい力はあるつもりだけど」
「肉体的にはそうかもしれないけれど、ほら、一歩も動かずに余裕で破壊するのって、カリスマっぽいじゃない。大魔王がいちいち肉体言語で語ってたらカリスマもなにもないっていうか。これはメラゾーマですよと言いながらメラゾーマ出してもなんかよわっちぃ感じするでしょ。メラなのにメラゾーマクラスだからいいの。そこんところいくと、私の破壊する程度の能力は有利だと思わない? わざわざ肉体を使うまでもなく破壊している。そんなふうに人は見るわ」
「そうね」
確かにそうだろうと考える。
大衆はレミリアのよくわからない抽象的な『運命を操る程度の能力』よりも目に見えて明らかな『あらゆるものを破壊する程度の能力』のほうにカリスマを感じるに違いないのだ。
凡愚な民衆め!
レミリアは歯噛みしたい気分である。
だが、そんなことを言っていても始まらない。
「私もフランと同じようにランクインしたいわね」
「私もお姉様といっしょにランクインしたいな」
フランは子どもっぽく答えた。
それから、突然、ミョっとした。子どもっぽい電灯がパっとつくような思いつきが、フランには時々ある。
「お姉様。魔理沙が言ってたんだけど、なんでも魔法の森のアリスっていう人形遣いが、カリスマのドレスとかいうのを作ったんだって」
「カリスマのドレス?」
「たぶんカリスマがアップするドレスなんだよ」
「そんなものが……」
あるのか。
と思う一方で、まさかという可能性もあった。
なにしろアリスは幻想郷でも手先の器用さには定評がある。
人形の洋服なども縫ったりしているという。おそらく人間サイズであってもつくるのは簡単だろう。
くわえて、アリスはきわめて優秀な魔法使いでもあった。
パチュリーと似ているが微妙に異なる魔法を使うらしい。
カリスマアップもなんらかの魔法的な付与があるのかもしれない。
だが――
そんなことよりも。
「フラン。私は自らの力のみでカリスマランクをかけあがっていくつもりなのよ。そんな上げ底はいらないわ」
「お姉様がそういうのならべつにそれでもいいけれど、優秀な道具があれば、優秀な才能は引き立つものよ」
「確かにそのとおりね」
「それに私のレヴァ剣ももしかするとカリスマポイントに一役買ったのかも?」
うねうねと動くトランプのスペードのような形のソレを見せて、フランはうふふと不気味に笑った。
わが妹ながらカリスマポイントが高い。
なるほど、そうだとすれば姉である私も同じように何かを求めてもさほど不合理なことではあるまい。
道具によってその人物の魅力がひきだされたとしても、それは逆に道具のポテンシャルを引き出していることにもなるのだ。
カリスマのドレス。手に入れてみるのもまた一興か。
クククと小さく笑い、悠然とした態度でフランの部屋をあとにした。
「咲夜。明日は魔法の森に行くわよ」
「御意」
次の日のお昼。
天頂に太陽がかかる午後ごろにレミリアは魔法の森へと出かけた。最初に妖精メイドを使いにやってアポイントはとってある。詳細は語らなかったが、アリスは快諾してくれたようだ。
もちろん、自ら出かけるまでもないことではあったが、事は自分のカリスマステータスについてである。
言ってみれば、紅魔館の一大事。
レミリアが御自ら足を運ぶのも当然であった。
昼は吸血鬼にとっては少々つらい時間帯ではあるものの、そういった時間帯に出かけることが自らのカリスマをアップさせると思っているところがレミリアにはあり、あえて昼の太陽光線が一番つらい時期にでかけたのである。
うだるような暑さ。
しかも直射日光。
正直、灰になりそうであるが、レミリアはわがままひとつ言わず、アリスの家まで辿りついた。
「アリス。約束どおり来たわ」
「ああ。レミリア。咲夜。こんにちわ」
「ごきげんよう。元気そうでなによりだわ」
咲夜は沈黙したまま頭を下げた。レミリアが出張っているのだから、咲夜はでしゃばりすぎない。
「上がって」
アリスは二人を通した。
レミリアは泰然とした態度で歩き、柔らかなソファの上に腰を落ち着けた。
「それで――何の用かしら」
「たいしたことではないのだが、おまえが……ほら、あれだよ、カの字の服を作ったと聞いてね」
「カの字?」
「カの字のドレスだよ。魔理沙からフランが聞いたんだよ」
カリスマの服と言葉に出すのはさすがに憚られた。
まるで思春期の少年のように、がっついているように見られるのは我慢ならなかったのだ。
あくまで、世間話をするかのように、
知的好奇心の発露であるかのように、
レミリアは裏がありそうなアルカイックな笑いを浮かべる。
「ああ、あのドレスのことね」アリスはようやく思い当たったようだ。「それがどうしたの?」
「少し興味を持ったのよ。よろしければ売ってくれない? 言い値で買ってもいい」
「ああ残念ね。本当に残念」
アリスは悄然とした顔になった。
「どうした?」
「あのドレス、もうここには無いのよ」
「なんだと!」
バッタが飛び立つような勢いで、ソファから立ち上がるレミリア。
すぐに、自分の行動のはしたなさに気づき、「すまない」と小さく声を出して、座りなおした。
アリスはたいしてうろたえていないようだ。
「魔法の森の出口あたりにある香霖堂の店主に売ってしまったのよ」
「うー」
レミリアはすでに涙目である。
「もう一着、お嬢様のために仕立ててくださらない?」
咲夜が主のピンチに助け舟を出した。しかし、アリスは首を横に振った。
「今すぐにはつくれないわね。材料が無いもの。それに、正直なところ趣味として作ってただけで売り物にするほどのレベルではないと自分でも思っているわ。霖之助さんには興味があるようだから特別に安価で譲っただけでね」
「おまえのつくった人形の服は素晴らしいものがあるよ」
と、レミリアは素直に褒めた。
カリスマは支配者であり、支配者であるからには下々をねぎらうのは当然である。
アリスは嬉しそうに微笑んだ。
「ありがとう。レミリア。三ヶ月ぐらい待ってもらえれば、あなたのためにオーダーメイドしてあげてもいいわよ」
「三ヶ月か……」
レミリアにとっては、つらく長い時間になりそうである。
実の妹を495年ほど幽閉していたことはさておいて、主観的に考えて三ヶ月も兵站なしに戦うのはつらい。
カリスマ戦線が崩壊してしまう。
「どうするの?」
「いや、いい」
レミリアはアリスの申し出を断った。
やはり三ヶ月もの間、カリスマ戦線において裸身を晒し続けるのは無謀としか言いようがなかった。
いますぐにでもカリスマの服を手に入れなければ、カリスマがメルトダウンしてしまう。一度失ったしたカリスマを取り戻すには、得てきた時間の倍以上の時間がかかるものだ。
レミリアは立ち上がった。
「世話になった」
「いいえ。なにもできずにごめんなさい」
「いや、感謝している」
レミリアは優雅に一礼して、その場を去った。
次に向かう場所はすでに決まっている。
魔法の森の入り口。香霖堂である。
レミリアは駆け出していた。
魔法の森は日の光がさえぎられているとはいえ、今は真昼に近い。
吸血鬼にとっては無謀ともいえる行動である。
「お嬢様、傘をおさしください」
「この程度の日光、たいしたことないわ」
時折、木漏れ日が腕や顔にあたり、じゅううううううという音を立てて、肉を気化させた。
だが吸血鬼の耐久力と再生能力は並ではない。
気にせず日陰に入れば、刹那の時間で回復していく。
レミリアは扉を強引に押し開くと、即座に太陽の光を締め出した。
咲夜はいつのまにか店内に入っていた。さすがは瀟洒で完璧なメイド。おおかた時を止めたのだろう。
「なんだい。店のドアはもう少し丁寧に開けてくれないかな」
「ハァ、ハァ。店主。アリスの服はまだあるか」
「やぶからぼうだな。確かにあれは僕がいま持ってるけれど、貰いものだし、売り物にはしていないよ」
「売ってちょうだい」
「話を聞かない子だね。君は。だから売り物にはしていないと言っただろう」
「道具屋が商品を売らないでどうする」
「商品じゃないと言っただろう」
「じゃあ、何をするつもりだ。もしかして、店主。アリスが作った服を夜な夜な着ているという女装趣味の持ち主だったのか! あるいは――あるいは――くんかくんかしている変態――ッ!」
「どうしてそうなるかな。僕はこう見えて変態という言葉とはほど遠い紳士的な性格をしているのだがね」
「じゃあ何をするつもりだ」
「簡単なことじゃないか。商品としての服を作るための雛形だよ」
「雛形ね。アリスの服は単純なようでいて複雑で、複雑なようで単純な神妙きまわるものだわ。そんなものを真似て作れるのかしら」
「四苦八苦といったところだろうかね。確かにかなり厳しいんだけど、時間だけは余っているからね。ちまちまと作っているんだ。なんとか量産できないかと思っているんだよね。なかなか材質もよいし、なんといったらいいか。そう、とても豪奢だからね」
「ゴージャス。デリシャス。デカルチャー!」
「さっきからテンションがよくわからないな。なにかあったのかい」
カリスマの危機だとはさすがに言えない。
代わりに恫喝することにした。魔王のような態度はカリスマをむしろ上げるものだろうという判断だ。
「吸血鬼をなめないでもらえる? あまり過ぎた口をきいていると、物理的に黙らせるわよ」
「おお、怖い怖い。霊夢に退治してもらわないとな」
「冗談よ……」
レミリアはプイっと横を向いた。
さすがに霊夢と本気で事をかまえたくはない。弾幕ごっこで優雅に遊ぶのは良しとしても、霖之助をどうこうしてしまえば、霊夢が黙っていないことぐらいは、レミリアにもわかる。
しかしレミリアの横プイ顔があまりにも泣きそう――もとい、カリスマに溢れていたためか、霖之助はコツコツと机を小さく叩いた。
「しかたないね。そこまで言うのなら――人里に行ってみるといいよ」
「人里に?」
「僕の恩人がちょうど新しいお店に挑戦してるみたいでね、そこで試験品として、僕の作った服を使ってもらってるんだ」
「カの字のドレスを?」
「そう。接客業の一種みたいでね」
「接客業……」
「ま、そこで交渉すれば譲ってもらえるんじゃないかな」
「私が欲しいのはアリスが作った服。あなたの作ったまがいものじゃなくてね」
「前にも言ったが、あれは雛形なんだ。だからおいそれとは渡せないな」
「うー」
カリスマが、溢れる。
この場合のカリスマとは、かわいさと同義である。
「一週間」
ぼそり、と霖之助が呟いた。
「え? ワンウィーク?」
「一週間そこで働いてもらおうか。そうしたら、譲ってあげてもいい。それまでに僕のほうもなんとか完成品を創り上げておくよ」
「私に女給の真似事をさせようっていうの」
「嫌なら結構だ。これでも最大限の譲歩はしてる」
「……わかったわよ」
レミリアは胸のあたりに手を添えて承諾した。
人里。
「えーっと……ここかしら。霖之助にもらったメモでは……、KIRISAME……、キリセイムね。咲夜。このSAMEというのは同じという意味の単語なのよ」
「それでは、KIRIはどのような意味なのでしょう」
「あ、えっと、それは……ああ、そうそう。確か、殺害するとかいう意味よ。私にぴったりの名前ね」
「さすがでございます。お嬢様」
咲夜は優雅に一礼した。
レミリアは腰に手をあててご満悦の様子。外来語程度、紅魔館の主として当然の知識なのである。
「あと、今日はもういいわ。私はひとりで働くと言ったはずよ」
「そういうわけにはいきません。私はお嬢様の従者ですからね」
「ふん。では、おまえも私とともに働いてみるか? ここ、カフェー・キリセイムで」
「お望みとあらば」
「私は別に望んでいるわけではないが……まあいいだろう。私のそばで私の恐ろしいまでの仕事ぶりを見ていればよい」
中に入ると、やたらハイテンションな親父がやってきた。
どことなく見たような雰囲気があるが、思いだせない。そもそも紅魔館からあまり外にでないレミリアにとっては、知ってるはずもない。
「ふむ。貴様が霖之助が言っていた恩人とやらか」
キリセイムの親父はレミリアに簡単な質疑をしたあと、すぐに採用を決めた。
よくわからないが、レミリアのカリスマなところが、どうやらツンデレ的であり、希少なキャラらしく、加えて容姿が抜群によかったらしい。
まあ、吸血鬼は容姿端麗に決まっている。普段はお子様といわれているが、容姿を褒められて悪い気はしない。
仕事内容は、接客。
素のキャラでおしゃべりしたり、お茶をお客といっしょに楽しんだりするだけの簡単な仕事らしい。
「ふうん。ずいぶんと簡単な仕事なのね」
「あの、私もお仕事させていただけますか」
咲夜の声に、キリセイムの親父は頭のてっぺんからつまさきまでじろじろと眺めまわした。
渋い顔。
そして言うには『ギリギリ』とのことだった。
「ギリギリ? なにがギリギリですか」
――年齢。
「お嬢様。この方をサボテンみたいにナイフで装飾してさしあげてかまいませんでしょうか」
「だめだ。ナイフで装飾してしまっては服が手に入らない」
くるりとターンした咲夜は、普段より笑顔がまぶしかった。
キリセイムの親父は空気を読まず、再び口を開く。
――胸も薄いし、まあ大丈夫だろう。
「あのお嬢様……」
「だめだ」
その店は妹カフェという趣旨らしい。
幻想郷には妹が多いと聞くが、どうやら妹という立場で接客をするという趣旨らしかった。
曰く、妹は宝石や金よりも重要な存在である。
曰く、妹のミスは、かわいらしさに転嫁される。
曰く、妹のがんばりは、かわいらしさに変換される。
妹メイドは基礎の動きをマスターするだけで、少なくとも攻撃力が120パーセント、一撃悩殺の技量も63パーセント上昇する。さらに習熟した妹マスターになれば、そのかわいらしさは計り知れないものになるという。
親父の主張はよくわからないが、ともかく仕事は絶対だ。
レミリアはこの方、500年間一度も仕事らしい仕事をしたことがなかった。
しかし、紅魔館の悪魔と呼ばれたレミリアがこの程度のことで臆するはずもなかった。
壁際に置かれてあった、ちっちゃな椅子にふんぞりかえりつつ……。
「き、緊張してきたわ。だめだ。震えが止まらない」
「あの、お嬢様。どうしたのです」
「な、なんでもないのよ。ちょっと局地的な地震でも起きてるのかしらね」
「そうですか。私もついておりますから、大丈夫ですよ」
「この程度のこと、私ひとりで十分よ」
「お嬢様。せめてお着替えを手伝わせてください」
「しかたないわね。ほ、ほら、はやくしなさいよ」
されるがままのレミリア。
当然のことながら服を着替えるという単純作業も自分ですることはない。紅魔館の主たる者、服を着るという些事に心煩わせることがあってはならないのだ。もちろんパジャマも咲夜に着替えさせてもらっている。断じてできないのではない。ただしないのである。
ちなみにフランは自分で着替えている。
「これでよろしいですわ」
咲夜が普段着ている服に比べて、ずいぶんとフリル満載のふわふわしたメイド服だった。レミリアが普段着ている服も多段フリルなのであまり変わりはないところだ
真実の名はエプロンドレスという。
アリスが元々作成したのは、おそらくは上海人形用の服だったのだろう。あれに近い形を想像してもらえればよい。
色は素地が黒、その上から白いエプロン風のものを装着するかたちになる。頭には白いフリルつきカチューシャで、これもオーソドックスなタイプといえるだろう。
ただ正規のメイド服とは違いスカートの丈はかなり短く、ほんのちょっと動いただけで見えてしまいそうだ。
レミリアは羞恥を知る貴族であるから、両手でスカートの端を押さえるようにした。
「短すぎないかこれ」
「かわいらしい服装ですわ」と咲夜。
「かわいければ良いというものではないのだ。女はおいそれと肌を見せるべきではない」
「卓見ですわお嬢様。スカートの丈を伸ばすように進言いたしますか」
「いや……、郷に入れば郷に従えという言葉もある。このままでよい」
レミリアはスカートが気になるのか、ひょこひょこした動きでマスターのところに歩いていく。
キリセイムの親父は、具体的な仕事の説明をした。
接客の仕事は咲夜という生きた見本がいるから、だいたいのことはわかっている。
問題となるのは、妹カフェという特殊な概念に起因する特殊なサービスである。
それについては、
――働いている娘たちの実際の様子を見て判断して欲しい
とのことだった。
妹カフェでは実績制度がとられていて、ナンバー1の指名の娘には給金が基本給の倍額になるという特典があるらしい。
「特典か……」
レミリアの顔が変わる。
生粋のお嬢様であるレミリアにとって、給金が倍額になろうがたいして重要ではない。ただナンバー1という響きには、紅魔館の主として興味を抱いた。紅魔館の主たるものいかなる場所においても一番でなければならない。
なぜならそれがレミリア・スカーレットのレミリア・スカーレットたる由縁だからである。
「咲夜。一週間で指名1位をとるわよ」
「御意」
驚くべきことに、カフェーキリセイムの主戦力は気まぐれな妖精たちである。
特に刮目すべきは指名一番が、あのチルノであることだろう。
「なぜおまえがここにいる」
「あー、紅魔館の吸血鬼じゃん」
「なぜおまえがここにいると聞いているのだ」
「だってここにいればただで甘いお菓子とかジュースとかもらえるもん」
「ふ、ふうん。そうなの?」
「まあ見てて」
早速、指名が来たらしい。
チルノはふよふよと蝶のように飛んでいって、いつもと変わらないぶっきらぼうな態度で接客をはじめた。
初めの言葉はこんな感じ。
「なんか飲む? お兄ちゃん」
客のほうはというと、なぜか照れながらオレンジジュースを頼んでいた。
チルノは厨房からオレンジジュースを受け取って、客のところへ持っていく。
「ん。あの持ち方では十中八九やらかしてしまいそうですわね」
咲夜は顎に手を当てながら厳かに言った。
プロの目で見ると、チルノのトレイの持ち方ははなはだ不安定でありあぶなっかしいものらしい。
レミリアはたいしたことないと思い、腰に手をあててフンと鼻息ひとつ。
案の定チルノはトレイを手のひらからおっことし、オレンジジュースをあたりにぶちまけてしまった。
「あ、失敗しちゃった」
チルノはたいして悪びれもせずに、テヘヘと笑っている。あざとい。
「ふむ。あれは一種のショーなのかもしれませんね。お客様には一滴もかかっていませんし、床を掃除するぐらいならすぐに済む」
「しかし、客のほうのメリットは……」
「あれです」
ここ、カフェーキリセイムではこぼしたジュースの類は、その本人が掃除をすることになっているのだ。
チルノは小さなからだをさらに小さくてゴシゴシと床を拭いている。その姿は小鳥が必死になってエサをついばんでいるさまに似ていてなぜだか微笑ましく、庇護欲をそそるものだった。
さらには膝をついた状態で拭いているから、自然と腰が高くなって、若干危ない姿勢。
乙女の秘密があらわになりそうな危うさである。
これが妹力かと愕然とするレミリア。
服が汚れてしまいそうだが、チルノはさして気にしてもいない。どうせ服は何着も同じタイプがあるし、毎日洗濯しているので問題ないのだろう。
それからチルノは換えのオレンジジュースを持ってきた。
「なん……だと」
レミリアは驚きを禁じえない。
チルノは客の隣に座り、それからなんとオレンジジュースにもう一本ストローを追加したのである。
「私も飲んでいいよね?」
客の男はなぜか無言のままコクコクとうなずいていた。
恐ろしいまでの妹力(いもうとぢから)である。もしもこれをカリスマパワーに転嫁できれば……。
レミリアは興奮に体を奮わせた。
三日目。
レミリアにもチャンスがまわってきた。初めて指名なしの客が来たらしい。
いままでどうにかこうにかチルノの技を盗んではみたものの、持ち前の高貴さが邪魔をしてうまくいかなかった。
そう……プライドがダメなのだ。
大事の前の小事。
自分のプライドごとき捨て去る勇気が必要である。
それこそが真のカリスマというものだろう。
レミリアはそう考えた。
「お嬢様……」
「心配するな咲夜。私はもう今までの私ではない。妹力をわがものにしカリスマ力を現存より120パーセントアップさせるわ」
「できるのでしょうか」
「できるのかを問うのではなくやるのよ!」
決意の眼差しだった。
いままでのうーうーするだけのレミリアなどもはやここには存在しない。
お客様のもとに文字通りの意味で飛んでいくレミリアには、一片の迷いも存在しなかった。
ただし一秒後には霧散。
レミリアはその場で静止し、喉の奥からキュっと音が漏れた。
「れ、霊夢!?」
見間違うはずもない。
霊夢だった。いつものちょっと不機嫌そうなそんな顔で、辺りの様子をうかがっている。
霊夢の隣にいるのは緑色をした巫女さんである。こちらは邪気のない笑顔。おそらくは最近来た山の神の巫女だろう。
知り合いが客として来たことに焦りが生まれた。
だがここでやめるわけにはいかない。
――レミリア。やるのよ。なぜならあなたには使命があるはずでしょう?
そう、カリスマになること、そのためにカリスマの服を得ること、それが最終目標なのである。
レミリアはお日様のようなにっこり笑顔で応対した。
「いらっしゃい。お姉ちゃんたち」
「って、レミリアじゃない。あんたこんなところで何してんのよ」
霊夢の声は冷たい。いまにもくじけそうになる。
レミリアはスカートの裾をぎゅっと握る。
「レミィはここで働いてるの。お姉ちゃんたち何がいい?」
「かわいらしいお子様ですねぇ。え、吸血鬼なんですか。日の光にあたりまくってますが……」
早苗は軽く驚いているようだ。
霊夢はおでこあたりに手をあててあきれている。
「とりあえず、このチョコレートパフェってやつを頼むわ」
「カロリー高いですよ。霊夢さん」
「え、そうなの。それは……お得ね」
「えっと、そっちのお姉ちゃんは?」
レミリアは早苗にも聞いた。
全身がむずがゆくなるような感覚に必死に耐えて、妹力をこめた甘ったるい声を発している。
早苗は杏仁豆腐にするらしい。
レミリアは霊夢のトレイ、咲夜は早苗のトレイを持った。チルノがやったようなミスはしない。
両の手できちんと持って落とすことのないように気をつけている。そぉーとそぉーと運ぶさまは霊夢と早苗のなにかしらを刺激したらしく、レミリアは心のなかでガッツポーズ。どうやらこの三日間で妹力の基礎的な動きはマスターしたらしい。無駄ではなかった! 努力は無駄ではなかったのだ!
「じゃあ接客するね」
「き、気持ち悪い……」
「ひどいよ、霊夢お姉ちゃん。気持ち悪いだなんて」
レミリアはうるうると瞳を潤ませる。
「仕事だか知らないけどいつものあんたらしくでいいじゃないの」
「レミィはいつもこんな感じだよう?」
「ぞわっ、ってなったぁ」
「うー」
うーのポーズ。
「ああ、もういいわ。接客ってなにすんのよ」
「霊夢さん」早苗は胸を張りながら言った。「こういうところではですね。例えばオムライスにケチャップで好きな文字を書いたり、あーんしてもらったりできるんですよ」
「へぇ。それだけで値段が三倍に膨れ上がるのね。ぼろい商売ねぇ」
「コミュニケーションもサービスなんですよ」
「寂しい人間ばっかりだから、こんな商売が幅をきかせるのかしら」
「あ、あのお姉ちゃん。いいかな……」
レミリアはうーのポーズのままうわめづかいで霊夢を見る。
「ん、どうしたのよ」
「ここのサービスの一環で、レミィがいっしょに食べるの」
「どういうことなのか理解できないわ」
「つまりですね霊夢さん。これは一種の支配欲を満たすシステムなんですよ。お金を払ってでも食べさせる。おごってあげる感覚といいますか、そういうのがいいんじゃないですか?」
「ふむう、けったいな感覚だわ」
「まあいいじゃないですか。私はこういうのは嫌いじゃないですよ」
「じゃあ頼むわ」
霊夢はレミリアが予想していたのとは違い、あっけなくメイドさんといっしょに食べることを選択した。
というのも、実のところ今回ここに誘ったのは早苗であり、費用も早苗持ちということで事前に交渉済みだったのである。対価としては次の宴会のときに霊夢が酒をおごるということになっている。
まあそんなことはレミリアにとっては重要な問題ではない。
与えられたチャンスを活かすことこそが重要だ。
レミリアは――
妹力を全開にして、
霊夢に座った。
――霊夢に座ったのである。
お子様がよくやるように、霊夢の膝のうえにちょこんと座ったのだ。
「なにしてんのレミリア……」
「ここレミィの席なの」
「重い……」
「レミィ重くないもんっ!」
振り返りながらプンプンとお怒りの表情を浮かべるレミリア。順調に妹力が上がっていっている。同性の霊夢たちでさえクラっときてしまうほどの妹力。もともと地力があったのだ。そこに訓練という名の努力がくわわった。レミリアの妹力はもはやチルノを軽く凌駕している!
だが――
否を唱えたものがいた。
「お嬢様。妹力はカリスマ力とは相容れないのではないでしょうか!」咲夜は渾身の力をこめて言った。「お嬢様の威厳にキズがついてしまいます。もうおやめください!」
「何を言うか!」
レミリアは怒気を膨らませた。
瞬間的に空間と時間が凍結するほどの怒り。
吸血鬼の本気の怒りだった。
レミリアは怒りの奔流に身を任せながら咲夜に向かって言い放った。
「私の威厳などどうでもよい! 私にはカリスマの服が必要なのだ」
紅魔館の主の強い意志に、咲夜も沈黙せざるをえなかった。
次の瞬間には、レミリアは笑顔に戻り、霊夢の胸に体重をあずけるようにした。
「霊夢お姉ちゃん、レミィにチョコパフェ食べさせて」
「う」
「ねえ。お姉ちゃん?」
頭をあげて反対の構図で霊夢を見上げるレミリア。
霊夢は震える手でスプーンを掴むと、チョコパフェを掬い、ほとんど無意識にレミリアの口のなかへと放りこんでいた。
「甘くておいしー。じゃあ今度はレミィが霊夢お姉ちゃんに食べさせてあげる」
「べ、別にいいわよ。だってそもそもあんた500歳でしょうが」
「お姉ちゃん。レミィに食べさせてもらうの嫌?」
「いやじゃ……ないけど」
「じゃあいいでしょう。ね、お姉ちゃん♪」
結局、レミリアはあの朴念仁な霊夢に『あーん』することに成功した唯一の例となったのである。
これは幻想郷始まって以来の快挙といえた。
そして後日。
レミリアの元には、とてもかわいらしいカシミアのドレスが届けられた。
コピー品とは違い、明らかに良質とわかる材質。さすがはアリス印のドレスだけのことはある。
そのときレミリアはあふれんばかりのカリスマをもってして、しゃがみガードを炸裂させたことは言うまでもない。
勿論作者様のうー☆うー☆レミ様もさっ!
紫様もそうだけど、彼女達がダメっ娘だったりアホっ娘であったりすればするほど
逆説的に偉大なカリスマを証明していると思うのです。
それほどの振幅を有しているという意味でですね。
ぶっちゃけ、可愛いは正義だ! ということなんですけど。
顔はアレだったけど雰囲気と話術、寛容さで民衆の心を掴んだそうですね。
お嬢様も話術を磨かれたようなので何より。
最初からかなりレベル高い笑いがあったけど、最後に行くにつれて弱くなってしまったのが惜しい。
相変わらず微妙にシュールな表現が面白かったです。
あざといほどのカリスマ、確かに頂きました!
咲夜さんはホントに忠臣ですね。
しかしカリスマ道は修羅の道か…レミィ頑張れ。超頑張れ。