じけっと湿りがちなこの季節にしては、実に暢気な陽気だった。
「ああ、もう」
元々とじっとりとした感のある目つきを更に辛気くさくして、街道沿いを歩く小さな影が一つ。
体に絡みつく様なコードと、見開かれた拳程もある目。
地霊殿の主、古明地さとりである。
「こいしー、お空ー、お燐ー」
意外に通る声で、妹とペットの名前を呼ぶ。
消極的な彼女が大きな声を上げると言うのは珍しい。
そもそも引き籠もりがちな彼女がなぜ地上の、しかも往来もそれなりにある街道を歩いているのか。
「はあ、何処へ行ったのかしら……」
時を遡る事数刻程。珍しくこいしも揃った地霊殿で、せっかくだから地上に遊びに行かないかと言うことになったのだ。
なんでも美味い団子を出す茶屋があるそうで、こいしが絶賛し、お空とお燐は涎を垂らしていた。
少々渋っていたさとりも、三人からねだられては断りきれない。旧都を橋を洞窟を、はるばる越えて地上へと訪れた。
しかし、無意識のこいしに、壊れた機械の異名もあるお空。あっちへフラフラこっちへフラフラとしている内に、いつの間にやらさとり一人になっていた。
こういう場合にさとりと一緒に軌道を修正する役目のお燐は、お空を探して諸ともにいなくなってしまった。
辺りを探してみたものの、どうやら読心能力の届く範囲にはいないらしい。
そうしてどうしたものかと唸りながら歩いている時だった。
「おや?」
鼻腔をくすぐる微かな香り。
ほのかなこの甘い香りは間違いない。団子のものだ。
視線をさまよわせた後、街道の向こうに、白煙の昇る小さな小屋が見える。
こいしに聞いた場所とも一致するし、ははあ、あれが目的の茶屋ですかと独り言。
そう認識した後、さとりのお腹が「く~っ」と音を立てた。
そういえば朝から何も口に入れていなかった。
周りに誰もいないのに顔を真っ赤にすると、再びきょろきょろと周りを見回し、小走りにその茶屋へと向かう。もしかすれば皆既に到着しているかもしれない。
接近して見れば一目瞭然、手製の旗に「だんご」と書かれ、茶と仄かな甘味の匂い。
残念ながら皆はいない様だが、待っていれば時期に来るかもしれない。ならばとりあえず落ち着こうかと思った矢先、また腹の虫が主張した。
再び顔を真っ赤にしたさとりは、しどろもどろになりながら店の中に呼びかける。
「あ、の。お、おだんごを……ください」
「へぇ、ただいま。 ……おい、お前」
「はいはい」
顔も出さずに店の中から男の声。それに伴ってもう一人女性の声がした。
相手が妖怪だとか、そういうことではなく、普段からそういう対応なのだろう。
さとりはもじもじしながら、外に設置されている長椅子に座る。
空を見れば夜雀妖怪と蟲の妖怪などが並んで飛んでいたりと、実にのどかなもの。
それをぼーっと眺めていると、戸が音を立てて開く。
「お待たせしました」
びくりとなりつつそちらを見ると、出てきたのは妙齢の女性。湯気の立つお茶と、三食の団子を盆に乗せている。
「ごゆっくり」
それだけ言うと奥へ引っ込んでしまった。
そっけない対応だとは思ったが、出された団子は実に食欲をそそる。
三串にそれぞれ四つあるの大降りな塊には、軽く炙る程度の焦げ目がついており、餡にタレ、そして黄粉がかかっている。
「はむ」
まずは飴色のタレ団子を一口。甘辛いタレが白い団子ととてもよく絡む。弾力のある団子をもちもちと噛むごとに、甘みを核とした複雑な味が染みだし、唾液が溢れそうになる。
「んむ」
勢いに任せて半分程飲み込んだ後、ようやく茶に手を出す。甘さを適度に抑える爽やかな渋みを伴い、残りの団子は熱を持って胃にすとんと落ちていった。
……これは美味しい。
自然「ふ~っ」と吐息が漏れた。
餡も滑らかで癖が無く、くどさもないのに洋菓子の様な濃厚さがある。
黄粉は粉物だと言うのに飛び散る様な事もなく、まるで上質な砂糖の様に、舌の上で淡く儚く溶け解けて行く。
それ程食が太い方ではないさとりだが、自分でも驚く程に食が進み、ひょいひょいぱくりとあっと言う間に平らげてしまった。
ボリュームも程良く、お茶も含めて腹四分を少々越えた程度。
残ったお茶に口をつけると、なんともいえない幸福感が満ちた。
「ふぁ」などと欠伸が出そうになり、慌てて噛み殺す。
少し涙が出たがこれはもう仕方ないだろう。
こうものどかな場所で過ごす等、本当に久しぶりなのだから。
(旧都の喧噪とは雲泥の差ですね)
友人の一本角の鬼を思いだしてくすりと笑う。何しろあそこと来たら、実際の声と心の声が入り交じり、頭を内と外からガンガンと揺さぶって来るのだ。
その上普段の生活の場である地霊殿とて、ペット達の喧噪で中々に騒がしい。
それらに比べればここは本当静かだ。
音を立てる物と言えば、時折そよぐ風や野鳥の声と言った類。
(……ん?)
なんだろう。何かが引っかかる。
選択したての真っ白なシャツに、ぽつんとこびり付いた『染み』とでも言おうか。
何がいけないのか。
何がおかしいのか。
心の声だって何一つ……
(……あっ)
何故失念していたのだろう。
この店の住人の、心の声は何故聞こえない?
建物に引っ込もうと、その程度で阻害される能力ではない事は自分でよく解っている。
と言うより、この能力は人で言うなら呼吸に近く、ある程度浅くしたり深くしたりする事は出来ても、任意にカットする事は不可能だ。
そんな器用な事が出来るなら、こいしも第三の目を閉じたりしていない。
何か魔除けの様なものが家にあるのか……とも思ったが、女将は直ぐ目の前に居た事も同時に思い出す。
そもそも覚妖怪の読心能力を防ぐ術や道具が、こんな小さな茶屋に存在するだろうか。
余程の大妖怪や神でもなければ、たちどころに心の奥に封じたトラウマを掘り起こしてしまう。
それ程の能力だからこそ、地底で最も恐れられている妖怪なのだ。
さとりに読めない心と言えば、妹の心ぐらい。
(そうでなければ一体……?)
いや、もしかすると妹の能力だろうか。そもそも提案してきたのはこいしだ。
彼女が悪戯している可能性は……
(違う。特定の心の声に意識が行かない様には、こいしも出来ない筈)
こいしは心を閉ざしている為、心の声を聞く事は出来ない。
つまり識別すら出来ないのだ。
彼女にとって存在していない物を弄る事は出来ない。
(じゃあ、この状況は、何なの?)
遠くの空で、鳶が鳴く。
さとりの心中に反比例して、何処までものどかで静か。
その空気が、余計にさとりを苛む。
違和を認識出来るさとりだけを。
「あ、の」
さとりは、言葉を搾り出した。
埒の明かない状況に耐えられなかった。
「はい?」
女将さんが顔を出す。実に人懐っこそうに。
普段であればきっと『お勘定かしら』『追加の注文かしら』等と言った、状況に沿った心の声が聞こえるのだろう。
或いは、にこにことした笑みの下に、ドス黒い本性を持っていたとしても、その方がさとりにとってはずっと良かった。
「そ、その」
この、沈黙に比べれば、凄惨な狂気の方が遥かにマシではないか。
(聞いて何をするのよ)
聞いてどうにかなるものでもないのも解っている。
しかし、言わずにはいられない。
服の下に一筋か二筋、汗が伝い、服にじわりと染み込んだ。
その不快感が起爆剤になったのか、さとりが意を決したその時である。
(……ん……い)
(お……ダ……!)
「……?」
早鐘を打つ心音に紛れ、遠くから小さな声が聞こえた。
確認するまでもなく、それは心の声。
「何……?」
(……おりん~つかれたよ~)
(おくう、あとちょっと我慢して! あとちょっと!!)
(もう読心の射程内みたいね。データは十分取れたけど……ほら、貴女も逃げない)
雑多で懐かしい二人の心の声と、聞き覚えの無い冷静な声が一つ。
丁度真上、太陽の方から聞こえてくる。
さとりが呆気にとられていると、太陽の中に黒い点が生まれ、更にそれが幾つかの影になって大きくなる。
「うにゅっ」
「にゃんっ」
「よっと」
「離して~」
二人は途中でバランスを崩したのか半ば激突する様な状態で着地。もう一人は誰かを抱えて優雅に着地した。
「てっ、てっ、てってて敵機襲来ですっっ!総員竹やりを構えて……いえっここは圧倒的航空戦力を使って泥沼の地上戦を展開……」
突然現れた四名に対し、さとりはパニックに陥った。
どの程度の混乱かは上述の通りである。女将も突然の事に動きを止めていた。
「あー、ちょっと」
「動いた奴はロリペドで動かない奴は訓練された」
「はい、深呼吸!」
「ひゃぃっ!? す、すすす、す~、は~、す~、は~……」
深く静かな呼吸に伴い、さとりに漸く余裕が復活した。
少なくとも目の前の人物に意識が行く程度には。
ごくごく自然な金髪碧眼に、青と白を基調にした装束。何より、周囲に二体程浮かんだ小柄な人形のデザインには見覚えがあった。
たしか初めて魔理沙に会った際、似た人形を持っていた筈。
「アリスさん、でしたっけ」
「あら、光栄ね。そう、しがない魔法使いで人形遣いよ」
「こんな所で何を、いや、ああ、なるほど……ふむ……はぁぁ~……」
アリスの顔を伺うのと同時に、その思考が流れ込んで来て、さとりは思わずヘタり込んだ。
「こう言う時に説明いらずで助かるわね」
「ええ、それにしても……」
地面に座ったままで、さとりは動きを止めている女将を見る。
「実に良く出来た人形ですね」
「ふふ、どうもありがとう」
先程からピクリとも動かなくなった女将……の姿を模したそれを一撫でし、アリスは優雅に微笑んだ。
事の真相は案外簡単な物だった。
半自立の人形を、アリスが読心の届かない遥か上空から魔力供給して動かし、太陽を背にした状態でお空が軽く力を展開して姿を隠す。
読心の距離に関しては、お燐やこいしがほぼ感覚で解っている為、そのギリギリで待機して様子を見る……と言った塩梅だ。
計画はこいしが無意識の内にアリス宅にお邪魔した辺りから始まっていたらしい。
蓬莱、上海と言った半自立の人形を一目見て、この悪戯を思いついたそうだ。
アリスも有線の魔力供給はどの程度可能か興味があり、今回の計画に乗っかったと言うのだから……
「はた迷惑な話です」
「さ……さとり様」
「うにゅ、ごめんなさい……」
元が後先を考えない動物な為か、その場のノリに乗せられる事も少なくない。
この辺りは根の性質になってしまう為、さとりも余り追求せず「反省しているから構いません」と苦笑した。
「流石お姉ちゃん、ここは器を見せっ、あ、いたいいたいいたい!」
「こ~い~し~! 主犯の貴女は別でしょうが~」
真っ先に逃げようとしたこいしは、アリスの人形用の魔力糸で拘束されていた。
横をしゃなりしゃなりと歩く女将人形が糸を引っ張る様は、別の意味で犯罪の匂いを感じさせる。
悪戯をしてもいつものらりくらりと逃げ回るこいしへの恨みも手伝い、こめかみを遠慮なくぐりぐりする。、
お燐とお空に対して、はぐれた後に計画を話す事で秘匿するという徹底ぶりまで露見しては、流石にさとりの辞書から容赦の二文字が消え去る得ない。
「まあまあ、それを含めても美味しいお団子だったでしょう?」
「それは否定出来ませんが……貴女も反省して下さいね」
何時ものじとりした目つきで睨むと、アリスは涼やかな笑みで返した。心にも細波一つ立っていない。
最近の幻想郷にはこういう手合いが多過ぎる。
(もっとも、だからこそ覚りである私も地上を歩けているのだろうけど)
そう考えると、騙された事もほんの少しだけ悪くないかも知れない……等と思えてくる。
今度は悪戯ではなく、自分から誘って何処かの甘味屋にいくのも良いだろう。
「そう言えば」
「?」
「あのお団子はアリスさんが作ったんですよね。良ければ今度作り方を教えて貰えますか?」
瞬間、さとりはアリスの心が波立つのを感じる。
それはとてもとても小さな物で、ちょっとした「疑念」の波。
「えっと……確かにあれは美味しかったけれど。私は作ってないわよ?」
「え、じゃあもしかしてお燐?まさかお空やこいしじゃないだろうし……」
その言葉に反応した二人の心も、自分が作ったのではないという否定。すると残りはこいしと言う事になるが……
「お姉ちゃん。出かける時に言ったけど、あのお団子はあのお店の商品だよ?」
「こいし、冗談は止めなさい。あそこにいたのは人形でしょう?」
さとりの発言に、アリス、お燐、お空はこれ以上ないぐらい、心を疑念で満たした。
「さとり。確かにこれは女性型の人形だけれど……店主は普通の人間よ?」
数秒の間、その言葉を理解出来ない。
そして漸くその言葉が浸透した時。
「そんなの、お、おかしいですよ」
さとりは言いようの無い違和感に襲われた。
極々簡単な事。ならば何故ならあの時。
「……なんで心の声が聞こえなかったんですか!?」
そうだ。あの店の周囲では結局、アリス、お燐、お空意外の心の声を聞く事は無かった。
店主がただの人間なのであれば、聞こえなければおかしいではないか。
「ま、まさかまた私を騙して……!?」
「心が読める相手にこれ以上騙し様がないわ。それにこの場合、『貴女が私達を脅かそうとしている』と考えるのが妥当な気がするけれど」
「そ、そんな事はありません!」
「でも、私達が嘘をついていないのは解るでしょう?」
「それは、そうですが……」
実際、読める三人の心は完全に白だ。
そもそもお燐とお空は店主と接触が無い。
アリスの心からも詳しすぎるまでの情報が流れ込んでくる。
読心に影響されぬ様、単に手伝い人形として性能を見てくれと店主には言ってある事。
報酬は前払い。ああ、動転して気付かなかったが、先程店を出る時に挨拶しているじゃないか。
不具合を見つけたから引き取る。性能を見るためまた向かう……等、等。
「……そしてあそこに読心を防ぐ結界の様な物は見当たらない、と」
「そう、要するに私が接触したのは何の能力も無い人間そのもの。顔だって大して特徴の無い、何処にでもいそうな……」
「ひっ!?」
アリスがそう答えた時、さとりは小さく悲鳴を上げた。
アリスの思い描く店主の顔は、印象の薄いのっぺりしたものだった。
……だが、余りにも印象が薄すぎる。
記憶と言うのは平均的ではない。秒単位の場面の違いでも、受ける印象は大きく異なってくる。
やや極端な所では、同じ人間でも歩いている時の姿と走っている時の姿で、受ける印象に差が出来る。
さとりはこういった心の機微には敏感だ。日常的に他者の心を見ているのだから当然である。
なのに、さとりがアリスから読み取る店主の顔は、どの場面においても一様の印象だ。
横顔だろうと、正面からだろうと、同じに見える。見えてしまう。
「ここいし! 貴女ね!? 貴女が何か……」
「い、いたいよお姉ちゃん」
肩を強く掴みすぎたらしく、こいしが眉を顰めた。
「ご、ごめんなさい……」
「私じゃ、ないよ。だって私、心の声は聞けないもの。聞けない物に意識を向けさせないなんて出来ないよ」
そうだった。
こいしは心の声をどうこうする事は出来ない。
「……それなら」
それなら、あの時、人形に返答したあれはなんだと言うのか。
私は何が作った団子を食べたのか?
「さ、さとり、様」
「あ、れ……」
既に小さくなっている茶店。
店の横にある納戸がいつの間にか空いていた。
店の影から、何かが顔を覗かせる。
何か青白く、つるんとした顔に不揃いな穴が三つ、逆三角の配置だと辛うじて解る様についている。
微動だにせず、その三つの穴をこちらにじっと向け続けている。
不意に、下の……顔に例えるなら口にあたる穴が小さく動く。
オ ダ イ ハ イ ズ レ
たどたどしい口の動きは、恐らくそう言っていた。
「それ」がその言葉を終えると、納戸が静かに、スッと閉じる。
立ち尽くす五人は、確かにそれを見ていた。
恐らく全員が同じものを。
遠く、遠くに鳶の鳴き声。
へたり込んだその身に、
じわじわと寒気がこみ上げ。
気付かぬ程ゆっくりと、五体を蝕んで行く。
そろそろワンパターンかもしれませんが、ううむ。
良く考えると投稿三年目ににして漸く「ホラー相応しい時期にホラーを投稿出来た」と言う事が一番のホラーな気がします。
あ、それと前作ですが一応「ここしゅんしゅん」と読みます。
レスを少しずつ書いてるのですが、次の投稿ぐらいに返せると良いなぁ……
顔が無いってって本能的に怖いですよね
顔がないってのは昔から怖くて仕方がないです
寝る前に読んだのはタイミングがいいのか悪いのか。
古明地姉妹、特にこいしなんて大抵怖さを演出する側にいる者なのに。
前作に続き、認知してない事への恐怖を味わいました。
ホラーSSまた読ませてください。
作者さんの一連の作品に出てくる『得体のしれない何か』は、みんな同じ存在なんですかねー。
一作目のスキマの向こうから来たんでしょうか。
でも
食べてみたい
その団子
「分からない」のが、やっぱり一番怖いですねえ。
じゃあ元の「よくわからないもの」は本当に全て枯れススキだったのか?
そんな怖さがありますね。
ホラー読みたかったので非常に嬉しかったです。
相変わらず冴えてる違和感さ
早くも次回作に期待してます。
・・・てかおっかねぇ・・・
その点から考えるとこの話は少し読者に親切すぎる。
はたして店主は人間か、妖怪か。それ以外の何かなのか。
ぞぞーっとしました。この暑い夏には最高ですね。
何でずっとホラーを読んでいなかったんだろう、と思ってしまったとさ。
怖いとかうんぬんじゃなくて、読んでいて楽しい。
この後味の悪さといったら、最高。
日常で当然と思っている事態が崩壊した時って本当に恐怖ですよね
御代に店破壊による賠償金が上乗せされない事を祈ります
あと、店主。実は、びびらせるだけの妖怪とみたw
実話を除けば数年ぶりかもしれない
とりあえず、他の作品を読んでトラウマを増やしてきます
ホラーというよりも、怪談というような印象でした。
この季節に相応しい、面白いお話を有難うございます。
正体不明なモノへのこの恐ろしさ、おぞましさ、まさに怪談。
『妖怪』ってのは、本来こういうものなんですよね
涼しくなりました。主に悪寒で。
本来さとり達はそっち側なのを覆すんだからもうちょっと説得力が欲しい
以前の作品はそこら辺、しっかり描けていたと思うんですが
けして者ではなく、物ですらない。
解らないモノが怖いのは、解らないと判ってしまうから。
自分の知るはずの世界と、完全に離れた場所に居ないと。
コチラとの接点が、0では無いと判ってしまったから。
見知った世界の中に、ヨクワカラナイモノなんて、いる筈が無いに関わらず・・・
いいホラーをありがとうございます。よい世界の中に酔い入りました。
過去作も通して読ませていただき、今晩は眠れそうにありません。
話は変わり、図々しくもお願いがあります。
学校祭で作成する映画に、貴方のカゴメカゴメの解釈を用いてもよろしいでしょうか?
よくわからないもの、というのは恐怖の根源みたいなものですからね。怖いわあ。
2ヶ月前にも何度も読んでいたというのに鳥肌が立ってしまう、そんなじわじわとくる変わらない怖さが素晴らしい。
やはり一番の恐怖は未知なるものへの恐怖ですね。