Coolier - 新生・東方創想話

キャッチーさとり様

2010/07/18 20:37:19
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さとりヘアー:ボサボサだけどキュートだ
さとりアイ:ジト目が可愛いぞ
さとりイヤー:地獄耳だ
さとりブレイン:割とこいし様の事でいっぱいだ
さとりハンド:小さいけど全てを包み込むぞ
さとりサードアイ:第三の目で全てを見透かすぞ
さとりコード:さとりサードアイのパーツだ
さとりスリッパ:下駄じゃないから相手に当てても痛くないぞ


・・・


「で、お燐。これは何なのかしら?」
「『図解!キャッチーさとり様の秘密』です。これでペットどころか地底への好感度アップも間違い無しですよ。」
お燐が持って来た紙には、私がロボットになって何故か半分スケルトン構造で書かれ、ふきだしで各部位に説明が書いてあった。
「・・・いつのヒーロー・ロボット大図鑑ですか。」
私はその『図解!キャッチーさとり様の秘密』を机の上に落ちるようにピッとデコピンのように前に押し出した。
お燐は、落ちて来た紙を机の上で受け取り、また話し始める。

「えーと、つまりですね。さとり様にはキャッチーさが足りないんですよ。」
・・・キャッチーさ、キャッチーさ、ねぇ。このロボでキャッチーさが出るかどうかは凄く疑問ですが。
何でこんなものを作って来て、いきなりキャッチーさなんて言うだろうこの火焔猫は。
この前の異変で私のように巫女に殴られておかしくなったかと思っていたらお燐が補足する。
「ペットに嫌われてるんじゃないかって、おっしゃってたじゃないですか。」
「・・・ああ。」
そう、この前の異変の際、乗り込んで来た巫女相手にそんな愚痴をこぼしていた。
あの時は誰も居ないと思っていたが、多分どこかで隠れて見ていたのだろう。

「涙目さとり様美味しかったです。」
お燐は思い出しながら何とも言えないにやけ顔で宙を見つめている。
猫と言うのは何故か壁や天井をじっと見ている事があるが、ひょっとして思い出し笑い
をしながら心の中でこんな風にやけてるのかも知れないと思ったら、猫も妖怪も
余り変わらないなと思ってしまった。

その時の自分をお燐の記憶越しに『さとりサードアイ』で見た。確かに、涙目だった。
だが、泣いていた理由はペットに嫌われていたからではなく、巫女が私の顔面を
右ストレートで一気に振り抜いて、錐揉み状態で地面を転がって行ったからだったと、
割とこいしの事でいっぱいな『さとりブレイン』は記憶している。
ペットへの好感度云々よりも、あの殴り巫女から殴り成分を抜いて普通の巫女にしてくれないだろうか。
これではペットにした時、また錐揉み状態で「あ、私飛んでる」と走馬灯が浮かぶ体験をしなくてはならない。

「で、ですね。さとり様のためにこのロボを・・・」
「却下。大却下。」
「まだ最後まで言ってないですよぅ。」
「何が悲しくてウ○トラ怪獣図鑑の怪獣たちと肩を並べるような事をしなくてはいけないのですか。」
「いやー、どっちかと言うとヒーロー・ロボット大図鑑の方で。」
私はいつの間に機械の体を手に入れて地霊殿を踏み抜きそうな身長やら重量になったんですか。
「どちらにしても却下です。」
「えー?そんなぁ(断られると思わなかったから、もう河童とか山の神様とか呼んじゃったのに・・・)」
「・・・待ちなさい、どう言う事ですか。」
「あ、しまっ」
心を読まれた事に気付き、逃げようとするお燐。
だが、それよりも早く、私の常備しているしつけ用の縄がお燐の首を捉えていた。

「『こんなこともあろうかと』用意しておいた縄が役に立ったようですね。」
いつもペットのいたずらで散々追い掛け回していた私は、いつの間にか対ペット用捕縛術を身につけていた。


・・・


数秒後、そこには縄で巻かれ、元気にもがくお燐の姿が。
「もう二度とあんないたずらはしないよ・・・。」
どこで覚えたのかそんな事を言うが、絶対に信用してはいけない。
「久しぶりにおしおきが必要なようですね。今の話、たっぷりと聞かせて貰えるでしょうか?主に体の方に。」
「いやん、さとり様のエッチ。って痛いです痛いです。関節はそんな風に曲がりませんってば!ロープロープ!」
「ロープは今あなたの体を縛ってるじゃないですか。」
「いや、そうじゃなくってですね・・・」
「まぁあなたの関節の事はさておいて、河童とは何の事ですか?山の神とは?」

にっこり笑ってお燐を見る。半ば泣いているが、話せれば良い。

「あーいや、その。この前地上で巨大ロボットの話があったじゃないですか。
で、お空のところに来ていた河童と山の神様とその話しで飲んでいたらですね。
さっきの紙がいつの間にか書き上がっていて、これでロボを一体作ろうと。
で、酒のせいもあって、あたいが交渉役としてさとり様に納得させるから、
大丈夫と太鼓判押しちゃったんですよねー。あははは。」
「へぇ、で、もう既に地底で作り始めていると、私の許可も無しに。」
「ええ、さすがキャッチーさとり様!話しがはや痛たたた!!もう限界です関節が限界です!
すいませんすいません!すぐに止めて来ますから!!」

お燐の関節が軋みを上げているところで、更にお燐に満面の笑みを向ける。
「あら、別に止めなくても良いのよ。ついでだから、ネコ型ロボットも追加して貰いましょう。
そうすれば関節なんていくらでも換えが利くわ。」
「あたいネコミミの無い、青いネコ型ロボットなんて遠慮します!」
どうやらネコミミが無いのは割りと問題らしい。
「そのくらい冗談が言えるのなら、もう少しくらい良さそうですね。」
「さ、さとり様ぁ・・・。すみません・・・もうしませんから・・・グスッ。」

本気で泣き出したし、これくらいで良いでしょう。
「分かりました。では止めて来て貰えますね?」
きめていた関節を解き、逃げられない程度に縄を解く。
「はい、すぐに・・・グスン・・・。」
「ほらほら、涙は拭いて行きなさいな。」
とハンカチで涙と鼻水で濡れたお燐の顔を拭く。
「・・・グス・・・すびばぜん・・・。」
「・・・ほら、山瀬○みですって言ってごらんなさい。」
「やばせばびです・・・って何やらせるんですかぁ。」
「ふふ、ごめんなさいね。」

お燐が落ち着き始めた頃、ドアをばたんと開ける音がした。
「さとり様、居ますかー?空です。」
「ドアを開ける前にノックしなさいと言ったでしょう。」
「あ、すいません。」

「で、何の用です?大体見当はついていますが。」
「えーと、あ、そうだ。山の神様がですね『河童たちが一晩で仕上げてくれました』って。
さとり様を除幕式に呼んで来るように言われて来ました。」

ピクン。お燐の顔が青ざめる。それはもうネコミミの無いネコ型ロボットも真っ青に。
そして私は、満面の笑みでお空を見る。
「お空、そう言えばあなたもでしたね。」
そして私はカウボーイよろしく、縄の先端を輪にして、お空の首めがけて投げる。
「あれ、さとり様。何ですかこの縄?」
「少し、ええ、ほんの少しお話しでもしましょうか。最近忙しくて、ろくにしていませんでしたしね。」
そう言う内にお空の全身を縛りあげる。
そしてお空は自分と同じく縛られているお燐が青い顔で首を振っているのを見て全てを理解した。

「さ、さとり様・・・?お話しに縄は、要りませんよね?」
「いえ、必要なんですよ。お話しと言っても肉体言語系なので。
さあ、お空、お燐。今日は朝までお話ししましょう。ええ、ゆっくりと。」

その日は悲鳴が昼夜を問わず地霊殿をにぎやかしたそうな。


-終われ-



なお、後に完成したキャッチーさとりは八面六臂の活躍を見せるのだが、それはまた別の機会に描かれる(事は無い)だろう。
思いつきで書いたらとんでもない事になっていました。

お燐を活躍させようと出演させたら何故か全身縛られてあんな格好をさせられ・・・。
涙目お燐美味しいです。

なお、さとりはこの事件からペットたちに「キャッチ(捕縛)さとり様」と呼ばれるようになります。
猫額
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コメント



0.780簡易評価
1.90名前が無い程度の能力削除
ちょっとにとりにさとりんロボを量産してもらってくる。
6.100名前が無い程度の能力削除
こいしちゃんロボも是非!!!
9.100名前が無い程度の能力削除
つまり空の泣き顔は続きで見られるんですね!
11.100名前が無い程度の能力削除
巫女ロボに5秒で負けそうだ。
12.90名前が無い程度の能力削除
チャッキー かと思った
14.90名前が無い程度の能力削除
ハートキャッチされちゃったんですね
21.無評価猫額削除
遅くなりましたが、まとめて返信です。

1. >量産の暁には地上など一ひねりと、にとりさんも申しております。

6. >こいしちゃんロボだと、光学迷彩を使ったステルス機能は欲しいですね。

9. >そう、多分続きに。そして多分続かない!
お空は大泣きしてすぐに泣き止みます。で、忘れてまたさとり様に叱られます。
無限ループって怖い。

11. >5秒は「何これ?良くわかんないけど取り合えず殴っとくか」に辿り着くまでの時間ですね。

12. >ひどいさとり様を見た気がしました。が気のせいですね、きっと。

14. >ハートキャッチされそうです、心臓を握られる的な意味で。