今日は、アリスが早起きして、何かイロイロ用意してる。
この前みたいなお祭りでもあるのかな?
「シャハーイ、ナンダロ?」
私は隣で一緒に座っている上海に聞いてみる。
「ナァダローネェ?」
上海もわからないと、小首を傾げる。
私も真似して首を傾げる。
「ォマツゥリ、カァナ?」
あ、私とおんなじ考えだ。
「コンドハ、イッショーガイイー」
この前はお留守番だったけど、今度は上海と一緒がいいなぁ
「ゥン、ィショガィイネェ」
私と上海のいつもの鞄を両手に持って、私達の前にアリスが戻ってきてくれた。
■□■□■
この前は、一人で寂しかったけど、今度は蓬莱と一緒がいいなぁ
「おまたせ~、はい、」
戻ってきたアリスが、
私と蓬莱にいつもの鞄を掛けてくれる。
今までの経験から予測してみる。
・・・もしかして・・・
「ォデェカケーェ?」「オデカケー?」
「ふふ、少し違うわよ」
あれ、違った。
それじゃあ、なんだろう?
「?」「?」
蓬莱と一緒に、首をクキリと傾げる。
「今日はね、お・つ・か・い、よ」
「ヲツゥカーィ?」「オツカイー?」
頭の中に、その情報はあるんだけど、中々出てこない。
うーん、なんだろう?
蓬莱と一緒に、今度は反対側に首を傾げる。
「お使いってのはね、頼まれたお仕事をして帰ってくることよ」
「ヘーェ」「ヘェー」
なるほど~、それが「おつかい」「お遣い」「御遣い」
うん、覚えた。
あ、それよりも、
「フゥタリィデデェキルゥ?」「フタリデデキルー?」
重要な事だ。
今度も一人なのかな?
蓬莱と手を繋いで聞いてみる。
「えぇ、今度は2人で一緒に行ってもらうわよ」
アリスがニッコリと笑って答えてくれた。
蓬莱と一緒に両手を挙げて、下げて、
「ィショー、ィショー、ホォラィトィショー、」「イッショー、イッショー、シャハーイトイッショー、」
2人で喜ぶ。
やったね蓬莱、一緒に「御遣い」行けるよー
うん、上海と一緒、一緒に「御遣い」に行けるー
「もう、はしゃぎ過ぎよ? 2人とも・・・・・ふふふ、」
アリスも嬉しそう。
よーし、頑張ろうね、蓬莱。
うん、上海、頑張ろうね。
■□■□■
「いいかしら、
今から言う事は大事な事だから、覚えておいてね。
1つ、御遣いの用件は、「永遠亭」で「新しいごはん」を作ってもらうよう「お願い」する事。
2つ、長旅だからお腹が空いたら「ごはん」を食べる事。
3つ、危なかったら、助けを求める事。
4つ、知らない人に着いて行っちゃダメ。
5つ、道が判らなかったら、人に聞く事。
お願いの内容が書かれた手紙は鞄にはいってるわ。
一応、道は頭の中に入ってるから大丈夫だと思うけどね。
あと、戦闘リミッターは外したけど、極力戦いは控えなさい。
鞄に入ってる「ごはん」の量だと、何度も戦えないから、ね?」
「ゥン、ワァカター」「ウン、ワカッター」
玄関先で、2人の人形に注意する事を教えておく。
うーん、2人とも、お利口だから、大丈夫よね・・・?
「ィテェキーマスゥ」「イッテキマース」
2人は意気揚々と、アリス邸を出発した。
アリスも笑顔で2人を送り出す。
だが、笑顔とは裏腹に、
「・・・うぅ、大丈夫かしら?」
心中では既に2人の人形を心配していた。
こっそり後をつけようか、と思い、
庭先でうろうろしだす。
「・・・いたッ・・・いたた・・・」
胃を痛めながら、家の中に戻ってゆくアリスだった。
・・・・親バカ、ココに極まれり