Coolier - 新生・東方創想話

ウルトララン 第七話

2005/03/20 01:21:51
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博麗神社跡地。
ここは最近、巨大妖怪とウルトラランとの戦いによって壊滅的な打撃を受け、
殆ど廃墟と化した場所だ。
もっとも、その破壊の八割は、戦いの最中巨大化した、この神社の巫女によるものが大きいが。

     霊夢「やっと、再建に着手するのね。」
     咲夜「最近、事件も無いしね。まさに、暇得隊。」

霊夢と咲夜は、今の博麗神社がどうなっているのか、それを見に来た。

     霊夢「改めて見ると、酷いもんねぇ。」
     咲夜「これじゃ、宴会どころの騒ぎじゃあ無いわね。」

時期が時期なら、雪祭りの一つでも提案しそうな連中が居そうであるが、
なんせ神社がこの有様である。
とても、そんな雰囲気ではない。

     咲夜「廃墟を背景にお酒も、風情有りそうだけどね。」
     霊夢「そんなお酒、私が泣きそうになるわよ。まったく・・・。」
     咲夜「じゃあまぁ、とりあえずは下調べからね。」
     霊夢「そうね。私はあっちを見てくるわ。」

瓦礫の撤去、新居の縄張りに作業員の手配など、課題は山積みである。
一先ず、それらの目途をつけた上で、今日は帰ろう。
そう考えていた二人であった、が。

     霊夢「あ~~~~~!!!」
     咲夜「どうしたの?」

早々に霊夢の騒々しい声が聞こえた。
咲夜はそっちの方へと向かう。
そこで、咲夜が見たモノとは・・・。

     咲夜「これは・・・・。」

 ・
 ・
 ・

    魔理沙「あ~、寒い寒い・・・・。」
     慧音「急に呼び出して・・・。何だ一体。」

数十分後、暇得隊が全員集合した。
割と久々らしいが、何日ぶりかは、知らない。

    アリス「あら、これは。」
    魔理沙「おやおや、これはまた・・・・。」
     
目の前のソレを見て、魔理沙とアリスは感嘆の声をあげる。

     永琳「あらあら、何なのかしら、これは。」
     慧音「何だよ、これは。」

慧音や永琳には、何がなんだかよく分からない。

     萃香「ウ~ン、ムニャムニャ・・・・・。」

目の前のソレは、気持ちよさそうに眠っていた。

     咲夜「伊吹萃香。見てのとおり、鬼よ。」

わからない面子向けに、咲夜が簡単に説明した。
伊吹萃香は、幻想郷に存在する鬼である。
酒好き宴会好きの彼女の能力は、萃めたり散らしたりする能力だ、と。

     慧音「見ての通りと言われてもピンとは来ないが、そうなのか?」
    魔理沙「ああ、そうだぜ。」
     永琳「あ~、そういえば鬼の存在なんて、すっかり忘れてたわね。」
     慧音「う~ん・・・。俄かには信じ難いが。」
    アリス「この角、この不条理。何よりの証拠よ。」
     慧音「しかしなぁ。鬼って、こんなでかいモノなのか?」

見た感じ、今の萃香は暇得隊の面々より、かなりデカい。
いや、ただデカいだけではない。

     霊夢「別に、これがデフォルトって言ってはいないわ。」
     咲夜「本来なら、うちのお嬢様とどっこいくらい・・・。
        まぁ、お嬢様の方が、美貌気品、全てにおいて上ですけど。」
    魔理沙「しかしまぁ、問題は。」
    アリス「このデカさよねぇ・・・。」

萃香のスペルには、自らを巨大化させるモノがある。


 ドーーーーン!!


という感じの効果音が似合う程に、でっかくなれる技なのだが、
今の萃香はソレにも増してデカい。
そんなデカいもの、何で飛んでくるときに気付かなかったのか、
それはこの際置いておこう。

     萃香「グ~~~~~・・・・・。」

こうもデカけりゃ、寝息も嚊。
近所迷惑甚だしいのである。
・・・いや、周りには何も無いわけだが。

     咲夜「何で、こんな場所で寝てるのかしらね。」
     霊夢「こんな場所言うな。」
    魔理沙「この季節だ。ひな祭りやら雪溶け祭りでも、やらかすつもりだったんじゃないか?」
     咲夜「ところがどっこい。神社はこの様。霊夢も居ない。」
    アリス「で、その内帰ってくると思って待ってるうちに、何時の間にか寝ちゃった、と。」
     咲夜「で、寝てるうちに色々萃めちゃったんでしょうね。」
     霊夢「何萃めたのよ、ほんとに・・・。」

大方、そんなところであろうと、推理した。
が、推理したところで現状が打開できるわけでもないので・・・。

     咲夜「とりあえず、この萃香を・・・・。」
    アリス「『スイカドン』。」
     咲夜「・・・として、処理することにします。」

巨大化しっぱなし萃香、『スイカドン』を、神社の敷地から動かすことにした。

    魔理沙「とは言うものの。」
     慧音「どうしたものやら・・・・。」 

まず、普通に動かそうにも、動くはずが無い。
巨大化した萃香が、そのまま一連の事件のごとく怪獣化した姿が、スイカドンなのだ。
そのデカさ、そして重さは半端なものではなく、か弱い少女達の手に負えるものではない。
  
     咲夜「まずは単純に、叩き起こしてみるかしら。」

まずは咲夜が、最も穏便であろう手段を試みた。

     咲夜「ほら、朝よ。起きなさい。」     
  スイカドン「ウウー・・・・・。」
     咲夜「こんなところで寝たら風邪・・・、は引かないと思うけど、とにかく起きなさい。」
  スイカドン「ウ~・・・・。」

囁こうが揺さぶろうが、ナイフでツンツン突っついてみようが、
スイカドンが起きる気配は一向に無い。

  スイカドン「ゲフウ。」

いきなりスイカドンが、息を吐いた。

     慧音「うわっ!酒臭い!」

酒臭い萃香の息に、一瞬たじろぐ暇得隊。

     咲夜「これは駄目だわ。ちょっと
     永琳「それじゃあ、これでも。」
     霊夢「それは?」
     永琳「人畜無害な爆薬よ。」

永琳が、怪しげな薬瓶を出してきた。

  スイカドン「フア~~・・・。」
     永琳「よいしょ!」


 ぽいっ!


スイカドンが口を開いた。
永琳はその時を見逃さず、中に爆薬を放り投げた!

     永琳「3、2、1・・・。」


 どっか~~~ん!!


爆薬はスイカドンの口の中で、大爆発を起こした。

     永琳「どう・・・・?」
  スイカドン「ブハー。」

反撃とばかりに、スイカドンが火を吹いた!

    魔理沙「うわちゃちゃちゃ!」
     霊夢「熱い熱い!」
     咲夜「退却!」

思わぬ反撃を受けて暇得隊は、後方に下がった。
     
     永琳「これでも駄目なの?」
     慧音「益々もって、滅茶苦茶だな。」

口の中に爆薬を投げ込もうがどうしようが、スイカドンは目覚めない。

     霊夢「あ~もう!これじゃ建て直しが出来ないじゃない!」
    アリス「建て直すな、ってことかしらね?」
     霊夢「冗談じゃないわよ!魔理沙、ウルトララン呼んできて!」
    魔理沙「!?」

いきなり話を振られて、びっくりする魔理沙。

      藍(こいつ、まさか・・・。)
    魔理沙「(い、いや。ただの偶然だろうさ・・・。多分。)」

今の霧雨魔理沙は、所謂ウルトラランである。
毎度毎度、『三分経つとスッパテンコー』の恐怖と向き合い、戦うウルトララン。
万が一、『魔理沙=ウルトララン』という図式が周囲にバレて、
尚且つ時間切れでスッパテンコーという凶行に及んでしまったとすると・・・。
そんなこと、魔理沙は考えたくも無かった、考えるべきでは無い。

    魔理沙「・・・何で私なんだ?」
     霊夢「何でって・・・・。何となくよ。」
    魔理沙「無茶言うな。紫を呼ぶより難しいんじゃないか?」
     霊夢「あ、紫が居たわ・・・・って、まだ冬眠してたわね。」

とりあえず、話題は反らしたことで、魔理沙はほっとした。
その間にも他の隊員達が、あの手この手でスイカドンを起こそうとしたようだが、
兎にも角にも一向に起きる気配が無い。

  スイカドン「グ~・・・・。」
     咲夜「ふぅ・・・。これじゃあ、処理なんて言ってる余裕は無いわね。」
     霊夢「じゃあ、どうするのよ?」
     咲夜「せめて復興作業が出来るように、ここから退散してもらうしか無いでしょうね。」

そう言うと咲夜は、ひょいと魔理沙を抱えると、スイカドンの前に持っていった。
「お?」と言う暇しかなく、魔理沙は現状で最も危険な位置へと来てしまったのだ。

     咲夜「ええと、魔理沙をここに置いて、準備完了、と。」
    魔理沙「おい。こんなところに持って来て、私に何をしろって言うんだ?」
     咲夜「マスタースパークの時の風を利用して、こいつをずらしてやって頂戴。」
    魔理沙「そうそう上手くいくもんかね。」

魔理沙は文句を垂れるが、他に有効な手段が見つかるわけでもない。
渋々、マスタースパークの詠唱に入る魔理沙。
と、そのときである。


 グググ・・・・


スイカドンの腕が動いた。

    魔理沙「いくぜ。マスタースパー・・・。」
     永琳「あ。」

永琳が気づいたとき、その腕は、


 ブン!!


 ドッカーーーン!!


    魔理沙「だぁあああああ・・・・・・・。」


 きらーん☆


豪快に魔理沙をぶん殴った!     
魔理沙は彼方にぶっ飛ばされ、お空の星になってしまった・・・。

     永琳「危ないわよ。」
    アリス「遅いってば。」

永琳の警告は、遅過ぎたようだ。

     咲夜「打つ手なしよ。あきらめなさいな。」
     霊夢「簡単にあきらめないでよ!」

最早打つ手なし、と思われたそのとき!

 ウルトララン「ヘア!」


 すたっ!


空の彼方から、ウルトラランが現れた。

     霊夢「あ、ウルトララン。」
     咲夜「手伝いに来てくれたの?」
 ウルトララン「ヘア!」
     慧音「それじゃあ頼む。私たちには、手に負えんみたいだ。」
 ウルトララン「ヘア!」

ウルトラランは、スイカドンの方を向いた。
そして、パンチを繰り出した!

 ウルトララン「ヘア!」


 ぽこ!


 ウルトララン「!?」
  スイカドン「ウ~ン・・・・。」

が、軽い音がしただけであった。
スイカドンは、平然と眠ったままだ。

 ウルトララン「デュワ!」

懲りずにウルトラランは、パンチを繰り出した!


 ぽこ!


 ウルトララン「シュワッチ!」


キックも繰り出した!


 ぽこ!


 ウルトララン「ヘア!ジュワッチ!ヘア!ヘア!デュワ!」


 ぽか!


 ぽか!


 ぽか!


 ぽこ!


 ぽこ!


叩こうが殴ろうが蹴ろうが、全く効果が無い。
虫が止まった程度にも、スイカドンは感じていないらしい。


 テンコー!テンコー!


 ウルトララン「!」

そうこうしているうちに、テンコータイマーが鳴り出した。


 改めて説明しよう!
 巨大化した八雲藍ことウルトラランは、その強大な力と巨大化の代償として、
 変身から三分経つと理性を失い、猛烈にスッパテンコーしたくなってしまうのだ!!
 テンコータイマーの音は、スッパテンコー1分前の危険シグナルだ!
 今回、出てきたのはいいが、まるで役に立ってない。
 このままでは、ただスッパテンコーしに来たようなものになってしまう!
 それは情けないぞ!恥ずかしいぞ!ウルトララン!!


 テンコー!テンコー!


     霊夢「ちょっと!時間が!」
    アリス「どうするのよ。ウルトララン。」

外野五月蝿い、と思いつつ、ウルトラランがとった行動、それは・・・。

 ウルトララン「ジュワッチ!」


 ギュルルルルル!!


戦略的撤退。
ウルトラランは、空の彼方に飛び去っていった・・・。

     霊夢「あ~!逃げた!」

傍から見れば、普通に敵前逃亡である。
結局神社の敷地内には、スイカドンと、魔理沙を欠いた暇得隊が残された。

     永琳「う~ん、仕方ないわね。」

永琳が、そう切り出した。

     咲夜「何か、いい手でも?」
     永琳「こっちとしては、穏便に事を進めたかったんだけどね。」
     慧音「爆薬なんか口の中に放り込んでおいて、何が穏便だよ。」
     霊夢「もったいぶってないで、手があるなら早く何とかして。」

霊夢に急かされるままに、永琳は懐に手をやる。
程無くして出てきたのは、一粒の弾薬・・・、ではなく、丸薬である。

     永琳「これは新開発の、風船丸薬。これを飲むと・・・・。」

永琳は怪しげな丸薬を、スイカドンの口の中に放り込んだ。
すると・・・。


 ぷく~~~~


     永琳「あら不思議。身体が風船になってしまうの。」
  スイカドン「グ~・・・・。」

スイカドンのお腹が、パンパンに膨れ上がってしまった。
見たところは、満腹で寝ているようにしか見えないが、スイカドンは風船になってしまったのだ!


 ふわ~・・・


     霊夢「あ、スイカドンが。」
     
眠ったままのスイカドンは宙に浮き、風に流されるままに飛んでいってしまった。

     永琳「はい、これで万事解決。」
     霊夢「あ~よかった。一時はどうなることかと思ったけど。」
     慧音「まてまて。神社のことは解決したけど、飛んでいったアレはどうするんだ?」
     永琳「ほっとけば薬が切れるわよ。」
     慧音「じゃなくて。里とか永遠亭の真上で薬が切れたら、どうなると思ってるんだ?」
     永琳「あ、それもそうね。」

ぽんっ、と手を叩く永琳。

     永琳「それじゃあ、アレの監視は私がやるわ。何かあったら連絡する。」
     慧音「何事か無いことを祈るよ。」

永琳は、風船となったスイカドンの追跡に向かった。

     咲夜「さて、と。折角皆集まったんだし。」
     霊夢「神社の再建、手伝ってもらうわよ。」
    アリス「ん~、まぁ、乗りかかった船ってことで。」
     慧音「どう見ても沈没寸前だけどな。」
     
残りの面子は、神社の再建のためのプランを練ることにした。
縄張り、建築材の確保に人夫の手配と、考えなければならないことは結構多い。
暇得隊の面々は、一旦紅魔館に戻ることにした。

 ・
 ・
 ・

さて紅魔館。

     咲夜「・・・・以上が、博麗神社再建プランだけど・・・・。聞いてる?」

咲夜が、博麗神社再建のための計画を、皆に説明しているところであったが。

    魔理沙「やれやれ、酷い目に遭ったぜ。」
    アリス「何時帰ったのよ。ほんと、あんたもしぶといわねぇ。」
     慧音「そこまで丈夫だと、本当に人間かどうか疑いたくなるよ。」
     霊夢「咲夜、お茶おかわり。」

まるで聞いてない様子だ。

     咲夜「聞いてないみたいね。」
    魔理沙「あ~?ちゃんと聞いてるぜ。」
     霊夢「とりあえず人員は、今ここに居る捕虜を総動員。」
     咲夜「あんたたちも働くのよ。」
    アリス「材木その他は、紅魔館から徴収。」
     咲夜「他の所からも巻き上げます!」
     慧音「作業予定日は百年後。」
     咲夜「全ての目処が立ち次第!揃いも揃って何も聞いてないんだから!」

どうにもこんな面子では、会議なんか紛糾して当たり前のようである。
そんな、暇得隊に、

     永琳『もしもし。こちら永琳。本部聞こえる?』

永琳から、連絡が入った。

     咲夜「聞こえるわ。どうしたの?」
     永琳『そろそろ薬が切れるわ。』
    アリス「それがどうしたの?」
     永琳『現在位置。魔法の森上空ね。』
    魔理沙「何!?」
    アリス「なんですって?」

魔法の森には、魔理沙の家とアリスの家がある。
二人は驚いて、水晶玉を見る。

    アリス「ねえ!落下予定地は何処!?」
     永琳『下には・・・、ええと。』

永琳は、下を見て、一言。

     永琳『見た感じ、魔理沙の家・・・・。』
    魔理沙「何ぃぃいいい!!」

魔理沙は一目散に、外へと向かった。

     永琳『は無いから安心して。』
     慧音「おい、わざと言っただろ?」
     永琳『ん?どうかした?』
     咲夜「魔理沙がそっちにすっ飛んで行ったわ。」
    アリス「あ~あ。人の話を最後まで聞かないから。」
     咲夜「でもまぁ、何も無いなら安心ね。」
     霊夢「咲夜、お茶おかわり。」
     咲夜「ちょっとくらい話題に乗ってきなさいよ。」

その後も暫く紅魔館では、お茶を飲みつつのんびりと、神社の再建計画が進んでいたそうな。

 ・
 ・
 ・

で、慌てて飛び出した魔理沙は、

    魔理沙「このままじゃ間に合わねぇ!変身だ!」

早速ウルトラランに変身しようと、懐に手をやった。
そして、その手を出して!

      藍(間違ってティースプーンを掲げたりしたら・・・。怒るよ?)
    魔理沙「・・・・。」

直ぐに引っ込めた。

    魔理沙「へん・・・しん!」

魔理沙は、スペルカードを天高く掲げた!
              
 ウルトララン「ジュワッチ!」

本日二度目の変身だ。
今度は退くわけには行かない。

    魔理沙(ウルトララン!零距離移動!)
 ウルトララン「シュワ!」

ウルトラランの瞬間移動!
プリンセステンコーテーションだ!

 ウルトララン「ヘアーー!!!」
     永琳「ウルトララン!?」

移動は一瞬!
何の前触れもなく突然現れたウルトラランに、現場の永琳はちょっと驚く。


 ゴォォォォォォォ!!!


ウルトラランは腕を伸ばし、スイカドンに突貫する!
まだ薬が切れないうちに、スイカドンを遠くへ運ぶつもりだ!

    魔理沙(行けえ!)

ウルトラランの手が、スイカドンに触れた!
次の瞬間!!


 パァァァァァァアアアアン!!!!


風船化していたスイカドンは、豪快に破裂してしまった。

 ウルトララン「!!?」
    魔理沙(なっ!?)    

驚愕するウルトラランと、中の魔理沙。
何故ならウルトラランは、超高速でスイカドンに突進した。
しかし、何の抵抗も無く、あっさり割れてしまったスイカドン。
つまり、減速することが出来なかったウルトラランは、
そのままのスピードで、上方へと昇っていってしまったのだ!

    魔理沙(おい!何とかして止めろ!)
 ウルトララン「(ふん、プリンセス天狐で脱出してやるさ)」

ウルトラランが身構えた、そのとき!


 ガン!


 ウルトララン「ブッ!」

ウルトラランに、スイカドンが持っていた瓢箪が飛んできた!
そのせいで、準備動作その他が、全て無効になってしまった。

     永琳「・・・次にあなたは、『これも計算のうちか、永琳』と、心の中で思う。」
 ウルトララン「(これも計算のうちか!八意永琳!!)」
    魔理沙(いや、それは無いんじゃないか?)
  
ウルトラランは急には止まれない。
ぐんぐんと高度を上げてゆくウルトララン。
 
 ウルトララン「ク、クルシ・・・イ・・・・。」

上方に行くほどに、空気は薄くなる。
それでもウルトラランは止まることなく、遂に・・・・。

 ウルトララン「・・・・・・。」

 
 
 







ウルトラランは2度と地球へは戻れなかった・・・・・。






怪獣と式神の中間の生命体となり未来永劫宇宙をさ迷うのだ。







そしてスッパテンコーしたいと思っても出来ないので、






そのうちウルトラランは、考えるのをやめた・・・・・。



















 うそ











    魔理沙「・・・・・あ~。」

魔法の森。
霧雨魔理沙は、そこに居た。

      藍(・・・・生きてる?)
    魔理沙「何とか・・・。」

超高速で上昇していったウルトラランは、
このまま月まで行ってしまうのではないかと思われた。
しかし、ここは幻想郷。
ウルトラランは、幻想郷を覆う巨大な結界に、正面から衝突してしまったのだ。
そしてショックで気を失い、ここまで落下してきたわけだ。

    魔理沙「・・・私の身体は、どうなった?」
      藍(言わずもがな。本来なら五体バラバラだよ・・・。)
    魔理沙「そうか。」

完治にまた一歩、遠のいた。

    魔理沙「仕方ない。今日は帰るか・・・。」

今日は厄日だな。こんな日は、さっさと寝るに限る。
そんなことを思いながら、魔理沙は被害の無かった我が家へと帰って行った・・・。

 ・
 ・
 ・

一方、紅魔館。
会議も終わり、咲夜と居候の霊夢以外の隊員は、とっくに帰っていた。
静かになったそんなとき、来客があった。
      
     萃香「やっほ~。元気~?」

元に戻った伊吹萃香だ。
風船状態から豪快に破裂したはずだが、何のことは無い。
普通に、自身を散らしただけなのだ。

     霊夢「あら、元に戻ったのね。」
     萃香「元に?・・・まぁ、いつの間にか、ちょっと散ってしまったみたいだけどね。」
     霊夢「いや、そっちじゃなくて。」
     咲夜「まぁどうでもいいけど、丁度良かったわ。」
     萃香「ん?」
     霊夢「迷惑かけた分は、働きなさいよってことよ。」

霊夢と咲夜は、萃香に事情を説明した上で、萃香に協力を依頼した。

     萃香「なるほど。神社があんなんなったのは、8割方霊夢のせいなのね。」
     霊夢「もう弁解も何もしないけど。」
     萃香「でも、そういうことなら協力するよ。このままじゃ宴会どころの騒ぎじゃないからね。」

萃香の萃める力を使えば、人員だろうが材木だろうが、あっという間に萃まるはずである。
こうして博麗神社は、再建に一歩近づいたのである・・・。


 つづく

七話目です。
このお話の元ネタ、濃すぎて全部再現しきれませぬ・・・。
その変わりに、ということじゃないけど、アレの第二部を練り込んで・・・。

これの連載を始めたのが、去年のこと。そして、ここにきて萃香。私が、いかに何も考えず連載を始めてしまったかが窺えます。先のことは、もうちょっと考えなきゃなぁ・・・。
Piko
[email protected]
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コメント



0.980簡易評価
8.60シゲル削除
待ってましたとゆう感じですね。
「人畜無害な爆薬よ。」←のセリフに笑いましたね。
この次も頑張ってください♪

11.70名前が無い程度の能力削除
そういえば隊員が間違ってスプーンを掲げる回がありましたね。
26.100名前が無い程度の能力削除
いいよいいよ