【―――No.1 ルナサ・プリズムリバー】
妹たちについて聞きたい? 鴉天狗のあなたが?
……まぁ、別にいいけれど。あまり面白い話ではないわよ?
そうね、何から話したらいいかしら。
私には妹が二人いるわけだけれど、どちらも自己顕示欲が強くてね。
メルランもリリカも、二人とも独自の演奏に走りたがるからあわせるのが大変。
でも、そんな二人の音が私は好きなのよ。
だからこそ、注意はしても強くは言わない。
その独自の演奏こそが、彼女たちの個性だから。
その独自の音があるからこそ、私たちは三人そろって初めて合奏が生きていくのよ。
それに、姉だからこそ、妹たちのわがままは聞いてあげたい。できるだけ自由にしてあげたい。
甘いと思われるかもしれないけどね、姉になるってそういうことだと思うの。
どう? 面白い記事は書けそうかしら?
そう、それならいいのだけど。今度はゆっくり、私のヴァイオリンでも聴いてほしいわ。
【―――No.2 秋静葉】
あら、鴉天狗じゃない。今日もゴシップ記事を作るのにあちこち忙しそうね。
違うって? 私たちから見ればあんなのゴシップ以外の何物でもないわよ。少しは反省したらどうなの?
……する気は無しか。まぁ、そんなことだろうとは思ったけれど。
ん? 妹について?
うーん、あんまり面白い話でもないわよ?
そうねぇ、何から話したらいいのかしら。
あの子は豊穣をつかさどる神様なのは、知ってるわよね?
だから、あの子は人間に結構信仰されるのよね。収穫が見込めないと飢餓になっちゃうから、当たり前だけどさ。
そのことでね、たまーに天狗になるのよね。威張りくさるっていうかさぁ。
……天狗はそんなのばかりじゃないって? ……本当かしら?
まぁ、それはともかく、そうなるとやっぱり喧嘩しちゃうわけよ。口喧嘩に始まって、終いには弾幕ごっこ。
でも、結局その後で仲直りしちゃうから、仲はいいんでしょうね。あんまり自覚はないけどさ。
それに、あの子って意外とスタイルいいのよ? 豊穣だけに。
こう近年は辛抱たまらなくなったって言うかさ―――
【―――No.3 古明地さとり】
妹についてどう思うか……ですか。
そのために長居したくない覚妖怪の元に訪れるなんて、あなたも物好きですね。
……えぇ、褒めているのですよ。その蛮勇、どこまで続くか楽しみですが。
それはそうと、こいしの話でしたね。
あまり面白い話でもないですが、……正直、どう接していいのかわかりかねてますよ。
あの子が目を閉じてしまったのには、私にも原因があるでしょうからね。
不甲斐ない姉を、あの子がどう思っているのか。私は、それを知るのが怖いのです。
私は、あの子のことを大事に思ってます。だからこそ、私はあの子の心を守れなかった自分が許せない。
あの子は、目を閉じて以降は笑うようになりました。けれども、覚妖怪としては、それは結局逃げにしかならない。
ふらふらと出て行ってしまったあの子を、こうやって待ってあげることしかできない私では、そのことに気づかせてあげるのは時間がかかりそうですが。
ふふ、あなたにしては珍しいですね。慰めてくれるなんて。
何も言っていない? 心がそう言ってくれてますよ。意外と、やさしいのですね。
おや、顔が赤いですがいかがいたしましたか? 貴女らしくないのではないですか?
もう帰る? そうですか、これからこいしのかわいい所を100時間にわたって語りつくそうと思っていましたのに。
え、結構ですか。そうですか。
……しょんぼり。
【―――No.4 綿月豊姫】
あら、こんにちわ。貴女は地上の妖怪?
もしかして、妹が言っていたのは貴女の事かしら?
気合と根性でまた月に来たのね。すばらしいわ。
あ、桃食べる? え、いらない? そう……残念。
うーん、妹のことねぇ。
あの子ってね、真面目すぎるのよね。それでいて自分にも他人にも厳しいから、結構遠慮されてるみたい。
周りからは鬼教官なんて言われてねぇ、あの子ちゃんと結婚とかできるのかしら?
でもま、そこがあの子のいいところでもあるわ。
あの子は真面目だからからかうととても楽しいし、なんだかんだと言っても付き合ってくれるし。
つまり、なんだかんだでかまってほしいのよね、あの子は。
それに、面倒見はいい子だからね。厳しすぎるって評判だけど、部下思い出もあるのよ、あの子は。
あら? なにか不満そうね。
なんでもない? こちらの気分の問題?
そう……ならいいのだけど。
……桃食べる?
【―――No.5 幻月】
あ、鴉天狗だわ。こんなところにくるなんて、何かあったの?
……あ、わかった!! 私と遊んでくれるのでしょう!!? じゃ、早速―――え、違う?
なーんだ。じゃあ、何のようで私のところにまで来たのよ。
夢月のこと? 私がどう思ってるか聞きたいって?
そんなのもっちろん、大好きに決まってるじゃない!
私がいるからこそ夢月がいて、夢月がいるからこそ私がある。
いい、鴉天狗。私たちはね、二人で一人前なのよ。
私に足りないものは夢月が持っていて。
あの子に足りないものは私が持っている。
だから、二人で一人前。私とあの子、二人一緒だからこそ、前へ進めるのよ。
ほかには何もいらない。私にはあの子さえいれば、世界が滅んだってかまわない。
だって、私はあの子さえいればずっと生きていける。ずっと笑ってられるんだもの。
……ん? 夢月がもし結婚することになったらって?
そんなの、決まってるじゃない。
殺すわ。
私から夢月を奪うやつは誰だろうと許さない。
私からあの子を引き離すやつは、どんな奴だって八つ裂きにしてあげるわ。
あの子は私の大事な大事な妹よ。この世に二人といない、世界で最愛の妹。
私から妹を奪おうとする奴はみんな敵よ。そんな奴は一人残らず殺してやる。
四肢を潰し、目を抉り、頭蓋を砕き、脳漿を撒き散らし、バラバラに刻んでぶちまけてやるのよ。
そうよ、あの子に手を出す奴はみんな死んじゃえばいい。
私が全部全部ゼンブ、粉々になるまでスリツブシテやるんだから。
あは、あははははははは!! そうよ、みんなみんなシネばいい!! 夢月に関わろうとする奴はみんな死ね! 死んでしまえばいいんだわッ!
……あれぇ、鴉天狗ぅ、どこいくのぉ?
あのねぇ、私ねぇ、体が熱ってきちゃったのぉ。
だぁかぁらぁさぁ―――、私と遊んでよぉ鴉天狗ぅ!!
アハハハハハハハハハハハハハハハ!!
さぁ、楽しい楽しい弾幕ごっこよぉ。あれ、これじゃ追いかけっこかなぁ。
まぁ、いいやぁ。
夢月に関わろうとするオマエも、ここで死ネッ!!
【―――No.6 レミリア・スカーレット】
……なんかくたびれてるね、何かあったのかい鴉天狗?
……ん? 究極のシスコンに追いかけられた?
馬鹿を言うんじゃないよ鴉天狗、私以上のシスコンなんてこの世にいるんものか!!
……ちょっと、何よその「知らないっていいですね」みたいな目は。
コホン、ならば私がどれだけシスコンなのかを、この場でありがたく語りつくしてあげるわ。
そうねぇ、何から話したらいいかしら。
まぁ、ひとついえることは、私はあの子のすべてを愛してるってことよ。
素直じゃないあの性格も、あの赤い目も、金紗のような髪も、すべてが愛しいあの子の特徴。
あの独特な翼も、私の両親は嫌っていたけどね、それでも私にとってはそれも愛しいあの子の一部でしかない。
それに、何よりあの子っていい匂いがするのよね。
傍にいると匂いをかぎたくなるというか、擦り寄りたくなるというか、むしろ押し倒したくなるというか。
だからね、私があの子のドロワを盗むのも自然の摂理なの、うん。
うーん、この香り。デリシャス。
……え、後ろ見ろって?
何を言ってるのよ鴉天―――ゲェッ!!? フラン!!?
ちょ、ちょっとまって。これには深い訳がぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
【―――No.7 聖白蓮】
あら、鴉天狗さん。今日もお勤め、ご苦労様です。
……ずいぶん疲れてますね。お茶と和菓子でもいかがですか?
あらあら、泣いて喜ばれてしまうとは思いませんでした。なにか、よっぽど嫌な事でもあったのですね。
私でよければ、相談に乗りますよ?
……はぁ、妹の話を聞きに各地へ……ですか。それでひどい目にあったんですね。
私にも弟がいましたけど、そういえば結構お姉さんって多いですよね、幻想郷は。
あら、弟の話が聞きたい?
ふふ、仕事熱心ですね。いいですわ、お話しましょう。
といっても、あまり面白い話ではありませんけどね。
弟はよく出来た子でした。
私も昔は人間だったわけでして、あの子は立派に勤めを果たしていた。
それでも、私と二人きりになるとよく甘えてきてくれましてね、恥ずかしいと思う反面、嬉しいとも思いましたわ。
年をとると、そういう機会も減ってきたし、あの子も自立してしまったから、少し寂しくもなりましたけどね。
でも、結局あの子は私より先に死んでしまって。
その時ですね、私が死を恐れるようになったのは。
死を恐れ、妖怪の法に手を染めて、若返った後はその力を維持するために妖怪を助けて。
そこで、私は力なき妖怪たちが虐げられているのを知ったのです。このままではいけないと思ったのも、ちょうどその頃かしら。
……と、これでは弟の話になりませんね。すぐに話が脱線してしまうのは、私の悪い癖です。
意外でしたか? 私が私利私欲で妖怪たちを助けていたことが?
私はね、鴉天狗さん。皆の言うような聖人君主ではないの。
人と妖怪の平等は心からの本心よ。
でも私は結局、私利私欲におぼれた、愚かな人間の成れの果てに違いはない。
それでも、そのことを知っても、あの子達は私のことを慕ってくれる。
そのことが嬉しいと、心のそこから思う。
でもね、弟が今の私を見たら―――あの子は、なんと言うのかしら。
……ごめんなさい。辛気臭い話をしてしまいましたね。
ちょっと待っててください、傷の手当もして差し上げましょう。
ふふ、こんなときぐらい、頼ってくれたっていいんですよ? 遠慮する必要なんてありません。
さぁ、服を脱いでください。まずは、その背中の火傷から。
▼
一通りの資料をまとめ終え、所々包帯で治療された射命丸文はにっこりと微笑んだ。
自分が書き終えた記事をそっと置き、彼女はすっと立ち上がると。
「全員両想いじゃねぇかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
妖怪の山を揺るがす大音量の叫びと共に、もろとも感じていた鬱憤をついに爆発させた。
うきぃぃぃぃ!! と嫉妬パワーでエクソシストブリッチを決めていた文は、ふとある事実に気がつくと即座に立ち上がり。
「よし、ひじりんと結婚しよう!!」
そんなわけで文は聖と結婚した。
妹たちについて聞きたい? 鴉天狗のあなたが?
……まぁ、別にいいけれど。あまり面白い話ではないわよ?
そうね、何から話したらいいかしら。
私には妹が二人いるわけだけれど、どちらも自己顕示欲が強くてね。
メルランもリリカも、二人とも独自の演奏に走りたがるからあわせるのが大変。
でも、そんな二人の音が私は好きなのよ。
だからこそ、注意はしても強くは言わない。
その独自の演奏こそが、彼女たちの個性だから。
その独自の音があるからこそ、私たちは三人そろって初めて合奏が生きていくのよ。
それに、姉だからこそ、妹たちのわがままは聞いてあげたい。できるだけ自由にしてあげたい。
甘いと思われるかもしれないけどね、姉になるってそういうことだと思うの。
どう? 面白い記事は書けそうかしら?
そう、それならいいのだけど。今度はゆっくり、私のヴァイオリンでも聴いてほしいわ。
【―――No.2 秋静葉】
あら、鴉天狗じゃない。今日もゴシップ記事を作るのにあちこち忙しそうね。
違うって? 私たちから見ればあんなのゴシップ以外の何物でもないわよ。少しは反省したらどうなの?
……する気は無しか。まぁ、そんなことだろうとは思ったけれど。
ん? 妹について?
うーん、あんまり面白い話でもないわよ?
そうねぇ、何から話したらいいのかしら。
あの子は豊穣をつかさどる神様なのは、知ってるわよね?
だから、あの子は人間に結構信仰されるのよね。収穫が見込めないと飢餓になっちゃうから、当たり前だけどさ。
そのことでね、たまーに天狗になるのよね。威張りくさるっていうかさぁ。
……天狗はそんなのばかりじゃないって? ……本当かしら?
まぁ、それはともかく、そうなるとやっぱり喧嘩しちゃうわけよ。口喧嘩に始まって、終いには弾幕ごっこ。
でも、結局その後で仲直りしちゃうから、仲はいいんでしょうね。あんまり自覚はないけどさ。
それに、あの子って意外とスタイルいいのよ? 豊穣だけに。
こう近年は辛抱たまらなくなったって言うかさ―――
【―――No.3 古明地さとり】
妹についてどう思うか……ですか。
そのために長居したくない覚妖怪の元に訪れるなんて、あなたも物好きですね。
……えぇ、褒めているのですよ。その蛮勇、どこまで続くか楽しみですが。
それはそうと、こいしの話でしたね。
あまり面白い話でもないですが、……正直、どう接していいのかわかりかねてますよ。
あの子が目を閉じてしまったのには、私にも原因があるでしょうからね。
不甲斐ない姉を、あの子がどう思っているのか。私は、それを知るのが怖いのです。
私は、あの子のことを大事に思ってます。だからこそ、私はあの子の心を守れなかった自分が許せない。
あの子は、目を閉じて以降は笑うようになりました。けれども、覚妖怪としては、それは結局逃げにしかならない。
ふらふらと出て行ってしまったあの子を、こうやって待ってあげることしかできない私では、そのことに気づかせてあげるのは時間がかかりそうですが。
ふふ、あなたにしては珍しいですね。慰めてくれるなんて。
何も言っていない? 心がそう言ってくれてますよ。意外と、やさしいのですね。
おや、顔が赤いですがいかがいたしましたか? 貴女らしくないのではないですか?
もう帰る? そうですか、これからこいしのかわいい所を100時間にわたって語りつくそうと思っていましたのに。
え、結構ですか。そうですか。
……しょんぼり。
【―――No.4 綿月豊姫】
あら、こんにちわ。貴女は地上の妖怪?
もしかして、妹が言っていたのは貴女の事かしら?
気合と根性でまた月に来たのね。すばらしいわ。
あ、桃食べる? え、いらない? そう……残念。
うーん、妹のことねぇ。
あの子ってね、真面目すぎるのよね。それでいて自分にも他人にも厳しいから、結構遠慮されてるみたい。
周りからは鬼教官なんて言われてねぇ、あの子ちゃんと結婚とかできるのかしら?
でもま、そこがあの子のいいところでもあるわ。
あの子は真面目だからからかうととても楽しいし、なんだかんだと言っても付き合ってくれるし。
つまり、なんだかんだでかまってほしいのよね、あの子は。
それに、面倒見はいい子だからね。厳しすぎるって評判だけど、部下思い出もあるのよ、あの子は。
あら? なにか不満そうね。
なんでもない? こちらの気分の問題?
そう……ならいいのだけど。
……桃食べる?
【―――No.5 幻月】
あ、鴉天狗だわ。こんなところにくるなんて、何かあったの?
……あ、わかった!! 私と遊んでくれるのでしょう!!? じゃ、早速―――え、違う?
なーんだ。じゃあ、何のようで私のところにまで来たのよ。
夢月のこと? 私がどう思ってるか聞きたいって?
そんなのもっちろん、大好きに決まってるじゃない!
私がいるからこそ夢月がいて、夢月がいるからこそ私がある。
いい、鴉天狗。私たちはね、二人で一人前なのよ。
私に足りないものは夢月が持っていて。
あの子に足りないものは私が持っている。
だから、二人で一人前。私とあの子、二人一緒だからこそ、前へ進めるのよ。
ほかには何もいらない。私にはあの子さえいれば、世界が滅んだってかまわない。
だって、私はあの子さえいればずっと生きていける。ずっと笑ってられるんだもの。
……ん? 夢月がもし結婚することになったらって?
そんなの、決まってるじゃない。
殺すわ。
私から夢月を奪うやつは誰だろうと許さない。
私からあの子を引き離すやつは、どんな奴だって八つ裂きにしてあげるわ。
あの子は私の大事な大事な妹よ。この世に二人といない、世界で最愛の妹。
私から妹を奪おうとする奴はみんな敵よ。そんな奴は一人残らず殺してやる。
四肢を潰し、目を抉り、頭蓋を砕き、脳漿を撒き散らし、バラバラに刻んでぶちまけてやるのよ。
そうよ、あの子に手を出す奴はみんな死んじゃえばいい。
私が全部全部ゼンブ、粉々になるまでスリツブシテやるんだから。
あは、あははははははは!! そうよ、みんなみんなシネばいい!! 夢月に関わろうとする奴はみんな死ね! 死んでしまえばいいんだわッ!
……あれぇ、鴉天狗ぅ、どこいくのぉ?
あのねぇ、私ねぇ、体が熱ってきちゃったのぉ。
だぁかぁらぁさぁ―――、私と遊んでよぉ鴉天狗ぅ!!
アハハハハハハハハハハハハハハハ!!
さぁ、楽しい楽しい弾幕ごっこよぉ。あれ、これじゃ追いかけっこかなぁ。
まぁ、いいやぁ。
夢月に関わろうとするオマエも、ここで死ネッ!!
【―――No.6 レミリア・スカーレット】
……なんかくたびれてるね、何かあったのかい鴉天狗?
……ん? 究極のシスコンに追いかけられた?
馬鹿を言うんじゃないよ鴉天狗、私以上のシスコンなんてこの世にいるんものか!!
……ちょっと、何よその「知らないっていいですね」みたいな目は。
コホン、ならば私がどれだけシスコンなのかを、この場でありがたく語りつくしてあげるわ。
そうねぇ、何から話したらいいかしら。
まぁ、ひとついえることは、私はあの子のすべてを愛してるってことよ。
素直じゃないあの性格も、あの赤い目も、金紗のような髪も、すべてが愛しいあの子の特徴。
あの独特な翼も、私の両親は嫌っていたけどね、それでも私にとってはそれも愛しいあの子の一部でしかない。
それに、何よりあの子っていい匂いがするのよね。
傍にいると匂いをかぎたくなるというか、擦り寄りたくなるというか、むしろ押し倒したくなるというか。
だからね、私があの子のドロワを盗むのも自然の摂理なの、うん。
うーん、この香り。デリシャス。
……え、後ろ見ろって?
何を言ってるのよ鴉天―――ゲェッ!!? フラン!!?
ちょ、ちょっとまって。これには深い訳がぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
【―――No.7 聖白蓮】
あら、鴉天狗さん。今日もお勤め、ご苦労様です。
……ずいぶん疲れてますね。お茶と和菓子でもいかがですか?
あらあら、泣いて喜ばれてしまうとは思いませんでした。なにか、よっぽど嫌な事でもあったのですね。
私でよければ、相談に乗りますよ?
……はぁ、妹の話を聞きに各地へ……ですか。それでひどい目にあったんですね。
私にも弟がいましたけど、そういえば結構お姉さんって多いですよね、幻想郷は。
あら、弟の話が聞きたい?
ふふ、仕事熱心ですね。いいですわ、お話しましょう。
といっても、あまり面白い話ではありませんけどね。
弟はよく出来た子でした。
私も昔は人間だったわけでして、あの子は立派に勤めを果たしていた。
それでも、私と二人きりになるとよく甘えてきてくれましてね、恥ずかしいと思う反面、嬉しいとも思いましたわ。
年をとると、そういう機会も減ってきたし、あの子も自立してしまったから、少し寂しくもなりましたけどね。
でも、結局あの子は私より先に死んでしまって。
その時ですね、私が死を恐れるようになったのは。
死を恐れ、妖怪の法に手を染めて、若返った後はその力を維持するために妖怪を助けて。
そこで、私は力なき妖怪たちが虐げられているのを知ったのです。このままではいけないと思ったのも、ちょうどその頃かしら。
……と、これでは弟の話になりませんね。すぐに話が脱線してしまうのは、私の悪い癖です。
意外でしたか? 私が私利私欲で妖怪たちを助けていたことが?
私はね、鴉天狗さん。皆の言うような聖人君主ではないの。
人と妖怪の平等は心からの本心よ。
でも私は結局、私利私欲におぼれた、愚かな人間の成れの果てに違いはない。
それでも、そのことを知っても、あの子達は私のことを慕ってくれる。
そのことが嬉しいと、心のそこから思う。
でもね、弟が今の私を見たら―――あの子は、なんと言うのかしら。
……ごめんなさい。辛気臭い話をしてしまいましたね。
ちょっと待っててください、傷の手当もして差し上げましょう。
ふふ、こんなときぐらい、頼ってくれたっていいんですよ? 遠慮する必要なんてありません。
さぁ、服を脱いでください。まずは、その背中の火傷から。
▼
一通りの資料をまとめ終え、所々包帯で治療された射命丸文はにっこりと微笑んだ。
自分が書き終えた記事をそっと置き、彼女はすっと立ち上がると。
「全員両想いじゃねぇかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
妖怪の山を揺るがす大音量の叫びと共に、もろとも感じていた鬱憤をついに爆発させた。
うきぃぃぃぃ!! と嫉妬パワーでエクソシストブリッチを決めていた文は、ふとある事実に気がつくと即座に立ち上がり。
「よし、ひじりんと結婚しよう!!」
そんなわけで文は聖と結婚した。
幻月病んでるwww
姐さんあっしとも結婚してください。
全 員 結 婚 汁
文は放置プレイになりそうだけどw
椛とはたてが密かにアップを始めたようです。
>あの子ちゃんと結婚とかできるのかしら?
心配しないで。
よっちゃんその内とよねえの義娘になるから(元ネタだと)
あいつインタビュー一回も受けてないぞ!!?
メルランは犠牲になったのだ……。
よし、じゃあ俺は魔理沙と霖之助の義兄妹をちょっくらくっつけてくる。
静葉、さとりん、幻月、レミリアとどんどん壊れていく姉の様子に笑ってしまったw
そういえば聖もお姉さんでしたね
二人とも嫁にもらえばきっと大丈夫なのだと信じます。
誤字報告>聖人君主→聖人君子 ですよね?
げんげっちゃんええわあ・・・(恍惚)