□◇香霖堂◇□
『氷菓子始めました
当りが出たらもう一本!』
「なぁ香霖よ」
「なんだい、魔理沙?」
「なんだ、この冷やし中華始めたみたいなのぼりは?」
「そのままだよ、氷菓子始めてみたんだ」
「・・・売れるのか?」
「夏だからね」
「そういう問題なのか?」
「そういう問題さ」
*※湖の畔※*
薄霧流れる涼しい早朝
~木の陰で~
「チルノちゃんチルノちゃん」
「なに?」
「さっきから棒を見つめて何してるの?」
「"当り"がでるのをまってるの」
「え?」
「さっきからず~っとまってるのにちっとも"当り"がでてこないの!」
「・・・。」
+†紅魔館†+
全てが眠る深い夜
~主の部屋~
「ふぅん・・・・」
先刻調達させた物を一通り眺めた後に主は言う
「もういいわ、下げて頂戴」
「よろしいのですか?」
「興味ないわ」
「"当り"が出ればもう一本だそうですが」
「下らない、それにこれを幾ら買おうと"当り"が出る運命は一つも無かったわよ」
「はぁ・・・・・?
それでは失礼します」
「咲夜」
「はい」
「一度包装を開けて中身を確かめもう一度元に戻す、時を止めたとはいえ大した技術ね」
無表情を繕いながら内心動揺瀟洒なメイド
「・・・・・・何故お気づきに?」
・
・
・
しばらく停滞した時間の後に呆れたような主の声
「あなた本当にやったの?」
●○博麗神社○●
日差しが眩しい暑い昼
~境内掃除中~
「氷菓子?
そんなものどうでもいいからとりあえず素敵なお賽銭箱はあっちよ」
дД白玉楼Дд
ここは変わらず冷たい冥界
~広い広い庭のどこか~
「ゅ~ゆ~さ~まぁ~~~」
「なぁに、妖夢?」
「私の半霊に持たせておいた氷菓子知りませんか?」
「美味しかったわよぉ」
・
・
・
「は?」
「明日もお願いねぇ」
「・・・・・・・はぁ」
この人には何を言っても無駄だ
抗議も説明も出来ずただ溜息をつく事しか出来ない哀れな従者がそこにいた。
それでも最後の希望だけでも、と
「・・・当たっていませんでしたか?」
「え?」
「棒に"当り"と書いてあればもう一本貰えるのですが・・・」
「棒?」
この人は昔からこうだ
微笑を浮かべながら本気なのか冗談なのか判らない事を言ってくる
本気だと信じて行動したら痛い目にあった
冗談だと思って流したら酷い目にあった
こんどはどっちなんだろう・・・
「棒なんてあったかしら?」
もうどうでもいいや・・・・・。
*◆人形遣い◆*
風が吹く爽やかな午後
~店先で~
「か、勘違いしないでよね?
私じゃなくて上海達がどうしても食べたいって言うから
仕方なく買いに来ただけなんd(省略」
「で、結局何本いるんだい?」
「一本でいいんだぜ香霖?
こいつの家で物を食べることが出来るのはこいつだけなんだからな」
「ちょ、ちょっと魔理沙っ
何勝手に決めてるのよ!」
「で、結局何本ほしいんだい?」
で、すっかり夕方に
==マヨヒガ==
ぬるい風吹く月の夜
~縁側で~
「もうすっかり夏ねぇ」
「そうですねぇ」
「本当にこういう物が美味しい季節になったわねぇ」
「そうですねぇ・・・って何を食べているんですか、紫様」
「氷菓子、香霖堂で売っていたんだけど
藍も食べない?」
「慣れない物は食べないようにしてるんですがね」
「大丈夫よ藍」
「言い切りましたね」
「だって昼間橙に食べさせてみたけどまだ生きてるわよ?」
「・・・怒りますよ?」
「冗談よ、冗談」
「・・・。」
「ほら、藍も食べなさいな」
「・・・。」
ピリッ
ペリペリ
シャリッ
シャリシャリッ
「・・・美味しいですね、これ」
□◇香霖堂◇□
うだるような暑さの日中
~薄暗い店内~
「う゛ぅ~~~~~もう一本貰うぜこーりん」 ガラッ ピリッ ペリペリ シャクッ
「それで今日五本目なのに、まだお代を貰えないのは何故だろう」
「全部ツケだ、いつものようにな゛ぁ~~~ア゛ツ゛イ゛ィィィィ」 シャリシャリ
「腹を壊す前にやめた方がいいと思うのは僕だけかい?」
「余計なお世話だ、そんな事より香霖」
「なんだい、魔理沙」
「私はこれを結構な数食べたはずなんだが」
「ふむ」
「まだ一回も当たった事が無いのはどういうことだ?」
「簡単な事さ」
「ほぅ」
「当りなんて最初から用意してないからね」
・
・
・
「蝉が煩いぜ・・・・・」
永遠亭
日差しも通れぬ暗い竹林
「氷菓子・・・か
懐かしいわね、永琳」
「そうですねぇ、
月にいた頃以来ですから本当に長い間聞いた事もありませんでしたね」
「これと月の物、大して違いは無いけど地上では"当り"が出ればもう一本貰えるそうね」
「本当に"当り"があると思いますか、姫?」
「それはどういう意味かしら、永琳?」
「この屋敷の兎達が相当な量を消費しておりますがまだ当たった兎はいないんですよ」
「相当な量って・・・・・
具体的にお願い」
「寿命を縮めかねませんので控えさせて頂きます」
「笑えないわよ」
ピリ
ピリピリッ
シャクッ
シャリシャリ
シャリシャリシャリ
「あらウドンゲ、それで何本目?」
「まだ一本目ですよ師匠
さっきてゐと一緒に買ってきたんです」
「そう・・・」
シャリッ
「あ、当たった」
「「「えっ」」」
「こっち見んな」
後日香霖堂で一騒動あったそうな
『氷菓子始めました
当りが出たらもう一本!』
「なぁ香霖よ」
「なんだい、魔理沙?」
「なんだ、この冷やし中華始めたみたいなのぼりは?」
「そのままだよ、氷菓子始めてみたんだ」
「・・・売れるのか?」
「夏だからね」
「そういう問題なのか?」
「そういう問題さ」
*※湖の畔※*
薄霧流れる涼しい早朝
~木の陰で~
「チルノちゃんチルノちゃん」
「なに?」
「さっきから棒を見つめて何してるの?」
「"当り"がでるのをまってるの」
「え?」
「さっきからず~っとまってるのにちっとも"当り"がでてこないの!」
「・・・。」
+†紅魔館†+
全てが眠る深い夜
~主の部屋~
「ふぅん・・・・」
先刻調達させた物を一通り眺めた後に主は言う
「もういいわ、下げて頂戴」
「よろしいのですか?」
「興味ないわ」
「"当り"が出ればもう一本だそうですが」
「下らない、それにこれを幾ら買おうと"当り"が出る運命は一つも無かったわよ」
「はぁ・・・・・?
それでは失礼します」
「咲夜」
「はい」
「一度包装を開けて中身を確かめもう一度元に戻す、時を止めたとはいえ大した技術ね」
無表情を繕いながら内心動揺瀟洒なメイド
「・・・・・・何故お気づきに?」
・
・
・
しばらく停滞した時間の後に呆れたような主の声
「あなた本当にやったの?」
●○博麗神社○●
日差しが眩しい暑い昼
~境内掃除中~
「氷菓子?
そんなものどうでもいいからとりあえず素敵なお賽銭箱はあっちよ」
дД白玉楼Дд
ここは変わらず冷たい冥界
~広い広い庭のどこか~
「ゅ~ゆ~さ~まぁ~~~」
「なぁに、妖夢?」
「私の半霊に持たせておいた氷菓子知りませんか?」
「美味しかったわよぉ」
・
・
・
「は?」
「明日もお願いねぇ」
「・・・・・・・はぁ」
この人には何を言っても無駄だ
抗議も説明も出来ずただ溜息をつく事しか出来ない哀れな従者がそこにいた。
それでも最後の希望だけでも、と
「・・・当たっていませんでしたか?」
「え?」
「棒に"当り"と書いてあればもう一本貰えるのですが・・・」
「棒?」
この人は昔からこうだ
微笑を浮かべながら本気なのか冗談なのか判らない事を言ってくる
本気だと信じて行動したら痛い目にあった
冗談だと思って流したら酷い目にあった
こんどはどっちなんだろう・・・
「棒なんてあったかしら?」
もうどうでもいいや・・・・・。
*◆人形遣い◆*
風が吹く爽やかな午後
~店先で~
「か、勘違いしないでよね?
私じゃなくて上海達がどうしても食べたいって言うから
仕方なく買いに来ただけなんd(省略」
「で、結局何本いるんだい?」
「一本でいいんだぜ香霖?
こいつの家で物を食べることが出来るのはこいつだけなんだからな」
「ちょ、ちょっと魔理沙っ
何勝手に決めてるのよ!」
「で、結局何本ほしいんだい?」
で、すっかり夕方に
==マヨヒガ==
ぬるい風吹く月の夜
~縁側で~
「もうすっかり夏ねぇ」
「そうですねぇ」
「本当にこういう物が美味しい季節になったわねぇ」
「そうですねぇ・・・って何を食べているんですか、紫様」
「氷菓子、香霖堂で売っていたんだけど
藍も食べない?」
「慣れない物は食べないようにしてるんですがね」
「大丈夫よ藍」
「言い切りましたね」
「だって昼間橙に食べさせてみたけどまだ生きてるわよ?」
「・・・怒りますよ?」
「冗談よ、冗談」
「・・・。」
「ほら、藍も食べなさいな」
「・・・。」
ピリッ
ペリペリ
シャリッ
シャリシャリッ
「・・・美味しいですね、これ」
□◇香霖堂◇□
うだるような暑さの日中
~薄暗い店内~
「う゛ぅ~~~~~もう一本貰うぜこーりん」 ガラッ ピリッ ペリペリ シャクッ
「それで今日五本目なのに、まだお代を貰えないのは何故だろう」
「全部ツケだ、いつものようにな゛ぁ~~~ア゛ツ゛イ゛ィィィィ」 シャリシャリ
「腹を壊す前にやめた方がいいと思うのは僕だけかい?」
「余計なお世話だ、そんな事より香霖」
「なんだい、魔理沙」
「私はこれを結構な数食べたはずなんだが」
「ふむ」
「まだ一回も当たった事が無いのはどういうことだ?」
「簡単な事さ」
「ほぅ」
「当りなんて最初から用意してないからね」
・
・
・
「蝉が煩いぜ・・・・・」
永遠亭
日差しも通れぬ暗い竹林
「氷菓子・・・か
懐かしいわね、永琳」
「そうですねぇ、
月にいた頃以来ですから本当に長い間聞いた事もありませんでしたね」
「これと月の物、大して違いは無いけど地上では"当り"が出ればもう一本貰えるそうね」
「本当に"当り"があると思いますか、姫?」
「それはどういう意味かしら、永琳?」
「この屋敷の兎達が相当な量を消費しておりますがまだ当たった兎はいないんですよ」
「相当な量って・・・・・
具体的にお願い」
「寿命を縮めかねませんので控えさせて頂きます」
「笑えないわよ」
ピリ
ピリピリッ
シャクッ
シャリシャリ
シャリシャリシャリ
「あらウドンゲ、それで何本目?」
「まだ一本目ですよ師匠
さっきてゐと一緒に買ってきたんです」
「そう・・・」
シャリッ
「あ、当たった」
「「「えっ」」」
「こっち見んな」
後日香霖堂で一騒動あったそうな
氷菓子はやっぱ旨いっすよなぁ……
沈黙や間を示す「・・・」は上下の間を示す「・」と混ざる事もあります。
「……」と二つから繋げて用いる方が、場所も取らず視覚的にも良いと思われます。