まさか霊夢と魔理沙が結婚するなんて。
仲が良いのは知っていたけど、そこまで深い仲だとは知らなかった。
あーあ・・・霊夢のこと・・・好きだったのにな。
祝福してあげないと・・・いけないのよね。
「おめでとう2人とも」
感情を押し殺して祝辞を告げる。
「ありがとうレミリア」
「ありがとな・・・ところでフランは来てないのか?」
「フランなら気分が優れないらしくて出てこなかったわ」
魔理沙はフランとよく遊んでいたから、いないと寂しいわよね。
「そうか・・・礼を言いたかったんだが」
「礼?」
「ああ、私と霊夢が結ばれたのもあいつのおかげだからさ。帰ったらよろしく言っといてくれ。じゃあな」
・・・どうゆうこと? フランが? さっぱりわからない。
屋敷に戻ってフランを探してみたけど、何処にも居ない。
気配を感じるから中に居るのは確かだけれど・・・微妙に避けられている感じがするわ。
フランを探すけど何処にも居ない。
そんな日々が続いたある日、パチェが部屋に訪ねてきた。
「何の用かしら」
「レミィ・・・私、小悪魔と結婚することにしたの」
へっ?
「もちろん結婚式もするつもりよ。あなたも出てくれるわよね」
「ど・・・どうしたの、いきなり?」
「実はね、前々からお互い気になっていたみたいなんだけどすれ違ってて、でもそこはフランが取り持ってくれてね・・・」
またフランなの。
いったいあの子は何を考えて・・・
「それでね・・・」
小悪魔との惚気話を嬉しそうに話すパチェ。
そんなパチェの顔を私は最後まで直視することができなかった。
フラン! フランは何処にいるの!
まるで私をあざ笑うかのように、気配はするけど影は見えない。
いったい何処で何をしているの?
フランを探し疲れてきたある日のこと
「咲夜さんとの結婚を認めてください」
「お願いしますお嬢様」
パチェの結婚式も終わったばかりだというのに、咲夜と美鈴がそんなことを言ってきた。
あなた達もなの。正直寂しい。
けれども祝福しないわけにはいかない。
2人共私の大切な従者なのだから・・・
「いいわよ。認めてあげる」
「ありがとうございます!」
「ありがとうございますお嬢様!」
「結婚式はパチェの時より盛大にやりなさい。紅魔館従者のツートップに相応しい式をね」
後で知ったことだが、この2人の結婚もフランが裏で糸を引いていたらしい。
結婚式に姿を見せないフランを2人は残念がっていた。
みんな結婚して会う機会が少なくなった。
咲夜は門番宿舎からの外勤になったし、霊夢や魔理沙が遊びに来る回数も減った。
パチェも滅多に図書館から顔を出さなくなった。
でもこちらから会いにいくのは気が引けるわね。
考えてもしょうがない事・・・そろそろ寝ましょうか。
コン! コン!
こんな時間に誰かしら?
咲夜はいないし、他のメイドが私の眠りを妨げるような事するはずがない。
「誰?」
「私よ、お姉様」
フラン!
「入りなさい」
「こんばんわ、ご機嫌いかがかしら?」
いくら探しても見つからなかったフラン、まさか向こうからくるなんて・・・
「フラン、色々やってたみたいだけど何が目的なの?」
単刀直入に聞いてみる。どのみちきちんと答える気なんてないだろう。
「あら目的だなんて、私は元々あった赤い糸を、ほんのちょこっと引っ張っただけ。
さしずめ恋のキューピットごっこね」
「悪魔が天使気取ってどうするの」
「さあ? どうでもいいわそんな事。それよりもお姉様」
「なによ」
フランはにやりと楽しそうに笑い、
「独りはどんな気分? 寂しい?」
私の心をえぐってきた。
「なっ・・・何を・・・」
動揺が隠しきれない。
「周りはみんな仲良くなって、残されたお姉様は独りぼっち」
「ひっ、独りじゃないわよ・・・咲夜と美鈴は結婚しても私に尽くしてくれている。
パチェや霊夢、魔理沙だって今でも良い友人よ。」
強がりなのはわかってる。けれども言い返さずにはいられなかった。
そんな私の言葉を聞いたフランが急に飛びかかってくる。
私は避けることができずに、ベットの上に押し倒された。
馬乗りになったフランは、相も変わらず楽しそうに笑っている。
「そうねお姉様、みんないつまでも変わらずお姉様に接してくれるでしょうね。でもそれは上辺だけよ」
両腕を押さえ込まれる。力だけならフランのほうが強い。身動きが取れない。
「美鈴はいつまでも紅魔館を守ってくれるわ。でも美鈴が一番守りたいのは誰かしら?
咲夜が本当に尽くしたいのは誰なのかしら? お姉様? それとも・・・」
「・・・・・・・・・黙れ」
「霊夢や魔理沙は仲良く老いて死んでいくでしょうね。お姉様を置いて2人で仲良く旅立ってくの」
「・・・・・・黙れ」
「パチュリーだって・・・」
「黙れと言ってるの!」
思わず怒鳴ってしまった。
言われずともわかってるんだよ、そんなこと。
心の何処かでは、とうの昔に気がついていたんだよ。
それでもなるべく考えないようにしていたのに・・・
「うふふ・・・お姉様、独りぼっちはどんな気分?」
「くっ・・・」
「悲しそうな顔をして、そんなに独りは嫌い? 長い間私を独りにしたのに、それでも独りは嫌いなの?」
「フラン・・・」
「自分勝手なお姉様、そんなに独りが嫌いなら、私の愛を受け入れて」
えっ・・・
「何言っているのフラン?」
「わからないのお姉様。独りが嫌いなら、お姉様は私の愛を受け入れるしかないの」
・・・フランの愛?
フランは私が好きなの?
「まだわからないの。それならお得意の運命を視ればいいわ。
お姉様の小指から伸びる赤い糸は、いったい誰に繋がっているのかしら」
運命を視て愕然とする。
私の運命の糸は・・・フランの・・・
「もうわかったでしょ。もうお姉様は私と一緒になるしかないの。
それとも、最後の糸すら切って独りぼっちでずっと生きる?」
独りは嫌! それだけは絶対に嫌!
「お姉様、そんな泣きそうな顔しないで。私がずっと側にいてあげる。だから私の想いを受け入れて」
フランの顔が近づいてくる。
「でも・・・私達は姉妹で・・・それに今までフランを閉じ込めて・・・」
思わず顔を背けてしまう。
「やっぱり独りぼっちがいいの、お姉様?」
耳元でフランが囁く。
「そんなことないわよね。お姉さまじゃ独りは耐えられない」
・・・そうよ。幸せを知ってしまってるから、私じゃ独りに耐えられない。
「あははっ、そうだ! 面白いことを思いついた。
ねえお姉様、独りになりたくないのなら『キスしてください』って私に言って」
そんな・・・そんなこと・・・・・・言えるわけ・・・
「・・・うふふ、お姉様が言ってくれないのなら、私、地下室に戻っちゃおうかな~」
そんな! フランが居なくなったら私は・・・私は・・・
「待って!」
「それじゃダメよ。なんて言えばいいか、わかってるでしょお姉様」
選択肢はもう無い。運命が視えてしまったから、私にはもうこれしか残されていない。
「・・・キスしてフラン」
「あはは、お姉様からそんなお願いされたら、叶えてあげるしかないじゃない」
再びフランが顔を近づけてくる。
私は思わず目を瞑った。
その直後、唇に柔らかいものが触れる。
「んっ!」
そのまま私の唇をこじ開けて、フランの舌が侵入してくる。
「んんんっ!」
犯すように、嬲るように、私の口の中を蹂躙してゆく。
「くちゅ・・・じゅる・・・」
舌を絡めて、私から唾液を啜り奪う。
ゴク、ゴク、とフランの喉が鳴るのが耳に響く。
永遠にも感じた時間の後、糸を引きながらフランの唇が離れた。
「はぁ・・・はぁ・・・」
「ハァハァ、もう離してあげない、ずっと一緒よお姉様!」
興奮したフランが私の服に手をかける。
もうそれを拒むことはできない。
だって、私の運命の糸はフランの手の内に握られてるのだから。
仲が良いのは知っていたけど、そこまで深い仲だとは知らなかった。
あーあ・・・霊夢のこと・・・好きだったのにな。
祝福してあげないと・・・いけないのよね。
「おめでとう2人とも」
感情を押し殺して祝辞を告げる。
「ありがとうレミリア」
「ありがとな・・・ところでフランは来てないのか?」
「フランなら気分が優れないらしくて出てこなかったわ」
魔理沙はフランとよく遊んでいたから、いないと寂しいわよね。
「そうか・・・礼を言いたかったんだが」
「礼?」
「ああ、私と霊夢が結ばれたのもあいつのおかげだからさ。帰ったらよろしく言っといてくれ。じゃあな」
・・・どうゆうこと? フランが? さっぱりわからない。
屋敷に戻ってフランを探してみたけど、何処にも居ない。
気配を感じるから中に居るのは確かだけれど・・・微妙に避けられている感じがするわ。
フランを探すけど何処にも居ない。
そんな日々が続いたある日、パチェが部屋に訪ねてきた。
「何の用かしら」
「レミィ・・・私、小悪魔と結婚することにしたの」
へっ?
「もちろん結婚式もするつもりよ。あなたも出てくれるわよね」
「ど・・・どうしたの、いきなり?」
「実はね、前々からお互い気になっていたみたいなんだけどすれ違ってて、でもそこはフランが取り持ってくれてね・・・」
またフランなの。
いったいあの子は何を考えて・・・
「それでね・・・」
小悪魔との惚気話を嬉しそうに話すパチェ。
そんなパチェの顔を私は最後まで直視することができなかった。
フラン! フランは何処にいるの!
まるで私をあざ笑うかのように、気配はするけど影は見えない。
いったい何処で何をしているの?
フランを探し疲れてきたある日のこと
「咲夜さんとの結婚を認めてください」
「お願いしますお嬢様」
パチェの結婚式も終わったばかりだというのに、咲夜と美鈴がそんなことを言ってきた。
あなた達もなの。正直寂しい。
けれども祝福しないわけにはいかない。
2人共私の大切な従者なのだから・・・
「いいわよ。認めてあげる」
「ありがとうございます!」
「ありがとうございますお嬢様!」
「結婚式はパチェの時より盛大にやりなさい。紅魔館従者のツートップに相応しい式をね」
後で知ったことだが、この2人の結婚もフランが裏で糸を引いていたらしい。
結婚式に姿を見せないフランを2人は残念がっていた。
みんな結婚して会う機会が少なくなった。
咲夜は門番宿舎からの外勤になったし、霊夢や魔理沙が遊びに来る回数も減った。
パチェも滅多に図書館から顔を出さなくなった。
でもこちらから会いにいくのは気が引けるわね。
考えてもしょうがない事・・・そろそろ寝ましょうか。
コン! コン!
こんな時間に誰かしら?
咲夜はいないし、他のメイドが私の眠りを妨げるような事するはずがない。
「誰?」
「私よ、お姉様」
フラン!
「入りなさい」
「こんばんわ、ご機嫌いかがかしら?」
いくら探しても見つからなかったフラン、まさか向こうからくるなんて・・・
「フラン、色々やってたみたいだけど何が目的なの?」
単刀直入に聞いてみる。どのみちきちんと答える気なんてないだろう。
「あら目的だなんて、私は元々あった赤い糸を、ほんのちょこっと引っ張っただけ。
さしずめ恋のキューピットごっこね」
「悪魔が天使気取ってどうするの」
「さあ? どうでもいいわそんな事。それよりもお姉様」
「なによ」
フランはにやりと楽しそうに笑い、
「独りはどんな気分? 寂しい?」
私の心をえぐってきた。
「なっ・・・何を・・・」
動揺が隠しきれない。
「周りはみんな仲良くなって、残されたお姉様は独りぼっち」
「ひっ、独りじゃないわよ・・・咲夜と美鈴は結婚しても私に尽くしてくれている。
パチェや霊夢、魔理沙だって今でも良い友人よ。」
強がりなのはわかってる。けれども言い返さずにはいられなかった。
そんな私の言葉を聞いたフランが急に飛びかかってくる。
私は避けることができずに、ベットの上に押し倒された。
馬乗りになったフランは、相も変わらず楽しそうに笑っている。
「そうねお姉様、みんないつまでも変わらずお姉様に接してくれるでしょうね。でもそれは上辺だけよ」
両腕を押さえ込まれる。力だけならフランのほうが強い。身動きが取れない。
「美鈴はいつまでも紅魔館を守ってくれるわ。でも美鈴が一番守りたいのは誰かしら?
咲夜が本当に尽くしたいのは誰なのかしら? お姉様? それとも・・・」
「・・・・・・・・・黙れ」
「霊夢や魔理沙は仲良く老いて死んでいくでしょうね。お姉様を置いて2人で仲良く旅立ってくの」
「・・・・・・黙れ」
「パチュリーだって・・・」
「黙れと言ってるの!」
思わず怒鳴ってしまった。
言われずともわかってるんだよ、そんなこと。
心の何処かでは、とうの昔に気がついていたんだよ。
それでもなるべく考えないようにしていたのに・・・
「うふふ・・・お姉様、独りぼっちはどんな気分?」
「くっ・・・」
「悲しそうな顔をして、そんなに独りは嫌い? 長い間私を独りにしたのに、それでも独りは嫌いなの?」
「フラン・・・」
「自分勝手なお姉様、そんなに独りが嫌いなら、私の愛を受け入れて」
えっ・・・
「何言っているのフラン?」
「わからないのお姉様。独りが嫌いなら、お姉様は私の愛を受け入れるしかないの」
・・・フランの愛?
フランは私が好きなの?
「まだわからないの。それならお得意の運命を視ればいいわ。
お姉様の小指から伸びる赤い糸は、いったい誰に繋がっているのかしら」
運命を視て愕然とする。
私の運命の糸は・・・フランの・・・
「もうわかったでしょ。もうお姉様は私と一緒になるしかないの。
それとも、最後の糸すら切って独りぼっちでずっと生きる?」
独りは嫌! それだけは絶対に嫌!
「お姉様、そんな泣きそうな顔しないで。私がずっと側にいてあげる。だから私の想いを受け入れて」
フランの顔が近づいてくる。
「でも・・・私達は姉妹で・・・それに今までフランを閉じ込めて・・・」
思わず顔を背けてしまう。
「やっぱり独りぼっちがいいの、お姉様?」
耳元でフランが囁く。
「そんなことないわよね。お姉さまじゃ独りは耐えられない」
・・・そうよ。幸せを知ってしまってるから、私じゃ独りに耐えられない。
「あははっ、そうだ! 面白いことを思いついた。
ねえお姉様、独りになりたくないのなら『キスしてください』って私に言って」
そんな・・・そんなこと・・・・・・言えるわけ・・・
「・・・うふふ、お姉様が言ってくれないのなら、私、地下室に戻っちゃおうかな~」
そんな! フランが居なくなったら私は・・・私は・・・
「待って!」
「それじゃダメよ。なんて言えばいいか、わかってるでしょお姉様」
選択肢はもう無い。運命が視えてしまったから、私にはもうこれしか残されていない。
「・・・キスしてフラン」
「あはは、お姉様からそんなお願いされたら、叶えてあげるしかないじゃない」
再びフランが顔を近づけてくる。
私は思わず目を瞑った。
その直後、唇に柔らかいものが触れる。
「んっ!」
そのまま私の唇をこじ開けて、フランの舌が侵入してくる。
「んんんっ!」
犯すように、嬲るように、私の口の中を蹂躙してゆく。
「くちゅ・・・じゅる・・・」
舌を絡めて、私から唾液を啜り奪う。
ゴク、ゴク、とフランの喉が鳴るのが耳に響く。
永遠にも感じた時間の後、糸を引きながらフランの唇が離れた。
「はぁ・・・はぁ・・・」
「ハァハァ、もう離してあげない、ずっと一緒よお姉様!」
興奮したフランが私の服に手をかける。
もうそれを拒むことはできない。
だって、私の運命の糸はフランの手の内に握られてるのだから。
なんとなく、そんな話を思い出した
この紅魔館メンツに漂う背徳感が大好きです。
レミリアが孤独になった部分をもうちょっと引っ張って欲しかったかな