「さとり様ってさ、なんかお子様っぽいよね」
「よし、ならばメガンテです」
地霊殿のとある午後のひと時のこと、一緒に紅茶を楽しんでいたペットからそんなことを言われたさとりは、おもむろに自爆呪文を唱え始めた。
しかし、後ろからお燐に羽交い絞めされて、呪文の邪魔をされるのである。
ジタバタともがくが、力の弱いさとりじゃ火車のお燐に力で勝てるはずもないわけで。
「離しなさいお燐!!」
「いや、離しませんから!! 何ナチュラルに自爆しようとしてるんですか!!?」
「やだー!! メガンテ唱えるんですー!! 粉々に砕け散って爆散するんですー!!」
「やめてください、グロいです」
「メガンテッ!!」
「ちょっ!!?」
―――しかし MPが たりない―――
さとりは泣いた。さめざめと机に突っ伏し、テーブルクロスを涙で濡らして嗚咽をこぼしている。
果たして、その涙はおくうから「お子様っぽい」といわれたことに対してなのか、それともMPが足りなかったことの気恥ずかしさからなのか。
ことの元凶が事態をわかっていなくておろおろとしていたりするが、お燐はそんな光景を目にして盛大なため息をひとつこぼした。
「なんていうか、気にしてたんですか。子供っぽく見えること」
「気にしますよ、当たり前じゃないですか。……ところで、お燐は私のこといくつに見えます?」
「10歳ぐらい?」
「チクショーッ!!」
叫ぶと同時に涙があふれ出た。
さとりの心は限界だった。何が限界って、おくうにいたっては「5歳ぐらい?」などと悪びれもなく思っているあたりに全力で涙がナイアガラである。
なぜ、みんなして自分を幼女扱いしやがるのか、さとりは不思議で不思議でたまらなかった。
体格こそ小柄で線は細いが、身長は150程あるし、スタイルだってふくよかとはいかないが平均程度であると自負してる。
大人の女性、というにはさすがに無理があるだろうけれど、少女という表現が適当であるはずだ。専用BGMにも「少女」ってついてるし。
なのに何故、どいつもこいつも誰も彼もがワンランク下の幼女としか見やがらないのか!!?
さとりは嘆いた。
この世の不平等さに絶望し、世の少女と名乗る女性に怨念の声を撒き散らしてしまいそうなほどに。
お前には幼女の称号はくれてやろう。だから、少女の称号はこちらに寄越せとスキマ妖怪あたりに口走りそうな勢いである。
「うにゅ? さとり様は子供っぽく見られるのが嫌なんですか?」
「えぇ、そうですよおくう。あなたにはわからないでしょう、過剰に幼く見られる者の辛さは」
「うーん、その辺にはさとり様にも原因がありそうなんですけどねぇ」
ギロリと、鋭い視線がお燐に向けられる。
普段ならその視線に怯えるだろうお燐ではあったが、涙で目を腫らしたさとりの視線は怖くもなんともない。
それに何より、主人が本気で悩んでいるらしいのだ。
たとえ怒りを買うことになろうが、時にはそれを甘んじて受け、そして進言するのが従者というものである。
そして、彼女の主人はさとりだ。心を読むことができる彼女にしてみれば、今のお燐の考えも言葉にされずとも理解できる。
小さくため息をひとつつく。怒る気をなくしたのか、さとりは恨めしそうな視線をお燐から外し、代わりに向けたのは。
「この服のせいですか」
自身のお気に入りの服である。
パステルカラーの彼女の衣服は、見た目以上に彼女を幼く見せること請け合いだろう。
そして何よりも、その上下のカラーリングはまるで。
「まるで幼稚―――」
「お燐、それ以上言わないでください。泣きたくなってきますから」
みなまで言わなくてもわかってる。だから皆まで言わせる前に言葉を遮ったのは、せめて己の心を守るためだったのか。
ぶっちゃけると言葉遮っても心の声が聞こえるんでまるっきり無意味だが。
「ふふ、覚妖怪とは呪われた種族であることは変わりないのね。今も昔も」
「さとり様、なんかカッコイイ台詞口走ってますけど、状況鑑みると色々と台無しです」
そしてこの従者、結構容赦がないから困り者である。
お燐の言葉で一刀両断されたさとりは、再び机の上に突っ伏した。
果たして、かつてこれほど涙に濡れたことがあっただろうか。地上から追われたときもここまで泣かなかった様な気がするのだけど、正直それもどうかと思う。
「わかったわよ、脱げばいいんでしょう!! マッパで過ごせば今の状況も少しは改善され―――」
「されませんから!? 落ち着いてくださいさとり様!!? おくう、あんたもさとり様を止めて!!」
「うにゅ!!?」
「わかりましたお燐、落ち着きましょう! 要するに世の女性をすべて根絶やしにすれば私ははれて少女と呼ばれるようになりますよね? 呼ばれるよね!!?」
「ちっとも落ち着いてないし呼ばれませんからね!!? ていうか、その前にさとり様が滅ぼされますから!!?」
ぎゃーぎゃーと騒がしくなる地霊殿の一室。
さとりの暴走という世にも珍しい事態に、ペットであるお燐とおくうが彼女の暴走を止めようと奮闘するという光景が繰り広げられていた。
そんな珍事が繰り広げられる一室に―――
「こぁーっこぁっこぁっこぁっこぁっこぁ!! 話は聞かせてもらいましたよ!!」
そんな、自信に満ちた第三者の声が響き渡った。
「なんだい!? 今取り込み中だから後にしておくれよ!!?」
警戒しながら声を上げつつも、正直これ以上面倒ごとは御免なお燐は本音を包み隠さずぶちまけた。
だがしかし、声の主はそんなこと知ったことじゃないらしく、どこかで聞いたことがあるようなBGMが部屋を満たす。
そして、彼女たちは床下から現れた。お立ち台の如くせり上がる台の上に、二人の少女がなんかポーズを決めておいでだった。
「なんだかんだと聞かれたら」
「答えてあげるが世の情け」
「世界の平和を守るため」
「世界の破壊を防ぐため」
「愛と真実の悪を貫く」
「ラブリーチャーミーな敵役」
そしてどこぞ聞いたような名乗りを上げつつ、二人がスポットライトに照らされる。
一体いつの間に、こんな装置が用意されたんだろうかという至極全うな意見は飛び出すこともなくボー然としてしまい、ただ一人おくうだけが目をきらきらと輝かせていた。
そことなーく二人の少女の片割れが見覚えがあるどころか、思いっきり身内なのはやっぱりスルーすべきなのかとちょっと悩む。
そしてキリッと、二人の少女がさとりたちに視線を向けた。
「こいし!」
「小悪魔!!」
「銀河を駆けるこいしとこあの二人には!」
「ホワイトホール、白い明日が待ってます☆」
古明地こいしと小悪魔、二人が台詞を言い終わって綺麗にポーズを決めたところで、上空からマスコットっぽい誰かが二人の間に降り立った。
さとりがよくよく目を凝らしてみてみれば、某有名な猫ポ○モンの着ぐるみを装備したフランドール・スカーレットである。
「にゃ……にゃ~んて……にゃ」
ものすごく恥ずかしそうだった。どのくらい恥ずかしそうかって言うと、さとりたちのいる場所から顔が真っ赤になっているのが確認できるくらいに恥ずかしそうだった。
彼女の姉がこの場にいれば、鼻血を噴水の如く噴出してその場で身悶えしていたことだろう請け合いの姿である。
「だめです、妹様。もっとハッキリ堂々と!!」
「えぇ!!? でもさぁ……」
「がんばって、私も応援してるからさ」
「うぅ、こいしまで一緒になってさぁ……恥ずかしいんだよ、これ。ていうか、このメンバーだとここ小悪魔がやるべきじゃないの?」
『にゃーんてにゃ!! にゃーんてにゃ!! にゃーんてにゃ!!』
「聞けよ、手拍子すんなよ畜生」
ノリノリで手拍子する二人に恨みがましい視線を向けながら、諦めたかのようにため息をつく姿はなかなかに哀愁を漂わせている。
あんまりにも不憫でさとりとお燐がホロリと涙していることなど露知らず、フランは猫っぽいポーズを恥ずかしそうにとって。
「にゃ、にゃ~んて……にゃ~んて……って、出来るかぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「ケツがぁッ!!?」
照れ隠しで小悪魔のお尻を、レーヴァテインで思いっきりぶっ叩いた。
奇妙な悲鳴を上げつつ、天井近くまでせり上がった台の上からずったんばったんと転げ落ちてくるトラブルメーカー。
ごろごろごろズシャーっとなかなか壮絶な音を響かせつつ、さとり達のほうに転げ落ちてきた小悪魔の表情は、なんか微妙に気持ちよさそうだったから本当に救えない。
「ふ、うふふふふふ話は聞かせてもらいましたよ、さとりん。さとりんのお悩みはごもっともです」
「いや、お姉さん大丈夫かい? 今やたら危険な代物が直撃してたような気がするんだけど、臀部に」
「問題ありません、いつものことですし慣れてますし、気持ちいいので」
いつものことかよ。ていうか慣れてんのかよ。そして気持ちいいとか色々救えねぇ。
そんな至極全うなツッコミがお燐の脳内に飛び交ったが、言葉にしても事態は進展しそうにないんでそこはスルー。
おくうはよくわかってないのか「うにゅ?」と首をかしげていたが、今はかまってる暇はない。
「さとりんの幼く見える原因は服にあると、それは理解できますね?」
「えぇ。というか、ナチュラルにさとりんとか言わないでください」
「ならば、取るべき道はひとつ、そうでしょう?」
「無視ですか、そうですか」
こめかみの青筋をぴくぴくさせるさとりもなんのその、小悪魔は立ち上がると腕を組んでニィッと笑う。
その間に、フランとこいしも床に降り立った。それが合図であったかのように、小悪魔は口を開き―――
「脱ぎま「フンッ!!」ボディッ!!?」
皆まで言う暇もなく、フランのボディブロー連打で床(マット)に沈んだのであった。
▼
「と、いうわけで。皆さんでそれぞれ、大人っぽい「さとりん」をコーディネイトしましょー!!」
「だからさとりんって言わないでと……いえ、もういいです。好きに呼んでください」
ダメージから復帰した小悪魔が口にした提案に、さとりが何かを言いかけて諦めた。
今も小悪魔が何か説明をしていたが、それには取り合わずにさとりは隣でニコニコしている己の妹に恨みがましそうな視線を向ける。
「友達と一緒とはいえ、もうちょっと普通の登場は出来なかったの?」
「えー、だってあの方が面白そうだったもの」
気まずさなど欠片もなく、にこやかな笑顔のままそんな事をのたまう妹。
盛大なため息をひとつこぼすころには、いつの間にか小悪魔の説明は終わっていたらしい。
お燐の心を読んで事態を把握すれば、みんなが順番でさとりをコーディネイトし、みんなで審査しようという流れになったようだ。
もう、どうにでもなれ。それが嘘偽りのないさとりの心情である。
「さぁ、くじを引いてください。順番が決まったら、隣の部屋でじゃんじゃんコーディネイトしちゃいましょー!!」
楽しんでる。絶対楽しんでるよこいつ等。
そのような思いが浮かんでは口に出されることもなく沈殿し、結局重いため息として吐き出されることとなった。
そんな彼女が不憫だったのか、さとりの肩にポンッと手を置くフラン。
「ごめんね、うちの小悪魔がさ。それにしても、見た目が幼く見えるの気にしてたんだね」
「当たり前です。長く生きているというのに、不当に幼く見られるのはたまりませんから」
「あはは、確かにそうかもね。でもさ、いいじゃない。私なんて吸血鬼だから、見た目が成長するかも怪しいのに」
何しろ、そろそろ500年生きるというのにこの背格好である。
身長など今まで測ったことなど一度もないが、視線の高さが昔から変わらないあたりずっとこのままの恐れもあるわけで。
妖怪と吸血鬼。この二つは似ているようで成長過程が大幅に異なる可能性だってありうるのだ。
そのことに気がついたのだろう、さとりは心底不憫な視線を彼女に向け。
「……ごめんなさい」
「ねぇ、やめてくれる? そのかわいそうなもの見る目やめてくれる!? そして謝んないでよ、私が泣きたくなるでしょうが!!」
「大丈夫です妹様、私はそんな成長しない小さくてロリでペドンペドンなあなたが大好きです!!」
「ぶっ殺すよ!!?」
騒がしさがいっそう増した地霊殿にて、そんなやりとりを交えながらさとり改造計画は幕を開けたのであった。
■「お燐の場合」■
「ジャジャーン!! あたいが進める衣装はズバリ、ゴスロリ衣装さね!!」
『おぉ~!』
部屋に登場したさとりの姿を見て、一同が感嘆の声をこぼしていた。
黒をベースにしたフリル付の衣装はさとりの魅力を存分に引き出し、ブーツやバッグ、そしてカチューシャなどの小物がまた一層魅力を引き立たせている。
とうのさとりは物凄く恥ずかしそうに顔を真っ赤にしていたが、みんなは大絶賛でかなりの好評であった。
だがしかし―――
「でもさ、やっぱなんか幼いよね」
「グフゥッ!!?」
―――こいしの言うとおり、根本的なイメージの払拭にはいたらなかったのであった、南無。
■「おくうの場合」■
語ることは何もない。
ただ、あえて語るならばマント付の仮面ラ○ダーであったことをここに明記しておこうと思う。
ちなみに、さとりは仮面の下で号泣した。
■「こいしの場合」■
「大人の女性といえばチャイナよ!!」
そんな彼女の言葉とともに登場したさとりの姿は、皆が思わず言葉を忘れてしまうほどに新鮮なものだった。
漆黒のチャイナ服は金の刺繍が所々に散りばめられ、大胆なスリットがさとりの健康的な太腿を大きくさらしている。
多少背丈が残念な感じではあったが、幼いという印象は持たれにくいだろう。
だがしかし。
「……ところでお姉ちゃん、そんなに胸大きかったっけ?」
「……ごめんなさい、見栄張りました」
一部分の詰め物が判明したことにより、場に微妙な雰囲気が流れるのであった。
■「フランの場合」■
「私は着物をチョイスしてみたよ。さとりって東洋人系だし、和服は合うと思ったの」
「むむ、その発想はなかったわ」
「うにゅ~、さとり様似合ってますよー!!」
フランの言葉に「なるほど」と納得するこいしと、大絶賛のおくう。
彼女達の視線の先には、藍色の着物に身を包み、髪を結っているさとりの姿がある。
確かに、彼女の言うとおりさとりの顔立ちはどちらかといえば東洋人よりであるし、現に着物をうまく着こなして和服美人といっても過言ではない姿である。
ただし、着物の丈がミニスカート並みの短さなのは、フランなりのコーディネイトのつもりだったのだろう。
案の定、どこか気恥ずかしそうにしているさとりに、小悪魔はニヤニヤと悪戯ッ気タップリの視線を向けた。
「どうかしました、さとりさん。よくお似合いですけど?」
「いえ、その……この格好、スースーして落ち着かないのですが……」
さとりの一言に、一同が「まさか」とフランに視線を向ける。
どうして視線を向けられたのかわからず、フランは「はて?」と首を傾げるしかなかったのだが、やがて合点が言ったかポンッと手のひらを叩くと。
「あれ? 着物って下着つけないんじゃなかったっけ?」
そんな爆弾発言を投下したのであった。
■「小悪魔の場合」■
「それでは私、小悪魔の施したコーディネイトをご覧あれ~!!」
そんな自信満々の小悪魔の言葉と共に登場したさとりを見て、みんなが息を呑む。
ウィッグを付けたのか普段とは違う長い髪、白のワイシャツに赤のスクエアタイ、黒のベストにロングスカート、それだけでは飽き足らずストッキングすら完備。
さらには少し小さい眼鏡をつけてアクセントを加え、色合いこそ少ないが秘書のような姿に変身したさとりは、確かに大人っぽい印象を見る者に与えたのである。
「うにゅー、さとり様きれー……」
「さすが小悪魔、変なところで妙にセンスがいいのが腹立つわね」
呆然と呟いたおくうと、どこか感心しつつもなんだか納得のいかない様子のフラン。
お燐は「ほぅ」とうっとりしたような吐息をこぼし、こいしは姉の姿に満足なのかニコニコと満面の笑顔。
さとりも満更ではないようで、顔を赤らめつつもどこか得意げな様子であった。
「ありがとう、小悪魔さん。あなたのおかげで、私は自分に自信が持てたわ」
「いえいえ、お役に立てたならば光栄です。また何かあれば、存分におっしゃってくださいな」
仰々しく頭を垂れながらそう言葉にする小悪魔に、さとりは「えぇ」と言葉にして微笑んだ。
一体どうなることかと不安だったが、誰も彼もが自分のために、一生懸命にいろんな衣装を考えてくれた。
それが、素直にうれしいと思ったのだ。
心を読めるからこそ、誰もが真剣であったと理解できる。その心の声を聞くたびに、何度胸に熱いものが込み上げたことか。
お燐も、おくうも、こいしも、フランも、そして小悪魔も。
失敗こそ多々あったものの、さとりはみんなに感謝してもしきれないとさえ思っている。
従者である二人と妹にももちろん、妹の友人である少女と、その家族の小悪魔にも。
かつて、自分のためにこれほど真剣に悩んでくれた人々が、果たしてどれだけ居ただろう。
色々あったが―――そう、さとりは楽しかったのだ。
心の底から、楽しくて、嬉しいと、そう思えたから。
恥ずかしいこともあったけれど、そんなことも気にならなくなるくらいに。
「本当に、ありがとう」
「いえいえ、お気になさらず。何事も面白おかしく、皆ハッピーなのが一番なのです」
そんなことを本心から言った小悪魔に、さとりは微笑んで「それは素敵ですね」と、握手のために手を伸ばす。
その手の意味に気づいて、小悪魔はニッコリと満面の笑顔を浮かべて彼女の手をとり、そして握手し―――
次の瞬間、さとりが遅れてやってきたメガンテで大爆発した。
▼
後日、奇跡的に生還した古明地さとり氏はこう語る。
「爆発って、癖になりそうです」
さとりんは爆発の魅力に取り憑かれたようです。(誤字にあらず)
「よし、ならばメガンテです」
地霊殿のとある午後のひと時のこと、一緒に紅茶を楽しんでいたペットからそんなことを言われたさとりは、おもむろに自爆呪文を唱え始めた。
しかし、後ろからお燐に羽交い絞めされて、呪文の邪魔をされるのである。
ジタバタともがくが、力の弱いさとりじゃ火車のお燐に力で勝てるはずもないわけで。
「離しなさいお燐!!」
「いや、離しませんから!! 何ナチュラルに自爆しようとしてるんですか!!?」
「やだー!! メガンテ唱えるんですー!! 粉々に砕け散って爆散するんですー!!」
「やめてください、グロいです」
「メガンテッ!!」
「ちょっ!!?」
―――しかし MPが たりない―――
さとりは泣いた。さめざめと机に突っ伏し、テーブルクロスを涙で濡らして嗚咽をこぼしている。
果たして、その涙はおくうから「お子様っぽい」といわれたことに対してなのか、それともMPが足りなかったことの気恥ずかしさからなのか。
ことの元凶が事態をわかっていなくておろおろとしていたりするが、お燐はそんな光景を目にして盛大なため息をひとつこぼした。
「なんていうか、気にしてたんですか。子供っぽく見えること」
「気にしますよ、当たり前じゃないですか。……ところで、お燐は私のこといくつに見えます?」
「10歳ぐらい?」
「チクショーッ!!」
叫ぶと同時に涙があふれ出た。
さとりの心は限界だった。何が限界って、おくうにいたっては「5歳ぐらい?」などと悪びれもなく思っているあたりに全力で涙がナイアガラである。
なぜ、みんなして自分を幼女扱いしやがるのか、さとりは不思議で不思議でたまらなかった。
体格こそ小柄で線は細いが、身長は150程あるし、スタイルだってふくよかとはいかないが平均程度であると自負してる。
大人の女性、というにはさすがに無理があるだろうけれど、少女という表現が適当であるはずだ。専用BGMにも「少女」ってついてるし。
なのに何故、どいつもこいつも誰も彼もがワンランク下の幼女としか見やがらないのか!!?
さとりは嘆いた。
この世の不平等さに絶望し、世の少女と名乗る女性に怨念の声を撒き散らしてしまいそうなほどに。
お前には幼女の称号はくれてやろう。だから、少女の称号はこちらに寄越せとスキマ妖怪あたりに口走りそうな勢いである。
「うにゅ? さとり様は子供っぽく見られるのが嫌なんですか?」
「えぇ、そうですよおくう。あなたにはわからないでしょう、過剰に幼く見られる者の辛さは」
「うーん、その辺にはさとり様にも原因がありそうなんですけどねぇ」
ギロリと、鋭い視線がお燐に向けられる。
普段ならその視線に怯えるだろうお燐ではあったが、涙で目を腫らしたさとりの視線は怖くもなんともない。
それに何より、主人が本気で悩んでいるらしいのだ。
たとえ怒りを買うことになろうが、時にはそれを甘んじて受け、そして進言するのが従者というものである。
そして、彼女の主人はさとりだ。心を読むことができる彼女にしてみれば、今のお燐の考えも言葉にされずとも理解できる。
小さくため息をひとつつく。怒る気をなくしたのか、さとりは恨めしそうな視線をお燐から外し、代わりに向けたのは。
「この服のせいですか」
自身のお気に入りの服である。
パステルカラーの彼女の衣服は、見た目以上に彼女を幼く見せること請け合いだろう。
そして何よりも、その上下のカラーリングはまるで。
「まるで幼稚―――」
「お燐、それ以上言わないでください。泣きたくなってきますから」
みなまで言わなくてもわかってる。だから皆まで言わせる前に言葉を遮ったのは、せめて己の心を守るためだったのか。
ぶっちゃけると言葉遮っても心の声が聞こえるんでまるっきり無意味だが。
「ふふ、覚妖怪とは呪われた種族であることは変わりないのね。今も昔も」
「さとり様、なんかカッコイイ台詞口走ってますけど、状況鑑みると色々と台無しです」
そしてこの従者、結構容赦がないから困り者である。
お燐の言葉で一刀両断されたさとりは、再び机の上に突っ伏した。
果たして、かつてこれほど涙に濡れたことがあっただろうか。地上から追われたときもここまで泣かなかった様な気がするのだけど、正直それもどうかと思う。
「わかったわよ、脱げばいいんでしょう!! マッパで過ごせば今の状況も少しは改善され―――」
「されませんから!? 落ち着いてくださいさとり様!!? おくう、あんたもさとり様を止めて!!」
「うにゅ!!?」
「わかりましたお燐、落ち着きましょう! 要するに世の女性をすべて根絶やしにすれば私ははれて少女と呼ばれるようになりますよね? 呼ばれるよね!!?」
「ちっとも落ち着いてないし呼ばれませんからね!!? ていうか、その前にさとり様が滅ぼされますから!!?」
ぎゃーぎゃーと騒がしくなる地霊殿の一室。
さとりの暴走という世にも珍しい事態に、ペットであるお燐とおくうが彼女の暴走を止めようと奮闘するという光景が繰り広げられていた。
そんな珍事が繰り広げられる一室に―――
「こぁーっこぁっこぁっこぁっこぁっこぁ!! 話は聞かせてもらいましたよ!!」
そんな、自信に満ちた第三者の声が響き渡った。
「なんだい!? 今取り込み中だから後にしておくれよ!!?」
警戒しながら声を上げつつも、正直これ以上面倒ごとは御免なお燐は本音を包み隠さずぶちまけた。
だがしかし、声の主はそんなこと知ったことじゃないらしく、どこかで聞いたことがあるようなBGMが部屋を満たす。
そして、彼女たちは床下から現れた。お立ち台の如くせり上がる台の上に、二人の少女がなんかポーズを決めておいでだった。
「なんだかんだと聞かれたら」
「答えてあげるが世の情け」
「世界の平和を守るため」
「世界の破壊を防ぐため」
「愛と真実の悪を貫く」
「ラブリーチャーミーな敵役」
そしてどこぞ聞いたような名乗りを上げつつ、二人がスポットライトに照らされる。
一体いつの間に、こんな装置が用意されたんだろうかという至極全うな意見は飛び出すこともなくボー然としてしまい、ただ一人おくうだけが目をきらきらと輝かせていた。
そことなーく二人の少女の片割れが見覚えがあるどころか、思いっきり身内なのはやっぱりスルーすべきなのかとちょっと悩む。
そしてキリッと、二人の少女がさとりたちに視線を向けた。
「こいし!」
「小悪魔!!」
「銀河を駆けるこいしとこあの二人には!」
「ホワイトホール、白い明日が待ってます☆」
古明地こいしと小悪魔、二人が台詞を言い終わって綺麗にポーズを決めたところで、上空からマスコットっぽい誰かが二人の間に降り立った。
さとりがよくよく目を凝らしてみてみれば、某有名な猫ポ○モンの着ぐるみを装備したフランドール・スカーレットである。
「にゃ……にゃ~んて……にゃ」
ものすごく恥ずかしそうだった。どのくらい恥ずかしそうかって言うと、さとりたちのいる場所から顔が真っ赤になっているのが確認できるくらいに恥ずかしそうだった。
彼女の姉がこの場にいれば、鼻血を噴水の如く噴出してその場で身悶えしていたことだろう請け合いの姿である。
「だめです、妹様。もっとハッキリ堂々と!!」
「えぇ!!? でもさぁ……」
「がんばって、私も応援してるからさ」
「うぅ、こいしまで一緒になってさぁ……恥ずかしいんだよ、これ。ていうか、このメンバーだとここ小悪魔がやるべきじゃないの?」
『にゃーんてにゃ!! にゃーんてにゃ!! にゃーんてにゃ!!』
「聞けよ、手拍子すんなよ畜生」
ノリノリで手拍子する二人に恨みがましい視線を向けながら、諦めたかのようにため息をつく姿はなかなかに哀愁を漂わせている。
あんまりにも不憫でさとりとお燐がホロリと涙していることなど露知らず、フランは猫っぽいポーズを恥ずかしそうにとって。
「にゃ、にゃ~んて……にゃ~んて……って、出来るかぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「ケツがぁッ!!?」
照れ隠しで小悪魔のお尻を、レーヴァテインで思いっきりぶっ叩いた。
奇妙な悲鳴を上げつつ、天井近くまでせり上がった台の上からずったんばったんと転げ落ちてくるトラブルメーカー。
ごろごろごろズシャーっとなかなか壮絶な音を響かせつつ、さとり達のほうに転げ落ちてきた小悪魔の表情は、なんか微妙に気持ちよさそうだったから本当に救えない。
「ふ、うふふふふふ話は聞かせてもらいましたよ、さとりん。さとりんのお悩みはごもっともです」
「いや、お姉さん大丈夫かい? 今やたら危険な代物が直撃してたような気がするんだけど、臀部に」
「問題ありません、いつものことですし慣れてますし、気持ちいいので」
いつものことかよ。ていうか慣れてんのかよ。そして気持ちいいとか色々救えねぇ。
そんな至極全うなツッコミがお燐の脳内に飛び交ったが、言葉にしても事態は進展しそうにないんでそこはスルー。
おくうはよくわかってないのか「うにゅ?」と首をかしげていたが、今はかまってる暇はない。
「さとりんの幼く見える原因は服にあると、それは理解できますね?」
「えぇ。というか、ナチュラルにさとりんとか言わないでください」
「ならば、取るべき道はひとつ、そうでしょう?」
「無視ですか、そうですか」
こめかみの青筋をぴくぴくさせるさとりもなんのその、小悪魔は立ち上がると腕を組んでニィッと笑う。
その間に、フランとこいしも床に降り立った。それが合図であったかのように、小悪魔は口を開き―――
「脱ぎま「フンッ!!」ボディッ!!?」
皆まで言う暇もなく、フランのボディブロー連打で床(マット)に沈んだのであった。
▼
「と、いうわけで。皆さんでそれぞれ、大人っぽい「さとりん」をコーディネイトしましょー!!」
「だからさとりんって言わないでと……いえ、もういいです。好きに呼んでください」
ダメージから復帰した小悪魔が口にした提案に、さとりが何かを言いかけて諦めた。
今も小悪魔が何か説明をしていたが、それには取り合わずにさとりは隣でニコニコしている己の妹に恨みがましそうな視線を向ける。
「友達と一緒とはいえ、もうちょっと普通の登場は出来なかったの?」
「えー、だってあの方が面白そうだったもの」
気まずさなど欠片もなく、にこやかな笑顔のままそんな事をのたまう妹。
盛大なため息をひとつこぼすころには、いつの間にか小悪魔の説明は終わっていたらしい。
お燐の心を読んで事態を把握すれば、みんなが順番でさとりをコーディネイトし、みんなで審査しようという流れになったようだ。
もう、どうにでもなれ。それが嘘偽りのないさとりの心情である。
「さぁ、くじを引いてください。順番が決まったら、隣の部屋でじゃんじゃんコーディネイトしちゃいましょー!!」
楽しんでる。絶対楽しんでるよこいつ等。
そのような思いが浮かんでは口に出されることもなく沈殿し、結局重いため息として吐き出されることとなった。
そんな彼女が不憫だったのか、さとりの肩にポンッと手を置くフラン。
「ごめんね、うちの小悪魔がさ。それにしても、見た目が幼く見えるの気にしてたんだね」
「当たり前です。長く生きているというのに、不当に幼く見られるのはたまりませんから」
「あはは、確かにそうかもね。でもさ、いいじゃない。私なんて吸血鬼だから、見た目が成長するかも怪しいのに」
何しろ、そろそろ500年生きるというのにこの背格好である。
身長など今まで測ったことなど一度もないが、視線の高さが昔から変わらないあたりずっとこのままの恐れもあるわけで。
妖怪と吸血鬼。この二つは似ているようで成長過程が大幅に異なる可能性だってありうるのだ。
そのことに気がついたのだろう、さとりは心底不憫な視線を彼女に向け。
「……ごめんなさい」
「ねぇ、やめてくれる? そのかわいそうなもの見る目やめてくれる!? そして謝んないでよ、私が泣きたくなるでしょうが!!」
「大丈夫です妹様、私はそんな成長しない小さくてロリでペドンペドンなあなたが大好きです!!」
「ぶっ殺すよ!!?」
騒がしさがいっそう増した地霊殿にて、そんなやりとりを交えながらさとり改造計画は幕を開けたのであった。
■「お燐の場合」■
「ジャジャーン!! あたいが進める衣装はズバリ、ゴスロリ衣装さね!!」
『おぉ~!』
部屋に登場したさとりの姿を見て、一同が感嘆の声をこぼしていた。
黒をベースにしたフリル付の衣装はさとりの魅力を存分に引き出し、ブーツやバッグ、そしてカチューシャなどの小物がまた一層魅力を引き立たせている。
とうのさとりは物凄く恥ずかしそうに顔を真っ赤にしていたが、みんなは大絶賛でかなりの好評であった。
だがしかし―――
「でもさ、やっぱなんか幼いよね」
「グフゥッ!!?」
―――こいしの言うとおり、根本的なイメージの払拭にはいたらなかったのであった、南無。
■「おくうの場合」■
語ることは何もない。
ただ、あえて語るならばマント付の仮面ラ○ダーであったことをここに明記しておこうと思う。
ちなみに、さとりは仮面の下で号泣した。
■「こいしの場合」■
「大人の女性といえばチャイナよ!!」
そんな彼女の言葉とともに登場したさとりの姿は、皆が思わず言葉を忘れてしまうほどに新鮮なものだった。
漆黒のチャイナ服は金の刺繍が所々に散りばめられ、大胆なスリットがさとりの健康的な太腿を大きくさらしている。
多少背丈が残念な感じではあったが、幼いという印象は持たれにくいだろう。
だがしかし。
「……ところでお姉ちゃん、そんなに胸大きかったっけ?」
「……ごめんなさい、見栄張りました」
一部分の詰め物が判明したことにより、場に微妙な雰囲気が流れるのであった。
■「フランの場合」■
「私は着物をチョイスしてみたよ。さとりって東洋人系だし、和服は合うと思ったの」
「むむ、その発想はなかったわ」
「うにゅ~、さとり様似合ってますよー!!」
フランの言葉に「なるほど」と納得するこいしと、大絶賛のおくう。
彼女達の視線の先には、藍色の着物に身を包み、髪を結っているさとりの姿がある。
確かに、彼女の言うとおりさとりの顔立ちはどちらかといえば東洋人よりであるし、現に着物をうまく着こなして和服美人といっても過言ではない姿である。
ただし、着物の丈がミニスカート並みの短さなのは、フランなりのコーディネイトのつもりだったのだろう。
案の定、どこか気恥ずかしそうにしているさとりに、小悪魔はニヤニヤと悪戯ッ気タップリの視線を向けた。
「どうかしました、さとりさん。よくお似合いですけど?」
「いえ、その……この格好、スースーして落ち着かないのですが……」
さとりの一言に、一同が「まさか」とフランに視線を向ける。
どうして視線を向けられたのかわからず、フランは「はて?」と首を傾げるしかなかったのだが、やがて合点が言ったかポンッと手のひらを叩くと。
「あれ? 着物って下着つけないんじゃなかったっけ?」
そんな爆弾発言を投下したのであった。
■「小悪魔の場合」■
「それでは私、小悪魔の施したコーディネイトをご覧あれ~!!」
そんな自信満々の小悪魔の言葉と共に登場したさとりを見て、みんなが息を呑む。
ウィッグを付けたのか普段とは違う長い髪、白のワイシャツに赤のスクエアタイ、黒のベストにロングスカート、それだけでは飽き足らずストッキングすら完備。
さらには少し小さい眼鏡をつけてアクセントを加え、色合いこそ少ないが秘書のような姿に変身したさとりは、確かに大人っぽい印象を見る者に与えたのである。
「うにゅー、さとり様きれー……」
「さすが小悪魔、変なところで妙にセンスがいいのが腹立つわね」
呆然と呟いたおくうと、どこか感心しつつもなんだか納得のいかない様子のフラン。
お燐は「ほぅ」とうっとりしたような吐息をこぼし、こいしは姉の姿に満足なのかニコニコと満面の笑顔。
さとりも満更ではないようで、顔を赤らめつつもどこか得意げな様子であった。
「ありがとう、小悪魔さん。あなたのおかげで、私は自分に自信が持てたわ」
「いえいえ、お役に立てたならば光栄です。また何かあれば、存分におっしゃってくださいな」
仰々しく頭を垂れながらそう言葉にする小悪魔に、さとりは「えぇ」と言葉にして微笑んだ。
一体どうなることかと不安だったが、誰も彼もが自分のために、一生懸命にいろんな衣装を考えてくれた。
それが、素直にうれしいと思ったのだ。
心を読めるからこそ、誰もが真剣であったと理解できる。その心の声を聞くたびに、何度胸に熱いものが込み上げたことか。
お燐も、おくうも、こいしも、フランも、そして小悪魔も。
失敗こそ多々あったものの、さとりはみんなに感謝してもしきれないとさえ思っている。
従者である二人と妹にももちろん、妹の友人である少女と、その家族の小悪魔にも。
かつて、自分のためにこれほど真剣に悩んでくれた人々が、果たしてどれだけ居ただろう。
色々あったが―――そう、さとりは楽しかったのだ。
心の底から、楽しくて、嬉しいと、そう思えたから。
恥ずかしいこともあったけれど、そんなことも気にならなくなるくらいに。
「本当に、ありがとう」
「いえいえ、お気になさらず。何事も面白おかしく、皆ハッピーなのが一番なのです」
そんなことを本心から言った小悪魔に、さとりは微笑んで「それは素敵ですね」と、握手のために手を伸ばす。
その手の意味に気づいて、小悪魔はニッコリと満面の笑顔を浮かべて彼女の手をとり、そして握手し―――
次の瞬間、さとりが遅れてやってきたメガンテで大爆発した。
▼
後日、奇跡的に生還した古明地さとり氏はこう語る。
「爆発って、癖になりそうです」
さとりんは爆発の魅力に取り憑かれたようです。(誤字にあらず)
着物さとり見たいです
タグを見ないまま読んでたのでまさかのこあの登場に大爆笑したww
ミニ着物ではいてないだと……!いや、でも着物にドロワーズはないもんな。当然の選択だ。
秘書スタイルはストッキングまで穿いてるんですから大人っぽいコーディネートするなら当然黒レースですよね。
それともまさか今回もストッキング直穿き……?!
しかし、メガンテって消費MP1ですよね。たしか。
いいぞもっとやれ
次回からはかげふみ妖怪のソーナノカがマスコットになるんですね!
しかしお燐よ、そりゃぁ変わんないでしょうだってゴシック「ロリータ」ですもの
けしからん!もっとやれ!
れみりゃだけでなく僕の鼻血もナイアガラさ。
いいキャラだ
コスチュームチェンジで最大MPがあがったとかそういう……いやいや。
お燐、ゴスロリってゴシック『ロリータ』の略称やぞw
Grip & Break down
でも悲しいけど今は口上変わってるのよね
でも可愛いからよし!!
しょっぱな飛ばし過ぎでワロタww
そしてやっぱり爆発オチなのか!
いやしかしさとりんのコスプレ集見てみたいな
一番萌えたのはフランちゃんのコスが見てみたい。
けい○んのあずにゃんを想像したのは私だけで十分