快晴であった。
天候はもとより、世界にとっての危機が去った今、ある一人の青年も、その母も心を晴れ晴れとしたものにしていたのである。彼は軽い足取りで玄関に向かうと、母に外出の旨を伝えた。
「母さん、俺街を見回りに行ってきます」
彼の外出の理由の中には、ろくな食料のないこの時勢に、少しでも保存できるものを探すこともあった。しかし何よりも彼が気にかけていたことは、先の脅威に連なる存在が来ているかということであり、そのための見回りであるのだった。この見回りはそれほど時間を食わない。彼は空を飛ぶことができるからであった。
ひとしきりパトロールした後、運良く限定配給が行われているのを見つけた彼は流動食を入手してそのまま帰路に就こうとした。だが兄妹のように見える子供二人がパンの耳を奪い合っているのを目にし、まず食料を母の分と自分の分に分けてから自分のそれを少し分けてやった。兄弟はこのあたりだ花を知られている青年に感謝し、家に帰って行った。青年はそれを目にし、復興が進んでいるのを感じた。以前ならばしょっちゅう暴動が起き配給などは行っている余裕がなかったので、子供が外を出歩くなどあり得ないことだったのだ。
自宅に就き、テーブルの上の母の書置きを見つけた彼は、その内容を見て「そうか、やっとか!」と喜びをあらわにし、さっそくそこに書いてある通りに作業を始めた。
日の落ちる頃帰宅した母は、九割がた終わっている作業に驚いた。
「さすがは私の息子!じゃ、仕上げにかかるとしようかしら」
母が加わって作業は完了し、青年はいよいよか、と意気込んだ。
「もう使っても大丈夫かな?」
「OKだけど、少しゆっくりしてから言ったら?あっちに行ったら当分戻らないんでしょう?」
「いや、今回は報告だけだけど…じゃあとりあえずお茶してから行くよ」
コーヒーを淹れて、二人は甲板でブレイクをとった。母は彼の父には似ていない顔を見て、今は亡き夫のことを思った。
「さて…行くかな」
しばらくして彼は呟き、準備した宇宙船のような物のコックピットに座った。
「行ってきます、母さん!」
「無いとは思うけど、怪我なんかしないでよ!」
息子は心配する母にサムズアップし、目的地を設定して旅立った。その精悍な顔つきは、父がいない今でも、この子も私も大丈夫という希望を、母に持たせた。
機器が目的地への到着を告げるかと思った瞬間、非常事態発生というアナウンスが流れた。
「な、何だ?」
それを確かめる暇もなく、青年は不時着した《その地》の地面に身を投げ出された。見上げた視線の先には…見たこともないような自然、幻想的、牧歌的な風景と、一人の少女の姿があった。
「ここは…どこなんですか!?いや、今はいつなんですか!?」
彼は今の状況を不思議がっているようだが、彼の質問もまた、少女に疑問を抱かせた。
「ここは幻想郷で、イマは今だけど…どういう意味?」
「ああそうか、すいません。気が動転してまして。おれはタイムトラベルしてここに誤って来てしまったんです。」
「たいむ…?」
「時間を移動する、俺の時代の機械です。信じてもらえないかもしれませんが…」
「ふーん、珍しいことでもないかも」
あっさりとした答えに、青年は面食らった。
「そうなんですか!?良かった、話がややこしくならずに済む。すいませんが、『幻想郷』とはどのような所か教えていただけませんか?」
「うーん、簡潔に言うのは難しいんだけれど…まあ、外の世界にいられない人や妖怪、場合によっては神様が住む場所ね。逆にこれを信じてくれないかもしれないけど…」
「そういうことなら理解できます。慣れているので。」
「うそ!?じゃあ普通の人ってわけでもなさそうね」
「ええ、まあ。それでは、いろいろありがとうございました!」
言うが早いか、彼は飛び去ってしまおうとしたが、少女が呼び止めた。
「ああ、ちょっと待ってよ!あなた帰り方わかるわけ!?」
「わかりませんけど、忙しいかと思いまして」
「私たちは基本暇だから大丈夫よ。方法を探してあげるって」
「本当ですか?ありがとうございます!」
彼女はこの真摯な青年に少し当惑したが、やがて名を名乗った。
「わたしはリグル。リグル=ナイトバグ。貴方は?」
「俺ですか?おれは―」
青年は背にかけた剣のズレを直し、少女のほうに向きなおって言った。
「トランクスと言います。」
双子の山の下から、朝焼けが顔をのぞかせていた。
天候はもとより、世界にとっての危機が去った今、ある一人の青年も、その母も心を晴れ晴れとしたものにしていたのである。彼は軽い足取りで玄関に向かうと、母に外出の旨を伝えた。
「母さん、俺街を見回りに行ってきます」
彼の外出の理由の中には、ろくな食料のないこの時勢に、少しでも保存できるものを探すこともあった。しかし何よりも彼が気にかけていたことは、先の脅威に連なる存在が来ているかということであり、そのための見回りであるのだった。この見回りはそれほど時間を食わない。彼は空を飛ぶことができるからであった。
ひとしきりパトロールした後、運良く限定配給が行われているのを見つけた彼は流動食を入手してそのまま帰路に就こうとした。だが兄妹のように見える子供二人がパンの耳を奪い合っているのを目にし、まず食料を母の分と自分の分に分けてから自分のそれを少し分けてやった。兄弟はこのあたりだ花を知られている青年に感謝し、家に帰って行った。青年はそれを目にし、復興が進んでいるのを感じた。以前ならばしょっちゅう暴動が起き配給などは行っている余裕がなかったので、子供が外を出歩くなどあり得ないことだったのだ。
自宅に就き、テーブルの上の母の書置きを見つけた彼は、その内容を見て「そうか、やっとか!」と喜びをあらわにし、さっそくそこに書いてある通りに作業を始めた。
日の落ちる頃帰宅した母は、九割がた終わっている作業に驚いた。
「さすがは私の息子!じゃ、仕上げにかかるとしようかしら」
母が加わって作業は完了し、青年はいよいよか、と意気込んだ。
「もう使っても大丈夫かな?」
「OKだけど、少しゆっくりしてから言ったら?あっちに行ったら当分戻らないんでしょう?」
「いや、今回は報告だけだけど…じゃあとりあえずお茶してから行くよ」
コーヒーを淹れて、二人は甲板でブレイクをとった。母は彼の父には似ていない顔を見て、今は亡き夫のことを思った。
「さて…行くかな」
しばらくして彼は呟き、準備した宇宙船のような物のコックピットに座った。
「行ってきます、母さん!」
「無いとは思うけど、怪我なんかしないでよ!」
息子は心配する母にサムズアップし、目的地を設定して旅立った。その精悍な顔つきは、父がいない今でも、この子も私も大丈夫という希望を、母に持たせた。
機器が目的地への到着を告げるかと思った瞬間、非常事態発生というアナウンスが流れた。
「な、何だ?」
それを確かめる暇もなく、青年は不時着した《その地》の地面に身を投げ出された。見上げた視線の先には…見たこともないような自然、幻想的、牧歌的な風景と、一人の少女の姿があった。
「ここは…どこなんですか!?いや、今はいつなんですか!?」
彼は今の状況を不思議がっているようだが、彼の質問もまた、少女に疑問を抱かせた。
「ここは幻想郷で、イマは今だけど…どういう意味?」
「ああそうか、すいません。気が動転してまして。おれはタイムトラベルしてここに誤って来てしまったんです。」
「たいむ…?」
「時間を移動する、俺の時代の機械です。信じてもらえないかもしれませんが…」
「ふーん、珍しいことでもないかも」
あっさりとした答えに、青年は面食らった。
「そうなんですか!?良かった、話がややこしくならずに済む。すいませんが、『幻想郷』とはどのような所か教えていただけませんか?」
「うーん、簡潔に言うのは難しいんだけれど…まあ、外の世界にいられない人や妖怪、場合によっては神様が住む場所ね。逆にこれを信じてくれないかもしれないけど…」
「そういうことなら理解できます。慣れているので。」
「うそ!?じゃあ普通の人ってわけでもなさそうね」
「ええ、まあ。それでは、いろいろありがとうございました!」
言うが早いか、彼は飛び去ってしまおうとしたが、少女が呼び止めた。
「ああ、ちょっと待ってよ!あなた帰り方わかるわけ!?」
「わかりませんけど、忙しいかと思いまして」
「私たちは基本暇だから大丈夫よ。方法を探してあげるって」
「本当ですか?ありがとうございます!」
彼女はこの真摯な青年に少し当惑したが、やがて名を名乗った。
「わたしはリグル。リグル=ナイトバグ。貴方は?」
「俺ですか?おれは―」
青年は背にかけた剣のズレを直し、少女のほうに向きなおって言った。
「トランクスと言います。」
双子の山の下から、朝焼けが顔をのぞかせていた。
文章を読んでいても、情景が全く思い浮かんできません。
「クロスオーバー」、「タイトルが東方○○○」、「何話も続きそうな長編(かつ1話が極端に短い、ましてや最初はプロローグのみ)」
なんて作品は評価されるどころかフルボッコ対象なんです。
もちろん投稿してはいけないなんて事はないですが、よほど実力が無い限り好感触な評価を多数得る事はないでしょう。というか見たことありません。
内容については、これだけじゃあ評価しようがありません。
ただ、展開や文章の表現は正直に言って決して悪くはないと思います。
個人的にはクロスオーバーではなくて、あなたの東方オンリーの作品が見たいなあと感じました。
それと、導入部だとしても、もっと詳しく書けば相応の長さになるでしょう。
今回はフリーレスとしますが、これらのコメントを見た氏の精進に期待します。
意味の解らない言葉や変換ミスがありますので校正お願いします
感想としては他の方も書いてますが情景が浮かびにくいので詳しく書いて欲しいかな
次に期待