Coolier - 新生・東方創想話

レイラのためのアンサンブル

2010/06/19 04:42:15
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「お姉ちゃん達なんか大っ嫌い!!」

 家を出ようとした私にレイラが放ったこの言葉が、今も心に刺さって離れない。


******************************


 早くにお母様を亡くしてからは、家の事をするのは私の仕事になった。


 お父様は伯爵だから家は裕福だったけど、メイドや執事を雇うのが嫌いだったみたいだ。
 「私の大事な家にどうして住み込みまがいの他人をいれねばならんのだ」って。
 私から見れば、猫のなわばり争いを彷彿とさせる呆れた意地なんだけど。
 ・・・今振り返ってみれば、幼いレイラにはお父様のこの偏屈な考え方が深く根付いていたのかも知れない。

 とにかく、お父様のそんな猫意地のせいで一番割を食ったのは多分私だ。

 元気で明るいんだけど、心が不安定な次女のメルラン。
 お調子者で、放っておくとすぐにずるしようとする三女のリリカ。
 甘えん坊で、一度ごね出したら聞かない四女のレイラ。
 料理や掃除も大変だったけど、この三人の保護者役が一番の仕事だった。


 最初は、私が他の家事をこなしている間にメルランとリリカにレイラの子守を頼んでいた。
 するとリリカは極めて自然な流れでその仕事をメルラン一人に押しつけようとする。
 メルランがその策略に気付かず一人でやってくれればそれでよし、でも気付くとすぐ怒り出す。
 そしたらメルランとリリカが喧嘩になって、その間レイラは一人になる。
 レイラはそのたった数分の孤独にも耐えられなくなって、泣きながら私の所に来る。
 もしその時に火を使った料理をしていたり、来客中だったりすると、もちろん私も手が放せない。
 その場合にレイラの取る行動が、幼さ故に短絡的極まりないものだった。
 目の前の私に対して怒りをぶつけるのだ。そうなるともう家事どころではない。

 だから私は、家事を妹達と一緒にやることにした。
 もちろん、分担した方が効率がいいけど・・・と言うより、同じ場所で同じ仕事を四人でするなんてむしろ邪魔なんだけど、総合的にはそっちの方が楽だと結論した。
 何より、その方がレイラが楽しそうにしてくれた。
 甘えん坊で淋しがり屋のレイラは、四人一緒の時間が一番好きみたいだった。
 もちろん、私も嫌いじゃなかったけど。


 それはお父様も同じだったみたいで、私達四人が一緒に遊んでいるのを見ては、目を細めていた。
 私達に楽器をやらせたいと言い出したのもお父様だ。音楽を通じて私達が助け合うのを見たかったみたい。

 私には一番難しいヴァイオリン。メルランには元気さを表現しやすいトランペット。リリカはその器用さを活かしてピアノ。
 レイラにはまだ楽器は無理だから、歌を歌わせた。
 「プリズムリバー楽団」なんて呼んで、近所の人や社交界の人をなわばりに招いて披露していた。
 それで、そのお客様が我が娘達を褒めそやすのを見てはまた喜ぶ・・・一言で言えば親バカ。
 レイラの歌がいい感じに拙かったらしく、その可愛げが特に人気だった。

 お父様は私達四人を愛してくれたし、私達もお父様とお互いを愛した。
 お母様がいなくて淋しくないと言えば嘘になるけど、間違いなく私は幸せだった。


 こんな日々が、大人になるまでずっと続くんだって思っていた。


******************************


 ある日、お父様がお仕事を休んで、少し遠くの野山へ苺狩りに行こうって言いだした。

 多分、いつも家事ばかりしているルナサ姉さんを気遣っての事だったんだと思う。
 私はそれを感じて少し肩身が狭い思いをしたのを覚えてる。
 次女なのに、ルナサ姉さんの助けになれてないんだなぁって。

 朝からお屋敷を出発して、二時間くらいの道程だった。
 結構遠くてリリカは文句たらたらだったけど、レイラは鼻歌まじりのピクニック気分で楽しそうだった。まあ実際ピクニックだし。
 私も楽しかった。ルナサ姉さんは・・・はた目には楽しそうに見えなかったけど、きっと楽しんでいたと思う。
 ルナサ姉さんはレイラが喜んでいるのを見るのが好きだったから。ほんと、姉バカよね。

 でもルナサ姉さんだけじゃなくて、家族みんながやっぱりどうしてもレイラ中心の考え方になった。
 一番年下で、四姉妹の中でも少し年が離れてるし、何よりわがままで、機嫌を損ねたらうるさいから。
 別にそれでも楽しかった・・・というより、それが正しい姿だったんだと思う。
 レイラは母親を知らないようなものだし、誰もそうとは言わなかったけど、みんなレイラを哀れに感じてた雰囲気はあった。


 昼前には、苺がたくさんなっている場所に着いた。

「お父様、これ全部食べてもいいの!?」

 レイラは大喜びで苺を頬張りながら聞いた。既に食べてるんでしょうが・・・ダメって言われたらどうするつもりだったのかしら。
 お父様もお父様で、レイラに何かをダメと言った事がなかったんじゃないかな。
 それがまたレイラのわがままな性格を助長してた気がする。
 親バカに姉バカ。ほんとにこの家にはバカばっかりでやんなっちゃう。私もその一人だったけどね。

 お昼ご飯代わりに苺をお腹いっぱい食べたけど、もちろん苺はなくならない。
 後は持ってきたバスケットに詰められるだけ苺を詰めて、家に持って帰ってジャムにする。
 と言っても、ジャムにするのはルナサ姉さんなんだけど。
 いつも思っていた。ルナサ姉さんは何でもできてすごいなぁって・・・まるでお母様みたい。
 それに比べて、リリカはバスケットに苺を詰める作業すらさぼっていた。
 あの娘ったら・・・。

 二時間くらいかけて来た道程を、二時間くらいかけて帰った。
 レイラはもう疲れて寝ちゃっていたので、みんなで交代しながらおんぶしていた。
 私がおぶった後はリリカに渡した。そうじゃないといつまで経っても自分からは代わると言い出さないから。
 だけどリリカは意外にも、一度おんぶしたらその後誰かに渡そうとしなかった。すぐに音を上げると思ったんだけどな。
 リリカはよく分からないところで急に頑張り出す事がある娘だった。
 何かの拍子にスイッチでも入るのかな。


 夕方近くなって、ようやく街まで帰ってきたけど、リリカはまだレイラをおぶっていた。
 でも一日の疲れもあったし、だいぶ足取りが重くなっていて、いつの間にか私達のだいぶ後ろを歩いていた。

「リリカ、もういいよ。代わろう」

 ルナサ姉さんが雑踏の中をトボトボとうつむきながら歩くリリカに気付いて駆け戻った。
 私も、振り返ってリリカがルナサ姉さんにレイラ渡す姿を見届けていた。


 だから私達は四人共、お父様が馬車に轢かれるところを見ていない。


******************************


 私がルナサ姉さんにレイラを渡したちょうどその時、前の方ですごい音がした。
 次に聞こえたのは悲鳴。


 駆け寄った私達は悲鳴をあげられなかった。

 レイラが起きてしまう。

 バスケットの苺が全部つぶれて、お父様の白いシャツを真っ赤に染めていた。



 お父様の葬儀でも、ルナサ姉さんは凛としていて、手続きとか何とか、色々と走り回ってくれていた。
 メルラン姉さんはただ大声で泣いて喚いているばかりだった。
 私はレイラの肩を強く抱いて座っていた。間違ってもルナサ姉さんの所へ行かないように。
 家族を手伝うだなんて恥ずかしくて自分からは言い出せないけど、ルナサ姉さんがレイラに気を取られないようにするくらいなら。
 何も言わなくても、私はただレイラの側にいてやればいい。


 その時、嫌になるくらい私は冷静だった。

 泣きじゃくっていたメルラン姉さんとレイラはもちろんのこと、ルナサ姉さんも悲しみをかき消す為に奔走していたんだと思う。
 私は・・・私だけは今の悲しみよりも、私達の将来のことを考えてしまっていた。

 本当に薄情な娘。

 お父様もお母様も一人っ子で、私達にはいわゆる「親戚」という存在がない。
 お父様が亡くなって、跡取り息子のいないうちの伯爵家称号はすぐに剥奪されてしまうだろう。
 明日食べる物がないかもしれない。

 どこかが養女として引き取ってくれればいい。
 でも、四人が同じ家に引き取られるのは難しいだろうって、私はその時から分かっていた。
 分かっていたから、私はより一層、強くレイラの肩を抱き寄せた。
 この甘えたがりの妹は、私達と離れて暮らしていけるだろうかと、そればかりが気になった。



「そんな!何とかならないんですか!」

 葬儀も過ぎて何日か経った後、応接間からルナサ姉さんの声が響いた。
 お客様にお茶を出して部屋から出てきたメルラン姉さんに中の様子を聞いたが、やはり私の予想通りだった。

 私達四人は、四人共別々の家に引き取られる。
 ルナサ姉さんがせめてレイラだけでも一緒に、と食い下がっているとの事だったが、結果は見えていた。


 その晩、ルナサ姉さんからこれからの事について聞いた。

 翌日には生き別れると。


「やだ!お姉ちゃん達と離れるなんてやだ!このお屋敷から出るなんてやだ!」
「レイラ、よく聞いて。私達には、もう一緒にいられるだけのお金がなくなっちゃうの。食べ物も買えなくなっちゃうの。お腹が空いてレイラが死んじゃったら、お姉ちゃん嫌だな」
「食べ物なんか買わなくたって、みんなで毎日苺を食べに行けばいいもん!」
「毎日食べたら苺だって無くなっちゃうよ。それにね、苺がなるのは今の季節だけなんだよ」
「やだ・・・やだ!」

 レイラにそんな真っ当な理屈なんて通用するはずないのに。ルナサ姉さんらしくないと思った。

 その時レイラは生まれて初めて、わがままが通らないという状況に遭遇したんだろうと思う。
 初めて出会った自分の気持ちをうまく表現できずに、レイラは自分の部屋に走った。

 ルナサ姉さんはそれ以上レイラにかける言葉も見つからなかったらしく、追うこともせずに黙って座り込んでしまった。

「レイラだけじゃないよね。私達も今夜で最後・・・」

 メルラン姉さんの方はまた泣き出しそうになっていた。


 みんな、何にも分かってない。
 最後の夜に私達がレイラに残してあげられるものなんて、一つしかないのに。

 私は、何も言わずにピアノを弾き始めた。



 一晩中、三人で演奏を続けた。
 レイラは部屋から出て来てはくれなかったけど、その音楽はちゃんと聞こえていたはず。

 お姉ちゃん達からの最後のプレゼント。ずっと大切にしてね。



 最後の夜が明けた。

 私達の養父になる三人の大人達が屋敷にやって来た。
 後一人、レイラの養父は用事があって、来るのは昼前になると言った。

「レイラ!お願いだから出て来て!お別れになる前に、お姉ちゃん達に笑顔を見せて!」

 メルラン姉さんがレイラの部屋の扉を叩き続けたけど、レイラは出て来なかった。


 最後のお別れがあんな風になるのは嫌だったけど、大人達は忙しいみたいだった。
 時間稼ぎもできなくなって、大人達に腕を掴まれて、私達はついに生まれ育ったお屋敷の扉を開けた。

 レイラがやっと出て来てくれたのは、その時だった。


「お姉ちゃん達なんか大っ嫌い!!」


******************************


 お姉ちゃん達が行っちゃった

 お姉ちゃん達のバカ
 何でみんな一緒にいられないのよ
 もう知らない
 私は一人でもお父様のお屋敷を守るんだから


 誰か来た
 きっと私を連れて行こうとする人だ
 隠れなきゃ

 私の名前を呼んで探してる
 やっぱりそうなんだ
 悪い人だ
 見つかるもんか



 あれ
 いつの間に寝てたんだろう
 もう悪い人はいないみたい


 お外が真っ暗だ

 どうしよう
 お屋敷の中がすごく静かで暗い

 やだな



 お姉ちゃん
 怖いよ
 淋しいよ



 ルナサお姉ちゃん
 メルランお姉ちゃん
 リリカお姉ちゃん

 帰って来てよ
 もう会えないなんてやだよ
 ひとりぼっちなんてやだよ


 またみんなで演奏してよ

 私も歌うから
 上手に歌うから


 ねぇ


 お姉ちゃん・・・

 お姉ちゃん・・・・・・






 お姉ちゃん!!!!!!!!!


******************************


 レイラがお屋敷にいなかったらしいって聞いて、私はいてもたってもいられなくなって、新しいお屋敷を飛び出した。

 走って、走って、走って、ようやく私達のお屋敷まで帰って来た。



 その私の目の前で、お屋敷ごとレイラが消えていった。






  了
 これで終わりです。

 この時レイラは幻想郷へ誘われ、同時にレイラの強い感情から今の騒霊三姉妹が生まれました。
 そしてリリカ達からの最後のプレゼントである音楽を、失われてしまった音として騒霊三姉妹に与えたのです。


 レイラが幻想郷に来たことで、外の世界の住人である姉達にとってレイラに関する物語は一瞬で幕を閉じました。
 それを表現しようとした本作の終わり方には賛否両論あるかと思いますが、人の存在が消えるとは、こういう事だと思います。


 本作では、起承転結それぞれの語り手をプリズムリバー四姉妹に受け持ってもらいました。
 レイラは全然違うとして、他の三人についてもそれぞれの性格の違いを文章の内容や書き方に表してみたつもりなのですが、
 読者様から見てその違いは読みとれたでしょうか?
 というか、私の解釈する三人の性格の表と裏は当を得ているのでしょうか?
 もし読者様の中にプリズムリバーファンの方がおられましたら、是非この書き分けについてご感想をお聞きしたいところです。


 また、起承転結の話をするなら、本作に結であるレイラの語りは本来あるべきではありませんでした。
 本作は三人の姉達が過去を振り返る形式でレイラについて語る作品であるのに対し、
 レイラはその立場上、今起きている事を語っている形式にならざるを得ません。
 何より、タイトルの「レイラのためのアンサンブル」は三人の姉達が最後に演奏した音楽であると同時に、
 三人の姉達がそれぞれにレイラを想って語っている姿を表したものなので、
 レイラの語りが入るというのは作品としてかなりの違和感が生まれてしまいますが、
 騒霊三姉妹が生まれる大事な場面なので、どうしてもレイラ本人の言葉で綴らせたかったのが真意です。


 総括して、何かとバクチ要素の多い作品になってしまいましたかも知れません。
 久々に書いたシリアスなので、様々なご意見をお待ちしています。
アデリーペンギン
簡易評価

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コメント



0.470簡易評価
5.80名前が無い程度の能力削除
最近、虹川モノを見るとパブロフの犬のごとく反応してしまう……。

結にもうちょっとしっかりした描写が欲しかったのと、視点変更がやや強引ぎみな印象は受けましたが、
四姉妹の良いお話が読めたので満足感。
10.70コチドリ削除
これはもう「そういうものなんだ」と納得するしかないのだと思うのですが、
ぶっちゃけプリズムリバー四姉妹って原作でも設定があやふやですよね。

まずはプリズムリバー伯爵。
神主や作者様がこの爵位にどのようなイメージを抱いているのか。
本作では彼の死亡原因を馬車による事故死としているので、近代を時代背景としているのでしょうか。
ならば当主が亡くなってすぐに、政治的ならばともかく経済的な原因で姉妹がバラバラになるほど
脆弱な台所事情の地位だとは思えないんですよね、個人的に。
ま、現代は結構カツカツな生活をしている貴族もいるとは聞いているのですが。
原作については、マジックアイテム自体の呪いか禁制の魔道具に手を出したペナルティで取り潰されたと解釈しています。

次に、上でもちょっと触れていますが、騒霊三姉妹はいつレイラによって生み出されたのでしょう。
リリカが誕生当初からキーボードを担当していると考えるならそう遠くない過去となり、
幻想郷での彼女達はかなりの新顔と解釈することも出来る。ただメリーのメモという事例もあるように、異なる世界では
時系列のずれが発生することもあるみたいだし、これもあやふやだ。
作者様が描写しているように、最初はピアノだったけど時が流れる内にキーボードにモデルチェンジしたと考えるのが
一番自然って気もしますね。

最後に何故レイラは幻想郷に引き込まれたのか。
姉達が存命だとするなら忘れ去られたという線は薄いという気がします。特にこのお話ではお互いを強く思い遣ってますし。
うーん、紫様が気まぐれで神隠しをやらかしたのかな?

後書きで仰られたキャラの書き分けについては、もう少しそれぞれの性格や言動を掘り下げてもらえると嬉しかったかも。
レイラから見た視点を抜きにして、人間時の性格=騒霊時の性格として良いのならば、鬱・躁・狡猾をもっとデフォルメして
描写すれば姉妹間のコントラストが更に際立ったかもしれませんね。
自分は基本、各々の作者様のキャラ造形を尊重します。一つの物語で設定した性格に矛盾した行動を取れば突っ込みますが。
「こんなの俺の○○じゃねぇ!」と熱くなるのは紫様の時だけ……、のはず。

唐突なラストに関しては賛否というよりも、「あ、そうなんだ」って印象ですかね。
申し訳ない。そこまで物語に惹き込まれなかったというのが正直な感想です。


追記
 
『さくら地に降る』及び『私の日記』における作者様の真摯なるコメ返、ありがたく頂戴致します。マジほっとした。
そして輝夜シリーズの最新作にもうすぐお目にかかれるですと? こいつは冬から縁起がいいや。

……過去作にコメントを付けているのは、
「早く最新作読ませろや、コラ」
という感情に基づく婉曲なプレッシャーでは決して無いですよ。ホントだよ?
11.無評価アデリーペンギン削除
色々とご意見ありがとうございます。他の作品にも。
少なくともコチドリさんが「この人の作品だからとりあえず褒めとけ」みたいな感じじゃなくて良かったです。
全作品に賞賛だったら盲目的に褒めてるだけに見えてしまうのでw
逆に褒めてくれてる時は素直に喜んでいいんですね。

確かにこの作品は自分の作品中でもいまいち感が払拭できません。
ちなみに、「そんな出来のを投稿してんじゃねぇ」というツッコミは聞こえません。

何があったかと言うと、「私の日記」以降ジェネリックに篭ってまして・・・。
長編に手をつけたものの続きを考えるのは大変だし、でも途中で投げ出すのも嫌だし、続きを期待してる人は期待してるみたいだし・・・という気分で惰性で書き続ける毎日でした。
そんなのでは筆も乗らず、更には「ジェネリックだから推敲はほどほどでいいか・・・今は質より量でしょ」というけしからん発想まで出てきてしまう始末。
やっと最後まで書き上げて真型に帰って来て、最初に書いたのがこれです。
なので、「ジェネリックだからまぁいいか」癖が残っていたんだと思います。
そこからしばらくの作品は推敲が足りていないような気がします。
まぁ、言い訳になっていませんが。


三姉妹の人間時の性格と、騒霊時の性格は同じじゃない設定です。
騒霊はレイラが創りだしたものなので、人間時の性格をレイラから見たら騒霊時の性格に見えていた・・・
つまり、デフォルメされる前の性格を想像して書いています。
幻想郷の住人ですらない生身の人間は、一単語で表現できるような単純な性格ではないですから。
リリカは「狡猾」なだけの子じゃないんですよっ。

とまぁ、本作品がそんな所まで読み取れるように書けている訳でもなく、結果として何の面白みも無い作品に仕上がった訳です。
そんな所に拘ったせいでキャラの魅力まで潰れてますしね。


本作品に限らず、いくつかの作品は機会があれば書き直したいなぁと思うことが時々あります。
書き直しませんけどね。きりがないので。