おはこんばんちは! 容姿端麗、成績優秀、文武両道、幻想郷のアイドル、そしてパチェ萌えランキング2位の小悪魔です。
……すみません、言い過ぎました。改めて皆さんのアイドル小悪魔です。
元気にパチェ萌えしていましたか? 私はいつもパチェ萌えです。
好きな言葉はもちろん「パチェ萌え」! 次点として「おれのものはおれのもの、お前のものもおれのもの」
この辺テストに出ますよ。覚えておいてくださいね。
卒業論文にしている方はこれが抜けえると、問答無用で落としますので気をつけてください。ほら、そこの方。後者が抜けていますよ。
さて、その皆さんのアイドル小悪魔ですが……レミリア様対咲夜さんが行われている紅魔館ロビー にいます。
誰か助けてください。
「小悪魔様、右翼が崩壊しそうです!」
ええいっ、もっと弾幕を張りなさい!
「うわーもうだめだー」
既に崩壊していたっ!?
もう少し粘ってくださいよ!
図書隊リーダー! 図書隊リーダーはどこですか!
右翼の補助をお願いします!
「はいっ、リーダーなら『私より強いやつに会いに行く』という書置きを残して旅に出ました」
……お前より強いやつはここにいっぱいいるわぁっ!
「衛生兵ー衛生兵ー!」
残念ながらそのあなたが衛生兵です。
「私、この戦いが終わったらご飯をおなかいっぱい食べるんだ」
うわー、死亡フラグっぽい。そんなの立てないでください!?
「ふふっ、私もご一緒してよろしいかしら」
ダメだー。どっちか一回休みだ。
「ヒャッハー! 妖精バスケットボールだー!」
バスケって……。天井と床で跳ねて一人バスケしないでください!
せめて誰かあいだに入って……じゃない、止めなさい!
「私が逝きます!」
何か字が違う気がしますが、お願いします。
「トベウリャ」
きさまあぁぁぁぁ! 信じていたのに裏切ったな!?
バグ昇竜ごときで逃げられると思うなよ!
博麗大結界があるんだ。そこで止まってろ!横から弾幕を撃って撃墜してやるからな!
「走り幅跳びのほうが良かったですか?」
バグもいやだけど永パもいやです!
「私に任せてください。自信があります」
あ、EX部隊じゃないですか。
うぅ、回りは役に立たない妖精メイドばかりでしたが、あなたたちが来てくれると助かります。
「なんと言っても私、通信教育で暗○空手を習いました!」
あん……?何?
強そうな名前ですが何ができるんですか。
「はい! ゲージがあれば発生0フレームの超必殺技が使えるようになりました」
……念のために聞きますが、グレイズはできるんですか?
「できません!」
役立たずが!
発生0フレームは確かに魅力的ですが、今のこの場では何の役にも立ちません!
あとゲージって何?
「ふっ、小悪魔様。そのような落ちこぼれは放っておいて私に任せてください」
今度こそ期待していますよ。なんといっても戦闘部隊のエリートなんですからね
「小悪魔インストール!」
そこはレミリア様とかフランドール様とか……。
え、真似できそうなのが私くらい?
そんなこという子はお仕置きします。あとで覚悟しておいてください。
「絶対ここだーっ!はーどこあぱ~んち!」
はーどこあ!?
いや、私そんなことをしたことも一度もないですよ!
しかもそのまま撃墜されているじゃありませんか!
ですよね、グレイズなんてできそうにないですもんね。
そう落胆する私の横を一人の妖精メイドが駆け抜けた。
「これが弾を殺すこということだ」
ぴちゅーん
これが弾を殺すこということだ(キリッ
いやー、何を考えているんでしょうかね。
バカばっか。
「バカバカ言わないでください!」
バカをバカといって何が悪いですか。
「バカじゃありません。妖精です」
やはりバカか。
ああ、なんでこんなことになったんでしょうか。
……。
あ、ここから回想シーンに入りますね。
おはようございます、皆さんのアイドル小悪魔……って、さっきも言いましたか?
いえ、皆さんと今日会うのは初めてなので間違っていませんよね。デジャブーとかいうやつでしょうか。
そんなことはともかく、小悪魔の悩みを聞いてください。
最近パチュリー様との仲がマンネリなのです。まるで倦怠期の夫婦のような関係とも言い換え……たいなあ。
そこで小悪魔知恵を絞りました。新しい属性を付加すれば変わるんじゃねと。
昨日は毒舌というものを試してみたのですが、パチュリー様だけでなく紅魔館の皆さんからも大不評をかってしまいました。
どくぜつだっていいじゃない こあくまだもの [こ]
ワンチャンあると思ったのになー。
なので今日は適当に探して見つけたこの本。『これであなたもツンデレマスター~意中のあの子はドッキドキ~』を試してみたいと思っています。
ふむふむ。先ずは初期型ツンデレですか。
『第三者のいる前ではそっけなく、二人きりのときは甘えに甘える。これを初期型ツンデレとする』
いくつかあるんでしょうか。奥が深いです。
次が後期型ツンデレですか。……二つしかないんですね。
『ツンデ・L・レイ伯爵の提唱した新しいツンデレの形。初めて出会ったときはそっけない態度をとり、時を経るにつれ徐々に態度を軟化させていく。これを後期型ツンデレとする』
ツンデ・L・レイ伯爵って誰でしょうか。聞いたことありませんが、その筋では有名なお方なんでしょうか。
しかし小悪魔ができそうなのは初期型ツンデレみたいですね。
初めての出会いなんてもう何十年も前だか……。
くうっ、そのときにこれを知っていれば何か変わったかもしれないのに!
よし、今日は初期型ツンデレを試してみましょう。
それと著者さんのお名前も覚えておきましょう。他にも何か書いているかもしれません。
あり……、ん?アリス・マーガリン?
えっと、何か知っている方のような気がしますがきっと気のせいでしょう。
他に何も書いていないようですし、覚えなくてもいっか。
「…くま、聞こえているかしら、小悪魔」
……ん、名前を呼ばれた気が。
「ようやく反応したわね」
おっと、パチェ萌えランキング3位の咲夜さんことメイド長じゃないですか。
何か御用ですか?
「説明台詞くさいわね。あとランキング3位というのはやめてもらえないかしら」
えー、だって3位じゃないですか。
「もうすぐ2位に上がる自信があるわ」
うわー、この女言いますね。
2位はパチュリー様のお傍に常にいるこの小悪魔ですよ。
いくらほん…ほん…め…?み…?も、門番さんから3位の座を奪い取ったとはいえ、2位の座を奪うのは決して楽ではありませんよ。
なにせメイド長より図書館司書のほうがパチュリー様のお傍にいられますもん。
ふふんっ。と意外と豊かな胸を張る私に咲夜さんはすこしびびったみたいで、後ずさりしました。
ああ、なんだか優越感。
「今に見ていなさい」
ちょっと悔しそうな表情を浮かべるメイド長とは珍しいものが見れました。
しかしなんでこのSSは咲夜さんもパチェ萌えなんでしょうか。
おとなしくレミリア様に萌えていればいいものを!
まったく。まったく!
……そういえばレミリア様もパチェ萌えでしたね。
霊夢さんとかフランドール様とか咲夜さんに萌えていればいいのにー。
そうすればライバルが減るのにー。
なんでしょうこのSS。つまらないですね。
「紅茶、飲むかしら?」
あ、いい匂いがしてると思ったら紅茶でしたか。
飲みますー。咲夜さんの紅茶っておいしいんですよね。
歩き出す咲夜さんのあとを追って、私もついていきました。
ところでどこに行くんでしょう。レミリア様でも来ているんでしょうか?
「パチュリー様、紅茶お持ちしました」
「ありがとう、咲夜」
パチュリー様用だったー!?
「あら、小悪魔も一緒なのね」
「ええ、来る途中であったものですから、誘いましたわ」
ああ、なんだかパチュリー様からじとっと見られてる。
その目で見られるのは好きですが、今日のはなんかこういやな予感が。
「私の声は聞こえなくて、咲夜の声は聞こえるのね」
ぎゃあああああああ!小悪魔大失態!?
バカなっ!私がパチュリー様のエンジェルボイスを聞き逃すなんて!?
「読書に夢中のようでしたので、仕方ないと思いますわ。パチュリー様もご経験あるのではないですか」
「……ん、そうね」
読書……。本……。
おのれええええええっ、アリス・マーガリン!きさまのせいでっ!?
そしてこの女はめたな!?
私がパチュリー様に呼ばれていたことを知って声をかけたな!
こあぁぁぁぁぁー!
!?
この女今笑いましたよね!?私のほうを見て「ふっ」とか笑いましたよね。
皆さんも見ましたよね?
え、見てない。見てろよ!?
……すみません言葉が乱れました。平常心平常心。
何か、何かないか?失点を挽回できるようなものは。
あ!
ぷわちゅりいぃさまあっ!
「こ、小悪魔。何かしら?」
驚かせたようで申し訳ありません。
お茶請け、お茶請けがありませんよね。私クッキー焼いてきます。
「あら、本当ね。咲夜にしては珍しいわね」
「申し訳ありません。忙しかったもので、つい忘れてしまいましたわ」
「そう、じゃあ小悪魔にお願いしようかしら」
うっしゃーーーー!
「 チッ」
今!今、咲夜さんが舌打ちしましたよね?
皆さん、見てましたか?
え、また見てない?しっかり見てろよ!ちくしょう!
しかしひょっとしてクッキーを持ってきてないのって、パチュリー様にお願いされようって腹じゃないですよね。
なんだかそんな気がします。
だが!私が先に気づいた!
勝ちました。大勝利です。
「パチェー、クッキー作ったんだけど、作りすぎちゃったんだ。一緒に食べないか」
レミリア様ご登場!?
しかも私が作ってくるはずだったクッキーを持って。
固まっている私と十六夜咲夜さんを見て、レミリア様もその動きが止まりました。
ああ、なんでいるのよ。と言わんばかりの目が。
(なんでここにいるんだ。咲夜も紅茶を持ってきたのならさっさと下がったらどうだ)
(あら、今持ってきたばかりですわ)
(そうか、じゃあ早く仕事に戻ったらどうだ。パチェとのお茶は私がしてやる)
(まってください!何でクッキーなんて持ってきているんですか。私が作ってくるはずだったのに!)
(ふん、小悪魔ごときが吼えるか)
(お嬢様がクッキー作りなんて下の者に示しがつきませんわ)
(親友とお茶するためだよ)
(おいしいかどうか分からないクッキーをパチュリー様に進めるなんてことはこの小悪魔が許しません)
(はんっ、門番のやつに美味くできるまで試食させたから問題ない)
視線で言葉を交わす私たち。
こんなことができるんですねー。人間やればできるということなんでしょうか。人間は一人だけですけど。
「それじゃあ、みんなでお茶にしましょうか。小悪魔も席についていいわよ」
そんなパチュリー様の一声で熱い戦いは一時の休息を迎えたのでした。
さすがパチュリー様。略してさリー。……さりー?
(食べ終わったら、誰がパチェの元にふさわしいかかたをつけてやる)
(望むところですわ)
(私だって負けません!)
とまあ、こんなことがあって、紅魔館ロビーが戦場になったのでした。
ああ、巻き込まれたかわいそうな私。
え、宣戦布告してた?気のせいですよ。
「小悪魔様、小悪魔様!やばいです。ちょーやばいです!」
え、ああ。あの構えはグングニルですね。
すっごい危険しゃないですか!
危険が!危険が危ない!?
神槍「スピア・ザ・グングニル」
グングニルを目前に仁王立ちするのは咲夜さん!すげえ、かっこいい!
……。
かっこいいけど、ダメだったー!?
まあ、当然といえば当然ですよね。
レミリア様だって怪我をさせることはないでしょうし、事が終わったくらいに帰ってきてくれればいいですね。
「さあ、お前で最後だ。覚悟はいいか小悪魔」
無理無理無理無理。私がレミリア様に勝てるはずなんてないじゃないですか。
だがしかぁし! この場に立ち向かってこそパチュリー様のお傍にいられようか!
さあ、来いレミリア様! この小悪魔一世一代の大立ちまわ……
夜符「デーモンキングクレイドル」
こあぁぁぁぁー!?
小悪魔、恥ずかしながらレミリア様の片足につかまり図書館まで戻ってまいりました。
まだだ、まだ終わらんよ。この小悪魔、パチュリー様の顔を見ればまだ戦え
「フラン……あなた、何をしているの?」
あー……。フランドール様・オン・ザ・パチュリー様のひざ。
これはいったいどういうことでしょうか。
私と咲夜さんとレミリア様の三つ巴の戦いのさなか、まさかのフランドール様一人勝ちとは……。
この小悪魔の目をもってしても読みきれなかった。
「妹様が本を読んでくれって言うから仕方なくよ。本当はレミィに読んでほしかったって言っていたわ」
ああ、気づいてくださいパチュリー様。当のフランドール様が勝ち誇った目でレミリア様を見ています。
あー、ひざの上だから気づかないですねー。小悪魔うっかりー。
フランドール・スカーレットのパチェ萌えランクが1に上がった
レミリア・スカーレットのパチェ萌えランクが2に下がった
小悪魔のパチェ萌えランクが3に下がった
十六夜咲夜のパチェ萌えランクが4に下がった
ぎゃあああああああ!?
レミリア様も真っ白になってないで現実を見てください!
ランクが下がっちゃいましたっよ!
「ふふ、これはゆめよ。わたしのぱちぇもえらんくがさがるなんてありえないわ」
平仮名しゃべりになったー!?
この幼女はもうだめだー。
フランドール様がますます勝ち誇った表情に。
小悪魔、いきます!
そういったはずでしたが、脳内では逝きますに変換されました。泣けます。
「小悪魔、ちょっと代わってくれないかしら」
おおっとー、パチュリー様からの援護射撃が来ました。
これは小悪魔にとってかなりプラスで……ん?
フランドール様の右手が開いたり閉じたり、ぐーぱーぐーぱー。
んん?
(代わったらキュッとしてドカーン)
ノーーーー!?
これは厳しい選択になってしまいました。パチュリー様からの信頼をとるか、命をとるか。
って実質一択じゃないですか!
小悪魔だって命は惜しいんです。
ああ、しかしパチュリー様からの直のお願い事も捨てがたい。
これはどうすれば……?
!
ピーンとひらめきました!
うまくいけばこれで逃れられるはず
もし席を少し離すだけならば、小悪魔の命も永らえることができそうです。
パチュリー様、どちらに向かわれるんですか?
「……その、魔理沙が来る時間だから」
乙女なパチュリー様。いいっ!はぁはぁしちゃう!?
しかしこれで小悪魔の命も尽きてしまうかもしれません。
ああ、パチュリー様。小悪魔はいつでもお慕いしています。
もしなにかあったときはパチュリー様のおふぁんつを棺に入れてくれると小悪魔すごく喜びます。生き返るレベルで。
「小悪魔に読んでもらうから、パチュリー行っていいよ」
あ、フランドール様がご自分から降りられました。
いやー、パチェ萌えランキング4位とはいえパチュリー様の幸せは邪魔しないという約束は守られるのですね。
え、1位?
……そうでした。先ほど、フランドール様が1位になられたのでした。
がくり。
小悪魔とフランドール様はいそいそと魔理沙さんの元に向かうパチュリー様を見送ることになったのでした。
フランドール様の一人勝ちかと思ったら、結局は魔理沙さんに持っていかれちゃうんですねー。
これがパチュマリか。
ところでフランドール様、本はどうなされますか。
「小悪魔読んで」
膝の上に乗りますか?
「いい」
ですよねー。
あ、本って絵本じゃないですか。しかもフランドール様お手製の。
壊すことしかできないとかいっていたのに、なかなかクリエイティブなことをしていますね。
ぱらぱらと読んでみると悪魔に捕まったお姫様を王子様が助け出すという内容でした。
このお姫様ってパチュリー様ですよね。
ふふ、だんまりしてもばればれですよ。
髪の色が紫で、月の髪飾りをつけていて、ちょっと目つきが悪くて、本を大事に抱えているってもろにパチュリー様じゃないですか。
それにこの王子様のイメージって魔理沙さんですね。
「違う。私だもん」
流星に乗って、箒みたいな剣を持ってるじゃないですか。
「流星はスターボウブレイクで、剣はレーヴァテインだもん。描くのをちょっと間違っただけなの!」
そういうことにしておきましょうか。
初めから読みますか?
それともパチュリー様が読んでいたところまで飛ばしましょうか。
「初めからでいいわよ」
そうですか。では……。
END……?
(このまま終わりたい方はあとがきまで移動してください。いじめられっこあ可愛いよはぁはぁという奇特な方はこのままもう少しお進みください)
どさっ
どさ?
「あ、落ちちゃった。引っ掛かりがないとうまく隠せないなあ」
フランドール様の足元にあるのは一冊の本。ああ、落としたんですね。
ひょいと拾って、それを見たのが私の運の尽きでした。
……これって魔界でも百八十禁指定された超怖いといわれているホラー小説じゃないですか!なんでこんなものを!?
「そこで呆けているあいつに読んでもらおうと思ったの」
レミリア様、喪失状態で助かりましたね。
因みに小悪魔もこの本を読んだことがあります。
10ページ読んだところで投げ出してしまいました。
しかもそのあと一週間くらい誰か傍にいてくれないと眠れなくなりました。怖くて。
フランドール様は読まれたんですか?
「読んだよ。面白かった」
これを面白かったというフランドール様のほうが怖いです。
誰か、誰か助けてください。
「そうだ、小悪魔。こっち読んで」
と差し出したのはあのホラー小説。
手をグーパーグーぱーしながら差し出さないでください!超怖いです!
ダメだ、読むしか道は残されていないみたいです。
……ああ、魔界にいるお母様。おねしょというのは幾つまで許されるのでしょうか。
……すみません、言い過ぎました。改めて皆さんのアイドル小悪魔です。
元気にパチェ萌えしていましたか? 私はいつもパチェ萌えです。
好きな言葉はもちろん「パチェ萌え」! 次点として「おれのものはおれのもの、お前のものもおれのもの」
この辺テストに出ますよ。覚えておいてくださいね。
卒業論文にしている方はこれが抜けえると、問答無用で落としますので気をつけてください。ほら、そこの方。後者が抜けていますよ。
さて、その皆さんのアイドル小悪魔ですが……レミリア様対咲夜さんが行われている
誰か助けてください。
「小悪魔様、右翼が崩壊しそうです!」
ええいっ、もっと弾幕を張りなさい!
「うわーもうだめだー」
既に崩壊していたっ!?
もう少し粘ってくださいよ!
図書隊リーダー! 図書隊リーダーはどこですか!
右翼の補助をお願いします!
「はいっ、リーダーなら『私より強いやつに会いに行く』という書置きを残して旅に出ました」
……お前より強いやつはここにいっぱいいるわぁっ!
「衛生兵ー衛生兵ー!」
残念ながらそのあなたが衛生兵です。
「私、この戦いが終わったらご飯をおなかいっぱい食べるんだ」
うわー、死亡フラグっぽい。そんなの立てないでください!?
「ふふっ、私もご一緒してよろしいかしら」
ダメだー。どっちか一回休みだ。
「ヒャッハー! 妖精バスケットボールだー!」
バスケって……。天井と床で跳ねて一人バスケしないでください!
せめて誰かあいだに入って……じゃない、止めなさい!
「私が逝きます!」
何か字が違う気がしますが、お願いします。
「トベウリャ」
きさまあぁぁぁぁ! 信じていたのに裏切ったな!?
バグ昇竜ごときで逃げられると思うなよ!
博麗大結界があるんだ。そこで止まってろ!横から弾幕を撃って撃墜してやるからな!
「走り幅跳びのほうが良かったですか?」
バグもいやだけど永パもいやです!
「私に任せてください。自信があります」
あ、EX部隊じゃないですか。
うぅ、回りは役に立たない妖精メイドばかりでしたが、あなたたちが来てくれると助かります。
「なんと言っても私、通信教育で暗○空手を習いました!」
あん……?何?
強そうな名前ですが何ができるんですか。
「はい! ゲージがあれば発生0フレームの超必殺技が使えるようになりました」
……念のために聞きますが、グレイズはできるんですか?
「できません!」
役立たずが!
発生0フレームは確かに魅力的ですが、今のこの場では何の役にも立ちません!
あとゲージって何?
「ふっ、小悪魔様。そのような落ちこぼれは放っておいて私に任せてください」
今度こそ期待していますよ。なんといっても戦闘部隊のエリートなんですからね
「小悪魔インストール!」
そこはレミリア様とかフランドール様とか……。
え、真似できそうなのが私くらい?
そんなこという子はお仕置きします。あとで覚悟しておいてください。
「絶対ここだーっ!はーどこあぱ~んち!」
はーどこあ!?
いや、私そんなことをしたことも一度もないですよ!
しかもそのまま撃墜されているじゃありませんか!
ですよね、グレイズなんてできそうにないですもんね。
そう落胆する私の横を一人の妖精メイドが駆け抜けた。
「これが弾を殺すこということだ」
ぴちゅーん
これが弾を殺すこということだ(キリッ
いやー、何を考えているんでしょうかね。
バカばっか。
「バカバカ言わないでください!」
バカをバカといって何が悪いですか。
「バカじゃありません。妖精です」
やはりバカか。
ああ、なんでこんなことになったんでしょうか。
……。
あ、ここから回想シーンに入りますね。
おはようございます、皆さんのアイドル小悪魔……って、さっきも言いましたか?
いえ、皆さんと今日会うのは初めてなので間違っていませんよね。デジャブーとかいうやつでしょうか。
そんなことはともかく、小悪魔の悩みを聞いてください。
最近パチュリー様との仲がマンネリなのです。まるで倦怠期の夫婦のような関係とも言い換え……たいなあ。
そこで小悪魔知恵を絞りました。新しい属性を付加すれば変わるんじゃねと。
昨日は毒舌というものを試してみたのですが、パチュリー様だけでなく紅魔館の皆さんからも大不評をかってしまいました。
どくぜつだっていいじゃない こあくまだもの [こ]
ワンチャンあると思ったのになー。
なので今日は適当に探して見つけたこの本。『これであなたもツンデレマスター~意中のあの子はドッキドキ~』を試してみたいと思っています。
ふむふむ。先ずは初期型ツンデレですか。
『第三者のいる前ではそっけなく、二人きりのときは甘えに甘える。これを初期型ツンデレとする』
いくつかあるんでしょうか。奥が深いです。
次が後期型ツンデレですか。……二つしかないんですね。
『ツンデ・L・レイ伯爵の提唱した新しいツンデレの形。初めて出会ったときはそっけない態度をとり、時を経るにつれ徐々に態度を軟化させていく。これを後期型ツンデレとする』
ツンデ・L・レイ伯爵って誰でしょうか。聞いたことありませんが、その筋では有名なお方なんでしょうか。
しかし小悪魔ができそうなのは初期型ツンデレみたいですね。
初めての出会いなんてもう何十年も前だか……。
くうっ、そのときにこれを知っていれば何か変わったかもしれないのに!
よし、今日は初期型ツンデレを試してみましょう。
それと著者さんのお名前も覚えておきましょう。他にも何か書いているかもしれません。
あり……、ん?アリス・マーガリン?
えっと、何か知っている方のような気がしますがきっと気のせいでしょう。
他に何も書いていないようですし、覚えなくてもいっか。
「…くま、聞こえているかしら、小悪魔」
……ん、名前を呼ばれた気が。
「ようやく反応したわね」
おっと、パチェ萌えランキング3位の咲夜さんことメイド長じゃないですか。
何か御用ですか?
「説明台詞くさいわね。あとランキング3位というのはやめてもらえないかしら」
えー、だって3位じゃないですか。
「もうすぐ2位に上がる自信があるわ」
うわー、この女言いますね。
2位はパチュリー様のお傍に常にいるこの小悪魔ですよ。
いくらほん…ほん…め…?み…?も、門番さんから3位の座を奪い取ったとはいえ、2位の座を奪うのは決して楽ではありませんよ。
なにせメイド長より図書館司書のほうがパチュリー様のお傍にいられますもん。
ふふんっ。と意外と豊かな胸を張る私に咲夜さんはすこしびびったみたいで、後ずさりしました。
ああ、なんだか優越感。
「今に見ていなさい」
ちょっと悔しそうな表情を浮かべるメイド長とは珍しいものが見れました。
しかしなんでこのSSは咲夜さんもパチェ萌えなんでしょうか。
おとなしくレミリア様に萌えていればいいものを!
まったく。まったく!
……そういえばレミリア様もパチェ萌えでしたね。
霊夢さんとかフランドール様とか咲夜さんに萌えていればいいのにー。
そうすればライバルが減るのにー。
なんでしょうこのSS。つまらないですね。
「紅茶、飲むかしら?」
あ、いい匂いがしてると思ったら紅茶でしたか。
飲みますー。咲夜さんの紅茶っておいしいんですよね。
歩き出す咲夜さんのあとを追って、私もついていきました。
ところでどこに行くんでしょう。レミリア様でも来ているんでしょうか?
「パチュリー様、紅茶お持ちしました」
「ありがとう、咲夜」
パチュリー様用だったー!?
「あら、小悪魔も一緒なのね」
「ええ、来る途中であったものですから、誘いましたわ」
ああ、なんだかパチュリー様からじとっと見られてる。
その目で見られるのは好きですが、今日のはなんかこういやな予感が。
「私の声は聞こえなくて、咲夜の声は聞こえるのね」
ぎゃあああああああ!小悪魔大失態!?
バカなっ!私がパチュリー様のエンジェルボイスを聞き逃すなんて!?
「読書に夢中のようでしたので、仕方ないと思いますわ。パチュリー様もご経験あるのではないですか」
「……ん、そうね」
読書……。本……。
おのれええええええっ、アリス・マーガリン!きさまのせいでっ!?
そしてこの女はめたな!?
私がパチュリー様に呼ばれていたことを知って声をかけたな!
こあぁぁぁぁぁー!
!?
この女今笑いましたよね!?私のほうを見て「ふっ」とか笑いましたよね。
皆さんも見ましたよね?
え、見てない。見てろよ!?
……すみません言葉が乱れました。平常心平常心。
何か、何かないか?失点を挽回できるようなものは。
あ!
ぷわちゅりいぃさまあっ!
「こ、小悪魔。何かしら?」
驚かせたようで申し訳ありません。
お茶請け、お茶請けがありませんよね。私クッキー焼いてきます。
「あら、本当ね。咲夜にしては珍しいわね」
「申し訳ありません。忙しかったもので、つい忘れてしまいましたわ」
「そう、じゃあ小悪魔にお願いしようかしら」
うっしゃーーーー!
「 チッ」
今!今、咲夜さんが舌打ちしましたよね?
皆さん、見てましたか?
え、また見てない?しっかり見てろよ!ちくしょう!
しかしひょっとしてクッキーを持ってきてないのって、パチュリー様にお願いされようって腹じゃないですよね。
なんだかそんな気がします。
だが!私が先に気づいた!
勝ちました。大勝利です。
「パチェー、クッキー作ったんだけど、作りすぎちゃったんだ。一緒に食べないか」
レミリア様ご登場!?
しかも私が作ってくるはずだったクッキーを持って。
固まっている私と十六夜咲夜さんを見て、レミリア様もその動きが止まりました。
ああ、なんでいるのよ。と言わんばかりの目が。
(なんでここにいるんだ。咲夜も紅茶を持ってきたのならさっさと下がったらどうだ)
(あら、今持ってきたばかりですわ)
(そうか、じゃあ早く仕事に戻ったらどうだ。パチェとのお茶は私がしてやる)
(まってください!何でクッキーなんて持ってきているんですか。私が作ってくるはずだったのに!)
(ふん、小悪魔ごときが吼えるか)
(お嬢様がクッキー作りなんて下の者に示しがつきませんわ)
(親友とお茶するためだよ)
(おいしいかどうか分からないクッキーをパチュリー様に進めるなんてことはこの小悪魔が許しません)
(はんっ、門番のやつに美味くできるまで試食させたから問題ない)
視線で言葉を交わす私たち。
こんなことができるんですねー。人間やればできるということなんでしょうか。人間は一人だけですけど。
「それじゃあ、みんなでお茶にしましょうか。小悪魔も席についていいわよ」
そんなパチュリー様の一声で熱い戦いは一時の休息を迎えたのでした。
さすがパチュリー様。略してさリー。……さりー?
(食べ終わったら、誰がパチェの元にふさわしいかかたをつけてやる)
(望むところですわ)
(私だって負けません!)
とまあ、こんなことがあって、紅魔館ロビーが戦場になったのでした。
ああ、巻き込まれたかわいそうな私。
え、宣戦布告してた?気のせいですよ。
「小悪魔様、小悪魔様!やばいです。ちょーやばいです!」
え、ああ。あの構えはグングニルですね。
すっごい危険しゃないですか!
危険が!危険が危ない!?
神槍「スピア・ザ・グングニル」
グングニルを目前に仁王立ちするのは咲夜さん!すげえ、かっこいい!
……。
かっこいいけど、ダメだったー!?
まあ、当然といえば当然ですよね。
レミリア様だって怪我をさせることはないでしょうし、事が終わったくらいに帰ってきてくれればいいですね。
「さあ、お前で最後だ。覚悟はいいか小悪魔」
無理無理無理無理。私がレミリア様に勝てるはずなんてないじゃないですか。
だがしかぁし! この場に立ち向かってこそパチュリー様のお傍にいられようか!
さあ、来いレミリア様! この小悪魔一世一代の大立ちまわ……
夜符「デーモンキングクレイドル」
こあぁぁぁぁー!?
小悪魔、恥ずかしながらレミリア様の片足につかまり図書館まで戻ってまいりました。
まだだ、まだ終わらんよ。この小悪魔、パチュリー様の顔を見ればまだ戦え
「フラン……あなた、何をしているの?」
あー……。フランドール様・オン・ザ・パチュリー様のひざ。
これはいったいどういうことでしょうか。
私と咲夜さんとレミリア様の三つ巴の戦いのさなか、まさかのフランドール様一人勝ちとは……。
この小悪魔の目をもってしても読みきれなかった。
「妹様が本を読んでくれって言うから仕方なくよ。本当はレミィに読んでほしかったって言っていたわ」
ああ、気づいてくださいパチュリー様。当のフランドール様が勝ち誇った目でレミリア様を見ています。
あー、ひざの上だから気づかないですねー。小悪魔うっかりー。
フランドール・スカーレットのパチェ萌えランクが1に上がった
レミリア・スカーレットのパチェ萌えランクが2に下がった
小悪魔のパチェ萌えランクが3に下がった
十六夜咲夜のパチェ萌えランクが4に下がった
ぎゃあああああああ!?
レミリア様も真っ白になってないで現実を見てください!
ランクが下がっちゃいましたっよ!
「ふふ、これはゆめよ。わたしのぱちぇもえらんくがさがるなんてありえないわ」
平仮名しゃべりになったー!?
この幼女はもうだめだー。
フランドール様がますます勝ち誇った表情に。
小悪魔、いきます!
そういったはずでしたが、脳内では逝きますに変換されました。泣けます。
「小悪魔、ちょっと代わってくれないかしら」
おおっとー、パチュリー様からの援護射撃が来ました。
これは小悪魔にとってかなりプラスで……ん?
フランドール様の右手が開いたり閉じたり、ぐーぱーぐーぱー。
んん?
(代わったらキュッとしてドカーン)
ノーーーー!?
これは厳しい選択になってしまいました。パチュリー様からの信頼をとるか、命をとるか。
って実質一択じゃないですか!
小悪魔だって命は惜しいんです。
ああ、しかしパチュリー様からの直のお願い事も捨てがたい。
これはどうすれば……?
!
ピーンとひらめきました!
うまくいけばこれで逃れられるはず
もし席を少し離すだけならば、小悪魔の命も永らえることができそうです。
パチュリー様、どちらに向かわれるんですか?
「……その、魔理沙が来る時間だから」
乙女なパチュリー様。いいっ!はぁはぁしちゃう!?
しかしこれで小悪魔の命も尽きてしまうかもしれません。
ああ、パチュリー様。小悪魔はいつでもお慕いしています。
もしなにかあったときはパチュリー様のおふぁんつを棺に入れてくれると小悪魔すごく喜びます。生き返るレベルで。
「小悪魔に読んでもらうから、パチュリー行っていいよ」
あ、フランドール様がご自分から降りられました。
いやー、パチェ萌えランキング4位とはいえパチュリー様の幸せは邪魔しないという約束は守られるのですね。
え、1位?
……そうでした。先ほど、フランドール様が1位になられたのでした。
がくり。
小悪魔とフランドール様はいそいそと魔理沙さんの元に向かうパチュリー様を見送ることになったのでした。
フランドール様の一人勝ちかと思ったら、結局は魔理沙さんに持っていかれちゃうんですねー。
これがパチュマリか。
ところでフランドール様、本はどうなされますか。
「小悪魔読んで」
膝の上に乗りますか?
「いい」
ですよねー。
あ、本って絵本じゃないですか。しかもフランドール様お手製の。
壊すことしかできないとかいっていたのに、なかなかクリエイティブなことをしていますね。
ぱらぱらと読んでみると悪魔に捕まったお姫様を王子様が助け出すという内容でした。
このお姫様ってパチュリー様ですよね。
ふふ、だんまりしてもばればれですよ。
髪の色が紫で、月の髪飾りをつけていて、ちょっと目つきが悪くて、本を大事に抱えているってもろにパチュリー様じゃないですか。
それにこの王子様のイメージって魔理沙さんですね。
「違う。私だもん」
流星に乗って、箒みたいな剣を持ってるじゃないですか。
「流星はスターボウブレイクで、剣はレーヴァテインだもん。描くのをちょっと間違っただけなの!」
そういうことにしておきましょうか。
初めから読みますか?
それともパチュリー様が読んでいたところまで飛ばしましょうか。
「初めからでいいわよ」
そうですか。では……。
END……?
(このまま終わりたい方はあとがきまで移動してください。いじめられっこあ可愛いよはぁはぁという奇特な方はこのままもう少しお進みください)
どさっ
どさ?
「あ、落ちちゃった。引っ掛かりがないとうまく隠せないなあ」
フランドール様の足元にあるのは一冊の本。ああ、落としたんですね。
ひょいと拾って、それを見たのが私の運の尽きでした。
……これって魔界でも百八十禁指定された超怖いといわれているホラー小説じゃないですか!なんでこんなものを!?
「そこで呆けているあいつに読んでもらおうと思ったの」
レミリア様、喪失状態で助かりましたね。
因みに小悪魔もこの本を読んだことがあります。
10ページ読んだところで投げ出してしまいました。
しかもそのあと一週間くらい誰か傍にいてくれないと眠れなくなりました。怖くて。
フランドール様は読まれたんですか?
「読んだよ。面白かった」
これを面白かったというフランドール様のほうが怖いです。
誰か、誰か助けてください。
「そうだ、小悪魔。こっち読んで」
と差し出したのはあのホラー小説。
手をグーパーグーぱーしながら差し出さないでください!超怖いです!
ダメだ、読むしか道は残されていないみたいです。
……ああ、魔界にいるお母様。おねしょというのは幾つまで許されるのでしょうか。
しかしまさかのパチェ幽!
想像したこともなかったッ!
パチェ総受け…そうゆうのもあるか
格ゲーネタは北斗も入ってるな