Coolier - 新生・東方創想話

さくやのにっき

2010/06/12 14:00:16
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1月1日

今日から日記をつけてみようと思う。日誌で十分じゃないかと思われるかもしれない。
…でもでも~!
ちょっとは自分の心のうちをさらけ出してもいいわよね!?
というわけで、今年の抱負!
日記をつける!
あぁ、らしくないですわ。でもそのギャップがまたいいのよね。

今日はお正月。お嬢様は館からあまりお出かけにならないから知らないでしょうけど、幻想郷にはお正月というものがありますわ。
御重にたくさんの和風おせちを作って差し上げました。
お嬢様がお気に召したのは梅干しで味付けしたチョロギ。真っ赤なのと、強烈な酸味が人肉を思わせるそうな。私にはわかりませんわ。酸っぱすぎて食べれたものじゃない。
そんな私が好きなのは、…まあ自分で作ったのだけど、出汁巻き卵ね。適度な出汁醤油の香りがたまらないの。あぁ、ビバ!卵焼き!
ちょっと暴走してしまいましたわ。私はチョロギばっかり頬張るお嬢様に、黒豆を勧めました。一粒口に含んで、お嬢様はそれはそれは見事に豆鉄砲を撃ちました。黒豆がパチュリー様の帽子を吹き飛ばして、笑いをこらえるのが大変…。いつも通りマナーのなっていないお嬢様を叱って、今日も夜が更けて行きます。
あぁ、豆鉄砲は私の顔に撃ってくださればいいのに。




ぱらぱら…




3月14日

今日はホワイトデー。私はバレンタインデーに皆に差し上げたチョコレートのお返しを待っていました。お嬢様や他の面々は、私にお休みを下さった代わりに、キッチンにこもっています。まず最初に私の部屋に来たのは、小悪魔さんでした。何と言うことはないビターチョコレートでしたけど、ホワイトチョコで「お疲れさまですv」とデコレートしてあったのには思わず泣きそうに…。ありがとうございます。美味しかった。

次に来たのは意外にも美鈴。門は?と訊けば、そんなことより咲夜さんへのお返しのほうが大事です!だなんて。照れるじゃないの…。ミルクチョコレートで作ったみんなの人形が入った缶を私に押しつけるようにして、走って門へ行ったみたい。美鈴にしては何だか仕事に貪欲なのね。今日は。頑張ってるじゃないの。

しばらくして、パチュリー様がいらっしゃいました。ベッドに腰掛けて本を読んでいた私の隣に座って、何も言わずに膝にお皿を置いてくださいました。ガトーショコラ。綺麗に焼き上がっているそれには、精霊たちの力が宿っているのだとか。さすがは魔法使い、どこかの白黒泥棒ネズミとはワケが違いますわね。味は?なんて上目づかいで聞いてくるパチュリー様…かわいいでsハッ、違う、美味しいです。

夜になって、お嬢様も妹様も来ないことにちょっと心配な気持ちを覚えて、扉を開けました。驚きました。館が真っ白!
壁を触ってみたら石灰の感触。そしてやってくる妹様。ホワイトデーだから館を白くしたわ!
…やめてくださいお願いします…。




くすくす… ぱらぱら…




4月1日

今日はエイプリルフール。メイドとして嘘を吐くわけにはいきませんが、他の人の嘘を聞くのは楽しいですわね。
まず門へ様子を見に行ったら、美鈴がでっかい鼻ちょうちんを作って寝てた。いつものことなのでサクッと眉間にナイフを突き立てて起こす。そしたら、
あ、今日ってエイプリルフールですよね!このナイフは私のことが嫌いだって言うことの具現…とはいえ今日の第一声は嘘と思うべき、つまりこのナイフは…私へのこいごこ、いったぁぁぁぁぁぁい!
…煩い。




ぱら・・・ぱら・・・




5月16日

今日は里へ買い物。メイド服が珍しいのも分かるけど、そんなに見つめないでほしいわ。
男の子がスカートめくりしようとしてきたので、時間を止めて背後に回ってホールドアップしてあげた。我ながらえげつないわね。
でもスカートめくろうとする方が悪いのよ、坊や。

今日は買い物しに回った八百屋さんがみんな割引してくれたわ。どういうことなのかしら。



ぱらぱr
「お、じょ、お、さ、ま?」
後ろを振り返ったら、いい感じに青筋を浮かべた咲夜がいた。
「あ、さ、咲夜、今日もいい天気ね、あはは」
「あははじゃありません、いくらお嬢様と言えど、私にもプライバシーというものが」
 咲夜はすでにナイフを構えていた。
「…あら? それ、私の日記じゃありませんか?」
 青筋が増える。
「読みました?」
「あ、うん、ちょっとだけ」
「へぇ、読んだんだ」
 なんか、髪がちょっとパーマがかってて、白くて、子供趣味な自称探偵がバックに見えt



アッー!!!!!!!



その日、幼き吸血鬼は食卓にすら現れなかったという。
ただの思いつきなのでした。
でもまあ、それなりに面白くできたかな?
詩乃
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コメント



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12.無評価名前が無い程度の能力削除
さくやにっきかと思った