Coolier - 新生・東方創想話

二人の紅茶茶碗

2010/05/30 00:41:11
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 ※この話は、依然投稿した『Andante』の咲夜さん視点の話になります。
  こちらだけでも読めますが、先に美鈴視点のほうを読まれたほうが若干読みやすいかもしれません。
 
 
 
 
 
 
 
 
 お嬢様は、私の作ったお菓子を食べる際、上品に味わって食べてくれる。
 お菓子を作るためにかける手間暇や、美味しさと共に日々追求している見た目の美しさ、作りの繊細さに見合う食べ方をしてくれる。
 その作法が行き届いた食べ方は、作り手である私をとても満足させてくれる。
 私の作るお菓子はお嬢様に満足してもらえるレベルであり、自分はきちんとお嬢様の好みを把握している、という満足感。また私の作るお菓子を食べるに足る者――私は誰かにお菓子を出す時は常に最高のものを出しているつもりだ――に品良く食べてもらえているという充足感。
 お嬢様のために毎日お菓子を作るのが苦にならないのは――さすがに毎日同じ事をしていると面倒になるものもある――その所作が好ましいものだからだ。
 けれども、だけれども、私は一日二回お菓子を作る。
 お嬢様ともう一人、美鈴のために。これは強制されたわけではなく完璧に私の趣味によるものだ。
 今日、お嬢様のために作ったお菓子はガトーショコラ。そして美鈴にはタルトタタンを作った。
 お嬢様の活動時間と美鈴の仕事のシフトが合えば同じお菓子にする時もあるけれど、開きがある時は必ず別々のものを作る。一日に同じお菓子を二回作るのは、つまらないから。


 熱を通した林檎特有の甘酸っぱい香りがキッチンに漂う。
 つややかに焼き上がったタルトタタンを満足しながら見つめた後、ちらりと時計を確認した。
 時刻は十四時四十五分。パーフェクトね、と心の中で呟く。美鈴と約束している時間は十五時。
 後片付けを終わらせれば、ちょうど美鈴を呼びに行く時間になる。
 能力を使わずに時間を自在に操るのも、それはそれで快感だ。
 手早く、それでいて念入りにキッチンの片付けを済ませて、外に出た。
 室内にいたから日差しが眩しい。目をぎゅっと瞑ってから薄目にして光に慣らした。
 光に慣らした目で前方と眺めると、今日も今日とて直立不動でいる美鈴が目に入った。
 背筋をぴっと伸ばして、本当に綺麗に固まっている。
 そんながちがちの身体でいきなり不審者が出たら対処出来るんだろうか。
 でも、それを言ってしまったら、あまりにも意地悪すぎるので言わない。
 直立不動なのは、緊張しているから。私と一緒の時、彼女は常に緊張している。
 だから、十五時前になると直立不動になってしまうのは、私のせいだ。
 前は逆にとてもそわそわしていて、それを何とはなしにからかったら顔を真っ赤に染めて、次の日からは直立不動でいるようになった。それを知っていて窘めたらさすがに鬼だろう。
 声をかけるまであのままでいることは分かっていたので、エントランスから門へ続く広々とした道を歩きながら、左右にある庭園を眺めた。
 門番兼庭師である美鈴が手掛ける庭園は、太陽の光を浴びて青々とつややかに輝いていた。
 その中で、植え込みとして使われているツツジが私は気に入っている。特に白い花の咲くものが。
 洗いたての滑らかなシーツのように、純白と言っていいほど真っ白な花をしているのが良い。
 そして、日に当たる上のほうから枯れていく時、焼き立てのパンのようにみるみるうちに茶色く変色していくのも面白い。純白が茶色になるのだからよくよく考えると不思議な光景だ。
 そういえば、何で枯れる時、茶色く変わるんだろう。気になるから今度美鈴に聞いてみよう。
 暖かな日差しの元、色鮮やかな庭園を楽しみながら一歩一歩近付き――ある程度近付いたら靴の音をわざと大きくして、気付かせてあげる――そろそろかな、というところで声をかけた。

「美鈴」
「……咲夜さん」

 その瞬間、硬直していた身体を緩やかに解いて、美鈴が振り返った。
 心底、ほっとしました、という顔をしている。どうしてそんなに緊張して待っているんだろう。
 私が上司だから? でも、毎回気を遣って足音を立てるのも滑稽だから、早く慣れて欲しい。
 だけどこういう時、言葉で伝えようとすると逆に気を遣われてしまう場合があるので――美鈴の私に対する態度を見る限り、これに当てはまりそうな気がする――気さくに接することで何とか慣れてはくれないものか、と期待している。効果はまだ現れていないけれど……。

「きちんと仕事してた?」
「もちろんです! 庭の世話もきちんとしましたよ」
「そう、なら良いけど。じゃあ行きましょうか」

 と、思いつつ、こんな事務的なことを尋ねてしまうのは、やっぱり私が上司だからかもしれない。
 館に向かって歩き出すと、その後ろで美鈴は妖精たちに声をかけて、門の番を頼んだ。
 美鈴が門の前にいない時は、館で働く妖精たちが代わりに門番を引き受けてくれる。
 親しげに話す声が聞こえて、あぁ、ちゃんとコミュニケーション取れてるのね、と安心した。

「妖精たちも、慣れたものね」

 歩調を緩めて、美鈴の横を歩きながら言うと、

「そうですね。咲夜さんが来るの、いつも同じ時間ですからね」

 と、迷惑がっているふうでもなく、助かっているふうでもない、平坦な声が返ってきた。
 え? それは良い意味で言ってるの? それとも悪い意味で言ってるの……?
 と疑問に思った時は、とりあえず美鈴の表情を窺うことにしている。
 美鈴の場合、言葉よりも表情のほうが雄弁で、分かりやすい。
 確認してみると、ばつが悪そうな表情をしていたので、どうやら『助かっている』ほうらしい。
 失言をしてしまった、とでも思っているのか、何か言いたそうに顔を歪めている。
 まったく、手間がかかる……と内心苦笑した。

「そのほうが、貴女も時間を合わせやすいかと思って」
「あ、確かに、そうですね……。ありがとうございます」
「別に礼を言われるほどのことでもないけど」

 苦笑まじりに言うと「すみません」と声が返ってきた。
 あぁ、えーと……何だか、堂々巡りの袋小路に入りかけているような気がしてきた。
 私としては、そんなに気を遣わないで欲しいんだけど、やっぱり上司だから気を遣うのかな。
 まぁ、私もお嬢様には気を遣っているし、仕方ないことなのかもしれないけど……。

「別に、構わないわよ」

 俯き加減になっている美鈴から視線を逸らして、話の流れを変えようと試みた。

「あぁ、そうだ。休むのは、今日も私の部屋で良いわよね?」
「はい。伺ってもよろしければ、お邪魔させて頂きます」

 こんなに恐縮しているにも関わらず、『よろしければ』の部分が妙に尊大な言い方だったので、――意図せぬことだろうけれど――思わず、笑ってしまった。

「えぇ、大丈夫よ。気を遣わなくても、全然、よろしいから」
「え……?」

 『よろしい』の部分を強調して返すと、美鈴は意味が分からず思考を巡らせているのか、しばし無言になった。前を向いて歩きながら意識を美鈴に集中していると、はっと息を呑む音が聞こえて、見ると顔を真っ赤に染めていた。顔には分かりやすく「からかわれた」と書いてある。
 遅い、遅すぎる……。その反応が面白くて、口元が緩むのを止められなかった。


 部屋に入ると、美鈴は私の部屋の中をぐるりと見渡した。
 別にしげしげと見られても、私は一向に構わない。掃除は行き届いているから、汚れたところ、見苦しいところはないはずだ。そして、真新しいものも……。
 元々、物は溜め込まないほうだから、これだけ、という家具さえあれば他には何もいらない。
 部屋にある木製の家具の材質は花梨で、深みのある紅褐色をしている。私の唯一にして最大の贅沢品と言えばこれらの家具だ。甘い光沢を帯びた木製の家具に囲まれて過ごすのは気分が良い。

「紅茶淹れてくるから、ちょっと待ってて」
「はい」

 ぼんやりと窓を眺めていた美鈴に声をかけて、部屋を出た。
 今日は、林檎のタルトタタンに合わせて、アップルティーを淹れよう。
 静かで落ち着いた部屋に林檎の香りがふわりと漂う。きっと美鈴はいつものように窓際にテーブルと椅子を運んで、白いテーブルクロスをかけているはず。あの紅褐色のテーブルにはレースの白いテーブルクロスがとても良く似合う。その上に飴色に輝く紅茶とお菓子。パーフェクトだ。
 想像すると、自然と顔が綻んだ。休憩時間と言えども、私に手抜かりはない。


 コツコツと規則的な靴音が気持ち良く廊下に響く。
 部屋へ戻る足取りは軽い。アップルティーを上手く淹れられて、私は上機嫌だった。
 この、白地に青い薔薇が描かれた紅茶茶碗を使えるのも嬉しい。
 前に人里で衝動買いしたこのペアの紅茶茶碗は、茶碗ごとに微妙に薔薇の模様が異なり、二人で使うからこそ味があるという代物で、一緒に使う相手がいなかったため長らくお蔵入りしていた。
 最近、美鈴と一緒に過ごす習慣がついてから、紅茶茶碗の中でも好んで使うようになった。
 機嫌良く部屋に戻ると、窓際にいつも通りテーブル――ちゃんと綺麗に白いレースのテーブルクロスがかけられている――と椅子がセッティングされていたけれど、美鈴の姿がなかった。
 どこに? と部屋を見渡すと、何故か美鈴はベッドに腰かけて硬直していた。

「どうしたの?」
「すみません。勝手に座っちゃって……」
「それは別に構わないけど」

 窓際のテーブルへ向かいながら、ベッドに腰かけていた理由を考えてみた。
 一、来客用の椅子が固いから――この場合、クッションを渡せば良い――。
 二、窓際で座っているのに飽きたから気分転換に。
 三、抗いがたい好奇心に釣られて。
 四、何となく。
 慌てて後ろをついて来たから、三番の線が濃厚だろう。
 好奇心……慌てて、ばつが悪くなるような好奇心か。
 ここでもし、そこに座っていても良いのよ、と軽口を叩いてみたら、どうなるだろう。
 ……なんて、分かりきっていることなのに、そんなことを考える私も意地が悪い。

「今日は、林檎のタルトタタンよ」
「わぁ……美味しそうですね」

 銀のトレイからテーブルに乗せると、美鈴は目をきらきら輝かせて見つめた。
 こういう時の美鈴の言葉には、感嘆符が多い。
 私は話を合わせるだけの空々しい感嘆符は嫌いだけど、美鈴のそれは嫌いじゃない。
 彼女の場合、感嘆した結果零れ落ちた言葉なんだと確信出来るから。
 言葉も演技もあまり得意じゃない彼女が発する『声』は、とても正直だ。そして表情も。
 今日もシンプルながらも最上の褒め言葉をもらえて、満足するのを感じた。
 お嬢様からもらう満足感とは、また違うタイプの満足感。
 お嬢様からもらう満足感は自尊心に働いて、私が前を向いて生きていくための自信をくれるものならば、美鈴からもらう満足感は心に働いて、安心と温かな感情――拠り所のようなもの――をくれる。前を向いて歩くのに疲れても、休む場所はあるんだと、思わせてくれるような……。

「今日はタルトタタンに合わせて、アップルティーを淹れたの」
「良い香りですね。頂いて良いですか?」
「どうぞ」

「じゃあ、頂きます」→「美味しいです」までの一連の流れを見ながら、あぁまたか、と思った。
 美鈴が唯一、私に嘘をつく――厳密に言えば表情でバレバレなので嘘になっていない――瞬間。
 この時ばかりは私の満足感もすうっと冷える。虚しさと冷えた心を持て余す。
 そろそろ、何か一言言っても良いだろうか……と目を細めていると、はたと美鈴と目が合った。

「どうしましたか?」

 紅茶茶碗を置いて不思議そうに問われて、これはもう言ってしまおう、と決めた。

「ねぇ、そのままで美味しい?」
「え?」

 美鈴の表情が固まった。これはもう『美味しくないです』と言っているようなものだ。

「アップルティー、そのまま飲んで本当に美味しいのかって聞いてるの」
「……」
「やっぱりね」

 正直に黙りこんでしまうところが美鈴らしい。その素直さに少し救われた。
 しばし美鈴の反応を待ったけれど、完全にフリーズしてしまったので、助け舟を出すことにした。

「ねぇ、貴女にはこれが必要なんじゃないの?」

 テーブルに置かれた、どちらも使用しなかった白い陶器をコツリと指先で叩いた。
 中には砂糖が入っている。私は使わないけれど、美鈴は使うだろうと思って持って来たものだ。
 ここで一緒に過ごすようになってから持ってきているけれど、使われたのは最初の一度しかない。
 美鈴を見つめていると、徐々に粗相をした子供のような怯えた表情になっていった。
 どうしてそんな表情をされるのか分からない。まるで私が苛めているみたいじゃない。
 良かれと思って言っているのに、そんなに私のことが怖いのかしら?
 ……でも、一旦発してしまった言葉を取り消すことは出来ない。

「初めてここで一緒に紅茶を飲んだとき、砂糖を多めに入れてたのが目に付いて覚えてたのよ。それなのに次からはまったく入れなくなった。前からずっと気になってたの。甘党なのに、突然砂糖を入れなくなったら美味しくないんじゃないかって」
「美味しいですよ。お菓子が甘いから、このほうがちょうど良いなって思ったんです」
「嘘つきね」
「嘘じゃないです」

 言った傍から反論されて、さすがに少しむっとしてしまった。

「私はね、貴女が美味しそうな顔してお菓子を食べるのを毎日見てるの。紅茶やハーブティーを飲んだとき、微妙に物足りなそうな顔になってるのにも気付いてるのよ。何で砂糖を入れないの? こうしてちゃんと持ってきてるのに」
「……だって」

 だって何? と言いたいのをぐっと堪えて、次の言葉を待った。

「そのほうが、咲夜さんが淹れてくれたお茶本来の味が楽しめると思って。それに咲夜さんは砂糖はまったく入れないから……」

 それは、まったく予期せぬ言葉だった。
 ……驚いた。そんなことを考えながら、毎回飲んでいたの? 甘いほうが好きなのに?
 美鈴の態度に苛立ち始めていた心が、困惑に揺れた。
 何だか、飾り気のない告白を受けたみたいだ。ある種そうなのかもしれないけど……。
 とりあえず、と心を落ち着けて、おもむろに陶器に手を伸ばした。
 蓋を開けてやや少なめに砂糖を掬い、さらりと美鈴の茶碗に入れてかき混ぜた。
 飴色のアップルティーがぐるぐる回る。私の心のように波打って、その熱で砂糖を溶かして行く。

「どうしてですか?」

 少しだけ責めるような口調。どうしてなんて、そんなのは決まっているでしょう。

「私は美味しくアップルティーを飲んで欲しいだけ」
「でも……」
「砂糖を入れないようにしたいなら、少しずつ減らしていけば良いじゃない。初めから入れなくしようとするからいけないのよ。毎日、少しずつで良いのに」
「……」

 咄嗟に出た言葉としては、上手いことを言った、と思っていると、美鈴は再び黙り込んだ。
 今度は何やら神妙な顔つきになっている。その神妙な顔つきのまま茶碗を掴み、口をつけたので、何だか緊張してきてしまった。
 一口飲んだ美鈴は、私の意に反してぎゅっと眉を寄せた。動揺が走る。

「美味しい?」

 美味しくない? とは聞けなかった。

「美味しいです」

 吐息交じりに美鈴は言った。美味しいです、美味しいですか……良かった。
 知らぬ間に強張っていた肩から力が抜けて、ほっと胸を撫で下ろした。

「それは良かった。前に貴女が入れていた量より少なくしたから、一歩前進したわね」
「そうですね……」

 そう言う美鈴の声はどこかふわふわと上の空だった。
 必死に言葉を探しているのか、何か言いあぐねているのか、思案顔になっている。
 何だか今日は、こんな顔ばかりさせているなぁ、と思う。少し不本意だけど。

「……あの、咲夜さん」
「何?」

 目を合わすと、美鈴は軽く息を吐き出した。緑色の瞳が真っ直ぐに私を見つめてくる。
 改まった様子に、私も少し姿勢を正した。

「あ、ありがとうございます。あの、咲夜さんはお礼を言われるほどのことじゃないって思うかもしれませんけど、でも、私は嬉しかったので……だから、ありがとうございました」
「……どういたしまして」

 あぁ、もう、ダイレクトな言葉はどうしてこうも心に響くんだろう。
 例え拙くても、飾らず勢いに任せた言葉は、それが良いものにしろ悪いものにしろ心に届く。
 そして、剥き出しの言葉が、ドンドンと強く私の心を押して、尋ねてくる。
 どう感じましたか? この言葉を聞いて、どう思いましたか、って。
 無視することは出来ず、考えることを余儀なくされる。そんな力を秘めている、本物の言葉は。
 ここで考えるのを止めてしまったら、それはすなわち私の心が本音を受け止めるだけの器量がなかったということ。そんな事実を突きつけられ、知らしめられる。無論それは私の本意ではない。
 思いがけず、本当に思いがけず『力ある言葉』――でも不快ではない――をもらってしまった。
 あぁ、でもきっと、伝えたいことを伝えて、心底ほっとした様子でアップルティーを飲んでいる美鈴は、自分が重大な問いかけをしてしまったことに微塵も気付いていないんだろうなぁ……。
 とりあえず、この問いかけは宿題にしましょう。休憩時間は短いし。
 まぁ、何と言うか、悪くなかった。言われて嫌な思いはしなかった……というところまで、答えは出ているから。

「……じゃあ、食べましょうか」
「あ、そうですね」
「このタルトタタン、味見した限りでは、すごく良い出来だと思うのよ」
「本当ですか? 楽しみです!」

 そう言った美鈴の周りに、黄色の花がぱっと咲いた、気がした。
 これまでの深刻そうな表情はどこへ消えたのか、嬉々としてフォークを手に取る美鈴は、まるでご飯を目の前にして尻尾を振る仔犬のようだった。そして食べる間も惜しみなく、まるで流れる水のように好意を注がれて――美鈴の纏う空気で分かる――本当にどうしようかと思った。
 自分の部屋にいるというのに、まったく別の空間にいるような気がする。
 ここはどこだ! と突っ込みを入れたくなる。
 日の光のような、温かな空間。陽だまりのような、蒲公英のような明るいオーラが満ちている。
 ここまでがらりと色を変えるとは……。部屋に花を飾るよりも劇的な変化だ。
 涼しげな青い薔薇が描かれた紅茶茶碗に口をつけながら思う。
 今度は、赤い薔薇の絵柄の茶碗を買ってみよう。――もちろん、ペアで。
 
 
前にリクエスト頂いた『Andante』の咲夜さん視点の話になります。
書き出しに手間取って遅くなりました。お待たせしてすみません。
書き進めてみると、やはり視点の違いで受け取り方は違うんだなぁと当たり前ですが思いました。
美鈴視点だと余裕そうに見えても、色々考えていたんだなぁと(笑)
他者視点で同じ話を書くのは勉強になりますね。

■誤字の報告ありがとうございます! 修正しました。
月夜野かな
http://moonwaxes.oboroduki.com/
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コメント



0.1180簡易評価
2.90名前が無い程度の能力削除
視点違いありがとうございます。
余裕のあまりない咲夜さんも魅力的ですね。
3.無評価名前が無い程度の能力削除
誤字があったので報告を
タグが美鈴視点になってますよ