「うん。おまたせ。じゃあはじめましょうか」
「よろしくお願いします」
一段落した彼女は私の方に向き合った
「お忙しいところ取材へのご協力ありがとうございます」
「いいのよ。自分の体験した摩訶不思議な出来事を広く伝えるのは秘封倶楽部として当然だわ」
彼女のベッドの上の机には白紙の「秘封倶楽部活動日誌」と書かれたノートとワープロ
それが彼女の仕事道具だ
ここで彼女について少し説明しなければならない
彼女の名前は「宇佐見連子」
10年前に起こった「マエリベリー・ハーン」変死事件
それの最重要参考人である。
そして大ヒット作家でもある
彼女の執筆した「少女秘封倶楽部」は彼女自身の怪事件の際重要参考人という知名度を切っ掛けにその内容の濃さ、表現の精密さから
多くの人に愛されている書籍だ
そのジャンルはどちらかと言えばオカルトやファンタジーな内容なのだが本人にはそのつもりはなく全て事実だと認識している
この本の内容は彼女が大学時代から続けている活動で、この本は宇佐見連子の視点ではなく、
「メリー」と言う人物が見た事聞いたことを「宇佐見連子」が
書き纏めるというスタイルで綴られている。
いわゆる「旅行記」のようなカタチで作られているのだが、問題はその内容だ
なんでも「メリー」は我々とは違う世界を行き来する事ができるらしくその先にある「世界」で見た事、
聞いた事を宇佐見連子が書き綴っているのだ
さて、ここで重要なのは何故彼女がこんな病院に入院しているのか
実は先ほど言った「メリー」なる名前は「マエリベリー・ハーン」に彼女が付けたあだ名なのだ
つまり、宇佐見連子は「マエリベリー・ハーン」が死んだ事を認識できず、
更に、彼女の幻覚と会話し、彼女の話をその「何も書かれていないノート」
つまり「秘封倶楽部活動日誌」に書き止め、それをもとに「少女秘封倶楽部」を執筆している
しかも彼女がここに入院してる理由はそれだけではない
事件当時の彼女の証言とアリバイである
これに関しては後に説明するが、
彼女はマリエベリー・ハーンが死亡した時にその場にいなかったはずなのだが、ピタリと現場の状態を説明したのだ
通常なら宇佐見連子は容疑者として警察から扱われるはずだが、
宇佐見連子がマリエベリー・ハーン発見現場に居る事は物理的に不可能だった
なので警察はこの事件を「殺人事件」ではなく「変死事件」とし、
宇佐見連子は「容疑者」ではなく「最重要参考人」として警察から監視されているのだ
そして、入院患者としての宇佐見連子の病状は大きくまとめて4つ
1.「マリエベリー・ハーン」の死を認識できていない事
2.「マリエベリー・ハーン」の幻覚をいまだに見ている事
3.「マリエベリー・ハーン変死事件」について常軌を逸した供述
そして、4.宇佐見連子は時間の概念を大きく失っている
これは宇佐見連子は事件後ある一定の周期で彼女の中の時間の感覚が「繰り返して」いるのだ
まるで彼女は自分の中の時計が一定の周期で針が戻る。いや、また同じとこから始まる
つまり・・・彼女の中でマリエベリー・ハーンは死んでなく
「秘封倶楽部」は今も大学のサークルとして活動しているのだ
彼女の時間はまるで『メリーゴーランド』のように同じところを巡り巡っているのだ
「では、早速ですが・・・あの日の事をお話してもらえますか」
あの日起きた事
それを切っ掛けに彼女は私たちとは違う世界に行ってしまった
それは「宇佐見連子」にとっても「マエリベリー・ハーン」にとっても
「ええ、いいけど。その前に一つ聞きたいわ」
「なんです?」
「・・・・あなた何を言っても信じる覚悟はある?」
この台詞は彼女を題材とした書物には殆ど記載されている
「はい」
「そう」
そう言って彼女は眼を閉じて何かを思い出すそぶりをしていた
通常なら重い雰囲気で始まるであろう話だが
しかし、宇佐見連子はマリエベリー・ハーンを死んだと認識できていない
これから話される内容は彼女にとって
秘封倶楽部に起きた「不思議な事」を説明するという事
彼女はそれは饒舌に私に説明するだろう
しかし、これから話される内容は実を言うと私は予想出来ている
彼女に関しての書籍は私は殆どを読み漁った
ならば何故私はここへ来たのか
前にも言ったが、私は彼女の言葉を生で聞きたかった
そんな些細な好奇心が
私を衝き動かしている
まるで私は彼女が私を不思議の国へ導く
白い兎なのではないかと
私は錯覚していたのだ
そして、私は用意したボイスレコーダーとメモ帳の準備をした
今からこの部屋で聞く事を、自分の物にするために
「よろしくお願いします」
一段落した彼女は私の方に向き合った
「お忙しいところ取材へのご協力ありがとうございます」
「いいのよ。自分の体験した摩訶不思議な出来事を広く伝えるのは秘封倶楽部として当然だわ」
彼女のベッドの上の机には白紙の「秘封倶楽部活動日誌」と書かれたノートとワープロ
それが彼女の仕事道具だ
ここで彼女について少し説明しなければならない
彼女の名前は「宇佐見連子」
10年前に起こった「マエリベリー・ハーン」変死事件
それの最重要参考人である。
そして大ヒット作家でもある
彼女の執筆した「少女秘封倶楽部」は彼女自身の怪事件の際重要参考人という知名度を切っ掛けにその内容の濃さ、表現の精密さから
多くの人に愛されている書籍だ
そのジャンルはどちらかと言えばオカルトやファンタジーな内容なのだが本人にはそのつもりはなく全て事実だと認識している
この本の内容は彼女が大学時代から続けている活動で、この本は宇佐見連子の視点ではなく、
「メリー」と言う人物が見た事聞いたことを「宇佐見連子」が
書き纏めるというスタイルで綴られている。
いわゆる「旅行記」のようなカタチで作られているのだが、問題はその内容だ
なんでも「メリー」は我々とは違う世界を行き来する事ができるらしくその先にある「世界」で見た事、
聞いた事を宇佐見連子が書き綴っているのだ
さて、ここで重要なのは何故彼女がこんな病院に入院しているのか
実は先ほど言った「メリー」なる名前は「マエリベリー・ハーン」に彼女が付けたあだ名なのだ
つまり、宇佐見連子は「マエリベリー・ハーン」が死んだ事を認識できず、
更に、彼女の幻覚と会話し、彼女の話をその「何も書かれていないノート」
つまり「秘封倶楽部活動日誌」に書き止め、それをもとに「少女秘封倶楽部」を執筆している
しかも彼女がここに入院してる理由はそれだけではない
事件当時の彼女の証言とアリバイである
これに関しては後に説明するが、
彼女はマリエベリー・ハーンが死亡した時にその場にいなかったはずなのだが、ピタリと現場の状態を説明したのだ
通常なら宇佐見連子は容疑者として警察から扱われるはずだが、
宇佐見連子がマリエベリー・ハーン発見現場に居る事は物理的に不可能だった
なので警察はこの事件を「殺人事件」ではなく「変死事件」とし、
宇佐見連子は「容疑者」ではなく「最重要参考人」として警察から監視されているのだ
そして、入院患者としての宇佐見連子の病状は大きくまとめて4つ
1.「マリエベリー・ハーン」の死を認識できていない事
2.「マリエベリー・ハーン」の幻覚をいまだに見ている事
3.「マリエベリー・ハーン変死事件」について常軌を逸した供述
そして、4.宇佐見連子は時間の概念を大きく失っている
これは宇佐見連子は事件後ある一定の周期で彼女の中の時間の感覚が「繰り返して」いるのだ
まるで彼女は自分の中の時計が一定の周期で針が戻る。いや、また同じとこから始まる
つまり・・・彼女の中でマリエベリー・ハーンは死んでなく
「秘封倶楽部」は今も大学のサークルとして活動しているのだ
彼女の時間はまるで『メリーゴーランド』のように同じところを巡り巡っているのだ
「では、早速ですが・・・あの日の事をお話してもらえますか」
あの日起きた事
それを切っ掛けに彼女は私たちとは違う世界に行ってしまった
それは「宇佐見連子」にとっても「マエリベリー・ハーン」にとっても
「ええ、いいけど。その前に一つ聞きたいわ」
「なんです?」
「・・・・あなた何を言っても信じる覚悟はある?」
この台詞は彼女を題材とした書物には殆ど記載されている
「はい」
「そう」
そう言って彼女は眼を閉じて何かを思い出すそぶりをしていた
通常なら重い雰囲気で始まるであろう話だが
しかし、宇佐見連子はマリエベリー・ハーンを死んだと認識できていない
これから話される内容は彼女にとって
秘封倶楽部に起きた「不思議な事」を説明するという事
彼女はそれは饒舌に私に説明するだろう
しかし、これから話される内容は実を言うと私は予想出来ている
彼女に関しての書籍は私は殆どを読み漁った
ならば何故私はここへ来たのか
前にも言ったが、私は彼女の言葉を生で聞きたかった
そんな些細な好奇心が
私を衝き動かしている
まるで私は彼女が私を不思議の国へ導く
白い兎なのではないかと
私は錯覚していたのだ
そして、私は用意したボイスレコーダーとメモ帳の準備をした
今からこの部屋で聞く事を、自分の物にするために
続きを期待させて頂きます。
集中力が続かない、だから少しずつ書く。一向に構いません。
しかし、短編ばかりを少しずつ投稿するのはあまり良くないと思います。
理由としては
・一つの作品集に短編の続き物がたくさん並ぶと連投の様に見える。
・続編を見つけ最初から遡ろうと思っても数が多いと諦めがち。
この2つです。
書けたものをすぐに投稿するのではなく、少しずつ書いたものを繋げて、ある程度の文量になったところで投稿してはどうでしょうか?
長々とお節介なことを書いてすみません。
秘封倶楽部に何があったのか、この作品の続きを楽しみにしています。
では完成したら全てまとめて
1、2は消してしまいます