季節は春。
各所で厳しい冬を乗り切った生命が息吹をあげ、また一年新しくその生命を謳歌しようと声をあげていた。
本来ならそのような季節のはずである。
しかし今年はちょっと事情が違う。
四月と言うにもかかわらずなかなか気温が上がらない。それどころかくずついた天気の毎日である。まだ今年度初の春告精を見ていないという話も飛び交わっている。
そのために灰暗く寒い雰囲気が幻想郷を包んでいた。
太陽の畑も例外ではなかった。
寒い空気が辺りを包み、畑の代名詞である、向日葵も吹き抜ける風の寒さに身を震わせていた。
しかし今日はマシな方である。太陽が顔を出しているだけ向日葵にとっては感謝の賜物であった。
そんな畑には、人が二人ほど通れそうな道幅の土道が東西南北の四方から走っていた。そしてその四つからぶつかる交差点には開けた平野が少しあった。
そこにはテーブルが一つとイスが二つ、ありそれぞれに腰掛ける女性がいた。一人の女性がティーポットから紅茶を自分のカップに注ぐとそれを口に含んだ。優雅の呑むその様は異性のみならず同性でさえも息を呑むようであった。
静かにカップを置き、髪をかきあげて対面に座るもう一人の女性に声をかけた。
「ねぇ、あなたいつまでここにいる気?」
話しかけられた女性は、空から目を降ろし、顔を見据えて言った。
「さぁ、いつまで?」
「質問に質問で返さないの……まったく」
呆れたように顔を顰めながらまたカップに口をつけた。
けれどその顔には怒っているような表情は見受けられない。
またカップをテーブルに置くと、
「ねぇ、幽香は私がここから出て行って欲しいの?」
「そうね、出来れば速攻に出てって眠って欲しいくらいだわ、一生ね」
言葉にとげを含んだ言い方をした女性―幽香は決して怒ってはいない。これが彼女の話し方なのだ。
風見 幽香と言えば幻想郷では知らないものはいないと言うほど有名な妖怪である。
有名になったのはその強さである。並の妖怪では触れることすら適わないといわれている。
噂には尾ひれはつき物だがこの噂は間違いではない。
その幽香は今日も一日、向日葵の様子を見ながらその日を終える予定だったが、突然、彼女がやってきたので仕方なくお茶を付き合うことになった。
「……で、実際のところどうなのよ」
「そうね、私にも分からないわ。この寒さは異常だものね」
「貴方の仕業でしょ?」
「冗談。これは私じゃないわ。自然の意思なのよ」
ふーんと軽く相槌を打って幽香は空を見上げた。青空は見えるものの気温が十分ではない。その事が恨めしくなり、つい顔を顰めた。
「幽香、顔がどっかの店主になっているわ。せっかくの美人が台無しよ」
「あら、失礼。例えにはいらっときたけど、褒めてくれたので不問としてあげる」
「ふふっ、ありがと」
感謝された彼女は幽香とは別のティーポットをつかみ自分のカップに注いだ。
中身はアイスコーヒーであった。
「ああ、おいしわ。幽香の作るコーヒー豆は格別ね」
「おだてたって何もでないわよ、レティ」
穏やかに微笑むレティの顔には満足と言う言葉が浮かんでいた。その顔に幽香は苦笑した。
冬の代名詞、レティ=ホワイトロックは冬にしか現れないと言われる妖怪だが、今年は異常な寒さのために春でもこうしてお茶をしているのであった。
因みに幽香と同様、レティも妖怪として強力な強さを誇っている。
聞けば単独で異変を起こしたり、妖怪の山に手を出したりと強烈の一言に尽きる。
お互い強者なので、惹かれ合うが、反発することもある。寧ろ反発の方が彼女たちの暦史の中で90%を占めていた。
いわゆる同属嫌悪であった。お互い「強さ」、「他を圧倒する性格」、「自然を根源とする妖怪」など似ているものが多いために、逢えばケンカではなく殺し合いをする関係であった。
今はお互い手を出さない。代わりに、
「ケチね、そんなんだから誰も貴方に近寄ってこないのよ」
「ふん、じゃあ私に会いにきた貴方は何かしら?」
口での応対であった。お互い本気で言い合っているわけではないというのは分かっている。その上でのやり取りであった。
しかし、
「変わり者、それとも寂び……」
幽香がつい調子に乗って言葉を続けようとした瞬間、パキパキという無機質な音と共に周りの『世界が黄色から青』に変わった。
二人を囲んでいた向日葵畑が氷に包まれたのであった。それは向日葵の墓場と言うのが相応しく一瞬にして生命が消えうせてしまったのであった。
もちろんこんな事をするのは冬の妖怪であるレティしかいない。
自分の失言には罰を感じたが、何も関係ない向日葵に手を出したことに、頭に血が一気に駆け巡った。そしてレティを幽香は睨みつけた瞬間、バキバキという耳を塞ぎたくなるような轟音が二人の周りを包んだ。今度は『世界が青から黄色』に戻っていたのであった。
先ほどの音は死んだように見えた向日葵が氷を突き破り、殻から這い出る破壊音であった。
こうして何事もなかったかのように畑の向日葵はまた太陽を探していた。
「花はね、決して弱い生き物ではないわ。何でも養分にして生きようとする獰猛な生き物なのよ」
「あらそう。まるで貴方のようね。剥き出しのナイフのような性格のところがそっくりよ」
目と目がぶつかり合う。周りは息を潜めるように何も聞こえない。空気でさえこの雰囲気に怖くなったのか風がぴたりと止んでいた。
しばらくして、
「……まぁ、今回は私の失言から始まったことだから許してあげる。でも……」
「次からは向日葵には手を出さないわ。私も大人気なかったと思う。だから…」
そう言ってレティは紅茶を幽香のカップに注いだ。
それを見て幽香もレティのカップにアイスコーヒーを注いだ。
「これで水に流しましょ」
「この場合、水じゃあないけどね」
揚げ足を取らない、とレティは言ってそれを飲んだ。幽香も口につけた。
寒さを伴う風がひゅうと吹いた。
「それでさ、また話戻すけど、貴方いつまで起きているつもりなの」
「それがね、私にも分からないの」
レティは困ったように苦笑した。
「実際ね、暦の上では春なんだけど季節は冬なのよ。こんなの私が知る限りでは滅多にないわ」
「じゃあ何、この寒さは貴方のせいじゃないってこと?」
「そ。だから言ったでしょ、これは自然の意思なのよ」
繰り返すようだが今の幻想郷は少しおかしい。
春なのに冬の気候が幻想郷を包んでいるのだ。
この寒さはレティの仕業だと幽香は睨んでいたのだがどうやら違うらしい。
「じゃあ原因は何かしら?」
「そうね……たぶん、と言うか勘だけど自然自体が暑いからじゃないかしら?」
「根拠は?」
「勘て言ったでしょ、根拠なんてないわ」
さっきから質問でしか言葉を出さない幽香に呆れたレティだが、彼女の顔は真剣なので、答えをぼかしたことに罰を感じた。
幽香は自然に敏感な妖怪である。自身の能力が自然と大きく係わり合いを持っているので、気になっているのである。特にここの向日葵は幽香の分身みたいなものなので、それらが傷つけられると容赦なく害悪を叩きのめす。先ほどレティが向日葵を凍らせたとき、異常な威圧を見せたのはそのためであった。
「根拠をあえて言うなら、今の自然が徐々に暑くなっているからだと思うわ」
「だから今年は寒くなろうとしてるって言うの」
冗談やめて欲しいわ、と言ってまた紅茶に手をつけた。
レティも長く起きていられるのは嬉しいが、その反面自然が悲鳴を上げていることに憂いも感じていた。彼女もまた自然の妖怪だからだ。
「で、私の推測だけど、幻想郷にはそれ自体を暑くするような異変、と言うか仕業を起こしているやつはいないわ」
「そうね」
「でもここが暑くなっているのは事実よ。だから幻想郷を暑くしている原因は……」
「貴方の推測に同意ね」
答えを取らないで頂戴、と幽香は残っていた紅茶を飲み干した。
カップの中身を飲み干した彼女の表情は冴えていない。それどころかいらつきさえものぞかせていた。
「はぁ~、全く外の人間ときたら、どうしてこんなに愚かなのかしら」
「それも同意ね」
「こっちにもしわ寄せがくるんだから、考えて欲しいわね」
「また同意だわ」
「………貴方も何か言ったら」
「無駄よ。言って何とかなるならいくらでも言うわ。でもね」
レティは前のめりになって幽香に近づいた。
「よく言うでしょ、馬鹿は死んでも治らないってね」
笑顔のまま表情を崩さない。言っていることとギャップがあるので幽香は周りを気にすることなく笑った。
「あはははは、言うわねレティ。ふふっ、確かにそれも真理ね」
笑みをこぼさず笑い続ける幽香にレティもつられて声をあげだした。
向日葵畑には笑い声が響き渡っていた。
心底可笑しそうに笑うその声は向日葵たちにも伝わった。
ゆらゆらとゆれるその様は蜃気楼で歪んでいるんじゃないだろうかと目の錯覚を起こさせているようであった。
「ふふっ、ああ、久しぶりに笑ったわ。貴方も冗談を言えるのね。てっきり冬の妖怪だし…」
「寒いことしかいえないと思った、かしら」
「その通りよ」
「全く失礼ね。貴方じゃなければ、首から下を凍りつかせて生かしたまま、四肢を砕いていたところだわ」
「あら、怖いことを言うわね。そうね、お詫びに貴方をデートに誘おうかしら」
その言葉に興味を持ったのかレティの目は輝いた。
デートは久しくしていなかったので、相手が幽香であろうと心を躍らせていた。
「どこにかしら?」
「そうね……外の世界ってどうかしら」
にやりと笑う幽香にレティは魂胆が読めた。恐らく外の人間に警告を出すのだろうと。
幽香は自然を、特に花を傷つけるものは誰であろうと許さない性質である。
幽香の推測どおりなら外の人間が今回の異常気候を生み出しているので、共に報復しに行こうと言っているのであった。
「やめときなさい、幽香」
「どうしてかしら?」
「言ったでしょ、馬鹿は死んでも治らないって」
「そうね、だから一回試してみるのよ、本当に治らないか。もしそれで治ったら万事オッケー、逆もまた然りね」
「外の人間は周りに対して無関心に勤めているわ。そんな状態では、人間が死んだって他の人間は『あ、そう』で終わらせてしまうわ。そんな人間を貴方が直接手を出す価値があって?」
諭すように静かに言うレティの言葉は幽香に染み渡るように伝わった。
レティは比較的、外の世界に長くいた妖怪であった。そんな彼女だからこそ外の世界の無常さを哀れんでいた。
「そう。まぁ、レティがそういうのなら止めておきましょ」
「それが良いわ。で、代わりのお詫びは何かしら?」
催促してきた彼女に幽香は少し困りながらも、レティの近くにあったティーポットを掴んだ。
「まぁ、これで水に流して頂戴」
「この場合、水じゃないけどね」
揚げ足を取らない、と言った幽香にはさっきとは違う笑みが浮かんでいた。
レティはもまた微笑みながら注いでもらったアイスコーヒーを飲んだ。
「さっきとセリフが逆ね」
誰が呟いたか………………
日も沈み始めより一層寒さを感じ始めた。
地平線に沈む夕日は二人に向日葵の群集のスキマから光を差し込んでいた。
橙と藍の世界が入り混じった太陽の畑。
もう直ぐ夜が降りてくる。
「さてと。そろそろ行こうかしら」
「それが良いわ。丁度お迎えが来たようだしね」
幽香はレティの後ろを指差す。
レティが振り向いた先には青い妖精が飛んできた。
ああ、彼女かと。
「お~いレティ。迎えに来たよ~」
遠くからでもここまで聞こえると言うことはよほど大声をあげているのだろう。
「くすっ、貴方をエスコートするジェントルマンのお出ましね」
「そのようね」
飛んできたのは氷精のチルノであった。普段から仲が良いと言われているこのコンビは有名である。
「おっす、ゆうか」
「はい、こんばんは。今日も元気ね貴方は」
「うん、あたいはいつでも元気だ」
パタパタと揺らす氷のような透き通った羽は犬の尻尾のように元気に揺れている。
「あ、レティこれ見て」
「あら、それは…」
氷付けにされた蛙であった。仮死状態で保存された蛙はまるで氷像のようなオブジェであった。(中身はアレだが)
「上手く出来たわね」
「うん、レティに言われたとおりに毎日これで練習してるよ」
「解凍は出来るようになった?」
「ううん。まだ三回に一回しか出来ない」
しょんぼりと俯くチルノにレティはやさしく頭に手を置いた。
ゆっくりと撫でられるとチルノは気持ちよさそうにしている。
チルノはレティの手を頭から自分の頬に持ってきた。
レティはまた優しく撫で続けた。
「これ、何?」
不思議そうに幽香は凍りつけの蛙を見ていた。
「ああ、それね。私が教えたものよ」
「また悪趣味な遊びを教えるわね」
「違うわ、それは遊びじゃなくて勉強なの」
「勉強?」
チルノの頬を撫でながらレティは幽香に説明した。
その間、チルノは嬉しそうにレティの顔だけを見ていた。
「幽香にはそれが何に見えるかしら?」
「何って蛙にしか……」
「それじゃあ、問題にならないわ。蛙を何に例えているように見える?」
「例え?……………ああ!なるほどね」
幽香はレティの意図を読み取ったのか驚きながら改めた蛙を、見ていた。
「それってさ、この子に解っているの?」
「たぶん解っていないでしょうね」
「なら、やっている意味ないじゃない」
「おいおい教えるわ。それにそのうち解ると思うわ。この子は貴方が思った以上に賢い子よ」
へぇ~、と幽香はチルノを見た。向こうも幽香を見たので、目が合った。
「なに、ゆうか?」
「何でもないわ。賢い子になりなさい」
「あたい、天才よ」
「はいはい」
当分無理だなと幽香は肩をすくめた。レティは幽香の様子に苦笑した。
チルノだけが解らず二人の顔を交互に見ていた。
「さて、私も戻りますかね」
「ゆうか、おばあちゃんぽい」
「誰がかしら?」
顔は笑っているのに雰囲気は違う。威圧を伴うその笑みには普通の妖怪なら逃げ出すほどであったがチルノには別であった。(もちろんレティにも)
「無駄よ。この子にはそんなの通じないわ」
「はぁ~、他の駄妖怪よりたちが悪いわね」
「ふふっ、そんな嘆く貴方にどうやらお迎えが来たようね」
えっ、と言って幽香は後ろに振り向くと見慣れた友人がこちらに向かっていた。
「ゆ~か~!」
それは小さなスイートポイズン、メディスン=メランコリーであった。
人形の妖怪である彼女が全速力で飛んでくるその様は少し不気味であった。
「あら、メディいらっしゃい」
「ねぇ、幽香。今から遊ぼ」
「今から?嫌よ、私は帰るの」
「や~だ、遊ぶの、遊ぶの」
ぐいぐいと幽香のスカートを引っ張るメディの様は子供同然であった。
まぁ、メディ自体が生まれて間もない妖怪なので子供と言うのは妥当である。
そして彼女が子供なら、幽香は……
「ストップよ、レティ。それ以上考えたら貴方でもただじゃ済まないわよ」
「分かっているわ。だからここまでしか思っていないじゃない。と言うか、勝手に人の思考を読まないでよ、エッチね」
「エッチで結構。失礼な想像をされるよりかはマシだわ」
幽香はキッとにらみをきかせ、レティに警告した。レティは澄まし顔のままそれを受け流した。
「ねぇ、ゆうかはえっちなの?」
「幽香はエッチじゃないよ。紳士だよ」
一方のお子様たちも幽香について話している。というか、メディよ、それを言うなら淑女だろうと誰も突っ込みを入れない。
「ま、とにかくお互いお迎えが来ちゃったから帰りましょ」
「それもそうね。ほらメディ、帰るわよ」
「うん。じゃあね、チルノ、レティ」
「じゃあね、メディ、ゆうか」
「またね」
お互い声を掛け合ってその場から離れた。二組が行く方向はそれぞれ別々。
冷たくなったテーブルとイス、そして向日葵だけがそこから動かない。
ここは太陽の畑。
一年中向日葵が映える丘。綺麗な向日葵を見たくて足を運びたい者はごまんといる。
けれどそこには人が滅多に顔を出さない。
なぜなら日が出ている間は彼女がいるため近づけない。月が出る間は妖怪が跋扈するので近づけない。
でも、彼女は自然を愛する妖怪。
自然を傷つけないものであれば誰であろうと、心からお招きします。
名物は彼女が作った、コーヒーと紅茶。
自然を傷つけた事がないといえるのなら、一度足を運んでは如何でしょうか。
夜が降りてきた。
夜の世界では月と星の光だけが頼りであった。
辺りは冷気が伴った空気で満ちている。
しかし彼女たちは気にならない。
なぜなら彼女たちは冷気の妖精と寒気の妖怪だからである。
ゆっくりと家路に帰る彼女たち。
地面を踏みしめながら歩くレティと、その周りを嬉しそうに飛び回るチルノ。
「………でね、リグルったら驚いて湖に落ちちゃったのよ」
「まあ、それは面白いわね」
二人は可笑しそうに笑いあっていた。
どうやらチルノの今日あったことを話している様子だ。
なにが可笑しいのか、もっと耳を近づけてみよう。
するとレティはぴたりと歩みを止めた。
「レティ?」
「ねぇ、チルノそれ貸してくれない?」
レティが言ったそれとは凍りつけになった蛙であった。
言われたとおりにチルノはそれを渡した。
レティはそれを見てクスリと小さく笑い『こっち』をみた。
「ねぇ、貴方はいつまでそうしているのかしら。こっちは貴方のお陰で眠れないのよ。まぁ、その分楽しめているのは間違いないわ。けれどね、自然を捻じ曲げてまで生活する貴方は何様のつもりかしら。気分が悪いわ。自然は支配されるものではない。共に生きるものなのよ。幽香との会話を聞いていたでしょ。けれどもしそれでも私が言っていることが分からないようじゃ、こうなっても仕方ないわね」
そう言ってレティは手を握った。バキッという音と共に蛙の一生は終わってしまった。
雫がレティの手からたれる。
色が何色かよく見えない。
「こうなりたくなければ考えを改めることね。今ならまだ遅くはない、自然はそう言っているわ」
薄く笑う彼女の口は三日月のように歪み、今の時間に相応しかった。
チルノはレティが何を言っているか分からず、ただぼーっと見ていた。
ぽたり、ぽたり、ぽたり…………
Fin
各所で厳しい冬を乗り切った生命が息吹をあげ、また一年新しくその生命を謳歌しようと声をあげていた。
本来ならそのような季節のはずである。
しかし今年はちょっと事情が違う。
四月と言うにもかかわらずなかなか気温が上がらない。それどころかくずついた天気の毎日である。まだ今年度初の春告精を見ていないという話も飛び交わっている。
そのために灰暗く寒い雰囲気が幻想郷を包んでいた。
太陽の畑も例外ではなかった。
寒い空気が辺りを包み、畑の代名詞である、向日葵も吹き抜ける風の寒さに身を震わせていた。
しかし今日はマシな方である。太陽が顔を出しているだけ向日葵にとっては感謝の賜物であった。
そんな畑には、人が二人ほど通れそうな道幅の土道が東西南北の四方から走っていた。そしてその四つからぶつかる交差点には開けた平野が少しあった。
そこにはテーブルが一つとイスが二つ、ありそれぞれに腰掛ける女性がいた。一人の女性がティーポットから紅茶を自分のカップに注ぐとそれを口に含んだ。優雅の呑むその様は異性のみならず同性でさえも息を呑むようであった。
静かにカップを置き、髪をかきあげて対面に座るもう一人の女性に声をかけた。
「ねぇ、あなたいつまでここにいる気?」
話しかけられた女性は、空から目を降ろし、顔を見据えて言った。
「さぁ、いつまで?」
「質問に質問で返さないの……まったく」
呆れたように顔を顰めながらまたカップに口をつけた。
けれどその顔には怒っているような表情は見受けられない。
またカップをテーブルに置くと、
「ねぇ、幽香は私がここから出て行って欲しいの?」
「そうね、出来れば速攻に出てって眠って欲しいくらいだわ、一生ね」
言葉にとげを含んだ言い方をした女性―幽香は決して怒ってはいない。これが彼女の話し方なのだ。
風見 幽香と言えば幻想郷では知らないものはいないと言うほど有名な妖怪である。
有名になったのはその強さである。並の妖怪では触れることすら適わないといわれている。
噂には尾ひれはつき物だがこの噂は間違いではない。
その幽香は今日も一日、向日葵の様子を見ながらその日を終える予定だったが、突然、彼女がやってきたので仕方なくお茶を付き合うことになった。
「……で、実際のところどうなのよ」
「そうね、私にも分からないわ。この寒さは異常だものね」
「貴方の仕業でしょ?」
「冗談。これは私じゃないわ。自然の意思なのよ」
ふーんと軽く相槌を打って幽香は空を見上げた。青空は見えるものの気温が十分ではない。その事が恨めしくなり、つい顔を顰めた。
「幽香、顔がどっかの店主になっているわ。せっかくの美人が台無しよ」
「あら、失礼。例えにはいらっときたけど、褒めてくれたので不問としてあげる」
「ふふっ、ありがと」
感謝された彼女は幽香とは別のティーポットをつかみ自分のカップに注いだ。
中身はアイスコーヒーであった。
「ああ、おいしわ。幽香の作るコーヒー豆は格別ね」
「おだてたって何もでないわよ、レティ」
穏やかに微笑むレティの顔には満足と言う言葉が浮かんでいた。その顔に幽香は苦笑した。
冬の代名詞、レティ=ホワイトロックは冬にしか現れないと言われる妖怪だが、今年は異常な寒さのために春でもこうしてお茶をしているのであった。
因みに幽香と同様、レティも妖怪として強力な強さを誇っている。
聞けば単独で異変を起こしたり、妖怪の山に手を出したりと強烈の一言に尽きる。
お互い強者なので、惹かれ合うが、反発することもある。寧ろ反発の方が彼女たちの暦史の中で90%を占めていた。
いわゆる同属嫌悪であった。お互い「強さ」、「他を圧倒する性格」、「自然を根源とする妖怪」など似ているものが多いために、逢えばケンカではなく殺し合いをする関係であった。
今はお互い手を出さない。代わりに、
「ケチね、そんなんだから誰も貴方に近寄ってこないのよ」
「ふん、じゃあ私に会いにきた貴方は何かしら?」
口での応対であった。お互い本気で言い合っているわけではないというのは分かっている。その上でのやり取りであった。
しかし、
「変わり者、それとも寂び……」
幽香がつい調子に乗って言葉を続けようとした瞬間、パキパキという無機質な音と共に周りの『世界が黄色から青』に変わった。
二人を囲んでいた向日葵畑が氷に包まれたのであった。それは向日葵の墓場と言うのが相応しく一瞬にして生命が消えうせてしまったのであった。
もちろんこんな事をするのは冬の妖怪であるレティしかいない。
自分の失言には罰を感じたが、何も関係ない向日葵に手を出したことに、頭に血が一気に駆け巡った。そしてレティを幽香は睨みつけた瞬間、バキバキという耳を塞ぎたくなるような轟音が二人の周りを包んだ。今度は『世界が青から黄色』に戻っていたのであった。
先ほどの音は死んだように見えた向日葵が氷を突き破り、殻から這い出る破壊音であった。
こうして何事もなかったかのように畑の向日葵はまた太陽を探していた。
「花はね、決して弱い生き物ではないわ。何でも養分にして生きようとする獰猛な生き物なのよ」
「あらそう。まるで貴方のようね。剥き出しのナイフのような性格のところがそっくりよ」
目と目がぶつかり合う。周りは息を潜めるように何も聞こえない。空気でさえこの雰囲気に怖くなったのか風がぴたりと止んでいた。
しばらくして、
「……まぁ、今回は私の失言から始まったことだから許してあげる。でも……」
「次からは向日葵には手を出さないわ。私も大人気なかったと思う。だから…」
そう言ってレティは紅茶を幽香のカップに注いだ。
それを見て幽香もレティのカップにアイスコーヒーを注いだ。
「これで水に流しましょ」
「この場合、水じゃあないけどね」
揚げ足を取らない、とレティは言ってそれを飲んだ。幽香も口につけた。
寒さを伴う風がひゅうと吹いた。
「それでさ、また話戻すけど、貴方いつまで起きているつもりなの」
「それがね、私にも分からないの」
レティは困ったように苦笑した。
「実際ね、暦の上では春なんだけど季節は冬なのよ。こんなの私が知る限りでは滅多にないわ」
「じゃあ何、この寒さは貴方のせいじゃないってこと?」
「そ。だから言ったでしょ、これは自然の意思なのよ」
繰り返すようだが今の幻想郷は少しおかしい。
春なのに冬の気候が幻想郷を包んでいるのだ。
この寒さはレティの仕業だと幽香は睨んでいたのだがどうやら違うらしい。
「じゃあ原因は何かしら?」
「そうね……たぶん、と言うか勘だけど自然自体が暑いからじゃないかしら?」
「根拠は?」
「勘て言ったでしょ、根拠なんてないわ」
さっきから質問でしか言葉を出さない幽香に呆れたレティだが、彼女の顔は真剣なので、答えをぼかしたことに罰を感じた。
幽香は自然に敏感な妖怪である。自身の能力が自然と大きく係わり合いを持っているので、気になっているのである。特にここの向日葵は幽香の分身みたいなものなので、それらが傷つけられると容赦なく害悪を叩きのめす。先ほどレティが向日葵を凍らせたとき、異常な威圧を見せたのはそのためであった。
「根拠をあえて言うなら、今の自然が徐々に暑くなっているからだと思うわ」
「だから今年は寒くなろうとしてるって言うの」
冗談やめて欲しいわ、と言ってまた紅茶に手をつけた。
レティも長く起きていられるのは嬉しいが、その反面自然が悲鳴を上げていることに憂いも感じていた。彼女もまた自然の妖怪だからだ。
「で、私の推測だけど、幻想郷にはそれ自体を暑くするような異変、と言うか仕業を起こしているやつはいないわ」
「そうね」
「でもここが暑くなっているのは事実よ。だから幻想郷を暑くしている原因は……」
「貴方の推測に同意ね」
答えを取らないで頂戴、と幽香は残っていた紅茶を飲み干した。
カップの中身を飲み干した彼女の表情は冴えていない。それどころかいらつきさえものぞかせていた。
「はぁ~、全く外の人間ときたら、どうしてこんなに愚かなのかしら」
「それも同意ね」
「こっちにもしわ寄せがくるんだから、考えて欲しいわね」
「また同意だわ」
「………貴方も何か言ったら」
「無駄よ。言って何とかなるならいくらでも言うわ。でもね」
レティは前のめりになって幽香に近づいた。
「よく言うでしょ、馬鹿は死んでも治らないってね」
笑顔のまま表情を崩さない。言っていることとギャップがあるので幽香は周りを気にすることなく笑った。
「あはははは、言うわねレティ。ふふっ、確かにそれも真理ね」
笑みをこぼさず笑い続ける幽香にレティもつられて声をあげだした。
向日葵畑には笑い声が響き渡っていた。
心底可笑しそうに笑うその声は向日葵たちにも伝わった。
ゆらゆらとゆれるその様は蜃気楼で歪んでいるんじゃないだろうかと目の錯覚を起こさせているようであった。
「ふふっ、ああ、久しぶりに笑ったわ。貴方も冗談を言えるのね。てっきり冬の妖怪だし…」
「寒いことしかいえないと思った、かしら」
「その通りよ」
「全く失礼ね。貴方じゃなければ、首から下を凍りつかせて生かしたまま、四肢を砕いていたところだわ」
「あら、怖いことを言うわね。そうね、お詫びに貴方をデートに誘おうかしら」
その言葉に興味を持ったのかレティの目は輝いた。
デートは久しくしていなかったので、相手が幽香であろうと心を躍らせていた。
「どこにかしら?」
「そうね……外の世界ってどうかしら」
にやりと笑う幽香にレティは魂胆が読めた。恐らく外の人間に警告を出すのだろうと。
幽香は自然を、特に花を傷つけるものは誰であろうと許さない性質である。
幽香の推測どおりなら外の人間が今回の異常気候を生み出しているので、共に報復しに行こうと言っているのであった。
「やめときなさい、幽香」
「どうしてかしら?」
「言ったでしょ、馬鹿は死んでも治らないって」
「そうね、だから一回試してみるのよ、本当に治らないか。もしそれで治ったら万事オッケー、逆もまた然りね」
「外の人間は周りに対して無関心に勤めているわ。そんな状態では、人間が死んだって他の人間は『あ、そう』で終わらせてしまうわ。そんな人間を貴方が直接手を出す価値があって?」
諭すように静かに言うレティの言葉は幽香に染み渡るように伝わった。
レティは比較的、外の世界に長くいた妖怪であった。そんな彼女だからこそ外の世界の無常さを哀れんでいた。
「そう。まぁ、レティがそういうのなら止めておきましょ」
「それが良いわ。で、代わりのお詫びは何かしら?」
催促してきた彼女に幽香は少し困りながらも、レティの近くにあったティーポットを掴んだ。
「まぁ、これで水に流して頂戴」
「この場合、水じゃないけどね」
揚げ足を取らない、と言った幽香にはさっきとは違う笑みが浮かんでいた。
レティはもまた微笑みながら注いでもらったアイスコーヒーを飲んだ。
「さっきとセリフが逆ね」
誰が呟いたか………………
日も沈み始めより一層寒さを感じ始めた。
地平線に沈む夕日は二人に向日葵の群集のスキマから光を差し込んでいた。
橙と藍の世界が入り混じった太陽の畑。
もう直ぐ夜が降りてくる。
「さてと。そろそろ行こうかしら」
「それが良いわ。丁度お迎えが来たようだしね」
幽香はレティの後ろを指差す。
レティが振り向いた先には青い妖精が飛んできた。
ああ、彼女かと。
「お~いレティ。迎えに来たよ~」
遠くからでもここまで聞こえると言うことはよほど大声をあげているのだろう。
「くすっ、貴方をエスコートするジェントルマンのお出ましね」
「そのようね」
飛んできたのは氷精のチルノであった。普段から仲が良いと言われているこのコンビは有名である。
「おっす、ゆうか」
「はい、こんばんは。今日も元気ね貴方は」
「うん、あたいはいつでも元気だ」
パタパタと揺らす氷のような透き通った羽は犬の尻尾のように元気に揺れている。
「あ、レティこれ見て」
「あら、それは…」
氷付けにされた蛙であった。仮死状態で保存された蛙はまるで氷像のようなオブジェであった。(中身はアレだが)
「上手く出来たわね」
「うん、レティに言われたとおりに毎日これで練習してるよ」
「解凍は出来るようになった?」
「ううん。まだ三回に一回しか出来ない」
しょんぼりと俯くチルノにレティはやさしく頭に手を置いた。
ゆっくりと撫でられるとチルノは気持ちよさそうにしている。
チルノはレティの手を頭から自分の頬に持ってきた。
レティはまた優しく撫で続けた。
「これ、何?」
不思議そうに幽香は凍りつけの蛙を見ていた。
「ああ、それね。私が教えたものよ」
「また悪趣味な遊びを教えるわね」
「違うわ、それは遊びじゃなくて勉強なの」
「勉強?」
チルノの頬を撫でながらレティは幽香に説明した。
その間、チルノは嬉しそうにレティの顔だけを見ていた。
「幽香にはそれが何に見えるかしら?」
「何って蛙にしか……」
「それじゃあ、問題にならないわ。蛙を何に例えているように見える?」
「例え?……………ああ!なるほどね」
幽香はレティの意図を読み取ったのか驚きながら改めた蛙を、見ていた。
「それってさ、この子に解っているの?」
「たぶん解っていないでしょうね」
「なら、やっている意味ないじゃない」
「おいおい教えるわ。それにそのうち解ると思うわ。この子は貴方が思った以上に賢い子よ」
へぇ~、と幽香はチルノを見た。向こうも幽香を見たので、目が合った。
「なに、ゆうか?」
「何でもないわ。賢い子になりなさい」
「あたい、天才よ」
「はいはい」
当分無理だなと幽香は肩をすくめた。レティは幽香の様子に苦笑した。
チルノだけが解らず二人の顔を交互に見ていた。
「さて、私も戻りますかね」
「ゆうか、おばあちゃんぽい」
「誰がかしら?」
顔は笑っているのに雰囲気は違う。威圧を伴うその笑みには普通の妖怪なら逃げ出すほどであったがチルノには別であった。(もちろんレティにも)
「無駄よ。この子にはそんなの通じないわ」
「はぁ~、他の駄妖怪よりたちが悪いわね」
「ふふっ、そんな嘆く貴方にどうやらお迎えが来たようね」
えっ、と言って幽香は後ろに振り向くと見慣れた友人がこちらに向かっていた。
「ゆ~か~!」
それは小さなスイートポイズン、メディスン=メランコリーであった。
人形の妖怪である彼女が全速力で飛んでくるその様は少し不気味であった。
「あら、メディいらっしゃい」
「ねぇ、幽香。今から遊ぼ」
「今から?嫌よ、私は帰るの」
「や~だ、遊ぶの、遊ぶの」
ぐいぐいと幽香のスカートを引っ張るメディの様は子供同然であった。
まぁ、メディ自体が生まれて間もない妖怪なので子供と言うのは妥当である。
そして彼女が子供なら、幽香は……
「ストップよ、レティ。それ以上考えたら貴方でもただじゃ済まないわよ」
「分かっているわ。だからここまでしか思っていないじゃない。と言うか、勝手に人の思考を読まないでよ、エッチね」
「エッチで結構。失礼な想像をされるよりかはマシだわ」
幽香はキッとにらみをきかせ、レティに警告した。レティは澄まし顔のままそれを受け流した。
「ねぇ、ゆうかはえっちなの?」
「幽香はエッチじゃないよ。紳士だよ」
一方のお子様たちも幽香について話している。というか、メディよ、それを言うなら淑女だろうと誰も突っ込みを入れない。
「ま、とにかくお互いお迎えが来ちゃったから帰りましょ」
「それもそうね。ほらメディ、帰るわよ」
「うん。じゃあね、チルノ、レティ」
「じゃあね、メディ、ゆうか」
「またね」
お互い声を掛け合ってその場から離れた。二組が行く方向はそれぞれ別々。
冷たくなったテーブルとイス、そして向日葵だけがそこから動かない。
ここは太陽の畑。
一年中向日葵が映える丘。綺麗な向日葵を見たくて足を運びたい者はごまんといる。
けれどそこには人が滅多に顔を出さない。
なぜなら日が出ている間は彼女がいるため近づけない。月が出る間は妖怪が跋扈するので近づけない。
でも、彼女は自然を愛する妖怪。
自然を傷つけないものであれば誰であろうと、心からお招きします。
名物は彼女が作った、コーヒーと紅茶。
自然を傷つけた事がないといえるのなら、一度足を運んでは如何でしょうか。
夜が降りてきた。
夜の世界では月と星の光だけが頼りであった。
辺りは冷気が伴った空気で満ちている。
しかし彼女たちは気にならない。
なぜなら彼女たちは冷気の妖精と寒気の妖怪だからである。
ゆっくりと家路に帰る彼女たち。
地面を踏みしめながら歩くレティと、その周りを嬉しそうに飛び回るチルノ。
「………でね、リグルったら驚いて湖に落ちちゃったのよ」
「まあ、それは面白いわね」
二人は可笑しそうに笑いあっていた。
どうやらチルノの今日あったことを話している様子だ。
なにが可笑しいのか、もっと耳を近づけてみよう。
するとレティはぴたりと歩みを止めた。
「レティ?」
「ねぇ、チルノそれ貸してくれない?」
レティが言ったそれとは凍りつけになった蛙であった。
言われたとおりにチルノはそれを渡した。
レティはそれを見てクスリと小さく笑い『こっち』をみた。
「ねぇ、貴方はいつまでそうしているのかしら。こっちは貴方のお陰で眠れないのよ。まぁ、その分楽しめているのは間違いないわ。けれどね、自然を捻じ曲げてまで生活する貴方は何様のつもりかしら。気分が悪いわ。自然は支配されるものではない。共に生きるものなのよ。幽香との会話を聞いていたでしょ。けれどもしそれでも私が言っていることが分からないようじゃ、こうなっても仕方ないわね」
そう言ってレティは手を握った。バキッという音と共に蛙の一生は終わってしまった。
雫がレティの手からたれる。
色が何色かよく見えない。
「こうなりたくなければ考えを改めることね。今ならまだ遅くはない、自然はそう言っているわ」
薄く笑う彼女の口は三日月のように歪み、今の時間に相応しかった。
チルノはレティが何を言っているか分からず、ただぼーっと見ていた。
ぽたり、ぽたり、ぽたり…………
Fin
納得できました。
ありがとうございました。
ある意味当然なんでしょうけど、もう少しエンターテインメントに仕上げて欲しかったです。
まあ、自然の象徴としてのレティと幽香の会話に突っ込むのも野暮なんですが、
博麗大結界を突破出来たとして、本当に二人は外の世界で自分本来の力を発揮できると
思っているのかなぁ。ケロちゃんを殺したのも納得出来ないし。
凍り漬けにされないように、皆努力しようぜ、というのには大賛成なんですけど。
>まだ今年度初の春告精を見ていないという話も飛び変わっている→飛び交っている、かな。
>向日葵も吹き抜ける風に寒さに→風の寒さに、の方が個人的にはしっくりきますね。
>優雅の呑むその様は異性のみならず同姓でさえも→優雅に飲む~同性でさえも、ですかね。
>そうね、出来れば即効に出てって→速攻、でしょうね。
>カップをの中身を飲み干した彼女の→カップの中身、ですね。
>首から下を凍りつかせて生きながらまま→単純に、生きながら、又は、生かしたまま、などの方がよろしいかと。
>外の人間は周りに対して無関心に勤めているわ→漢字をあてるなら、努めて、でしょうが、それでもちょっと不自然な気がします。個人的には、無関心を貫いているわ、が一番しっくり来るかな?
>チルノの頬撫でながらレティは→頬を撫でながら、かな。
>驚きながら改めた蛙を見ていた→改めて蛙を、ですかね。
コチドリ氏
誤字報告ありがとうございます。
と言うかこんなにもあったなんて……穴があったら入りたいです。
誤字つながりと言うことでひとつ。
実は「勤める」と言う指摘があったのですが、実はこれわざとなんです。
全員が無関心でいるわけではなく嫌々やらざるをえない人だっていると思います。
そこで「勤める」と言う言葉を使いました。こっちのほうが嫌々感が出ている気がして…
「努める」だと頑張ろうという意味が個人的に入っているような気がするんで……
そこんところは目を瞑って下さい。