エスカレーター作者: ケチャ

ある日。
エンジニアである私河城にとりは妖怪の山の近くに外の世界のある機械を制作し設置した。

名前はエスカレーター。

箱型の形をした。
高い場所を登り降りする便利な機械だ。

何故このようなものを作ったかというには訳がある。
それは最近できた山の神社の立地条件の不便さと、移動手段の無さだ。

そこの巫女は。
うちの神社は物凄くご利益があるのに、人里の人間が中々来てくれないのでなんとかして欲しいと依頼してきた。

なにしろ妖怪の山は名前の通り妖怪まみれで、人間が入ってくるのを嫌う者も多く。
何の準備もせずに力も無く、空を飛ぶことができない人間が山に入ったら妖怪の餌になるか、追い出されるかしかない。

しかも妖怪達から逃れられたとしても神社に行くためには山頂まで登らないといけないのだ。
人間の盟友を自負する私はすぐにこの依頼を承諾。

「わかった、盟友の頼みだ。エスカレーターをすぐに設置するよ」
「幻想郷にエスカレーターってあるんですか！」
「無かったけど作ったんだよ、待っててすぐに設置するから」

私は元々このエスカレーターという物の存在を知らなかった。
しかし昔、外の世界から迷い込んだ盟友と出会い保護した時、このエスカレーターの存在を知ったのだ。

生憎その盟友は、私が保護したあと危険予測のために人を食べる妖怪や、人を襲う妖怪の生息している場所を説明をしていた時。
ルーミアという宵闇の妖怪を教えた時に突然態度を変えた。

それまで物静かで、紳士的だったその盟友はルーミアの事を話した瞬間もっと詳しく教えろと私に詰め寄り、場所や性格や口癖などを教えたら私の家から飛び出していった、追いかけ引き止めたのだが。

「幼女に食われる、我々の業界ではご褒美です」

などと嬉しそうな表情をし、走り去ってしまった。
そして噂によるとルーミアに

「貴方は食べれる人類？」
「勿論でございます」
「そーなのかー」
「ありがてぇ、ありがてぇ長年の夢が叶うとはありがてぇ」

そのような感じに食われたらしい。
外の世界では妖怪に食われるのが褒美という恐ろしい職業もあるらしい。
私はその事実もエスカレーターの存在とともに初めて知った。

まあそのようなことは置いておき機械の話に戻そう。

そのエスカレーターというものは

箱型で。
外の世界で全国に設置されている機械で高所に登り降りするのに使い。
ボタンを押すだけで操作できるというらしい。

まったく外の世界の技術力は素晴らしい

そのようなものが各地にあり無料で使えるというのだ

素晴らしい、本当に素晴らしい。
それこそ私が目指す科学の世界だ。

それを知った私は、山の巫女に依頼をされる前に独自にエスカレーターを開発していた。

まずは装甲。
外の世界の物は鉄で出来ているらしいが、妖怪相手ではそれでは足りない。
もっと強固な物でなければならない。

そのため私は
安価で、何物の攻撃を通さない物質
にとり合金を作り上げた。

そして電力
二十四時間作動し、年中無休で動くものなんて幻想郷には存在せず、苦労した。
しかし外の世界には永久機関という一度動かしたら永久に動き続けるというものがあり、それを作った。
たまたま外の世界の本を読める機会がありスーパーソノレイド機関という物を設置したのだ。
これがあればこのような大きな物でも永久に動くらしい。

そしてボタン
エスカレーターというものはボタンだけで動く簡易なシステムだ。
しかし複雑な動きをボタンのみで操作するというのは難しい。
なので私は操縦席を作ることにした。

いずれはボタンのみで操作できるようにしたいが、それをしてしまうとかなり時間がかかってしまう

そして人里近くにエスカレーターの設置場所を作り、とうとう今日完成したのだ。

エスカレーターが

先程から山の巫女がエスカレーターを見て口を開けて驚いている。
恐らくここ幻想郷にこのような物を作りあげる技術は無いと思っていたのだろう
しかし河童の技術力を舐めないで頂きたい

確かに外の世界と比べ遅れているのは確かだが、科学への探求心と努力さえあれば何だって作りあげることは可能なのだ。
熱意というものは私は誰にも負けない。

だから私は宣言しよう

「河童の技術力は世界一！」

私はエスカレーターを見ながら、そう叫んだ。

エスカレーター

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