Coolier - 新生・東方創想話

十六番目の花に祝福を

2010/05/13 22:32:03
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「はぁっ……はぁっ……」
 
 雪の降る山道を、私は走る。 
 今は亡き大切な人との思い出を、首から下げながら。
 一分でも速く。
 一秒でも速く。
 彼女との約束を果たすべく、次第に感覚の無くなってくる足を必死に前へと送る。
 アイツみたいに時を操る事が出来ればよかったのに。
 首からぶら下げた懐中時計を見つめながら、詮無き事を思う。
 どんなに時が経とうともこの時計を身につけている限り、何時でも彼女との日々を思い返せる気がした。
  
 ……ああ、そう言えば。
 そう言えば、彼女と出会ったのも――――――こんな風に雪の降る夜だったか。










***********************










「寒い……」
 
 もう数える事すら忘れてしまった一人きりの冬。
 雪の降る空を見上げながら、私は震える身体を抱きしめる。
 今夜は冷える。
 幸福な人間から見れば美しい雪も、暖を取れない者からすれば凶器でしかない。
 身体を刺す寒さから何とか逃れるべく、捨てられた毛布を頭からかぶりながら。
 一人きりで大通りの端を当ても無く歩く。
 寒さが辛いのはいつも通り。
 お腹が空いているのもいつも通り。
 道行く人間達が石を投げるのもいつも通り。 
 果たしてこんな日常を、私は何度繰り返してきたのだろう。

 生まれた時から、ずっと忌み嫌われてきた。
 普通の人間は纏わない異質な空気、まるで異人のような銀髪と青い瞳。
 それらは周りの人間達に、私に対する偏見を植え付けるのに十分だったのだ。
 名家であった両親は私を呪われた子と呼び、愛も……名前すら与えようとはしなかった。
 躾と言う名目で鞭を振るい、教育と称して虐待を繰り返し、従者や客人をそれに参加させては実の娘を玩具にし続けた。
 そして父が病死すると母は、お前が呪い殺したのだと言って私を家から追い出した。
 それからはずっとこの路地裏生活。
 親が見捨て、街が見捨て、神が見捨てた私を、人々はまるで避けるように歩く。
 向けられるのはいつも好奇と侮蔑の込められた視線。
 手を差し伸べられた事など、生まれてこの方一度も無い。
 自分は本当に生きているのだろうか、などと考えることがある。
 誰からも必要とされず、自分でも生きている価値を見出せない。
 ただ気がつけばここに居て、変化も無い毎日が過ぎて行くだけ。
 ならば私の時間は、始めから始まってすらいないのではないか。
 針の動かなくなった大時計を見上げながら、そう心の中で問いかける。
 人々から見捨てられた街のシンボルにだけは、親近感を持てるような気がした。
 ひたすらに虚しかった。
 振り返れば無色。
 前を向いても無色。 
 私の世界はあまりにも空虚で、まるで止まった時の中のように色素が見当たらない。
そんな、いつまでも続いていくであろう時の停滞、その中に――――――
 
「こんばんは、素敵なおちびさん」

 ある日、女が一人。
 私と同じ銀色の髪に青い瞳。
 けれども私には決して出来ないであろう柔らかな笑顔を浮かべ、みずぼらしい我が身を見下ろしている。
 果たして彼女は嘲笑いに来たのか。
 それとも悪行に利用しに来たのか。
 私の頭の中に浮かぶのは女に対する果てなき疑念。
 それはこれまで人間達が私にしてきた仕打ちの数々だった。
 彼女もきっと、そんな人間達と同じに違いない。
 過去の経験からそう決め付けた私は、女を外敵として威嚇する。
 けれども……違った。
 彼女は私に対して、決してこれまでの人間達と同じような仕打ちはしなかった。
 彼女が私にした仕打ちは……もっと、ずっとむごくて、恐ろしい物だ。
 
 その女は時の能力者だった。
 時を止めるのも、動かすのも自分の思うがまま。
 誰も信じはしないだろうが、私は確かにその身をもって体験したのだ。
 嗚呼……今でも覚えている。
 あの時彼女が、笑いながら。
 何処までも残酷に、無遠慮に。

「私達は、とても良く似ているわね」
 
 ―――――私の秒針に指を乗せたのを。

















――――――――――――――――十六番目の花に祝福を――――――――――――――――














「っ」 

 馴れ馴れしくも声をかけて来た女を、私は思い切り睨みつけてやる。
 私と彼女が似ている……?
 一体何処が似ているというのだ。
 同じ銀髪でも整って艶のある女の髪に比べ、私の髪はボサボサで泥だらけ。
 その瞳の青色も女の透き通るような蒼に比べ、私の物は淀んだ夜の海のようではないか。
 きっとこの目の前の女は、私などとは違い、さぞかし暖かな人生を送っているのだろう。
 私にとって女の発した『似ている』と言う言葉は皮肉にしか聞こえなかった。
 
「そんなに睨みつけなくてもいいじゃない。可愛いお顔が台無しよ」
 
 馬鹿にしているのか、それとも素なのか。
 睨みつけられたにもかかわらずニコニコと笑顔を浮かべたままの女。
 その一挙一頭足が私の神経を逆撫でする。
 こういう相手には関わらないのが一番だ。
 ぱしんと。
 無遠慮に伸ばされた手を軽く払いのけると、私は女に背を向けて歩き出した。
 今日はこれから食料を探し出さなければいけないのだ。
 こんな所でふざけた女に構っている場合では無い。
 そう心の中でごちる私の身体が、不意にふわりと宙に浮く。
 ぱたぱたと足を振るが、まるで前に進む感覚が無い。
 どうした事だと混乱していると、背後からは先程の女の声。

「軽いわね、貴女」
「……!」
 
 後ろを振り返り、やっとの事で状況を理解する。
 私は女に抱き上げられたのだ。
 細長い女の腕が私の背中からぐるりと回されているのが見える。

「は、離して……!」

 言葉で訴えるが女は知らんぷり。
 私の小さな身体を揺すりながら、楽しそうに笑顔を浮かべ続けている。
 柔らかな三つ編みが顔に掛かってくすぐったい。
 じたばたと暴れてはみるが、揺れるのは私の身体だけ。
 この体格差では効果は薄い。

「ね、お腹空いているんでしょう? これ一緒に食べない?」 

 私の抵抗など意に介していないように。
 そう口にして女は鞄から小さなパンを取り出した。
 何を思ってか、私の目の前へとそれを差し出してくる。
 それは、私がこれから調達しようとしていた食料そのもの。
 人間が今日を生きる為に絶対的に必要な栄養分だ。
 胸を張る事ではないが、私は昨日から何も食べていない。
 思わずぐぅ、と私の腹が鳴った。

「食べない?」
「う」
 
 苦労して手に入れる筈だった食料が、自分から歩いて来たのだ。
 それも腐っていないパンなんて、ここ数週間口にしていない。
 ほとんど無意識の内に、差し出されたパンへと手が伸びる。
 それが施しだろうと哀れみだろうと、腹が満たされるのならばなんでもいい。
 むしろそれすら受けた事のない私からすれば、女の行為は暖かくさえ思えた。
 後ろから感じる人間の温度が、妙にこそばゆい。
 しかしそれでも。

「痛っ」

 しかしそれでも――――――

「あ、ちょっと……!」

 私は女の手を引っ掻くと、腕を振り払ってその場から逃げ出した。
 いかに空腹だろうと、救いの手を差し伸べられようと、最早私には人間を信じる事が出来なかった。
 ましてや自分に向けられた優しさや温もりなど。
 そんな物、この世界に存在する筈がないではないか。
 彼女だって他の人間達と同じ。
 ああやって食料をちらつかせて自分をからかっているだけだ。
 そう自分に言い聞かせるように、心の中で何度も何度も反芻しながら。
 私は孤独と言う名前の逃げ道を、全速力で駆け続けた。
 
「待ちなさい、こら!」 
 
 逃げ出した私の後を、女は走って追いかける。
 元々の身体能力が高いのだろう。
 走り始めてから数秒の間に、二人の距離はぐんぐんと縮まっていく。
 私には彼女がどうして自分を追いかけてくるのか、理解が出来なかった。
 こんな薄汚い魔女に何を期待しているのか、想像すらできなかった。 
 しかし、捕まってしまえば、何故か自分が自分ではなくなってしまいそうで。
 ただただ、強迫観念のままに女の手から逃れるべく走り続ける。 

 ……地の利は私に在る。
 私はこの辺りの道を熟知していたし、子供しか入れないような抜け道も知っている。
 時には盗みを行う事もある私にとって、逃げるのはお手の物なのだ。
 私は後ろに迫る女を一瞥してから、細い抜け道に身を投じようとして―――――

「はい、捕まえた」

 目の前に現れた女に目を丸くした。
 確かに一寸前に後ろを確認した際には、距離が開いていた筈なのに。
 まるで瞬間移動をしたように、もしくは時を止めたかのように、女は私の前に回り込んでいたのだ。
 Uターンをしようと急ブレーキをかけるが、もう遅い。
 哀れ私は走ってきた勢いそのままに、女の腕の中にすっぽりと収まってしまった。 
 ぞくり。
 心の中で恐怖の獣が鳴き声を上げる。
 先程、腕を引っ掻いてしまったし、ましてや私は周囲から迫害されている身。
 これから何をされるかなど想像したくもない。
  
「どうしても食べたくないならそう言いなさい。いきなり逃げられたらわからないじゃない」

 そんな私の恐慌とは裏腹に。 
 女はあっさりと私を解放すると、その頭をぽんぽんと撫でた。
 よく見るともう片方の手には、未だ先程のパンが握られていた。

「どうする?」

 女はそういって再び私の前にパンを差し出した。
 嗚呼、何と言う事だろう。
 つまりこの女はただ、パンを届ける為だけに追って来たというのだ。
 自分の手を引っ掻いた相手に、周囲から悪魔の子と蔑まれている、こんなみすぼらしい格好をした女の為に、である。
 何て酔狂な女だ、と私は思わず呆れてしまう。
 拒絶するのは簡単だった。
 無防備に伸ばされた彼女の手の叩き、パンを弾いてしまえばいい。
 そこまですればこの酔狂な女も、流石に愛想をつかして私の前から消えるだろう。
 しかし、どうやら酔狂なのは彼女だけでは無かったらしい。
 こんな魔女にパンを運んでくれた彼女の労力に、少しばかり応えてやりたいなどと、私は思ってしまったのだ。

「……ちょうだい」 

 そう言って小さなパンをひったくり、半分にちぎってさらに小さな塊にする。
 自分だけで食べればいい物をと心の中で自嘲しながら、もう半分を女に返してやると、女はとても満足そうに微笑んだ。
 くそ、気にいらない。
 人間は自分に向かって石を投げつける、大嫌いな連中の筈なのに。
 自分に向けて優しさを与える人間が居ると言う事実が私は気にいらなかった。 

「私の名前は咲夜よ」
「聞いてない」
「貴女の名前は?」
「名前なんて無い」

 私の言葉を聞くと、咲夜と名乗る女は「そっか」と呟いて私の頭をぐしゃぐしゃと撫でる。
 どうしてこの女は、こうも私を気にかけるのだろうか。
 私には、彼女の真意がさっぱり理解できなかった。
 そうして初めて感じる感覚に、むずがゆさを感じながら。
 二人は互いに背中を向けたまま、パンをむさぼり続けた。




























 それから、何度も追って追われを繰り返し。
 気がつけば私と咲夜は行動を共にするようになっていた。
 幸せな暮らしをしていると思われた咲夜だが、どうやら彼女もまた帰る場所が無いらしい。
 訳あって家を飛び出したとの事だが、彼女の過去になど興味はない。
 大事なのは今、私達二人が互いに暮らすべき家を持たないと言う事実。
 何とも都合のいい話だが、裕福なお嬢様の同情と言う訳では無く、私と似た境遇を持つ彼女の好意ならば、素直に受け取る事が出来そうな気がした。

「流石に名前が無いと不便だからね」
 
 ある日。
 そう言って咲夜は私に名前を送った。
 不吉と忌み嫌われた、魔女と罵られた銀髪を、飛びきり称えるような名前を。

「よく似合ってるわよ」
 
 その銀髪を優しい瞳で撫でながら、咲夜はゆっくりと私の名前を呼ぶ。
 彼女が与えたのはとても紛らわしい名前。
 私達が二人きりで呼び合う事だけを前提につけられた名前。
 どうしてこのような名前を彼女がつけたのか、私には全く理解出来なかった。
 理解は出来なかったが、そんな些細な事より自分を表現する名前が出来た事が、私は嬉しかったのだ。
 あの教育と言う名の虐待の中で学んだ『文字』に感謝する日が来るとは思いもよらなかった。
 ……生まれて初めて呼ばれる自分の名前は、酷くこそばゆかった。

「ねぇ、咲夜」
「なに?」
「どうしてアンタは、こうも私に良くしてくれるの?」
 
 問いただそうと思った訳ではなく。
 出会った時からの疑問が、無意識のうちに口をついて出る。
 周囲から嫌われる私に、好き好んで近付く彼女。
 何の見返りも期待できない相手に親切にする彼女。
 それは私にとって、理解の範疇を超えた存在だったのだ。
 対して咲夜は、私の疑問に少しだけ驚いたような顔をしたかと思うと。
 ふっと穏やかな表情を浮かべながら、その口を開く。

「貴女が、私によく似ていたから」

 それは初めて出会った時にも、彼女が口にした言葉。
 自分と私とを交互に指差して、にっこりと笑う。
 ……あの時憤慨した筈のその言葉が、今は少しだけ嬉しく感じられた。

「似てるかなぁ」
「ええ、とてもよく似ているわ。そっくりすぎて驚いたくらい」

 疑問に答えながら、私の頭をくしゃくしゃと撫でる。
 どうしてコイツは事あるごとに私の頭を撫でるのか。
 そう頭では考えながらも、私自身咲夜にそうさせれるのは嫌では無くて。
 私は気恥ずかしさから、思わず目を背けてしまう。

 自分に似ていたから近付いた……そう咲夜は言った。
 その言葉を信じるなら、もしも私が彼女に似ていなかったなら、咲夜は私に近付いたりはしなかったのだろうか。
 ただの赤の他人として、冷たくあしらっていたのだろうか。
 そう考えると今回私に手を差し伸べたのだって、結局はただの気まぐれだったのかもしれない。
 けれど、それでも良かった。
 彼女は確かに、私に手を差し伸べてくれたのだから。
 私達が今、互いの温もりを感じていられるのは紛れもない事実なのだから。
 
「さて、と。そろそろ夕御飯の支度をしましょうか」
「うん、今日のおゆはんは何?」
 
 嗚呼、まるで親子のようではないか。
 頭の上から聞こえてくる彼女の声を噛み締めながら、そんな事を思う。
 目の前に広がるのは相変わらず冷たい世界だったが、不思議と私の心は暖かな物で満ちていた。
 咲夜と二人、温もりを分け合っていけるなら、この世界でも生きていけるような気がした。
 この時私は生まれて初めて、誰かと共に在る幸せを噛み締めていたのだ。





 ―――――――けほっ。

 そんな幸せな時間に水を差すように。
 立ちあがった私の頭上で、小さな咳の音が鳴り響いた。
 それを皮切りに、こほこほと誰かの喉が苦しそうな音色を鳴らす。
 けれども、私は……決して後ろを振り返ろうとはしなかった。























 ――――――本当は、気付いていたのだ。
 彼女がもう、長くはない事くらい。
 私は未だ子供だが、自分と同じく世界から捨てられた人間達の死を、何度も何度も目の当たりにしてきた。
 死期の近い人間を見分けるのは得意分野だった。
 死臭……などと言う言葉でしか、学の無い私の言葉では表現できないが。
 咲夜からは間違い無く、その『死臭』が漂っていた。
 それでも、日に日に衰弱していく彼女と共に過ごしながら。
 私は死へと近付いて行く彼女の姿を見て見ぬふりをする。
 背後から忍び寄る死神の存在を、必死で否定する。
 認めてしまえば、本当に咲夜を失ってしまうと思ったから。

 何とか助ける方法はないかと奔走するが、私に力を貸してくれる者など居る筈も無く。
 咲夜もまた、既に全てを受け入れているかのように、自分の死期に抵抗をしなかった。
 だから無力な私はただ願う。
 どうか、私の幸せな時間を壊さないでください。
 ようやく見つけた温もりを持っていかないでください。
 けれども悪魔の犬のささやかな願いなど、残酷な神様には届く筈も無く。
 終焉の時は、呆気ない程簡単に、私達の前に訪れた。





「残念。タイムリミットみたい」

 寄せ集めの物で作った疑似ベッドに寝転がりながら。
 咲夜は極限まで生気の薄れた目をしながら、緩慢な動作で口を開いた。
 最早、死臭などと言う物がなくてもわかる。
 間もなく、彼女の短い人生は終わりを遂げる。
 時の能力者の癖に、自身のタイムリミットは伸ばす事が出来なかったのだ、彼女は。

「もう少し、貴女と一緒に過ごしたかったのだけれど」
「……残念ね」
「ええ、本当に残念」
 
 心底残念そうに、溜息を吐きながら。
 それでもやはり笑顔を浮かべて、彼女は私の髪を撫でる。
 その手はすっかり冷たくなり、最早私に彼女の温もりを伝えてはくれなかった。
 その事実が堪らなく寂しく、そして悲しい。 
 ……果たして今、私はどんな表情をしているのだろう。
 酷く悲しい顔をして、彼女を困らせてはいないだろうか。
 そればかりが本当に心配だった。
 与えられてばかりで、何も返す事の出来なかった私だが。
 せめて彼女の死くらいは、安らかな気持ちで迎えさせてあげたかったのだ。 

「何か、出来る事はない?」

 だから私は最後の時を迎えようとする彼女に向かって、こう尋ねる。

「急にどうしたの?」
「いいから」

 せめて彼女が悔いを残さずに死んでいけるように。
 出来る限りの事はやってあげたかった。
 自分に出来る限りの真剣な表情で、彼女の瞳を覗きこむ。
 虫のいい話だと自分でも思う。
 けれどそれくらいしか、私には彼女を送る方法が思い付かなかったのだ。
 そんな私のささやかなエゴに対して、彼女は何を思ったのか。
 長く……本当に長く何かを考えたかと思うと、咲夜はゆっくりとその双眸を閉じる。

「……それなら、一つだけ」
 
 震える手で取りだすは一通の手紙。
 
「この手紙を届けて欲しい。私の帰りをずっと待っている大切な人に」

 カサリと乾いた音を立てて。
 宛先のない封筒が、私の手に乗せられる。
 本当に大切な人に向けられた手紙なのだろう。
 言いようも無い彼女の想いの重さが、私の掌に圧し掛かる。
 どうして彼女が、今の今までその手紙を出さなかったのか。
 そんな事は、最早私にとってはどうでもよかった。
 私の心を乱してやまないのは、もっと別の事実だった。
 
 彼女にはやはり、帰りを待ってくれる者が居たのだ。
 帰る場所は無いと言っていた彼女には、確かに居場所があったのだ。
 真実を隠して私の側に居続けた咲夜の愚行に、私は唇を噛み締める。
 たくさんの温もりが彼女の周りにはあった筈なのに。
 もっとずっと暖かなベッドで、彼女は眠りにつく事が出来た筈なのに。
 どうして彼女は……咲夜は、こんな冷たい世界で冷たくなろうとしているのだ。
 そんな事……考えるまでもなかった。
 私だ。
 私という存在の為に、彼女はここに居続けたのだ。
 不吉な魔女と一緒に居ても何も得られない事など彼女にはわかっていた筈なのに。
 それなのに、彼女は私と共にいる事を選び。
 その結果、こうして雪のように冷たくなってしまったのだ。
 全く、愚かしいにも程があるではないか。
 それならば、私は。
 彼女の愚かな行為に、私が返してやれる……精一杯の恩返しは一体何だ。
 頭を悩ますが、いくら悩もうと出来の良くない頭が導き出す答えは一つ。
 この程度で、彼女の恩を全てを返せるなんて思ってはいないが、それでもせめて。
 せめてそれくらいはしてやらないと、彼女が安心して眠る事が出来なくなってしまう。
 私は力強い瞳で彼女を見つめ返しながら、強く、強く彼女の伸ばされた手を握りしめる。


 ――――――手紙は、確かに受け取った。









***********************














「はぁっ……はぁっ……」


 雪の降る山道を、私は走る。 
 今は亡き大切な人との思い出を、首から下げながら。
 一分でも速く。
 一秒でも速く。
 彼女との約束を果たすべく、次第に感覚の無くなってくる足を必死に前へと送る。 
 ―――――見ろよ、悪魔の使者だ。
 ―――――汚らわしい魔女だわ。
 ―――――不幸を呼び寄せる死神め。 
 降り注ぐは罵声の嵐。
 私の進む先進む先で、容赦ない言葉の暴力が私を襲う。
 ……何とでも呼ぶがいい。
 何と呼ばれようと、私は痛くも苦しくも無い。
 私にはもう、消えない名前があるのだから。

 『Flowering Night』

 闇夜に咲く一輪の花のようだと言ってくれた。
 誰もが忌み嫌ったこの銀髪を、その美しい手で撫でてくれた。
 優しさも温もりも全て詰め込んで、私を受け止めてくれた。 
 もし、忌み嫌われた私にも。
 悪魔の犬と呼ばれた私にも生まれた意味があるのだとしたら。
 きっと私はこの時の為に生きて来たのだろう。
 ならば命ある限りは走ろう。
 この旅路の終着点まで。


















 そんな私の、長く短い旅路の終わり。
 咲夜からもらった地図の終着点。
 駆ける私の目の前に、突如大きな館が姿を現した。
 ……つい先程まで、こんな物は無かった筈。
 驚いて辺りを見回すが、先程まで自分が居た山道は影も形も無い。
 辺りに積もっていた筈の雪も、いつの間にかその姿を消していた。
 自分の見ていた光景の、急激な変質。
 それはまるで、異世界に一人飛ばされたような異様な感覚であった。

 狼狽しながらも、何とか状況を把握しようとしてふと気付く。
 大きな湖のほとりの紅い館。
 その外見は咲夜の大切な人が住むと言う館の特徴と一致していた。
 その名――――――紅魔館。
 だとすれば、私は辿り着いたのだろうか。
 あの旅路の果て、咲夜の大切な人が待つ館へと到達する事が出来たのだろうか。
 確かに私は地図をなぞってここに辿り着いたし、外見も咲夜の説明と酷似している。
 それだけを考えれば、この建物が紅魔館で間違いない。
 しかし、現実に私に起こりえた事は余りにも数奇で。
 現状でここを紅魔館だと断定するには、少しばかりイレギュラーが過ぎたのだ。
 ……いや、そんな事を言ってる場合ではないか。
 どの道ここが紅魔館で無ければ、次を探す気力は残されていない。
 私に出来る事は、この館を紅魔館だと信じてこの手紙を届ける事だけ。
 石のように重い足を引き摺りながら、大きな門へと向けて歩みを進める。
 
「どちら様?」

 息も絶え絶えな私の目の前に、赤い髪をした女が壁のように立ち塞がる。
 門の前にどっしりと構えるその女は、この館の門番か何かなのだろうか。
 その動きを見るに、どうやら私の行く手を塞ごうとしているらしい。
 とは言えそれは、少し歩くのも億劫な今の私にとってはむしろありがたい出迎えで。
 精一杯上を向いて、はるか上空に在る彼女の顔を覗きこむ。

「ここは、紅魔館……?」
「確かにここは紅魔館だけど。それでお嬢さんは一体誰なのかしら」

 後半の言葉は、最早私の耳には入らなかった。
 ――――――確かにここは紅魔館だけど。
 目の前の女が確かに口にした言葉が、私の頭の中に反響する。
 そうか。
 私は辿りついていたのか。
 目的地への到着を知り酷く安堵した私は、思わずその場にへたり込んでしまう。
 そんな私の様子に、女は訳がわからないといった風に溜息を吐いた。
 とにかく起こそうと思ったのか、私の身体に手を伸ばそうとして。

「それ……」

 ただ一点を見つめ続けたまま、ぴたりと女の動きが止まる。
 呆然としたように開かれた、その唇が僅かに震えだす。
 彼女の視線の先に在るはただ一つ。
 私の首からぶら下がっている、咲夜の懐中時計であった。
  
「さ、くやさん……?」

 ふと、女の声が私の大切な人の名前を呼んだ
 その声が、安堵に包まれていた私を現実に戻らせる。
 そうだ。
 私はまだ、何一つ為してはいない。
 彼女との約束を果たせていない。
 慌てて懐に手を伸ばすと、大事に……本当に大事にしまわれた一通の封筒を懐から取り出し。
 そして、目の前の女へと差し出した。

「これ、咲夜さんの?」
「うん、咲夜からの手紙」
「……届けてくれたの?」

 震える彼女の声に、こくりと頷く。
 この手紙を受け取ってもらえば、私の役目は終わりを告げる。
 それは私にとっての本当の意味での旅の終焉。
 ここが何処かとか、これからどうしようかとか、そんな事は最早どうでも良かった。
 私にとっては、彼女の手紙を届ける事が全てなのだから。  
 そうやって咲夜との思い出を振り返りながら、終焉を待つ私の手が。 
 不意に目の前の女により、力強く掴まれる。

「来なさい」
「え?」
「最後まで、自分の手で届けなさい。他ならぬこの手紙の宛先の御方に」

 それは誰?
 そう私が尋ねるよりも早く、彼女は私の身体を軽々と持ち上げる。
 そして無言のまま門をくぐると、その館の扉へと歩を進めた。

 
 

 








 大広間へと通された私を待っていたのは、私と同じくらいの背丈をした少女だった。
 その瞳はまるで血液のように真紅に輝き、背中からは蝙蝠の翼が生えていて。
 悪魔だ――――――理屈ではなく、私の本能がそう叫んでいた。

「お前が咲夜の手紙を?」

 こちらも人間ではないであろう、数え切れない程の侍女に囲まれながら。
 おおよそ少女とは思えぬほどの荘厳な空気を纏ったた悪魔は、ゆっくりとその口を開く。
 怖い、などとは思わなかった。
 悪魔などよりずっと恐ろしい、人間という存在を私は痛いほどに知っていたから。
 むしろ私を必要以上に恐れないと言う意味では、人間より彼女達の方が余程暖かな存在に思えて。
 けれど人間では決して纏えないであろう、その圧倒的な威厳を目の当たりにして、私はただただ圧倒されて、その場に立ち尽くすのだった。

「ほら」

 隣で跪いていた赤髪の門番が、私の足を小突く。
 呆然としていた私は、それではっと現実に引き戻された。
 いかん、何を気押されている。
 すーはーと、深呼吸をして自分の心を落ち着けると。
 先程渡しそびれた手紙を今度こそ渡すべく、私は少女のもとまで歩を進める。
 遠目で見るに私と同じ程の背丈だった彼女は、間近で見ると一際大きな存在に思えた。

「……御苦労」

 悪魔は差し出された手紙を、ぶっきらぼうに受け取った。
 その表情は、期待と不安がないまぜとなったかのような複雑な物。
 あそこまで荘厳な雰囲気を纏っていた悪魔が、そんな表情をする事が何処か意外だった。
 そんな私の思考など、まるで意に介さないように。
 少女は受け取った封筒をまるで宝箱を開けるように大事に大事に開くと。
 中から数枚の便箋を取り出し、すぐさまそこに書かれた文字に目を落とす。
 私自身、あそこに書かれている内容は全く把握していない。
 果たしてあそこには、咲夜のどのような想いが記されているのか。
 果たして手紙を読み終えた時、悪魔はどのような表情を見せるのか。
 それが堪らなく知りたくて、同時に知るのが怖くもあった。 

 カチコチカチコチ。
 聞こえるのは時計が規則正しく時を刻む音のみ。
 永遠のように長い沈黙が、大広間を包み込む。
 その中で悪魔はただひたすらに咲夜からの手紙を読みこみ。
 私や門番、それに侍女たちはただひたすらに彼女の言葉を待っていた。
 そんな静寂が支配する世界を――――――

「はは、ははははっ……!」

 突如として悪魔の笑い声が破壊する。
 それは私としてはまるで予測だにしていなかった少女の反応で……また彼女の側に控える侍女達にも予想外な反応だったらしい。
 唖然とする私達など視界に入っていない様に、悪魔は腹を抱えて笑い続ける。
 
「本当に、最後までやってくれたな……アイツは……」
 
 少々苦しそうに息を荒げながら。
 一しきり大声で笑い終えた少女は、くく、と喉を鳴らして天を仰ぎ見る。
 余程、手紙の内容がおかしかったのか。
 その口元は未だ、愉しそうに歪んだままだ。
 そう、悪魔は間違えなく笑っていた。
 なのに……どうしてだろう。
 私には彼女の笑顔が、まるで涙を流しているように見えたのだ。
 果たして私の直感は当たっていたのか、それとも見当違いだったのか。
 ふぅ、と小さく溜息を吐いた悪魔は、その鋭い瞳で私の事を射抜き。
 大きく手を広げながら、彼女の言葉を待つ聴衆達に向かって、大仰に宣言した。




「さぁ、諸君。宴の準備を! 『咲夜』の帰還だ!」

 え?
 それはどう言う……。
 彼女の言葉の真意が、私には理解できなかった。
 
 『咲夜』
 
 それは他ならぬ、私に手紙を託した今は亡き親友の名前。
 私に温もりを与えてくれた大切な人の名前。
 そして同時に――――――彼女の与えてくれた、私の初めての名前だった。
 私達二人の名前がホールへと響き渡り、今まで沈黙を守っていた侍女たちからどよめきが起こる。
 横で跪く門番までもが信じられないと言った表情を浮かべ、皆一様に、私へと視線を注いでいた。
 対して、その騒ぎを起こした張本人である悪魔は、あくまで表情を崩さず。
 何処までも傲岸に、けれど何処か優しげに笑みながら、『咲夜』へと手を伸ばす。
 ……他ならぬ『私』の目の前へと。
 
「おかえり、咲夜……そして初めまして、十六人目。今日からお前は我々の一員だ! 紅魔館はお前を歓迎しよう!」

 何一つ理解できていない私に対して説明するように。
 悪魔は一つ一つはっきりと、けれども優しく言葉を紡ぐ。 

「死期を悟ってから、あの馬鹿はずっと探していたんだ、自分の跡を継ぐ者を。この館に唯一済む事の許される『人間』を。そしてお前は選ばれた……わかるかい?」

 悪魔の質問に、私は首を横に振る。
 彼女が果たして何を言っているのか、出来のよろしくない私の頭ではほとんど理解できなかった。
 ただ、たった一つ。
 たった一つだけ私にもわかる事がある。
 嗚呼、私は……また咲夜に与えられたのだ。
 名だけに留まらず、温もりだけに留まらず。
 彼女は自分自身の大切な場所、自身の居場所までをも私に与えてくれたのだ。
 これまで何一つ返す事の出来なかった私に対して。

『貴女が、私によく似ていたから』

 あの時の彼女の言葉が、笑顔が、私の中で蘇る。
 ……ちくしょう。
 今更だ。
 今更になって、ようやく彼女の言葉の真意が理解出来た。
 彼女は始めから、自分の全てを私に与えるつもりだったのだ。
 止まっていた私の時計を進めるために、私に近付いたのだ。
 何一つ私に告げようとはせず。
 ただただ、私の隣で楽しそうに笑いながら。
 嗚呼、何て酷い女なんだろう! 
 一生かかっても返す事の出来ない程の愛情を私に送りつけておいて。
 その癖、自分は勝手に一人で消え去って……!
 これでは私なんかより彼女の方が余程、悪魔と言う名に相応しいではないか!
 そうやって、もう二度と届かない恨み事を心の中で叫びながら。
 ぼろぼろと。
 瞳から、暖かな滴が零れ落ちる感覚を私は感じていた。 
 とうに枯れたと思っていた涙腺から、まるで壊れた水道みたいに水が溢れ続ける。
 震える手が、首から下げられた彼女の懐中時計をぎゅうと握りしめる。
 規則正しく動く秒針は今、止まってしまった彼女の時の代わりに、私の時を刻んでいた。
 
「……名前を、つけてやらないといけないな」
 
 泣きじゃくる私の頭を優しく撫でながら。
 『咲夜』の家族である悪魔は薄く笑んで、私に名を贈ろうとする。
 しかし、そんな彼女の好意に、私はゆっくりと首を横に振った。
 嗚咽を必死に抑えながら、自分の意思を言葉にする。

「名前はっ、もう……、ある……っ」

 彼女の与えてくれた、世界で一番素敵な名前が。
 私と彼女が繋がっている事の証明である、その名前が。
 それだけあれば、私にはもう十分だった。
 対して少女は、私の言葉を聞いて嬉しそうに頷きながらも。
 その双眸を閉じて、ゆっくりと言葉を紡ぐ。
 
「知っているさ、知っているとも。けれどそれだけじゃあ困るんだ。お前の名前を呼ぶのはもう、アイツだけじゃないんだから」

 少女の声を聞いて……顔を見上げて、初めて気付く。
 笑顔を浮かべている彼女の頬にもまた、一筋の滴が流れていた事に。
 きっと彼女にとってもまた、咲夜は特別な存在だったのだろう。
 私達は顔を見合せながら、同じ存在を想い涙を流す。

 そして、最後に。
 涙に濡れた悪魔は十六番目の花に祝福を込めて。
 世界一素敵な名の前に、私が彼女の次である事の証を―――――
 私が私自身である事の証を添えて、私を抱きしめてくれた。




 ―――――十六夜 咲夜を抱きしめてくれた。

















 
元ネタはBUMP OF CHICKEN 『K』
いつもインスピレーションを刺激してくれるBUMPに最大級の感謝を
あと三人のおじさんは神
手負い
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コメント



0.2940簡易評価
3.100名前が無い程度の能力削除
懐かしいですねK。あれは涙腺ブレイカーでした
そしてこの話も涙腺ブレイカー
4.100名前が無い程度の能力削除
上手く言葉じゃ言えませんが・・・よかったです
5.90名前が無い程度の能力削除
グッドシリアス
6.100名前が無い程度の能力削除
いいお話でした
あと三人のおじさんは神
7.90名前が無い程度の能力削除
うぅむ、そう来ましたか
咲夜が死んだと思った時はどうしようかと思ったけど、最後まで読んでよかった
素敵な話をありがとう
8.100名前が無い程度の能力削除
面白かったです
11.100名前が無い程度の能力削除
感動した
12.100名前が無い程度の能力削除
うわあああああああああああ
13.100ぷりずん削除
元ネタのKは知っていたので、きっと泣くなぁと思っていたら、案の定鼻水ぶっ垂らしながら泣いてました。とてもgjでした。
14.100名前が無い程度の能力削除
最後の方、やけに読みにくいんだがどういう事なの・・・ぐすっ
15.100遷都山削除
大好きな曲と大好きなキャラ、きれいに纏まり心にしみわたりました。
新しい視点でしたが、すんなり溶け込めて読みやすかったです。
16.90名前が無い程度の能力削除
正直序盤で切ろうと思った。
切らなくてよかった
17.70名前が無い程度の能力削除
文章は口当たり良く綺麗に溶けていったのですが、
オチが読めてしまったことと二人の少女の交流を少し省き過ぎかなと思ったのでこの点数で。
私がネタ元(?)の曲を知っていれば、あるいはまた別の評価になったかもしれません。
19.90名前が無い程度の能力削除
これはすごいな
21.100名前が無い程度の能力削除
まず読み終わってすぐに浮かんだのが、「上手い」という感想でした。
構成が分かりやすくまとまっていて、元ネタを上手く調理しつつ、かつ自分のオリジナルの作品として昇華させたのはお見事の一言。
文量も多くなく、さくっとするっと最後まで読めたのもグッド。
素晴らしい。久々に全力で百点をつけたいと思わせられるSSでした。
22.100名前が無い程度の能力削除
感動した…。ちくしょー、Kを使うとは…。

GJです(´∀`)
23.100v削除
もう、その、何つーか、咲夜さんは本当に瀟洒だな……っ!!
十六人目、かー…途絶えず続いて来た家族の一員。
紅魔一家はどこまでも続くよ!!
25.90名前が無い程度の能力削除
バンプのKタグにつられてほいほいやってきたよ
話は大体あの歌の通りに進んで行くだけで驚きとかは無いんだけど
最後のシーンでちょっとうるっときてしまった……

歌詞をところどころに挿入してあるのも良い。久しぶりに聴いてみようかな。
ネットでフラッシュで見てkという曲を知ってから7年くらいか?今またこの曲を題材にした素敵な作品が生まれた……すごいなぁ
26.100名前が無い程度の能力削除
綺麗なお話でした。
30.100名前が無い程度の能力削除
文がすぅっと中に入ってきてとても読みやすかったし、
いいお話でした。
31.100名前が無い程度の能力削除
これはよい話だ。・゚・(ノд`)・゚・。
35.100無休削除
Kのタグ見てもしやと思っていたがやはり涙腺決壊… なのに誤字らしき物を発見

この館に唯一済む事の許される
この館に唯一住む事の許される
36.100名前が無い程度の能力削除
いい話でした・・・
『十六夜』もまた、彼女にとって失いがたい名になるんでしょうね。
39.100名前が無い程度の能力削除
なんという涙腺ブレイカー…
GJでした。
40.100名前が無い程度の能力削除
うわあ・・・SSでこんなに感動するとは思ってませんでした;;
涙こそ流さなかったけど曲とリンクしてる部分とか鳥肌もんでした
Kェ・・・
46.100名前が無い程度の能力削除
あなたに藤原もこ央の称号を与えたいのだが異論はあるだろうか
48.100名前が無い程度の能力削除
ぬぅ……これは久々にゾワワっと来ました。GJ!!
49.100名前が無い程度の能力削除
畜生!手負いさんの新作予告が出てから、爆笑して涙を流してやろうと思い続けてたのに……!

なんで、なんでよりによって「K」を出すんですか!?かつてのFlash作品全盛期にディスプレイの前で涙を流してた俺にとっては落涙確定の内容でした。良い作品を贈っていただきありがとうございます。
手負い様は幻想郷のラフメイカーですね。
52.100名前が無い程度の能力削除
久しぶりに100点置いてきますね
あと三人のおじさんは神
53.90名前が無い程度の能力削除
Flowering Nightでなるほどと思った
56.90名前が無い程度の能力削除
なるほど。    Flowering 「K]Night    ってことですね…
57.100名前が無い程度の能力削除
泣きました
十六人目かぁ…
60.100名前が無い程度の能力削除
パーフェクトだウォルター
70.100名前が無い程度の能力削除
ぞくぞくしちゃいましたぜ
75.100葉月ヴァンホーテン削除
素晴らしかったです。
どうして同じ咲夜もので、こうも差が出るものか……。
色々言いたいことはあるのに、上手く言葉に出来ないので、一言。
ただただ、お見事……!
77.20名前が無い程度の能力削除
シリアスなので厳しいめに。
全体的に描写が薄っぺらい。
元ネタの歌詞を無理矢理なぞろうとしていて節々に無理が生じている。
結局咲夜が少女を助けたのは素質があったからと言った偶然であって、
元ネタのような感動が無い。

自分はバンプのファンでは無いが、バンプ好きで東方にあまり興味が無い人が
読んだらオマージュではなくて単なるパクリにしか見えないのではないかと思った。
80.100名前が無い程度の能力削除
これは巧いなぁ
87.100ピエロ削除
そう来ましたか。・・・上手い。確かにKですね。
88.100名前が無い程度の能力削除
手紙を渡したシーンで気付きました。
名曲に上手くなぞらえていて、それでいてちゃんと東方らしい。
良い作品でした。あと、三人のおじさんは自分も名曲だと思います。
89.無評価名前が無い程度の能力削除
咲夜の名前をそう解釈するとは、素晴らしい発想。
涙腺をじんじん刺激されました。

あと三人のおじさんは神
90.80図書屋he-suke削除
この発想は不思議と悪くない。
あと、Kはよく知らない
あと、三人のおじさんは神
91.90名前が無い程度の能力削除
K聞くたびに涙腺決壊する俺にこのお話は反則だと思うの。
106.100リペヤー削除
GJ。BUMPが大好きなのでタグを見た瞬間からワクワクしてました。
その期待を裏切らずに見事に書き切ってくれた作者様に最大限の感謝を。
108.100雪夜削除
感動した!!
がち泣きしたもん  (ぐすっ)